二次創作小説(新・総合)
- AfterBreakTime⑥『かみさまのうた』 ( No.47 )
- 日時: 2020/02/13 22:03
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: R6.ghtp2)
不束ながら天の声、実は『ライブ』という催し物に全く参加したことが無く。KACの決勝後のライブにて人生初ライブを味わってきたのですよ。
あれが『ライブ』なのですね……!!目の前で推しているアーティストさん達が奏でる演奏に合わせ一体となる…。一生忘れません。
今回は、そんなライブにいつの間にやらお忍びで行って打ち上げの演奏に気合が入るポップン界のM&Wのお話。
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~運営本部 控室~
MZD「いや~!!!やっぱりデッカイハコでやるDJはいいねぇ~!!!お忍びでマクハリまでライブ見に行って良かったぜ!」
ヴィル「行ったは行ったで良かった…んだが、何故私の仮面がこんなにも話題にされているのだ」
MZD「どうしても顔隠したいっていうから仮面被るの許可したんじゃん。話題にされたんならヴィルの自己責任だよ?」
ヴィル「だからといって!!!何故また『かにぱん』と罵られなければならないのだ!!!」
MZD「(即座に魔法ぶっ放さなくなっただけまだ成長したと思うべきか…)」
魔界から戻って来た2人。どうやら、以前お忍びで見に行った『マクハリ』のライブの話題が今になってSNSに上がっているようです。
天の声も実はその時ご一緒していまして…あの時の迫力と一体感は絶対に忘れません。あとRyu☆さん本当に小さかった。
パーカーを被っていただけのMZDはともかく、よりにもよってヴィルヘルムはあの仮面を付けて行ってしまったようで、帰宅後SNSにて面白おかしく彼の仮面が話題になっていました。
MZD「そんな怒るなってー。少なくともこの世界ではお前の仮面馬鹿にするやついねーだろー?それにサクヤも『かわいい仮面』って評価してたじゃん」
ヴィル「何が『かわいい仮面』だ!!あの仮面は私の溢れた魔力の封印先なのだぞ?!あれがなければ私は―――」
MZD「知ってるよ。お前の仮面もオレのサングラスも、『壊れたらヤバいブツ』ってことくらい。…まあ仮面のことは数日もすれば話題から消えんだろ。別の話しようぜ」
ヴィルヘルムの被っている『仮面』、形状を知っている方はまあ分かると思うのですが。とても特徴的な形をしていまして。
現実の世界では彼が登場したあたりから『かにぱん』と言われていたそうな。天の声は15からポップンを始めたので詳しくは知らないのですが…。13年もそんなあだ名が付き、さらにデザインを担当した方にも蟹でイメージされているところを見ると相当なんですね…。あれ、あの仮面羊がデザインの元だったような。
幸いにもこのコネクトワールドには彼の仮面を馬鹿にする者はいません。ですが、現在彼は『暗殺業をするとき以外』は常に仮面を外して行動しています。素顔を見せても問題ないと思っているのでしょう。ちなみに素顔は超美人です彼。
…その話も早々に切り上げようとMZDは別の話題をヴィルヘルムに切り出します。
MZD「サクヤに頼まれた『打ち上げ』の演奏の件、どうする?」
ヴィル「どうするもなにも、演奏する曲目は既に決まっているのだろう?ギターが1人足りないのはバックに流す音楽で何とかするしかあるまい」
MZD「それとは別に1曲やりたい奴があんだけど。ミミニャミに内緒で」
ヴィル「……?」
どうやらミミとニャミを含めたこの4人、混ぜられる『前の世界』、すなわちポップンワールドで時たまバンドを組んで趣味で演奏をしていたそうなのです。誰がどのパートを担当しているかはイメージで何となく想像してみてください。
本来ならばもう1人、ヴィルヘルムの部下にあたる人物がギターとメインボーカルを担当しているのですが…彼は現在行方不明で察知も不可。とのことで、現在はギター担当が不在です。
その噂はサクヤの耳にも入っており、『打ち上げ』で行われるパーティにて演奏を披露してほしいと頼まれていました。
そこで事前に4人で打ち合わせをしていた曲は2曲。しかし、MZDはそれとは別に1曲歌いたいとヴィルヘルムに提案してきたのです。
話が読めず首を傾げる彼に、MZDは楽譜を渡してきました。
MZD「『創世ノート』。アイツらにも内緒でもう1曲サプライズで歌う予定の曲だ。ヴィル、鍵盤パート頼みたいんだけど」
ヴィル「それは構わないが…。21回目の時に聴いたものより随分と量が増えているではないか」
MZD「そりゃ増やしたからね。あのまま同じ曲を歌うってのもつまんねーだろー?」
そう言いながらMZDはニヤリとあくどい顔を返します。その反応を見てヴィルヘルムはまたため息を1つ。
足りないものは鍵盤パートだけではないようで。
ヴィル「彼女達に内緒にするというのなら、ギター担当を2人。あとこの鍵盤の演奏量だと私1人では賄いきれん。もう1人キーボード担当が欲しい。ドラムはこの曲ならば電子で充分だろう」
MZD「問題はそこなんだよなー。って言っても、流石にBEMANIの各世界の音楽事情を全部ハッキリと知ってるわけじゃないからな…」
ヴィル「音の神にあるまじき発言をした気がするが今は流しておこう。見つけるならば早めにせねば音合わせも間に合わぬぞ」
サプライズで演奏しようとも、人数がいなければ成立しません。
困り果てていた2人の背後で『ガタリ』と扉が開かれる音が。反応し扉を見てみると、そこには目をキラキラと輝かせた十四松とそれを宥めているカラ松、チョロ松がいました。
十四松「かみさま音楽できんの?!すっげーね、カラ松にーさんといっしょだ!」
MZD「あれ?捕まって牢獄にいたんじゃないの?」
カラ松「…すまん。十四松が『おもしろそうなにおいがする』といって牢獄から飛び出してしまったので追いかけていたんだ」
ヴィル「動物園から逃げ出したライオンか何かかお前は」
チョロ松「(ツッコミポジションが取られている…?!)」
MZD「…ん?カラ松お前さん、楽器弾けんの?」
十四松「うん!カラ松にーさんギター弾けんの!超うまいよ!ぼく一緒に歌ったことあるし!」
カラ松「専門のプロであるお前達には程遠いとは思うが…一応人並みに弾くことはできる」
MZD「へー。じゃあ、今ここで弾いてくれたりする?」
カラ松「えっ?」
いつの間にかMZDの左手にはアコースティックギターが。神パワーで転送してきたようです。
はい、と惜しげもなく渡すMZD。カラ松は一瞬焦りますがそれを受け取り、音の旋律を流しました。
ポロロン。心地よい音が控室の中に響きます。
MZD「悪かねーな。それならちょっとコツを教えればすぐに演奏に入れるぜ」
ヴィル「なかなかいい腕をしているな。心地良い、澄んだ音色だった」
カラ松「えっ?演奏?」
MZD「実は―――」
終始混乱しっぱなしのカラ松に、MZDは先程ヴィルヘルムにしたものと同じ話をします。そして彼にギターの楽譜を渡しました。
すると、彼はぱぁっと表情を明るくしてこう返しました。
カラ松「お、オレが演奏に入っていいのか?!こ、こんな凄い曲を…!!」
MZD「あぁ。今からポップン支部に行ってギター弾けるヤツ探してる時間ないし、リピカもジョマンダもギターは専門外だからな。やってくれると助かるんだけど」
カラ松「やる!!やります!!!遂にオレはオザキになることが出来るんだな…!!」
チョロ松「オザキは関係ないだろ!!…でも、いいの?」
ヴィル「様々な人物と演奏をすることは新しい発見にも繋がるからな。お互いに刺激になることもあろう。寧ろこちらから頼みたい」
カラ松「あ、ありがとうございます!!オレ、練習頑張ります!!!」
十四松「やったーーーー!!!カラ松にーさんの本気の演奏聴けるー!!!わっしょーい!!!練習も見に来ていい?」
チョロ松「そろそろお前は牢獄に戻れ!!!」
十四松「じゃあさっきの話だとギターが1人にキーボードが1人だね!!!よーし、ぼく楽器出来そうな人捜してくる!!待っててー!!!」
チョロ松「オイコラァ!!!話聞きやがれ!!!」
MZD「あっ オイ勝手に動くなって!!!」
ヴィル「これはまたサクヤに怒られるのを覚悟した方がいいな…」
MZD「なんでこうなるのー?!」
カラ松「ごめんなさいいいい!!!」
どこから話を聞いていたんでしょうかこの核爆弾は。十四松はチョロ松の制止も振り切って本部の中を駆け回り色んな本部の人間を控室に入れては出しての繰り返しをしていたようです。
結果、サクヤに見事に見つかり5人一辺にお説教を喰らい、十四松は牢獄ルームに連行されましたとさ。
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逃げ回った十四松、結局2回目の確保。核爆弾は何をしでかすか分かりませんからねぇ。
それはともかく、これは打ち上げが楽しみになってきました。一体カラ松の他に誰がスカウトされたのか…期待しておきましょう!