二次創作小説(新・総合)

Re: 戦闘中~地球を守れ~【感想大歓迎!】 ( No.43 )
日時: 2020/01/15 07:49
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

スター流本部 会長室

スター「下の階が騒がしいみたいだけど、どうやら星野君は負けてしまったようだね。やっぱり非情に徹するのは彼には難しかったかもね」
こなくん「他を気にしている場合じゃないぜ。あんたの相手はこの僕だ」
スター「勿論、知っているよ。ただ、君が私の相手というのは無謀ではないかと思ってね……でも、せっかく勝負を挑まれているのだから、楽しませてもらうよ」

スター流の創始者は指を鳴らすと、会長室の床が開き、プロレスのリングが顔を出した。そして、扉に鍵をかける。

スター「これで良し。観客がいないのは物足りないけど、君と1対1で闘りあえるね」
こなくん「ハハ……」
スター「鐘を鳴らしたら、いつでも好きな時にかかってきていいからね」
こなくん「ちょっと待て。アンタその格好で戦うつもりなのか」

スターは茶色の三つ揃えのスーツ姿で悠然と構えている。厚そうで動きも制限されそうな服装で戦闘をするなど、こなくんには考えられないことだった。

スター「この姿の方がお洒落だからね。力もある程度抑制されるから、君にはちょうどいいと思うよ」

にこにこと笑みを浮かべているスター。そしてゴングを鳴らした。試合開始。
四角いリングの中をぐるぐると回りながら、こなくんは様子を伺っている。
スターは普通に立っており、特に構えなどは見せていない。けれど、こなくんは攻め込めなかった。返り討ちに遭う想像が頭を過るのだ。だが、攻撃しないのならいつまでも状況は変わらない。彼は様子見を兼ね、フライパンを虚空から出現させる。そして背後から殴ろうとするが、命中する寸前にスターが裏拳を振るい、フライパンを凹ませ使い物にならなくしてしまった。次はバットを取り出し、思い切りスウィング。今度は背に当たったが、金属製のバッドは飴のように曲がってしまった。

こなくん「なんて身体なんだよ。バットが通じねえ」
スター「私の服の埃を払ってくれたのかな。ありがとう」
こなくん「だったらコレはどうよ!」

正面に回り、玩具の巨大ハンマーをスターの額にぶつけるが、ハンマーは一撃打っただけで破裂してしまった。スターの額の強度に耐えられなかったのだ。

スター「このハンマーで倒れた人というのは私は聞いたことがないよ」
こなくん「おらぁっ!」

箒で目潰しをしようと試みるも、簡単に受け止められ、ヘシ折られる。

スター「君の見え透いた考えは私には通じないよ。さて、接近戦用の武器はこれで最後かな。次はどうする?」
こなくん「生憎、僕にはまだまだ武器が沢山あるんでね」
スター「多ければ良いと言うものではないけれど、使ってみなさい」
こなくん「舐めやがって。あとで俺に許しを願っても知らないぜ」

こなくんは距離をとって、バクダンを3個投げつける。直後に爆発。
爆風が発生するが、リングもスターも全くの無傷だった。

スター「自分を巻き込まないように火薬量を抑えたのかな?」
こなくん「通常の10倍の量を入れた。なのに、効いちゃいねぇのか」
スター「成程ね。でも、驚いたよ。まさか私に爆弾で攻撃をする人がいるなんて。
人類の歴史で初の出来事だよ。君は胸を張っていい」
こなくん「これだけは使いたくなかったけど、仕方ないか」

彼が虚空から出現させたのは小型ミサイルだった。小型ではあるが、幾つも放てば相当な威力になる。ありったけのミサイルを撃ち込む。小爆発が何回も起きるが、リングは壊れない。もうもうたる白煙の中、スターの声が聞こえた。

スター「このミサイルはあまりデザインが良くないねえ。この方が可愛いと思わないかね」

ビュンッ!

煙の中から飛び出したのは銀色の津島善子、否、善子の形をした金属製の像だ。
直撃し、こなくんは吐血。

こなくん「アンタ、俺と同じ能力を使えるのかよ」
スター「違うよ。ソレは君のミサイルで作ったんだ。中々よくできていると思わないかね」
こなくん「作った、だと?」
スター「ミサイルを何個か掴まえて、手でこねたんだよ。粘土みたいにね」

創始者は指を鳴らし、像を消滅させる。

こなくん「魔法使いかよ……」
スター「君もスター流に入ればこれくらいのことはできるようになるよ。入門しないかな」
こなくん「絶対に嫌だ」
スター「残念だね」

軽く嘆息するが、貼りついたような口元の笑みは変わらない。
こなくんは敵対している相手とこれまでの短い攻防を振り返り、思った。
この男、底が見えない。
その後も武器を繰り出すが、ブーメランは逆に投げ返され、ビックリ箱も通用しなかった。つまり彼は遠距離・近距離共に武器を使い切り、残るは魔法のステッキのみとなってしまった。

スター「君の武器はこれでお終いだね。そろそろ、スター流の流儀で戦ってもいいかな?」
こなくん「ぐっ……」

ステッキを両手で握りしめ、歯を食いしばる。
試合序盤だが、早くも劣勢に陥ったこなくん。
ここから逆転する策はあるのだろうか。