二次創作小説(新・総合)
- Re: 戦闘中~地球を守れ~【結果発表!】 ( No.33 )
- 日時: 2020/01/11 20:08
- 名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)
ゆうき「ことりちゃんは今日も可愛いね」
ことり「ゆうきさん、ありがとう♪」
ゆうきとことりはこの日もイチャイチャとしていた。
休日なので1日デートということもあってか、その互いの愛情にはいつも以上に熱烈なものがあった。そんな彼らを遠くから見つめる少女が1人。紫色の瞳を爛々と輝かせ、全身から禍々しいオーラを放っている。
???「あの2人は幸せそう。私とは大違いね。でも、それも今だけよ。だってあなた達の人生は今日で終わるのだから」
くすりと笑うと、ゆっくりと下降し地面に降り立つ。そして金髪を靡かせ、客として遊園地へと入り込んだ。
ゆうきとことりは観覧車に乗り込み、赤面しながらも楽しいことや好きなテレビ番組の話など他愛無い話題に花を咲かせた。彼らは幸せだった。大好きな人と2人きりで過ごす時間ほど至福のものはない。心からそう思い、満喫していた。観覧車から降り、次はどこへ行こうかと話していると、1人の少女が声をかけてきた。
???「あなたが南ことりね。隣の男の子があなたの彼氏?」
ことり「うん。そうだけど、あなたは誰なの」
???「私はスター流のメープル=ラシックよ。よろしくね」
金髪のツインテールに黒いエナメル生地のへそ出し服を身に着け、棒付きの飴を咥えた少女は口の中の飴をゴロゴロと転がしながら挨拶をする。彼らも型通りの挨拶を済ませると、メープルは要件を呟く。
メープル「あなた達には何の怨みもないのだけれど、私に倒されて」
腰のガンベルトの左側に銃の代わりに口に含んでいた飴を忍ばせ、右側から銀色に輝くフルートを取り出し、柔らかな音色を奏でる。
どうやって収納しているのか気になったゆうきだったが、そんなことが問題ではなくなる。メープルが演奏をはじめた途端、強烈な頭痛に襲われたのだ。
ゆうき「ぐ……ああああああ!」
頭を抑え、その場にうずくまるゆうき。横を見るとことりも同様の目に遭っている。大汗を掻きながらも、ゆうきは敵を見据え強い口調で言った。
ゆうき「ことりちゃんになんてことしやがる!」
メープル「あなたからはこれまで嗅いだことがないほど強い恋の香りがするわね」
ゆうき「恋の香りなんてわかるのかよ」
メープル「他の人はどうかわからないけど、私はそうなのよ」
演奏を中止するとフルートを振り上げ、ことりの頭に一撃。
ことり「かっ……」
額が割れ、流血することり。
演奏が終わったので頭痛もなくなったが、ダメージは深い。
臨戦態勢に入れないと判断するなり、メープルがことりの脇腹を蹴った。衝撃波が発生し、ことりは近くの白い柱まで吹き飛ばされてしまう。フルートを収め、再び飴を転がす少女。
メープル「こんなに弱いの? これなら私の願いも簡単に叶えて貰えるかもしれないわね」
ウフッと気品のある笑いをして、ことりの後頭部を掴むと、柱に叩きつける。1回、2回、3回。細腕とは思えないほどの怪力で叩きつけられるため、速度も威力も相当なものがあり、柱はことりの顔面が着弾する度に亀裂が走る。今にも真ん中から折れてしまいそうなほどだ。ことりが顔面を血で真っ赤に染め上げられながらも、抵抗の素振りを見せない。
メープル「私の実力差を察したのか、それとも無抵抗で耐えて同情して欲しいとでも思っているのかしら。まあ、どちらにしてもあなたの行先は同じ……あの世よ」
もう一発衝突させると衝撃に柱は耐えかね、遂に折れた。鋭利な先端がことり目掛けて落下してくる。素早い動きで跳躍し難を逃れるメープルだが、ことりは動けない。迫る切っ先。だが、寸前のところでゆうきが猛ダッシュしてきた。
ゆうき「うおおおおおおお!」
間一髪。体当たりで柱を粉砕し、ことりをお姫様抱っこで救出。
ことり「ゆうきくん!」
ゆうき「ことりちゃん、大丈夫?」
ことり「はい……」
王子様のようなゆうきの態度にことりは耳まで赤くなり、胸の奥がキュンとなる感覚を覚えた。高鳴る鼓動を抑えつつ、まずは目の前の問題に立ち向かう。ゆうきの傍で並び立ち。
ゆうき「俺とことりちゃんはお前に負けない」
ことり「ちゅん♪」
メープル「魔笛であっさり倒しては甲斐がないと思っていたけれど、これなら面白い戦いになりそうね。南ことり、ゆうき、あなた達に教えてあげるわよ。スター流の掟を破った者がどうなるのか、骨の髄までね」
気品ある口調ながらもメープルの目は笑っていない。
ドンッ!
両者は地面を蹴って同時に飛び出し、中央で激突。
激しい殴打と蹴りの合戦がはじまった。