二次創作小説(新・総合)

Re: 戦闘中~地球を守れ~【感想大歓迎!】 ( No.42 )
日時: 2020/01/14 20:15
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

星野は浮遊すると翼を羽ばたかせて、羽の1枚1枚をクナイのように飛ばしていく。サクサクと床に刺さるそれを転がりながら躱していくゆうきとことり。
突風を起こして2人を壁際まで追いやるが、彼らは腕で風を防ぎながら前進していく。星野の表情は変わらない。地面に降りると今度はボクシングで彼らを迎え撃つ。星野の打撃は威力も速度も常人を遥かに超えていた。機関銃のようなそれはゆうきの動体視力で捉えることはできず、全弾食らってしまう。

ゆうき「グフォッ!?」

星野の打撃は彼がこれまで戦ってきた敵の中でも最大級の威力だった。不動と比較しても、である。ことりが傍にいることで身体能力を上昇させているが、それでも肉体の損傷は甚大だった。

ことり「ゆうきくん、代わるよ」
ゆうき「ありがとう、ことりちゃん」

ダメージの回復と敵の分析に専念するべく、ことりと後退する。
肺の空気を吐き出し、荒く呼吸をする。時折、血が噴き出す。
星野はことりの攻撃を受け流してはジャブで応戦していく。ことりには彼の攻撃の軌道が読めているのか、ある程度、善戦ができている。

ゆうき「やっぱり強いや。ことりちゃんは」

自分の愛する人の強さに関心しながら星野を分析する。星野の主要武器は打撃と翼を活かした俊敏な動きである。翼の羽が先の攻撃で使用したので幾分か飛行能力は落ちている。だから、空中から攻めるのは避けるだろう。そうなると地上戦を展開するに違いない。パンチ力に関しては間違いなくスター流トップ。
化け物揃いのスター流でトップなのだから、打撃で挑んでは何万回命を落としても勝利することは叶わない。ならば、敵と苦手とする戦法に切り替える。
ここでふと、星野のこれまでの試合をゆうきは回想し、ある事に気付いた。
そういえば星野が足技を使うのを見たことがない。もしかすると、足から攻めれば劣勢を覆せるかもしれない。

ゆうき「ことりちゃん、足だ。星野の足を狙え!」
ことり「はいっ」

星野のパンチを掻い潜り、足を掴まえジャイアントスィング。
軽量級の星野の身体を回すのはことりにも容易く行えた。
目一杯回していると、天使が言った。

星野「ことりさんは僕をどこに投げつけるつもりですか」

そう。この部屋は左右と奥をガラスケースが占めており、彼を投げれば仲間達に危害が及んでしまうのだ。しかし、回転は止まらない。腕力には限界があるので、いつかは手を放さないといけない時が訪れる。ことりはキッと一点を睨み、星野の足を離す。すると、星野の身体は背中から天井に衝突。皮膚が裂け、鮮血で天井が赤く染まり、亀裂が走る。ガラガラと音を立てて、天井を構成している部品が降り注ぐ。星野は頭から落下し、したたかに首を強打するが平然と立つ。

星野「僕がこれぐらいで倒れるとでも?」

ピンピンとしている彼の様子にゆうきは歯を食いしばった。失念していた。
星野天使は常軌を逸するほど不死身なのだ。腕や足の骨が折れようと戦闘を続行するほどに。生半可な攻撃ではダメだ。奴を絶命寸前にまで追い込まなければ倒せない。だが、不動の兄貴ならともかくとして俺達にそれができるか?
否、やらなければならない。それが戦いであり、下手な情けは命取りになる。
何より、今回は大好きなスクールアイドルやプリキュア達の命がかかっている。
救わなければならない、絶対に。深呼吸をして、覚悟を決める。やるのだ。
その時、思わぬ助け船が出た。
善子がテレパシーを発したのだ。

善子「星野天使! アンタ正真正銘の天使なんでしょ!? だったらゆうき達の攻撃を一切反撃せずに受け切ってみなさい!」
星野「そんなことをして何の意味があるのです。下劣で下等な人間相手に」
善子「本当は怖いんじゃないの?」
星野「自称堕天使のあなたと本物である僕の違いを教えてあげますよ。わかりました。その案、乗ってあげましょう」

星野は手を広げ、ハスキーボイスで告げた。


星野「ゆうきさん、ことりさん。全力で向かってきてください。今から僕は一切の防御も攻撃もしません。ただ耐えるだけであなた方を倒してみせましょう」
ゆうき「ありがてぇ! ことりちゃん、行くよ!」
ことり「うんっ!」

ゆうきはことりを背負い、そのとさかを向け、列車のように突進してくる。

ゆうき「コレが俺とことりちゃんの合体技、ちゅんちゅん♪ぶるーとれいん!」

青き列車は星野に正面衝突。とさかが星野の脇腹を抉りながら、錐揉み回転で上空に吹き飛ばす。落下してきたところを旋回し、追撃。2撃目は背に食らい、天使の背中は真横に裂ける。再び落下、突撃。今度は右腕を負傷した。4回目では左腕を、5回目では右脚、6回目では左足と旋回と体当たりを繰り返し、少年の身体を幾度も上空へと舞い上がらせる。ゆうきはこれ以上ないほど絶好調だった。大好きなことりと背中合わせになり疾走しているのだ。これほど幸せなことなど滅多にあるものではない。

ガツーン!
ガツーン!

肉体と肉体がぶつかり合う激しい音だけが部屋内に響き渡る。
そしてゆうきは急停止すると標準を星野に合わせ、ミサイルのようにことりを上空に飛ばした。猛烈な回転を加えながらことりのとさかが天使に迫る。

ゆうき「これが俺とことりちゃんの愛の力だあああああああっ!」

星野の顔面にことりの頭突きが炸裂し、星野はダウン。けれど、すぐに立つ。

星野「まだまだ威力が足りませんね」
ゆうき「だったらコレでどうだッ」

鈍色の剣で星野の傷ついた頭部を殴りつけるが、彼は微動だにせず。
ことりと挟み撃ちで頬に拳を命中させても結果は同じ。
ぶるーとれいんを8回連続で受けたにも関わらず、肉体的には殆どダメージが通っていない。恐るべき星野のタフネスぶりにゆうきは冷や汗を流す。
再度剣を振るい、突きや袈裟斬り、斬撃を浴びせるが、星野は冷たい瞳で見つめるだけ。流血こそしているものの、その表情から焦りの色は微塵も感じ取れない。
どうすればこの化け物を倒せるんだ。ゆうきは頭をフル回転させ答えを弾く。
彼のとった行動は拳を固めて星野と向き合うことだった。

星野「僕にボクシングを挑むつもりですか。あなたはそれほどまでに愚かだったとは……」

軽く失望を覚えながらも、ゆうきの顔面を狙ったストレートを放つ。
同時にゆうきもパンチを繰り出し、両者の腕は交差。リーチの長いゆうきの拳が星野の頬にめり込む。カウンターとなった2倍の威力の打撃を食らい、タフネス自慢の天使の足が僅かに震える。ゆうきが拳を離すと、すかさずことりが星野の顎を完璧捉えたアッパーを炸裂。

ことり「掟やぶりの天使のアッパーだよ♪」

脳を揺さぶられ、星野はぐるんと白目を剥いて失神した。
ゆうきとことりの頭脳戦が勝利へと導いたのだ。
肩で息をしながら、ゆうきは気絶している星野に口を開く。

ゆうき「お前の得意技で倒れたんだ。悔いはないだろ?」

ゆうき&ことりVS星野天使 勝者 ゆうき&ことり