二次創作小説(新・総合)
- AfterBreakTime⑤『這い寄れポップンマスターズ』 ( No.39 )
- 日時: 2020/02/08 22:03
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: vzo8adFf)
今年のKAC、本当に凄かったですね~。6日から19日まで専用のスタンプシートで解禁できるそうですよ!
誰かからの連絡を受け、魔界に向かったポップン界のM&W。そこで出会ったのは…?
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~魔界~
MZD「あーっ、いたいた。おーい、テント・カントー!」
テント「噂をすれば神様に幽玄紳士さん!久しいですねえ、いつぶりでしたっけ?」
MZD「一週間ぶりくらい?KACの時は曲とアイテム貸してくれてありがとな!お陰で大盛り上がりだったぜ!」
テント「あまりいつぶりでもありませんでしたねえ。KAC、こちらも見学させていただきましたよ。急な依頼には吃驚しましたが、正に我ら『pop'n Masters』という感じの素晴らしいメドレーでしたよ!」
サクヤの話通り、MZDとヴィルヘルムは現在魔界へとやってきていました。
そこで待っていたのは『テント・カント』。16回目のパーティの時のラスボス曲『シュレーティンガーの猫』を担当したキャラクターです。『トイコンテンポラリー』と『わけのわからないもの』と表せば大体の方が分かるかな?
彼は、この世界ではMZD率いる『pop'n Masters』という組織の1人であり、現在ポップン支部の支部長を務めている人物です。
…そうですね。これについては説明が必要そうなのでここで説明いたしますと。
まず、『pop'n Masters』について。MZDを中心とした『世界を管理する者』の通称です。原作ではポップンのかなり初期に設定が存在していましたね。
元々はポップンの世界を裏から管理して、色んな世界のバグの修正やらパーティを裏から支えたりなど結構なことをやっている人達です。当然ながら、普通の人間は1人も存在いたしません。というか通常のRPG作品なら絶対に味方にならなさそうな面子ばかりです。
ポップンの世界がコネクトワールドに混ぜられてからは、独自に『ポップン支部』を設立し、MZDの指示でテント・カントが支部長を務めています。
属している面子は……KACでポップン部門の決勝をちゃんと最後まで見た方にはすぐ分かると思いますが、『14以降の各作品のラスボス曲』を担当した人物がいます。
当然MZDとヴィルヘルム、ハテナも『pop'n Masters』の一員です。現在は世界の調査がやりやすいということで、本部の方を拠点として動いていますが。
そしてもう一つ。『支部』の存在についてですね。
このコネクトワールドはまだまだ『新しい世界』。どんどん他の世界が混ぜられていく為、調査が行き届いていないのが現状です。
その為、運営本部とは別にそれぞれの地域に『支部』を設立し、世界の調査の手伝いをしてもらっているという訳です。
今回名前が出てきた『ポップン支部』の他にも、現在逃走エリアとして使用しているガルク=マク大修道院を拠点として活動している『ファイアーエムブレム支部』や、希望ヶ峰学園が拠点の『ダンガンロンパ支部』等様々な支部が存在しています。
……どうやら2人はテントカントからの連絡を受けて魔界へとやって来た様子。
雑談もほどほどに、彼は本題へと話を移しました。
MZD「ここら辺で『道化師』が出たって話だけど…信じるに値していい話なんだよな?」
テント「私も直に見たという訳ではなくエクラさんから聞いた話を伝えただけですので…。ですから、こうして私も同行している訳ではありませんか」
MZD「女子会ムードのポップン支部から逃げ出したかったのもあるんじゃないの?」
テント「それも理由の一つですが…。って、なんで分かるんですか!」
MZD「Mastersの男性陣がオレとヴィルとお前しかいないからなー。それは置いといて、『道化師』の目撃情報ってこの先だっけ?早く行こうぜ」
テント「そうみたいですね。早いところ目的地まで参りましょう」
―――先程からヴィルヘルムが無言を貫いているのが気になりますが、今は気にしないでおきましょう。
3人はエクラから聞いたという『道化師』の目撃場所まで黙って歩きます。
歩くには歩きますが、景色は全く変わらず。
魔界なのだから仕方がないのですが、どこか殺風景な景色が広がる光景に、流石のテントカントも少し身震いしている様子。
それに気付いたMZDが彼に声をかけます。
MZD「ん?慣れない場所だから体調崩した?少し休もっか?」
テント「いえいえお気になさらず!結構な方が『メルヘン王国』と『魔界』を間違えますからねえ。どんなものかと思っていましたが、まさかここまで殺風景だとは思ってませんでしたよ。それで、少し構えてしまっただけです」
MZD「ふつーのヤツは来れねー場所だからな。身震いするのもしゃーないか」
―――彼らはそのまま『目的地』まで歩きます。
その時でした。
『道化師』が動いたのは。
どさり、と鳴る重い音。
何事かと2人は『それ』を見ます。
テント「―――あっ?!」
ヴィル「…………」
2人の見た先には、何者かに胸を貫かれたMZDが倒れていました―――。
テント「神様?!一体どうなされたというのです!!」
テントカントは慌ててMZDの元に駆け寄り彼の胸に手を当てますが、心臓の鼓動は聞こえてきません。当たり前です、神なんですから。
軽く身体を揺さぶってみても反応は無し。奥の手でサングラスを外してみますが、そこにあるのは瞳を閉じた可愛らしい童顔だけ。
全く動かなくなったMZDを見てテントカントは焦っています。対するヴィルヘルムは立っている場所から一歩も動く気配がありません。
そこに追い打ちをかけるように、『道化師』は現れました。
道化師『やってやったぜ!まずは神を1体撃墜だな!不意討ちを狙えば余裕余裕!』
テント「―――貴方が話に聞いていた『道化師』ですか…?随分と感じる力の波動が弱いんですが」
道化師『ハッ!神1人守れずに何言ってんだよ!俺は『あの方』に力を貰ってただの魔法使いから『道化師』に進化したんだ!』
見た目は唯の普通の魔法使い。そして、テントカントの言葉から大して強い力を持つ道化師ではないようです。
しかし、不意打ちではありますが随分とあっさりMZDに攻撃を命中させ、自分は強い道化師だと粋がっている様子。
これにはテントカントも何かおかしいと感じ始めます。そして、未だに一言も喋らず、動こうとしないヴィルヘルム。
いつもならばMZDに何かあった際には真っ先に彼を庇いに向かうヴィルヘルムですが、やはりこちらも様子がおかしい。
テントカントは『自分は騙されているのではないか』と思い始めた矢先、『彼』は動いたのです。
―――あり得ない言葉を発して。
ヴィル『あーあー。一撃喰らわして倒れたからって粋がってんじゃないの。お前も『道化師』名乗るんだったらさ、『魔力の探知』くらいやっとけよなー?』
道化師「は?!お前何言って……?!」
マゼンタの色の髪をなびかせた貴族の男は、そのままコツコツと靴音を鳴らしながら倒れているMZDのところまで歩きます。そして、彼のサングラスを拾いました。
テントカントはその様子を見て確信しました。彼は……ヴィルヘルムではないと。そして、『彼』の正体も予測がつきました。
そして、『彼』はサングラスを拾った後それをクルクルと回し、おおよそ彼には似つかわしくないあくどい笑顔を見せ、顔に装着したのです!
ヴィル?『ま、不意討ちしたことは褒めてやるよ。だけど…甘いねぇ。オレの特製ココア並に甘い!』
彼の身体が光り出したかと思えば、『彼』は―――『不意討ちしたはず』の姿に、変化したのです。
テント「神様…。入れ替わっていたのですか?」
MZD「違う違う。テントに会いに行った時からオレがヴィルになってたの。…多分、『道化師』が最初に狙うならオレだと思って、ヴィルに相談して変装してたんだよ。騙してて悪かったな!」
テント「では、あの神様は…」
テントが彼の倒れていた場所を見てみると、そこに『彼の身体』はありませんでした。
代わりに、ふよふよと浮かぶ物体が1つ。『それ』はMZDの近くにやってきました。
ハテナ「えむえむ!」
MZD「はい、よくできました♪ 痛い思いさせてごめんな、ハテナ?」
ハテナ「のいのい!」(MZDの頭の上に乗る)
テント「なるほど、影君に変化させていたわけですね」
MZD「そーゆーこと!……でも、アイツはオレ達の探してる『道化師』とは違うみたいだし…。このまま放置しててもなあ」
道化師『何ごちゃごちゃ抜かしてんだテメェ…!!一度騙し切ったからっていい気になるなよッ!!!』
目の前に倒したはずの人物が立っていることに憤慨し、襲い掛かってくる道化師。
MZDは一瞬の表情の崩しも見せず、迫ってくる人物に向かって高らかに指を向けました!
MZD『行くぞハテナ!!!』
ハテナ『のーい♪』
MZD『ニエンテ砲、発射ァ!!!!!』
叫んだ、刹那――――――
『少年』の頭にのせている『それ』から、巨大な光線がぶち撒かれました。
光線は見事に道化師を直撃!!!痛そう!!!
テント「神様、流石にやりすぎでは」
MZD「いーのいーの、最近全然鬱憤晴らし出来てなかったし?魔界だからどんだけ威力上げても怒られないし?」
テント「それは神様が魔界に来られるからでしょう…。普通の神族は『そもそもこんなところ来られない』んですからね?」
緩く談笑を続ける彼らに手を伸ばすように、道化師は立ちふさがります。どうやらあのニエンテ砲だけでは仕留めきれなかった様子。
命がある限り負けは無いと思っているのか、最後の力を振り絞りMZDの『魂』を奪おうと襲い掛かります。
道化師『粋がってんじゃねぇぞ!!!死に晒せ神族がァ!!!』
MZD「あ、一つ忠告しておくわ」
何かに気付いたMZD。笑顔を崩さないまま、彼に優しく諭します。
MZD「―――『仮面の暗殺者』にはご注意を」
道化師が気付いた時には時既に遅し。
彼の背後には、『仮面の暗殺者』が―――。
ヴィル『我を欺こうとは何百年も早い。……崩れるがいい』
――――――道化師の胸を、『魂』を刈り取った暗殺者がそこにいました。
- AfterBreakTime⑤『這い寄れポップンマスターズ』 ( No.40 )
- 日時: 2020/02/09 21:04
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: vzo8adFf)
~魔界~
ヴィル「醜い魂だ…。これほどまでに酷いものは久しぶりに見た」
MZD「ヒュウ!容赦ないねぇ暗殺者は」
胸を貫かれた道化師は、そのまま地面へと倒れ動かなくなりました。
しかし、彼からは血液一滴出ていません。そりゃ、ヴィルヘルムが貫いたのは『魂』ですから、出るわけがありません。
彼は抜き取ったその魂をじっと見て、不機嫌そうに呟きました。
ハテナ「のーい!ぃるる、のーい♪」
MZD「ハテナ、ステーイ。ステーイ。今頭に飛び付いたらヴィルの仮面壊れるからやめて?」
ハテナ「のいのい!」
MZD「あからさまに不機嫌そうにするな!ほら、すぐ仮面取ってくれるから待ってなって」
彼らのやり取りを見てヴィルヘルムはため息をひとつ。そして、仮面を脱ぎました。
そこにはマゼンタの髪と美しい白い肌と赤い目をした、運営本部で見るいつものヴィルヘルムの姿がありました。
それを見たMZDはハテナをやっと解放し、ハテナは嬉しそうにヴィルヘルムの頭へと乗りました。
MZD「最近ヴィルの頭の上お気に入りだよなハテナ。なんか妬ーけーるー」
テント「それで…彼は我々が探し求めている人物とはまるで違う存在だと…そう認識していいんですよね?」
ヴィル「ああ。それに、こいつは『道化師』などと名乗っていたが…。性質がただの魔法使いではないか。『道化師』などと名乗るのも甚だしい、虫唾が走る」
MZD「結局情報は0か。ま、そう簡単に見つかるようなもんじゃないからいいけど」
どうやらこの『道化師』、彼らのお目当てではなかったようです。
ヴィルヘルムの握っている魂は、実は『ココロネ』と同じものなんです。呼び方が違うだけなんですね。
つまり、倒れている道化師をどうするかは彼にかかっているという訳です。しかし、彼は魂を戻すつもりはなく、このまま消し去るつもりらしく。
しばらく魂を見つめていると、『それ』が少しだけ緑色に濁りました。
ヴィル「ん…?」
MZD「ヴィル、どーしたの?」
ヴィル「微かだが、魂が緑色に濁った。何かが混ぜられたか何かしたのか…?」
テント「緑色…普段『ココロネ』の色は変わらないはずですよね?」
MZD「そのはずだぜ?濁るなんてありえない」
ハテナ「のい?」
3人と1体がそれを見つめ続けていると、ふと背後から声が。
??「その魂、早々に手放した方がよろしいかと。もうじき『緑の崩壊』に巻き込まれますわよ?」
MZD/ヴィル/テント『???』
急な背後からの声に振り向くと、そこにはライムグリーンの長い髪を垂らした、白い肌の美しい女性が立っていました。
彼女はそのまま3人に自己紹介をします。
ニア「私は『ニア』。『ネクスト・コーポレーション』取締役社長、アシッドの秘書にございます。そして…『玄武』を司る神を担っておりますわ。
どうか、これからお見知りおきを。ポップンマスターズ御一行様」
MZD「それはご丁寧にどうも…って、『玄武』?!」
ヴィル「まさかこんなに早く3人目の四神が見つかるとはな…」
テント「それに、我々のことをご存知だとは…。どういう風の吹き回しですか?美しきマドモアゼル」
ニア「ポップン界でも特に有名なボスの方々の集い…『pop'n Masters』。決して味方に成りえない人物が集まり、世界を管理している…。これ程に興味深い集いはございませんわ。
私、これでもポップン界で一仕事をしたことがありますので…。貴方様方のことはそこで知りましたの」
MZD「そんな大々的に知られるような集まりじゃないんだけど?まあいいや。それで、この魂を『手放した方がいい』って…どういうこと?」
ニア「うふふ……。すぐに、分かりますわ?」
彼女の名前は『ニア』。本部へやって来た『ネクスト・コーポレーション』社長の秘書で、『玄武』の神様だとか。それにしては纏うオーラが判明している2人とは違って不穏なんですが…。
不思議そうに質問をするMZDに、ニアは笑顔を崩さずそう答えるだけ。なんだか受け答えも不審なんですが。
そうこうしているうちに、『魂』の濁り方がなんだかおかしくなってきましたよ?!
まるで、石化してバラバラになっているような――――――
ヴィル「な、なんだ『―――ヴィル!!!魂離して!!!』MZD?!」
MZD「いいから早く!!!このままだとヴィルまでバラバラになる!!!」
ヴィル「――――――ッ!!」
MZDの焦りっぷりを見て、彼は素早く魂を手元から離します。
その瞬間―――『魂』は、炭のように、灰のように、ボロボロと崩れてなくなってしまいました。
そして、倒れていたはずの『身体』も―――同じように石化し崩れてしまっていたのです。
MZD「これが、『緑の崩壊』……?」
ニア「間に合って良かったですわね…。このまま手を離していなかったら、貴方様も…『緑の崩壊』に巻き込まれていましたわ?その美しいお顔が…粉々になっていたところですのよ?
グラーキによって怪物化した愚かな生命にはお似合いの最期でしょうけれども…。何の関係もない貴方様方がただ巻き込まれてしまうのは少々可哀想ですもの…」
テント「あっ。そういえば…彼は言っていましたね。『力を貰った』と。それが彼女の言っていた『怪物化』と関係があるのでしょうか?」
ヴィル「グラーキ…確か、湖の底に潜んでいる邪神だと書籍に書いてあったな。確か、彼の棘が刺さり死んでしまった生命は、未来永劫彼の奴隷となるのだとか。
―――まさか、彼奴は『奴隷』になっていたのか?!」
ニア「……うふふ。直接ではないでしょうけれど…。この『魔界』には、湖は存在しないのでしょう?ならば、グラーキが存在する場所はどこにもございませんわ。
すると、『従者』との接触があったと考えるべきではありませんか?」
MZD「『道化師』には邪神が絡んでるってのー?!はぁ……魔界だけの問題じゃなくなってきたよこれー…」
何が何やらですね…。ニアの介入によって、余計に事態は混乱するばかり。
…しかし、確か『緑の崩壊』って日光が当たらなければ成立しなかったような。魔界にそんな場所ありましたっけ…?
気になる方は『グラーキの従者』でWeb検索ですよ!←
ニア「…そうですわ。貴方様方、『運営本部』をご存知かしら?確か、今社長がいらっしゃっているはずなのですけれど…」
MZD「知ってるも何も、そこの本部で働いてるんだよオレら。もうここで得られる情報はなさそうだし、オレ達は戻るけど。良ければ一緒に行く?」
ニア「あら、案内してくださるの…?…ふふ、助かりますわ」
ヴィル「随分と得体のしれない婦人だが…助けて貰ったことに変わりはない。『彼』に手出しをしないのでれば、特に反対はしない」
MZD「オイオイ。オレは襲われること前提なのかよ」
ハテナ「のいのい」
テント「この世界に来てからの神様は随分と前線に立ちたがりますからねえ。補佐を上手く操れなければそりゃ言われるでしょうよ」
ニア「…そんなことは致しませんわ。特に、貴方がたお2人は『社長のお気に入り』ですもの…。手出しをしてしまえば私が解雇処分を喰らってしまいます。
それに……私も『運命を捻じ曲げる』人物は、大好きでしてよ?――――――『這い寄る混沌』としても、ね?」
MZD「(『這い寄る混沌』……。まさか……)」
ヴィル「(ニア。こいつは『神』ではない―――『邪神』だ―――!!)」
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這い寄る混沌と言えば某SANチェックのお時間でーす!でお馴染みのあの神格ではありませんか!『玄武』兼『邪神』ってことなの?!
とにかく、道化師の手掛かりを掴めなかったが『玄武』を引き連れた3人と1体は運営本部に戻ることにしました。
…テントカントはしばらく本部で逃走中本編の見学をするそうです。そりゃ女子会が続いているポップン支部に帰りたくはないですよね…。