二次創作小説(新・総合)

序章 ( No.1 )
日時: 2020/01/08 21:17
名前: さきこ (ID: H8Xp0wSz)

俺達は弱者だった。俺達は何も得られず、何も守れなかった。
強くなりたかった。今でもそう願っている。

序章 ( No.2 )
日時: 2020/01/08 21:20
名前: さきこ (ID: H8Xp0wSz)

遠い遠い、記憶の話。

俺の生まれた星は、星間貿易の盛んな星だった。その星の、造船工場の多い都市のど真ん中に捨てられた孤児だった。俺は、何も持っていなかった。何も無かったし、何かを欲しいとも思わなかった。生きているのか死んでいるのか、いつまでこの日々が続くのか。頭にはずっともやがかかっているようでパッとしない。

出会いはある日、突然だった。

目の前に広がった鮮やかな色。その絵に描かれた狂気じみた笑みに、一瞬にして心を奪われた。その日、その瞬間から、何もかもが変わった。あの絵画を手に入れるまで生きようと思った。感情が急速に機能し始める。生きるために必死になって、すぐに盗みを覚えた。食べ物を盗み、服を盗み、金を盗み、本を盗んだ。やがて、体力や知識を身につけ言葉を覚えた。

あの絵画は、どこか遠くの星に売られて行ったらしい。