二次創作小説(新・総合)
- Re: 戦闘中~地球を守れ~ ( No.35 )
- 日時: 2020/01/12 15:15
- 名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)
ゆうき「生憎だったな。ことりちゃんのとさかは俺にとってはご褒美なんでね、痛いどころか最高の気分だったよ」
額を割られ、赤い血がダラダラと流れながらもゆうきは立つ。ことりは失神したままだが、彼女が回復するためにも、ここは自分が頑張る必要があるのだとゆうきは己を奮い立たせ、再び大剣を手に取り構える。その姿は姫を守る勇者のようだ。メープルが組み技を仕掛けようとすると、剣を振るって彼女の接近を許さない。背後に回ろうとすると、跳躍し上空で反転して大剣を力任せに振り下ろす。だがメープルは真剣白羽取りで対応し、刃をキャッチ。細身の体に似合わない剛力で折ろうとするが、どれほど力を込めても剣は曲がらない。
ゆうき「俺の剣も進化したんだよ」
相手が剣に注意を向いている隙にパッと手を放すと、一瞬の硬直を逃さず喉元に肘鉄を打ち込む。更に再び剣を掴むと、白羽取りを押しのけ、彼女の腹に剣を突き刺した。へそ出しの腹から鮮血が噴き出し、口からも吐血するメープル。露出が高い分、防御力は低下する。何個目かのキャンディーをガンベルトから取り出し、口に含むと悔しさでガリリと噛み砕いてしまう。目は若干つり上がり、頬は僅かに膨れ、不満が顔に出ているのは明らかだ。そこへゆうきは大剣で袈裟斬りを2撃浴びせる。メープルはXマークに斬られ、噴水のように血飛沫が発生するが、大きくのけ反りながらも倒れない。血の池レベルの大量出血にゆうきもやり過ぎたかなと反省の色を見せる。相手は女なのだが、男の自分が非情に徹するのはやはりよくないのではないか。
彼の騎士道精神とも言える心が迷いを生んだ。
メープル「まだよ。まだ、負けられない!」
恐るべき執念で体内の大量の血を失いながらも、ゆうきに迫ってくるメープル。その美しい顔はゆうきに対する憎悪で歪んだ笑顔になっている。ゆうきが戦慄していると、ことりが目を覚ました。今度はことりが手を広げ、ゆうきを守ろうとする。
メープル「あなた如きに何ができるって言うのよ……ハァハァ」
ことり「メープルさん、もうやめて。この傷で戦ったら命が危ないよ」
メープル「あなたに心配されるほど落ちぶれてはいないわよ。それに、私は勝たなければならないの。願いを叶える為にいいい!」
狂気的な笑みを宿し、最後の突進を仕掛けるメープル。弾丸のようなそれがくることを予測したことりは素早く背後に回って、コブラツイスト。
ことり「私の新しい技! ちゅんちゅんツイストだよ♪」
メープル「まさかあなたが頭突き以外の技を使えるようになるなんて思わなかった。けれど、私はまだ終わりじゃない……」
満身創痍のメープルがガンベルトから取り出したのは黒の棒付きキャンディー。それを口に含み、血走った眼でことりを睨む。
メープル「せめてあなたを道連れにして逝くわ。南ことり!」
カリッ
キャンディを一噛みすると、ゆうきの目の前で盛大な爆発が起きた。
爆炎と黒煙が舞い、遊園地のアトラクションにダメージを与えていく。黒いキャンディーは自爆用だったのだ。
ゆうき「ことりちゃああああああああああん!」
絶叫するゆうき。だが、次の瞬間、ススまみれでボロボロになりながらも、ことりがフラつく足取りで現れた。
ことり「ゆうきくん、ことりは無事だよ」
ゆうき「良かった。本当に良かった!」
倒れかけることりを支え、ゆうきは抱きしめた。
だが、ことりの顔色は冴えない。
ことり「でも、メープルさんを救えなかった……」
ゆうき「あの子、願いを叶える為とか言っていたな。きっと願いのために利用されたんだ。可哀想に……」
美琴「ことりさん、聞こえますか。ことりさん」
ことり「美琴さん、メープルさんに勝利しました」
美琴「どうにか、倒せたのですね」
ことり「はい。でも彼女の命は救えませんでした。ごめんなさいっ」
美琴「……そうですか。でも、彼女もスター流の犠牲者の1人です。
彼女のような犠牲者を減らすためにも、早くこの悲しい戦いを終わらせなければいけません。これから、集合場所を伝えますから、そこに来てください。私に協力してくださる方々と一緒に作戦会議がしたいんです」
ことり「わかりました」
美琴「集合場所は日本はすこやか市のカフェです」