二次創作小説(新・総合)

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.106 )
日時: 2019/12/24 13:09
名前: 琴葉姫 (ID: S1UvsRxs)

桜さんとのコラボ中編、よろしくお願いいたします!



 ~コラボコンサート当日~

すでに大勢の観客が外に並んでおり、入場開始から一時間が経つがまだ全員が中に入れていない。
そして丁度、やっと中に入れた団体が一つ…。

アミティ「やーっと入れたーっ!ああ~、中冷房かかってて涼しい~…」

リデル「外は太陽が照ってて暑かったですからね~…(汗)」

シグ「涼しい」

ラフィーナ「コラ貴方達!まだ他のお客さんが入れていないのですから、止まらないで進みなさいな!」

あやクル「入場の妨げになるからな。もう少し進むぞ」

アイオーン「ヴッ…人が多い…何故神がこのようなところに…」

クロウ「何言ってやがる。今日はcantabileが出るんだぜ?俺達が来なきゃ意味ないだろ」

アイオーン「わ、わかっている…!」

ジャガー「もうたくさんの人がステージを囲ってるな。それだけ参加者が多い、ということはこのコンサートが楽しみなんだろうな」

エージェント「アリシア、はぐれたらだめだから俺と手を繋いでような」

アリシア「えっ…べ、別にいいけど」

桜サイドのアミティ、リデル、シグ、ラフィーナ、あやクル(正式名はあやしいクルーク)、アイオーン、クロウ、ジャガー、エージェント、アリシアだ。
エージェントとアリシア以外はcantabile本人達に直接チケットを貰い、エージェントとアリシアはアリシアの権力(桜サイドのアリシアはニュージーランド首相の娘)で自分とエージェントのチケットを買い今回のコラボコンサートに観客として訪れていた。
自分達の陣地(と言っていいのか分からないが…)の場所を確認し、その場へ行くと…

?「あれ…」

シグ「?」

隣の陣地の…背と髪がとても長い若干老けた顔の男性が彼ら彼女らを見ると、声をかけてきた。

背と髪がとても長い男性「あの、間違っていたら申し訳ないのですが、貴方がたは桜さんという世界の管理者のお知り合いの方々ですか?」

アミティ「え、何で桜の事を知ってるの!?」

寂雷「ああ、申し遅れました。私は神宮寺寂雷と申します。琴葉姫さんの嫁…と言ったらご理解いただけますか?」

ジャガー「琴葉姫…っていうと、このコンサートの発案者で桜の知り合いの作者さんだっけか」

ラフィーナ「ええ。琴葉姫さんの世界の方でしたの。初めまして、ラフィーナと申しますわ」

アミティ「アミティだよ!」

シグ「シグ」

リデル「リデルと言います…」

あやクル「…まぁ、あやクルとでも呼んでくれ」

ジャガー「俺はジャガー・B(こいつ…なんか音楽の才能があるように感じるが…?)」

エージェント「俺はエージェントです。こっちはアリシアです」

アリシア「あっアリシアだって自己紹介できるわ!」

クロウ「んで俺様が…」

寂雷「クロウ君とアイオーン君ですよね?私の世界にも貴方達がいるので。それにしても、同一人物にして全く違う存在とは、興味深い…」

クロウ「あ、そ、そうかよ…」

アイオーン「…(キョドキョド)」

シグ「アイオーン、自分より背が高くて礼儀正しい人を前にしておどおどしてるね」

アイオーン「ヴッ…!?そ、そのようなことは…!」

寂雷「ああ、驚かせてしまいましたか?すみません。私は背が高くてよく怖いと言われるのは承知しているのですが…」

アミティ「えー。優しくて良い人だと思うけどなー」

あやクル「というか、お前敬語がデフォルトじゃないだろう?普通に喋りやすい方で話してくれていい」

寂雷「…そうかい?では、お言葉に甘えて。君達はcantabileの応援に来たのかな?」

砕けた口調で話す寂雷が桜サイドのキャラ達に問いかける。

ラフィーナ「ええ。今日はcantabileの祝!初コラボ!ですもの。わたくし達が応援に駆け付けないわけがありませんもの!」

寂雷「大好きなんだね」

アミティ「もちろん!だってクルミとはとも「おい!それは言っちゃだめな奴だろ!?(クロウ)」あっ、な、なんでもないよ!うん!大好きなんだよ!」

寂雷「…そうかい?」

アミティが言いかけたことを、クロウが大声で制止して言葉を濁す。それに寂雷は不思議そうに首をかしげたが、追及はしなかった。
…そう。この桜サイドのメンバーでクルミがクルークであることを知っているのは、ピアニッシモの事務員の他ではエージェントとアリシア以外のこの桜サイドメンバーだった。
クルークが自分が作曲をしていることを明かしたくなかったため、ゼオの魔法で女体化し、そこからcantabileや音楽関係の仕事は全てクルミの姿でやっているのだ。
このことは絶対に他言無用の契約で、それは他の世界のキャラ達も例外ではなかった。

閑話休題。話題を変えようと、今度はアイオーンが「貴様は何故ここに?」と寂雷に訊ねる。

寂雷「ああ、私かい?私は…実はこのライブに出るアイドルと知り合いなんだが、その人にこのコンサートに出るからとチケットを渡されてね。無下にできなかったし有休も消化したかったから今回特別に来たんだ」

ジャガー「…そのアイドルの知り合いって、コレか?(小指を立て)」

リデル「ジャガーさん、どこでそんなの覚えてきたんですか…(汗)」

アリシア「エージェント、どういうこと?」

エージェント「大人になったらわかる(汗)」

アリシア「アリシアは子供じゃないわ!」

寂雷「あ、いや…決してそう言った関係ではないよ。ただの友人さ」

クロウ「男一人で来たのか?」

寂雷「本当は他の知り合いも来る予定だったんだけど…仕事や事情があって私しか来れなくてね。…中には「行きたい」と泣け叫びながら頼み込んだ人たちもいたけど、それが許されるほど大人の世界は甘くはなかったからね…」

アミティ「大変なんだね」

ラフィーナ「アミティ、他人事ですわね(汗)」

寂雷「だからと言ってはなんだけど、君達と一緒にコンサートで盛り上がりたいんだが…駄目かな?」

アミティ「いいよー!琴葉姫さんの世界の人だし悪い人じゃないと思うから!」

リデル「それに、今回cantabileの3人とコラボするお相手さんの事もお聞きしたいですし」

クロウ「…ま、まぁ?俺様と一緒にいたいっていうのは歓迎するけど?」

シグ「自意識過剰」

クロウ「うっせ!」

エージェント「あー…子供ばっかりだったんで大人の人がいてくれると助かります」

寂雷「ありがとう。感謝するよ。では、開演まで大人しく待っていようか」

観客席で、桜サイドメンバーと寂雷が会合している同時刻───。



○●○●○



 ~cantabile&765プロメンバーの控え室~

百合子&エミリー&昴「………(ガチガチガチガチ)」

ゼオ「たけし状態になってるな」

瑞希「それはガタガタガタではありませんでしたか?」

ププル「そこはどうでもいいよ(汗)大丈夫?百合子ちゃん、エミリーちゃん、昴ちゃん」

百合子「すっすみません…!セカンドアニバーサリーのライブでもそうだったんですけど、こういう大舞台だと緊張しちゃって…!」

エミリー「私は大和撫子としてはまだまだ未熟者です…御贔屓様方やププルさん達に失望されてしまうようなことが起こらないとは限りませんし…」

昴「緊張して昨日眠れなかったし…!やばいどうしよう…!」

すでに衣装に着替えてメイクを終えたcantabileと765プロメンバー。
しかし、百合子とエミリーと昴が大舞台に立つ緊張からか表情と身体が固い。
弱気になっている3人に、中野(姫プラ)が落ち着かせるように言葉を掛ける。

中野(姫プラ)「大丈夫だよ。みんな、たくさんの公演や企画をやり遂げたじゃないか。コンサートの規模なんて関係ない。ファンの皆に笑顔を届けるだけだ」

麗花「そうそう~♪そんなに緊張するんだったら、私がコントで笑わせてあげるね♪」

クルミ(クルーク)「一人コント…?」

麗花「ううん、クルミちゃんと一緒に♪」

クルミ(クルーク)「巻き込まれた!?い、いや、ボクそういうのは才能ないから…!」

麗花「平気だよ!じゃあ行くよー…なんでやねーん!」

クルミ(クルーク)「早い!ツッコミが早いよ!何もぼけてないのにツッコむ必要ないよね!?てかそれコントじゃなくて漫才じゃ!?」

麗花「あっそうだった。お後がよろしいようで♪」

クルミ(クルーク)「漫才からいきなり落語になったんだけど!?流れが急すぎてツッコミが追い付かない!」

百合子「ぷっ…!あははは!」

麗花とクルミのやりとりを見ていた他メンバー達が噴き出す。先程の緊張はどこへ行ったのか、完全にリラックスしている。

百合子「く、クルミさ、麗花さんと息ピッタリ…!あはははっ…!」

クルミ(クルーク)「いや嬉しくないんだけど…(汗)でも…」

エミリー「…?」

クルミ(クルーク)「緊張、ほぐれた?」

昴「!ああ!麗花とクルミのおかげだぜ!サンキュ!」

中野(姫プラ)「昴?敬語とさん付けしてって言ったでしょ?(ジト目)」

昴「あっごめん!じゃない!すみません!」

ププル「ああ、それは気にしないでって言ったんだけどなぁ…」

中野(姫プラ)「いえ、お三方はいいかもしれませんが、それが癖になって他の事務所の先輩にもそのように接してはいけませんから」

ゼオ「芸能界は縦社会だからな」

ププル「そっか…それは仕方ないかもしれないけど…」

昴「ってか、安心したらなんかトイレ行きたくなった!オレ、トイレ行ってくる!」

百合子「あっ、じゃあ私も!本番に行きたくなったりしたらまずいし…」

麗花「じゃあみんなで行こう♪」

クルミ(クルーク)「なんで!?」

麗花「みんなで行った方が怖くないし、本番で漏らしちゃったらまずいのはみんな一緒でしょ?」

ププル「いや、理屈はあんまり理解できないけど…(汗)まぁ、早めに済ませちゃった方がいいよね」

ゼオ「でも開演まで時間あるし、それまでの時間に水分補給したら意味ないんじゃないか?」

瑞希「身も蓋もないですね。でもまぁ、自己管理は大切ですので」

麗花「じゃあみんな行こっか♪早く早く♪」

クルミ(クルーク)「ちょ、押さないで麗花さん!」

中野(姫プラ)「麗花、押したら危ないから落ち着いて行ってね」

麗花「はぁーい♪」



○●○●○



長谷部(姫マル)「今日この場所に時間遡行軍が?」

長義(姫マル)「ああ、間違いない」

薬研(姫ゼク)「しっかし、どこに隠れているんだか?」

影井(ゼクシオン)「それに関しては地道に探すほかないですね。しかも一般人には絶対気付かれてはいけないという縛り付きで」

亀甲(姫ゼク)「縛り…!?いいね、周りに気付かれないように任務を実行しなきゃいけないなんてゾクゾクするよ…!」

加州(姫ゼク)「なんでこいつ連れてきたの主?(真顔)」

影井(ゼクシオン)「言わないでください…色々考慮した結果の部隊編成なので…」

鶴丸(姫ゼク)「まぁ室内戦になることが大前提になるだろうし、打刀は必要だろうな」

コンサート会場の裏側で、若干大人数の男達が身を潜めて話し合っていた。
影井と丸谷と、二人が率いる部隊の刀剣男士達だ。影井の部隊は部隊長を薬研藤四郎(極)、他隊員を加州清光(極)、鶴丸国永、亀甲貞宗(極)、物吉貞宗(極)、太鼓鐘貞宗(極)。丸谷は部隊長を山姥切長義、他隊員を山姥切国広(極)、へし切長谷部(極)、前田藤四郎(極)、和泉守兼定(極)、堀川国広(極)といった部隊編成だ。
今回の合戦場が室内と予想されたため大太刀などの刀種の刀剣男士を外し、室内戦を得意とする短刀、脇差、打刀を多めにしたほうがいいと思ったためだ。長義は、この戦いを政府に報告する必要があるため部隊長に任命した。

太鼓鐘(姫ゼク)「しっかし、今回は派手に行けそうもねーな…」

前田(姫マル)「一般の人間に気付かれてはいけない、というのはかなり難易度の高い任務になりそうですね…」

和泉守(姫マル)「つかよ、琴葉姫に頼んだらもみ消してくれるんじゃねーの?」

丸谷「そうした方が我々としては楽かもしれないが、色々と問題があるからな…」

影井「というか、あの人に何か頼みごとをするなんて消えてもごめんです」

物吉(姫ゼク)「主様らしいですね…主様が消えるなんて決してあってはならないので、ボク頑張っちゃいます!」

山姥切(姫マル)「しかし、無策では何も解決しない。どうするんだ?」

審神者二人と刀剣男士達が作戦を考えていると…



「貴方達、何者ですか!?」

影井&丸谷&刀剣男士達「!?」



○●○●○



時は数分前に遡る…

アミティ&シグ&クロウ「トイレトイレ…」

ラフィーナ「全く、あんなに飲料水を飲むからですわ」

アミティ「だって外暑かったしー…」

ジャガー「…というか、何で俺達までついて行ってるんだ?」

アミティ&シグ「一人だと恥ずかしいから」

あやクル「女子か。いやアミティは女子だが」

寂雷「…私もついて来ているのはそのせいかな?」

エージェント「すみません寂雷さん。こいつらの連れションに付き合わせて…(汗)」

寂雷「ああ、構わないよ。私も済ませておこうかと思っていたしね」

列に並んでいた暑さの影響で中に入ってから飲料水をがぶ飲みしていたアミティとシグとクロウは数分後当然尿意を催し、トイレに向かっていた。
…のだが、「一人だと恥ずかしい」という女子特有(シグとクロウは男だが)の心理で同行者全員+寂雷を巻き込んだ。
人気の少ない奥の奥のトイレで無事用を足した3人。

リデル「もう大丈夫ですか?」

アミティ「うん!」

あやクル「飲み物を飲むのは最低限に控えろよ」

クロウ「ぐっ…分かってるっつの!」

用を終え席へ戻ろうとすると…
女子トイレから、一人の女性が出てきた。黒髪セミロングの20代くらいの女性だ。
その女性がカバンにハンカチを仕舞う…と思われたが、ハンカチはカバンに入らず地べたに落ちてしまった。
それに気づいたアイオーンがハンカチを拾い、声を掛けようとするが…持ち前のコミュ障により「う…」や「あ…」と呻くような声を上げることしか出来ずおどおどしていると、見かねたリデルがアイオーンの代わりに女性に声をかけた。

リデル「あの、ハンカチ落としましたよ」

女性「え…?」

女性が振り向くと、アイオーンの手に持っているハンカチが目に入った。
慌ててアイオーンに駆け寄って礼を述べる。

女性「あっ…ありがとうございます!気付かなくてすみません…!」

アイオーン「ヴッ…!?い、いや…」

再びしどろもどろになるアイオーンに女性はきょとんと首をかしげる。
それをフォローしたのは、やはりリデルだった。

リデル「あ、この人はあまり人付き合いが得意ではないというか…あまり気にしないでください」

女性「そ、そうなんですか…では、私はこれで」

エージェント「シッ───」

女性が去ろうとすると、エージェントが人差し指を立てて静かにするように諭す。その行動に一同は女性含め緊迫した空気に包まれる。
エージェントが物音を立てないように廊下の壁に隠れて奥の方を覗く。他の面々も同様だ。
エージェントと同じ方向に目線を向けると…年齢はバラバラな男性達が何やら話し込んでいた。
会話の内容は聞き取れないが、男性達の腰に帯刀している刀を見て目を見開く。小学生くらいの男の子ですら、短刀を身に着けている。

エージェント「あいつら、なんだ…?」

アミティ「腰に持ってるの、刀…だよね?」

あやクル「警備員に知らせた方がいいか…?」

桜サイドの者達が恐々と刀を持った集団から目を離せないでいると、

寂雷「あ、ああ、大丈夫だよ。彼らは私の知り───」

寂雷が説明しようとした時だった。



女性「貴方達、何者ですか!?」

刀を持った集団「!?」

桜サイド「ええっ!?」

寂雷「あっ…」

先程ハンカチを落とした女性が刀を持った男達の前に姿を現した。
まさかの出来事に男達も、桜サイドの者達も驚きを隠せないでいる。
その反面、寂雷はしまった、と言わんばかりに焦った表情をしている。

そう、刀を持った集団は、影井と丸谷、そしてその二人の刀剣男士達だった。



感想まだ

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.107 )
日時: 2019/12/24 13:13
名前: 琴葉姫 (ID: S1UvsRxs)

───見つかった…!

影井ことゼクシオンは内心焦る。彼と丸谷…マールーシャに『心』は無いが、この状況をどう打破すればいいか考えるが焦って思考が鈍る。
声をかけてきた女性と、後ろで隠れている者達。
自分達が刀を持っているのはあちらも完全にわかっている。どう言い訳するべきか…

影井(ゼクシオン)「あ、いや、あの、僕達は怪しい者では」

女性「こんなライブ会場の裏で日本刀を帯刀している人が、怪しくないわけないでしょう!?その刀は本物ですか?見せてください」

影井(ゼクシオン)「そ、それは…」

ちらり、と後ろで不安そうに自分を見つめる刀剣男士達を見やる。
不味い、彼らが所持しているのは本物の日本刀だ。それも、歴史的に価値のある、重要文化財にも含まれているのもある。
考えてる最中にも、女性はこちらへ向かってくる。正確には、刀剣男士達が持ってる刀に、だ。

長義(姫マル)「ん…?」

と、成り行きを見守っていた長義(姫マル)が、奥の方にいる寂雷に気付く。さらに隣を見ると、クロウとアイオーンもいた。

長義(姫マル)「…!?お前達、なんでここに!?」

丸谷(マールーシャ)「え、長義?」

寂雷「あの…!」




「大丈夫です。その人達、怪しい人達じゃないので」

正に鶴の一声だった。
悪化を辿る騒動を収めたのは…

長義(姫マル)「…は!?真壁ぇ!?」

瑞希「どうもですちょぎ君。お疲れ様です」

真壁瑞希だ───!後ろには、他の765プロメンバーと、心配そうに真壁を見つめるcantabileがいた。

長義(姫マル)「は、は?な、なんでお前がここに」

瑞希「そりゃあ、ここで一緒にcantabileさん達とライブをするので」

長義(姫マル)「はぁぁぁぁ!?こ、ここで歌の披露宴をするのは、真壁だったのか!?」

瑞希「と、百合子さんとエミリーさんと麗花さんと昴さんとcantabileさんです」

長義(姫マル)「嘘だろう…」

丸谷(マールーシャ)「…そこまでなることか?」

長義が頭を抱え項垂れていると、再び瑞希が一歩前に出て『説明』する。

瑞希「実はこの方々、今度このコンサート会場で時代劇のミュージカルをやる一座の役者さん達なんです」

加州(姫ゼク)&鶴丸(姫ゼク)「えっ」

長義(姫マル)「はっ!?おい真壁、何口から出まかせを…」

影井(ゼクシオン)「シッ!!」

刀剣男士達が瑞希の言葉に反論するのを、影井(ゼクシオン)が慌てて止める。
影井(ゼクシオン)の表情を見て、察したのだろう。大人しく成り行きを見守る。

瑞希「舞台の視察のついでに、うちとcantabileさんの事務所がこの方達にも私達の舞台を観て欲しいと頼みまして。快く見てくださると仰り、かつここでミュージカルの練習をしていたんです」

女性「え、で、でも…」

瑞希「あ、当日前日までミュージカルの発表はされない予定ですので、誰にも言わないでくださいね。真壁瑞希からのお願いです」

と、頭を下げる。
それに女性は、困惑した表情で「は、はぁ…わかりました」と一応納得はしてくれたようだ。

長義(姫マル)「真壁、お前な…」

瑞希「出過ぎたことでしたか?」

丸谷(マールーシャ)「いや。君のおかげで丸く収まった。感謝する」

長義(姫マル)「おい…」

長義(姫マル)は何故か不満そうに丸谷(マールーシャ)を睨む。
すると先程まで静観していた寂雷がこちらにやってきて声をかける。

寂雷「君達もコンサートを見に来た、ということでいいのかな?」

影井(ゼクシオン)「…貴方もいたんですね。助けてくださいよ」

寂雷「ごめんね。不味くなったら間に入ろうと思ったんだけど…」

ラフィーナ「え、え!?その方達、寂雷さんの知り合いですの!?」

ラフィーナが驚いて声を上げる。他の桜サイドの者達もびっくりした表情で寂雷と、刀剣男士達を見つめる。
再び寂雷が影井達のことを紹介する。

寂雷「彼らも琴葉姫さんの嫁だよ」

アミティ「え!琴葉姫さんの世界の人達だったの!?早く言ってよ!」

寂雷「それを説明しようとしたんだけど、彼女が急に声をかけてしまったから…」

女性「…す、すみません」

寂雷「まぁ、不審者がいたらどうにかしたいという気持ちは立派だけど、相手は複数の男性で刀を持っている。自分だけでなく、彼女達も危険に晒されることになるから、少し考えてから行動して欲しかったかな」

女性「………」

寂雷「あ、いや…私もきつく言ってしまってすみません」

シグ「泣かせた―」

ジャガー「泣かせたな」

アリシア「泣かせたわね」

エージェント「こらっ(汗)」

寂雷の言葉に俯いてしまった女性。それをシグとジャガーとアリシアが揶揄い、エージェントが咎める。
その直後、後ろで見守っていたcantabileの3人が彼らに駆け寄る。

ププル「みんな!来てくれたんだ!」

あやクル「まぁな。cantabileの初コラボ、この目でしかと見届けさせてもらう」

リデル「楽しみにしてますね!」

ゼオ「ああ、任せろ」

その一方で…

百合子「あ、あのー…」

クロウ「んあ?」

アイオーン「ヴッ…?」

百合子がクロウとアイオーンに駆け寄り、声をかける。
クロウは百合子を睨みつけるように見つめ、アイオーンは猫背で顔を背けて目線だけで百合子を見る。

百合子「お、お二人も、来てくれたんですか…?」

クロウ「はぁ?俺お前と会ったことねーけど、誰だ?」

アイオーン「…この神の記憶には貴様の顔を記していない」

百合子「え、ええっ…!?た、確かにそんなに話はしてないかもしれませんけど…!」

エミリー「わ、私のこともご存じないでしょうか…?」

昴「お、オレは!?」

クロウ「知らね」

アイオーン「ヴ…」

昴「う、ウソだろ!?オレ、そんなに印象薄いのか…?」

エミリー「や、やはり私はまだまだ大和撫子には程遠く…!」

クルミ(クルーク)「あー違う違う違う!そのクロウとアイオーンは桜の世界の二人で、琴葉姫さんの世界のクロウとアイオーンとは別人なんだ!(汗)」

百合子&昴&エミリー「えっ?」

きょとんとした表情でクロウとアイオーンを見る3人。

クロウ「あ?なんだよ。この俺様の区別もつかねーなんて…まぁ?俺はどの世界でも最高にかっこよく輝いてるから仕方ねーか」

アイオーン「………神の心は寛大だ。そして、神はどの世界でも神。特別に許してやる」

百合子「そ、そうだったんだ…!別の世界の同一人物って、本当にいるんだ…!私も別世界の私に会ってみたいなぁ…」

昴「へー!言われてみれば、こっちのクロウはなんか優し気で、アイオーンはよく喋ってる気が…」

クロウ「ハァ!?どういう意味だよそれっ!」

エミリー「す、すみません、判別がつかずに…!今後気を付けますね!」

麗花「へ~!同じクロウ君とアイオーン君なのに、色々と違うんだね!百合子ちゃんの言う通り、私も別の世界の私に会ってみたいな~!どこにいるのかな。ワクワクワクワク♪」

と、各々がそれぞれのクロウとアイオーン、いずれかの世界にいる自分に思いを馳せていると…

中野(姫プラ)「あ、いたいたみんな!ここにいたんだね!…って」

星華(王ドラ)「…この方々は?」

丸谷(マールーシャ)「あっ…いや…(汗)」

中野(姫プラ)と星華(王ドラ)が探していたのか、こちらに駆け寄ってくる。
星華(王ドラ)は審神者二人と刀剣男士達に怪訝そうな視線を向けるが…

中野(姫プラ)「え、なんでゼクシオン君達がここに…」

瑞希「プロデューサーさん(小声)」

瑞希が小声で中野(姫プラ)に耳打ちする。

瑞希「(ちょぎ君達、色々と複雑なことがあるみたいなので、お客さん達のいないところで聞いてあげてくれませんか?)」

中野(姫プラ)「(お客さん達…?)」

と、辺りを見渡すと、桜サイドのキャラと寂雷、そして見知らぬ女性が目に入った。

中野(姫プラ)「神宮寺さん?…ああ、そういえば麗花がチケットをあげたって言ってましたね。コンサートを見に来てくれたんですか?」

寂雷「その通りだよ。今回のライブ、とても楽しみにしている」

昴「なぁなぁ寂雷さんっ!今日のライブ、のぼさんとかきよとかへいとかジャイリスとか、来てくれてる!?」

寂雷「…残念ながら、お仕事で来れなかったよ。正岡さんに至っては行きたいって泣き叫んでたけど、彼女が許してくれなかったようで…」

昴「…そっか…。でもでも!コンサート盛り上げて、のぼさん達に自慢するんだ!」

寂雷「それならよかった。彼らもきっと楽しみにしているよ」

星華(王ドラ)「えー、ごほん」

また混沌とした流れに戻りそうだったのを星華(王ドラ)が咳払いして止める。
そして「すぐに一緒に来て。緊急事態よ」と言った星華(王ドラ)の表情は真剣で、765プロメンバーとcantabileは動揺してしまう。

ププル「緊急事態、って…何があったの?」

星華(王ドラ)「それは控え室で説明するわ。で、そこの人達は…」

影井(ゼクシオン)「あっ…」

星華(王ドラ)が審神者二人と刀剣男士に視線を向けたため彼らに視線が集中する。
気まずそうに視線を泳がす彼らに、中野(姫プラ)は

中野(姫プラ)「貴方達用の控え室を用意するので、そちらで待機していてください」

影井(ゼクシオン)「え」

中野「…詳しい話はあとで聞かせてもらうよ」

と、影井(ゼクシオン)に耳打ちする中野(姫プラ)。それに対し影井(ゼクシオン)は「…はい」と落ち着いた声色で返事をした。

星華(王ドラ)「ということなので、貴方達は会場に戻った戻った!」

アミティ&シグ&ジャガー&クロウ&アリシア「えー!」

星華(王ドラ)「えーじゃないわよ!いいから戻りなさい!」

桜サイド「ぶーぶー!」

エージェント「こらっお前らっ(汗)すみませんすぐに戻ります!ほら行くぞ!」

シグ「ちぇー」

寂雷「では、失礼します」

エージェントが子供たちを引き連れ、寂雷は一礼してその場を去っていった。
そして先程の女性は、軽くお辞儀した後無言で戻って行った。

百合子「それで、緊急事態ってなんなんですか…?」

星華(王ドラ)「…私と一緒に来て」

中野(姫プラ)「僕は彼らを控え室に案内してから向かいます」

星華(王ドラ)「ええ、お願いします」

765プロメンバーとcantabileが不安そうに、星華(王ドラ)について行った先で聞いた「緊急事態」とは───?



○●○●○



765プロメンバー&cantabile「きょっ、脅迫!?」

8人の少年少女の声が、控え室に響いた。
その場には8人の他に、星華(王ドラ)と城戸(キッド)と目取(ドラメッド)、刀剣男士達を別室に案内し終えた中野(姫プラ)、そして今回のコンサートのスポンサーである音楽会社の社長である阿曽野とコラボ楽曲提供者の荒本がいた。

阿曽野「…ああ。ついさっき、我が社のFAXにこんなメールが送られてきた」

そう言って、一枚のコピー用紙を机に置いた。
用紙には、新聞紙の文字を切り取った字でこう書かれていた…。

ゼオ「"今回のコンサートを中止しろ。さもなくば、観客もろとも切り裂いて皆殺しにする。警察に知らせれば阿曽野重輔と荒本憲人、お前達を地獄に落とす"…」

エミリー「そんな…!」

クルミ(クルーク)「誰がこんなこと…!」

明らかなる脅迫文に、今回コンサートで歌う765プロメンバーとcantabileは憤る。
自分達のファンの人達まで、巻き込もうとしているのだ、この脅迫犯は。
中野(姫プラ)が唇を噛み、苦渋の表情で阿曽野に交渉する。

中野(姫プラ)「阿曽野社長。今回のコンサート、延期した方がいいかと思われます。すでに集まっているお客さん達には申し訳ないとは思いますが、百合子達やお客さんの安全が確保できるまで…」

阿曽野「ならん!」

中野(姫プラ)の声を遮って、阿曽野は大声を上げた。
突然の大声にププルやエミリーは驚いて目を見開く。少々震えてもいるようだ。
鬼の形相でコンサートを中止しない理由を述べる。

阿曽野「こんなもの、ただのイタズラの可能性もある!せっかくたくさんのお客様が今か今かとコンサートを待ちわびているのに、中止か延期になったりしたらこのコンサートの評判はがた落ちだ!そうなれば貴方がたの事務所も、私の会社も大打撃を受ける!」

星華(王ドラ)「…ファンやアイドル達の命より、自社の評判をお気になされるのですか?この脅迫が本当だった場合、観客の方々が危険に晒されて死亡したとしたら、それこそ大バッシングですよ!?」

荒本「いやいや、真面目に考えすぎじゃないっすか?まだこの脅迫が本物だと決まったわけじゃ」

星華(王ドラ)「黙 っ て ろ や 針 金(威圧)」

荒本「ひっ…!ら、乱暴な女だなオイ!ちょっと美人だからって調子乗ってんじゃねーぞ!?」

星華(王ドラ)「(ああ、この人作曲センスはあるけど残念な人なんですね。相手にするのも馬鹿らしいのでスルーしましょう)阿曽野社長。悪戯の可能性ももちろんあります。しかし、悪戯でなかったらただ事ではありません。貴方も人を束ねる職についているのなら、お分かりになるでしょう?」

阿曽野「…確かに、本当であればとんでもないことだ。だから、私は"切り札"を使おうと思う」

中野(姫プラ)「…切り札、ですか?その切り札とは?」

中野(姫プラ)の言葉と共に、阿曽野はスマートフォンを取り出して何処かへ連絡する…。

阿曽野「もしもし、依頼したいことがあるのだが…」



阿曽野社長の切り札とは…?
感想まだ

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.108 )
日時: 2019/12/24 13:32
名前: 琴葉姫 (ID: S1UvsRxs)

※大人のおもちゃが出てくるシーンがあります!(!?)申し訳ありませんが誹謗中傷はおやめください※



エミーリオ「チャオ、お嬢さん達…俺はエミーリオ。ヨーロッパNo.1の賞金首狙いの私立探偵さ…(ウインク)」

百合子「は、はぁ…」

ププル「(な、なんでエミーリオがここに~!?(小声))」

クルミ(クルーク)「(阿曽野社長の切り札って、こいつなの!?(小声))」

阿曽野が"切り札"と称して呼んだのは…イタリア一の伊達男探偵、桜サイドのエミーリオだったのだ───!
阿曽野の言うことでは「警察を呼ぶなと言ったが探偵は呼ぶなと言っていない。彼には一度依頼をしたことがあってその伝で依頼した」とのことだった。
正直屁理屈にも思えるが今は非常事態。藁にも縋る思いでエミーリオに託すしかないのか…と桜サイドメンバーは思っていたが…

阿曽野「ああ、あともう一人、探偵を呼んでいるんだ。一人より多くいた方が解決が早いと思ってね」

エミーリオ「!?ちょっと待ってくれミスター!俺だけじゃ不満だって言うのか!?」

阿曽野「そういうわけではない。それに、もう一人の探偵もとても優秀だと聞いている」

そんな中、部屋のドアがノックされる。
もう一人の探偵が来たんだろうか。阿曽野は「入ってくれ」と一声かけると、ドアが開かれた。

敦(文スト)「し、失礼します…。今回の依頼を受けました"武装探偵社"です…」

中野(姫プラ)「敦君!?」

敦(文スト)「えっ…!?な、中野さん!?そ、それに、っ、うわぁぁっ!?」

乱歩(文スト)「通行の邪魔だよ敦君。主役の僕が入れないじゃないか」

敦(文スト)「すっすみません!ど、どうぞ!」

現れたのは、琴葉姫の嫁であり武装探偵社に勤務する中島敦(文スト)と、稀有なる名探偵の異名を持つ江戸川乱歩(文スト)だった───!
扉の前で立ち止まっている敦(文スト)の背を押して、乱歩(文スト)が部屋の中に入る。

阿曽野「…私は武装探偵社の探偵に依頼をしたはずだが、肝心の探偵はどこにいるんだ?」

乱歩(文スト)「はぁ?おじさん節穴なの?武装探偵社が誇る名探偵はこの僕、江戸川乱歩を置いて他にいないじゃないか!オーラでわかるでしょおじさん」

阿曽野「…君がか?幼稚極まりない子供にしか見えんが」

乱歩(文スト)「はぁ?」

敦(文スト)「すっ、すすすすすみません!!ら、乱歩さんは終始こんな感じですが、頭脳は何よりも素晴らしいので、大丈夫です!」

乱歩(文スト)「…敦君、頭脳「は」ってどういうこと?僕が頭脳以外何も取り柄がないみたいな言い方だねぇ?」

敦(文スト)「えっ!?あ、いや!そ、そういうわけではなく…!」

エミーリオ「ふーん…」

敦(文スト)に食い掛る乱歩(文スト)を見て、エミーリオが含みのある笑みで乱歩(文スト)に歩み寄る。
エミーリオの方に顔を向けた乱歩(文スト)は糸目のまま首をかしげる。

乱歩(文スト)「…何君」

エミーリオ「エドガワランポ、といったか?君、俺と勝負しないか?」

乱歩(文スト)「は?」

敦(文スト)「え、えええっ!?」

ププル「(ちょ、あいつ何言ってんのぉ!?)」

エミーリオの発言に、敦(文スト)もcantabileも765プロメンバーも、驚愕して目を見開いた。
そして勝負を持ち掛けられた乱歩(文スト)はと言うと…

乱歩(文スト)「…フッ」

エミーリオを馬鹿にするように鼻で笑った。

エミーリオ「なっ、何がおかしい!?」

乱歩(文スト)「莫迦じゃないの?僕は異能力者でもある名探偵なんだよ?君みたいなかっこつけてるだけの張りぼて探偵じゃないの。僕と君とは比べるまでもない」

エミーリオ「…ほう?(#^ω^)」

敦(文スト)「おっ落ち着いてください!乱歩さん!相手は勝手を分かってる軍警の方々ではないので…!」

乱歩(文スト)「えー、彼から言って来たんじゃん」

エミーリオ「…俺は決めたぞ」



エミーリオ「絶対にお前より先に犯人を捕まえて、その天狗の鼻へし折ってやる!!」



そう言って、開けたドアを勢いよく閉めて出て行った。閉められた際の大きな音で女性陣が肩を震わせた。
そんなエミーリオに乱歩(文スト)は「やれやれ」と帽子を唾を掴んで呆れた表情だ。

乱歩(文スト)「彼が僕に釣り合うのかねぇ。まぁ、今回の事件も難解なものだと良いんだけど」

中野(姫プラ)「…江戸川君は、本気でその性格直した方がいいよ」

乱歩(文スト)「はあ?なんで?僕間違ったこと言ってる?」

敦(文スト)「ら、乱歩さん!今は脅迫犯を探しましょう!?(汗)」

阿曽野「…絶対に犯人を見つけてくれたまえよ。それと、お客様方には勘づかれないように。では、我々はこれで。行くよ、荒元君」

荒本「あ、はい(こんなガキとさっきのキザ野郎が本当に解決してくれんのか?なんだって社長もこんな奴らを…)」

阿曽野の後に続く荒本は乱歩(文スト)を睨んでいたが、涼やかな表情でスルーする。
二人が退室した後、百合子と昴が乱歩(文スト)に駆け寄ってくる。

百合子「乱歩さん!本当に大丈夫でしょうか?もしファンの皆さんに何かあったら…!」

昴「オレたち協力するからさ!みんなで犯人探そうぜ!」

中野(姫プラ)「ちょっ、何言ってるの!?みんなは舞台に出る大切な身。君達に何かあったら…!」

ゼオ「それ、俺も乗った」

中野(姫プラ)「え、えええっ!?ぜ、ゼオさん!?」

ププル「ボクも!ボク達のコンサートを中止なんてさせない!」

クルミ(クルーク)「…それに関してはボクも同意。このボクの妨げをしようだなんていい度胸だよ。犯人は見つけ出してたっぷりお灸をすえてあげなくちゃ」

星華(王ドラ)「…貴方達、本当にじっとしてられませんね」

中野(姫プラ)「星華さん、止めてください!彼女達に何かあったらどうするんですか!?」

星華(王ドラ)「そのために、エミーリオさんや江戸川さん、そして我々がいるのでは?」

城戸(キッド)「…実は俺も脅迫なんて許せないと思ってた。犯人のツラ拝んで一発殴る!」

目取(ドラメッド)「物騒ですね城戸さん(汗)でも、犯人が許せないのは僕も同意します。そして、自社のアイドルを守るのは我々の役目です」

中野(姫プラ)「ああもう…!僕も覚悟を決めます!命に代えてでもアイドル達には手出しはさせない…!」

百合子「プロデューサーさん…!ありがとうございます!」

星華(王ドラ)「(まぁぶっちゃけ、タママさんをここに呼んで第三の人格で推理した方が確実ですけど、彼は今玉井朝海として別の仕事で海外に行ってるので無理ですね。こんな時にいないとかホント使えないですねあのオタマジャクシ宇宙人(毒))」

こうして脅迫犯の足掛かりを探すことにした一同。
ふと、乱歩が脅迫文が書かれた用紙を手に取る。

乱歩(文スト)「これが脅迫文?」

星華(王ドラ)「ええ。阿曽野社長の会社のFAXに送られてきたようです」

敦(文スト)「ひどいな…早く探さなきゃ」

瑞希「そういえば、ちょぎ君たち放置したままですね。そろそろ話を聞きに行った方がいいのでは?」

中野(姫プラ)「ああ、そういえばそうだった…。僕が行ってくるよ」

敦(文スト)「え、ちょぎ君、って、長義さんもここに来てるんですか?」

瑞希「ええ、ちょぎ君とまんばさんと、マールーシャさんやゼクシオンさん達もいましたね」

乱歩(文スト)「───刀剣男士の数、12振りだった?」

昴「え?えーっと、誰がいたっけ?」

エミリー「確か、鶴丸さんと、加州さんと、亀甲さんと、物吉さんと、薬研君と、太鼓鐘くんと…」

瑞希「あと長谷部さんと前田君と兼さんさんと堀川君ですね」

麗花「よく覚えてるね~!」

百合子「というか、兼さんさんって…(汗)」

乱歩(文スト)「…なーるほど」

脅迫文の一つの単語を見つめた乱歩は頷き

乱歩(文スト)「僕達も彼らに話を聞きに行くよ」

瑞希「?何故?」



乱歩(文スト)「彼らがこの事件の糸口になるはずだからね」



○●○●○



長義(姫マル)「脅迫文だと!?この披露宴に!?」

中野(姫プラ)「うん。これが脅迫文」

影井(ゼクシオン)「見せてください」

脅迫文を影井(ゼクシオン)に渡し、丸谷(マールーシャ)と刀剣男士も脅迫文を見つめる。
一通り精察した後、「なるほど」と言葉を溢す影井(ゼクシオン)。

影井(ゼクシオン)「それで?僕達とこれが何の関係が?」

乱歩(文スト)「おや、君は聡明な知能を持っていたはずだよ?解らないわけないよね?」

影井(ゼクシオン)「………」

加州(姫ゼク)「え、え?どういうこと?」

長義(姫マル)「…この脅迫文の一部に「切り裂いて皆殺し」にする、とある」

山姥切(姫マル)「ああ、なるほどな」

前田(姫マル)「切り裂いて、ということは刃物か何かを使って、ということですね」

加州(姫ゼク)「!それって…!」



影井(ゼクシオン)「この脅迫犯の正体は、時間遡行軍を率いる歴史修正主義者の可能性がある、ということですね」

部屋が緊迫した雰囲気に包まれる。
この会場に影井(ゼクシオン)達がいることが、それを証明づける要因にもなる。
まさかの事態に長義(姫マル)も頭を掻いて「くそっ」と悪態をついた。
そんな切迫した中、星華(王ドラ)が

星華(王ドラ)「てか、貴方達犯人の情報を何か掴んでるわよね?教えてくれる?」

長義(姫マル)「…申し訳ないが、部外者に情報を漏らすわけには…」

瑞希「ちょぎ君ちょぎ君。教えて欲しいゾ。…ういんく(目ぎゅー)」

長義(姫マル)「お前は馬鹿なのか?????ああそうだったな馬鹿だったな。教えるか調子に乗るなよ馬鹿真壁」

丸谷(マールーシャ)「おい長義、それは言いすぎだぞ…(汗)」

瑞希「…瑞希、ミッション失敗」

星華(王ドラ)「…そこまで言うなら仕方ありませんね」

加州(姫ゼク)「えっ何する気!?」

星華(王ドラ)がそう言って、カバンからごそごそと何かを取り出す。それは…



ヴヴヴヴと振動するローターだった(爆弾投下)

影井(ゼクシオン)&丸谷(マールーシャ)「んんん!?!?!?(驚愕)」

山姥切(姫マル)「?何に使う道具なんだ?」

堀川(姫マル)「兄弟と兼さん見ちゃ駄目ー!!!」

和泉守(姫マル)「なっなんだよ国広!?前が見えねえぞ!」

星華(王ドラ)「これをこのまま見せびらかします?それだけじゃ面白味がないので貴方がこれを使って」

長義(姫マル)「わかった!わかった!!こちらの知っている情報を言うからそれを即座に仕舞え!いますぐだ!!」

丸谷(マールーシャ)「長義ぃ…orz」

影井(ゼクシオン)「…(頭抱え)」

星華(王ドラ)「交渉成立ね☆」

エミリー「仕掛け人さま、あの道具は一体どのような用途で使用するのでしょうか?」

昴「按摩器の類か?」

麗花「面白そうだね~!なんか、私も持ってみたいな~!ぶぶぶぶって面白そう!」

中野(姫プラ)「みんなもいずれ大人になったらわかるから!僕に訊かないで!!(必死)あと麗花はなんてこと言ってるの!!!」

こうして、審神者と刀剣男士達はみんなに知っている情報を話した。



星華(王ドラ)「なるほど。そんな以前から脅迫の計画は進められていたのですね」

長義(姫マル)「時間遡行軍を討伐するために俺達が派遣された。だが、奴らが一体どこにいるか…」

乱歩(文スト)「…なーるほど」

敦(文スト)「ら、乱歩さん…?」



乱歩(文スト)「異能力を使うまでもなく、全部わかったよ」



丸谷(マールーシャ)「…は、はああっ!?」

ププル「えっ、わかったの!?いったい誰が…」

乱歩(文スト)「そうだなぁ。円滑に犯人をおびき出せるように」



───救援を頼もうかな



○●○●○



アミティ「あと二時間も待たないといけないのー!?」

シグ「熱気であついー…」

ラフィーナ「こら!また飲み物を飲んだら本番にトイレに行きたくなりますわよ!?」

エージェント「こりゃあ前途多難だな…(汗)」

その頃コンサート会場ではコンサートを開演を今か今かと待ちわびる観客で埋め尽くされていた。
開演まであと二時間。観客からはとても長く感じるが…

するとその時

「あら?」

寂雷「? あ…」

隣に入って来たのは、あの時ハンカチを落として刀剣男士達に詰め寄っていた黒髪セミロングの女性だった。
まさかの再会に女性も桜サイドも驚く。

リデル「お姉さんは、先程の…」

女性「ええ。あの時はすみませんでした。貴方達に危害が加わるかもしれない可能性に行きつかず…」

あやクル「別に気にしていない。なんともなかったからな」

ジャガー「そう言えばお前、名前は?」

奏「ああ、そういえば名乗っていませんでしたね。私は詩織奏しおりかなでと申します」

クロウ「へー。で、俺様は───」

桜サイドのキャラ達と寂雷が自己紹介し終え、軽い雑談を始める。

エージェント「奏さんもcantabileか39プロジェクトのファンなんですか?」

奏「あ…私は…どちらかと言うと今回コラボ用の楽曲を作った人のファンで…。もし二グループのファンなのでしたら申し訳ないのですが…」

アリシア「そうなの?今回のコラボの曲を作った人って、どんな人?」

ラフィーナ「確かに、中々にいい曲と宣伝では言ってましたが…」

アリシアの問いに、奏はどこか儚げな表情をした後───

奏「…とても、素晴らしい子よ。才能もあって、努力も怠らない…誰よりも音楽を愛する子」

アイオーン「…好きなのだな。その者が」

奏「ええ。だから…このライブを、私は絶対に見届けないといけないんです。何があっても」

寂雷「…そうですか。なら、ますます開演が待ち遠しいですね」

奏「クスッ。ええ」

談笑している一行に、空気を読まない声がかけられた。

「そこのお嬢さん。よければお話いたしませんか?」

奏「えっ?」

エージェント「(ん?この声…まさか…(汗))………ゲエッ!?」

「…ん?………はぁっ!?」



エージェント「お前、何でここにいるんだよエミーリオ!?」

エミーリオ「それはこっちの台詞だよナオキ!それにお前らまで…!なんでここに!?」

奏に声をかけたのは、なんとエミーリオだった!
エミーリオの登場にエージェントはエミーリオに食い掛り、エミーリオもここにエージェント達がいるとは思わず声を荒げて取り乱している。

奏「え、えーと…お知り合いの方ですか?」

エージェント&エミーリオ「い、一応…(互いを睨み合い)」

シグ「なんでいるのー?」

エミーリオ「お前らは関係ない。そこのお嬢さんに用があるんだ」

あやクル「cantabileの初コラボコンサートまで来てナンパとは、ある意味大物だな(呆)」

奏「あ、あの…私は…」

エミーリオ「まぁまぁ、そう言わないで」



エミーリオ「貴方、コラボ楽曲の作曲者が好きなのでしょう?俺が会わせてあげますよ」

奏「えっ───?」



エミーリオの言葉に奏は動きが固まる。
当然、桜サイドの者達はエミーリオが嘘を言ってると思っており…

アミティ「そんなわけないじゃん!嘘ついてまでナンパなんてよくないよ!」

エージェント「お前、そんな嘘ついて奏さんをどうするつもりだ?(ジト目)」

エミーリオ「嘘じゃねーよ!どんだけ俺信用ないんだよ!?」

エージェント「そりゃそうだろ!奏さんを連れて行くなら俺達も行く!」

奏「え…」

ラフィーナ「わたくし達もですわ!奏さんに手出しはさせませんわよ!」

リデル「はい、頑張ります…!」

アリシア「エージェントが行くならアリシアも行くわ!」

エミーリオ「ええ~…」

奏「あ、あの、皆さん、私は大丈夫ですので…」

桜サイド「駄目!俺(私・僕・わたくし・俺様・神)も行く!」

寂雷「…差し支えなければ、我々も同行させていただけませんか?」

奏「わ、分かりました…(汗)」

エミーリオ「(くっそ、ナオキの奴~…!おかげで面倒くさいことになりそうだぞ…!?)」



○●○●○




アミティ「ここ、さっきのトイレのところじゃん!」

ジャガー「トイレに連れ込んであんなことやこんなことを…」

エミーリオ「ちげーっつってんだろ!!!(怒)」

あの時、刀剣男士達を見つけたところに案内するエミーリオ。
そして更に奥に進むと…



荒本「おいっ!俺をこんなところに呼び出して何を…」

奏「───!!!」

荒本が壁を蹴りながら現れたエミーリオに対して悪態をついていた。
荒本の姿を一目見た奏の表情が、読み取れないものになった。

エミーリオ「そう言うな。お前のファンを連れてきたぞ」

荒本「ハァ?」

奏「───初めまして。荒本憲人さん。私は───」

奏が荒本に対して名乗り出、二の次の言葉を発そうとすると…



「ちゃんと連れてきてくれたんだね」

奏&荒本&桜サイド&寂雷「!!!?」

突然、複数の人物が姿を現した。
その正体は…

エミティ「えっ!?クルミにププルにゼオに王ド…じゃない!星華さん!?」

リデル「どうしてここに…!?」

星華(王ドラ)「…なんで貴方達までいるんですか(頭抱え)」

彼女らのやり取りを無視して、乱歩(文スト)が歩み寄る。

乱歩(文スト)「てっきり僕の言うことなんて聞いてくれないと思ったよ」

エミーリオ「…お前は死んで輪廻転生しても気に食わない。けどな」



エミーリオ「俺は曲りなりにも探偵だ。真実に導くためなら、お前の嫌味な指図でも聞いてやる」

エージェント「お、おい、どういうことだエミーリオ?こいつらは一体…」

奏「あ、貴方達は…?」

乱歩(文スト)「───初めまして」





乱歩(文スト)「脅迫犯もとい歴史修正主義者さん?」


超展開過ぎて申し訳ありませんorz
次回は後編。奏は本当に脅迫犯なのか、歴史修正主義者との関係は、なぜこんなことをしたのか、全てが分かります!

ここまで閲覧ありがとうございました!
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