二次創作小説(新・総合)

Re: 戦闘中~地球を守れ~【作者応募】 ( No.30 )
日時: 2020/01/11 10:09
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

メープルが出撃してすぐあと、会長室の洗面台でスターは顔を洗い、鏡を見た。いつもなら映るのは自分の顔。だが、今は違う。
顔立ちこそ自分に似ているが黒髪黒目で残忍な笑みを浮かべた男の顔だ。服装は黒一色で統一されており、不気味さが漂う。それを見たスターは、目を大きく見開いた。

スター「やはり、封印が弱まってきている!」

鏡の中の男に恐れおののき、2、3歩後退する。


???「そうだ……」
スター「その声は、エドワード! どこにいる!」
エドワード「冗談を口にするのはよせ。お前の目の前にいるじゃねぇか」
スター「私は疲れているのだろう。コレは何かの悪い夢だ」
エドワード「生憎だが夢じゃねぇ。本当は気付いているんだろう? 
俺の封印が綻びはじめているってことになぁ!」
スター「あり得ない。君は私達が完全に封じたはずだ。絶対に解けぬ場所に」
エドワード「だからそれが弱まってきているってことさ。さっき、自分でも口にしていたじゃねぇか。
不動仁王はひょっとすると、俺の存在に気付いているのかも知れねぇ。
もっとも、気付いたところで手出しはできねぇだろうがよ」
スター「君は私にとって唯一の失敗作だ!」
エドワード「そんなこと言っていいのかよ。俺を否定するって事は、お前自身を否定する事にもなるんだぜ」
スター「くっ……」
エドワード「封印が全開放するタイムリミットは迫っているぜ。
さあ、どうするスター=アーナツメルツさんよお!」

クワッと目を見開き、牙を全開にした悪魔の形相で嗤う謎の男。
スターは顔を手で覆い、後ろを振り向いた。今はこの男と話してはいけない。
1分、2分。時計のカチコチと時を刻む音だけが聞こえる。
恐る恐る鏡をのぞくと、そこにはいつもと変わらない自分の顔があった。
スターは安堵し、タオルで顔を拭く。そこへジャドウが入ってきた。
フラつき、立つこともままならないスターに状況を察し、肩を貸して椅子に座らせる。


ジャドウ「スター様、どうなされたのですか!?」
スター「ちょっと困った事になったみたいだね。完全な油断だった。封印が、綻びはじめている」
ジャドウ「では、エドワードが!」
スター「最悪の場合は、彼が蘇るかもしれない……もしもそうなった時は、宇宙の平和の為に、君が私を――」
ジャドウ「スター様、諦めてはいけませんぞ。今からできる限りの対抗策を取らなければなりませぬ」
スター「そう……だね。弱気になってすまない」
ジャドウ「何も謝ることはありませぬ。そうだ、ラブライブとプリキュア共を収容している部屋へ参りましょう。スター様のお気持ちも和らぐかもしれません」
スター「君にしては、信じられぬ言葉だね。だが、ありがとう」
ジャドウ「吾輩はスター様の為ならば己の恥など些細な事と思っております」

スターは彼の揺るぎない忠誠心に薄く笑った。