二次創作小説(新・総合)
- AfterBreakTime②『朱雀登場!』 ( No.25 )
- 日時: 2020/02/01 21:10
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: NtGSvE4l)
おや、上空が何やら赤く綺麗に照らされていますねえ。
夕方でもないのに。一体どうしたことでしょう…?
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~運営本部 エントランス~
リピカ「あーっ…。今日も働いたのさー。早く後始末してマルクと一緒にオムライス食べにいこーっと」
そう言いながらエントランスをコツコツと鳴らしているのは赤のリピカ。
『アイテール魔導師隊』という軍に所属している魔導師で、背は小さいけどこれでも上司の立場にいます。
彼女はひょんなことから本部の近くに1人だけ飛ばされ、サクヤの好意でここで働いています。
リピカ「そういやレストランの優待券3枚あったっけ…。なんかオムライスのこと考えてたらお腹減って来たのさ」
彼女、早く仕事を終えてオムライスを食べに行きたそうです。
期間限定のオムライスは無かったかと頭をフル回転させていると、ふと別の方向から羽の音が聞こえてきました。
さらに、羽の音の向こうは『夕焼けのように真っ赤』。あれ、今は夕方ではないような…?
不思議に思いながらその方向を見てみると、『それ』は言葉を発しました。
『我が妹、『サクヤ』はここにいるか?』
リピカ「(妹…?彼女にそんな人いるって話聞いたっけ…?)」
どうやらサクヤを探している様子。
彼女ならば今もメインサーバで仕事をしていたはず…。案内をしないとまずいと思ったのか、彼女はオムライスを諦め、『それ』を彼女の元まで連れていくことにしました。
~運営本部 メインサーバ~
MZD「でさー、次のエリアはこんな感じで……」
ヴィル「いや、これはこうした方がいいのではないか?」
サクヤ「これをこうしても面白そうですね」
リピカ「お取込み中なのさ?サクヤ、お客さんなのさ」
サクヤ「私に?誰でしょ……… あっ!!」
MZD/ヴィル『???』
メインサーバではサクヤ、MZD、ヴィルヘルムが次の逃走中についてのネタ出しをしていました。
お取込み中だとは思いつつも要件を果たそうとするリピカ。『それ』も彼女を見つけ、嬉しそうに羽を広げています。
サクヤは『それ』を見た瞬間、驚きの声を上げながら言いました。
サクヤ「『兄貴』……!何故キミがこんなところに…!」
MZD「『兄貴』?! サクヤお前さん、兄さんがいたの?!」
ヴィル「…驚いたな。それに、あの鳥が燃えているような気がするのだが…。このままだと部屋に火がついてしまうぞ」
サクヤ「それもそうですね…。兄貴、本部燃えるので人型になっていただけませんか?」
心なしか部屋も熱くなってきましたしねぇ…。このままでは部屋どころか本部全体が燃え尽きてしまいます。
それもそうだと気付いたのか、その『鳥』は淡く赤い光を放ちました。
眩しさに一瞬だけ目を眩ます一向。その光が薄まると、そこには―――
アクラル『自己紹介が遅れたな。俺は『アクラル』。この世界を守る守護神がうち『朱雀』だぜ。ま、これからヨロシク!』
白と赤の羽の様な長い髪をなびかせた男性が立っていました―――。
彼の名は『アクラル』。不死鳥の姿をした『朱雀』の神様です。
元の身体が炎に包まれていたのはそういうことだったのですね。
リピカ「あんたが…『朱雀』? 今まで何をやっていたのさ?」
アクラル「『世界の融合』が加速して色んなヤツがこの世界に落ちてきてから、天空から気配消してずーっと世界を飛び回ってたぜ。勿論サクヤ達がいるここも回った。
そんで、楽しそうな催し物してるし愛しの妹に会えるから顔出してみっかなーって思ってやって来たワケ!」
サクヤ「だからといって不死鳥のまま来ないでください。危うく会場が火の海になるところでした。参加者に危険が及んだらどうするつもりだったのですか?」
アクラル「あはは、それは配慮が足りなかったな。すまん」
ヴィル「全く…。神というモノはやはり理解が到底出来んな」
MZD「その理解が出来ない神様と一緒に行動してるお前さんが言う?」
ヴィル「お前については別問題だ。MZD」
MZD「へいへい。それにしても、サクヤの兄さんが『朱雀』だったとはね…。流石のオレでもビックリだよ」
アクラルとサクヤは双子の神様で、今の人の姿になるまではそれぞれ竜、不死鳥の姿で天から、地からいろんな場所を見ていたんだとか。
そして、彼がここに来たのは彼女の顔が見たかった『だけ』のようではないようなのです。
アクラル「そうだサクヤ、俺があげた『ゲート』。今でも使える?」
サクヤ「あっ、それがですね…」
アクラル「え?何かあったの?」
MZD「いやー、不可抗力なんだよ。うんうん」
『ゲート』?ゲートと言えば、他の作者様の世界とコネクトワールドを繋ぐゲートのことですかね。
これはサクヤが逃走中を開始する際に、『いずれ他の世界からのお客様も招待できるように』ととある人物に頼んで譲ってもらった代物だそうです。
現在は運営本部のゲストの控室辺りに設置してありましたね、確か。というか、このゲートはアクラルが譲った物だったんですね。
…それで、それがどうかしたんでしょうか。サクヤは苦虫を噛み潰したような顔をしていますし。
サクヤ「今は使えないんですよねぇ…」
アクラル「は?!『使えない』って、そんな簡単に壊れる代物に作ってないはずだぜ!!」
MZD「うん。それは重々承知してる。でもねー。『破壊されちゃった』んだよねー…」
アクラル「破壊された?!誰に?!」
ヴィル「…大切にしていた物を壊してしまったことに関しては詫びよう。私達も気付けなかったのが悪いのだからな…」
アクラル「何だよ?『道化師』の襲撃にでもあった???」
リピカ「多分違うのさ。あいつらが『道化師』とは思えないのさ…って『道化師』?」
アクラル「あ、それについてはまた改めて話すわ。先にゲートの方聞かせて」
ヴィル「…………」(俯き)
そういえばあのゲート、今壊れてて使えないんですよね。原因は…まあ、すぐに来てくれることでしょう。
修理できる人物が今までいなかった為、他の世界から作者様を招待することが出来なくなっているのです。
そこに丁度良くアクラルが現れた為破壊状況によっては修理が可能そうですが、彼から気になるワードも出てきていますね。ヴィルヘルムに関してはワードに心当たりがある様子。
とりあえず、話の続きを聞いてみましょう。
サクヤ「実はですね。融合でこちらに飛ばされたとある兄弟がですね。不可抗力で壊したんです。ゲート」
アクラル「兄弟?神の力か何か持ってんのか?」
サクヤ「いや、至って普通の人間の兄弟ですよ。『六つ子』というのは珍しいと思いますが」
彼女が『六つ子』というワードを呟いた瞬間、メインサーバの扉が勢いよく開かれました。
そして、垂直に風を切る音が2つ。
カラ松/チョロ松『大事な物を壊して申し訳ありませんでした!!!』
アクラル「あ、あぁ……」
サクヤ「詳しくは彼らから話を聞いてください…。で、申し訳ないんですが修理できるかどうかも見ていただければ嬉しいです」
アクラル「りょーかい。一体どうやったらあの代物をぶっ壊せるのやら…。逆に興味あるわ」
とぼとぼと歩く2人と共にアクラルはゲートの調子を見に、サクヤとリピカも一緒に行くことに。
暫しの足音の後、静寂。サーバに残されたのはMZDとヴィルヘルムのボスコンビだけになりました。
…沈黙が続く中、MZDがこう切り出します。
MZD「この世界の融合の加速…。『道化師』が関係してるのかな」
ヴィル「どうだろうな。私が知っている『道化師』とは違う存在なのかもしれん。
そもそも、ひとくくりに『道化師』と言っても存在は星の数ほどいるのだ。言葉だけで見極められるわけがなかろう」
MZD「ま、そーだよなー。何か分かればと思ったんだけどさ」
ヴィル「…ところで、だMZD。今年のKACは随分盛り上がったそうじゃないか」
MZD「マジ?見ててくれた?いやーカフェには顔出せなかったけどさ、折角の令和初のKACなんだから張り切らねーとなってボス曲詰めてみたんだよな!あれ、お気に召さなかった?」
ヴィル「いや、そういう訳ではない。私の担当した曲が今の時代になっても演奏してもらえる、というのは凄く光栄なことだ。
…問題はそこではない。寧ろお前に曲を貸せたのは誇りだと思っているからな」
MZD「えっ?……あのーヴィルヘルムさん、なんでそんなに真顔なの?怒ってるの?」
ヴィル「自覚がないなら教えてやろう。貴様、何故『勝手に私のペンダントを持っていった』?」
MZD「…………あっ。(真っ青)
ご、ごめんなさい……!悪気はなかったんだ、あの時は急いで会場まで行かなくちゃならなくて、えーと…」
ヴィル「そうか。……では、貴様には私から最大限の『贈り物』をせねばな?」(にっこり)
ヴィルヘルムはMZDを軽々と脇に抱えた!
MZD「えっ、ちょ、ヴィルって魔法使いだよなっ、えっ ちょおっ!!なんで簡単に持ち上げるんだよ!!!」
ヴィル「暗殺者を舐めるな。そして自らの子供体型を呪うがいい音の神よ。
…………しばらくは私の部屋で反省していなさい」
MZD「お前の部屋って拷問道具いっぱいあるじゃん!!!拷問ばりのオシオキとかやだーーーーーー!!!!!はなせーーーーーー!!!!!」(ジタバタ)
ヴィル「静かにしろ、周りに迷惑だろう。それに…お前に拷問器具を使うつもりはないから安心するがいい。MZD。
(……ふふ、私も随分と甘くなったものだ。これも彼女達と…彼との日々の賜物、なのかもしれないな)」
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気になる話ばかりで不安が募りますが、まずはゲートの修復が出来るか確認しないとですね!
……MZD、ヴィルヘルムのペンダントは彼にとってとんでもなく大切な物なんですから。勝手に持って行ったらそりゃ怒りますって。
とにかく。ゲートが修復出来れば、作者様の募集が出来るようになります。その様子は次回、見ていくことにしましょう。