二次創作小説(新・総合)

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.119 )
日時: 2020/04/25 19:57
名前: 琴葉姫 (ID: EnwL6lXi)

琴葉姫「出来が…()」

アーサー「(察したわ())」



「初恋はいずれ両想いに 高山紗代子視点」

765プロダクションが所有する、765プロライブ劇場シアター
今日もここで、アイドル達はファンのため、己のために切磋琢磨しているのだが…

未来「ただいま戻りましたー!」

静香「未来、帰って早々大声を出さないの。みんなびっくりするでしょ?」

未来「えー?だって、ただいまの挨拶は元気な方がいいでしょ~?」

静香「それは…まぁ、わかるけど」

奈緒「あっ、プロデューサーさんに未来に静香に翼!おかえり~」

紗代子「お帰りなさい!プロデューサーさん!」

翼(ミリマス)「ただいま~!みんな集まってるね~!」

中野(姫プラ)「みんな、何の話をしているんだい?」

テレビ局での仕事を終えた未来、静香、翼(ミリマス)の三人が同行していたプロデューサーである中野重治と劇場シアターに帰還すると、数名のアイドル達が何やら盛り上がっていた。
中野(姫プラ)が何の話で盛り上がっていたのか問うと、年長者の一人である百瀬莉緒が「よくぞ訊いてくれたわ!」と立ち上がり興奮気味に答えた。

莉緒「さっきまでね、皆の初恋について語ってたの~!もう、若い子達の恋愛話は潤うわ~」

翼(ミリマス)「えっ!?なにそれなにそれ!あたしも聞きたかった~!」

静香「もう、翼ったら。私達はアイドルなんだから、恋愛はご法度よ?」

翼(ミリマス)「いいじゃん!女の子は恋をして輝くの!あ~あ、あたしにも恋人出来ないかな~」

未来「初恋かぁ…よくわかんないけど、なんかきらきらしてて私も憧れるな~」

莉緒「あら!?未来ちゃんも恋に興味があるのね~!若いっていいわぁ~!」

中野(姫プラ)「莉緒、静香の言う通り、みんなはアイドルで…」

莉緒「わかってるわよ!でも初恋を語る分にはいいじゃない!仕事のネタになったりするでしょ?」

中野(姫プラ)「ネタになる範囲ならね」

莉緒「堅いわね~…」

未来「それでそれで、みんなはどんな初恋をしたの!?」

未来が興味津々に莉緒と初恋を語らっていた閃光☆HANABI団メンバー、高山紗代子、高坂海美、横山奈緒、佐竹美奈子、福田のり子に問いかける。
メンバーは各々頬を染めたり「あー」と溢して視線を逸らしたり、三者三様な反応だ。

海美「私は、一緒のバレエクラブに通ってた男の子だったんだけど…急に辞めちゃって、告白できず仕舞いだったんだぁ…。でも、今が楽しいからいっかーって!」

のり子「アタシは…うーん…小さい頃好きだったプロレスラーかな?よく覚えてないや!」

奈緒「私は…うーん…よぉ覚えてへんわ」

海美「あれ、奈緒はお兄さんじゃなかったの?」

奈緒「あーそういやそうやった~ってなんでやねん!自分の兄貴好きになる妹とか漫画にしかおらんで!!!」

美奈子「私は食いっぷりが良い人が好みです!」

奈緒「いやそれ初恋と関係ないやろ!!!」

メンバーが初恋の相手の思い出を語り…奈緒が突っ込みを入れたりして盛り上がるが…

未来「紗代子ちゃんは?紗代子ちゃんの初恋ってどんなの?」

紗代子「えっ、わ、私?」

自分に話題を振られ、あわあわと狼狽える様子の紗代子。
そんな彼女を余所に周りも…

莉緒「あーっ!それ私も気になるわ!いつもアイドルの仕事に真面目な紗代子ちゃんの初恋、訊きたいわ!」

海美「うんうん!紗代子の初恋の人ってどんな人なの!?」

美奈子「確かに、紗代子ちゃんから恋の話って聞いたことないし、気になる!」

紗代子「え、ええええ!?」

同じ劇場シアターでアイドル活動をする仲間達に羨望の眼差しを向けられ戸惑う紗代子。カァー、と顔を赤くし俯いて口をもごもごし始める。
が、観念したのか、ゆっくりと語り始める───。



え、っとね。私、元々は茨城に住んでたのは皆知ってるよね?
東京に引っ越して来て転校初日に、この学校に、土地に馴染めるか不安で…
仲の良い友達と離れ離れになってしまったこともあって、帰りに下校途中にある公園で泣いてたの。
そしたら…

「大丈夫?どうして泣いてるんだい?」

一人の男の子が、声をかけてくれたの。
眼鏡をかけてて、真面目そうな男の子だったよ。
急に声を掛けられてびっくりしたんだけど、その男の子の声色と瞳が、なんだか安心できるような気がして…
自然と心をさらけ出せる感じがして、友達と離れ離れになって、新しい土地の馴染めるか不安だってことを話したの。
そしたら…

男の子「ぼくがキミの友達になってあげるよ!」

紗代子(幼少期)「え…」

男の子「だからもう泣かないで!ぼくは飯田てんや!キミの名前は?」

そう言って、手を差し伸べてくれた。
そんな彼に、私も無意識に彼の手を取っていた。

紗代子(幼少期)「…紗代子。高山紗代子」

てんや「さよこちゃんか!よろしくな!」

そういって、満面の笑みで握り返してくれた───。



紗代子「…それが、私の初恋の相手、てんやくんとの出会いだよ」

紗代子が語り終えると、莉緒、海美、翼(ミリマス)が「きゃああああ!!!」と黄色い叫びをあげた。
奈緒と美奈子とのり子と未来と静香は「おお…!」と頬を染め感嘆の言葉を溢す。
ただ、プロデューサーの中野(姫プラ)の表情は驚愕に染まっていたがアイドル達はそれを気にしている暇はないようだ。

莉緒「何よそれ~!!!なんて少女漫画!?なんてラブコメドラマ!?とにかくあまずっぱ~い!紗代子ちゃんの初恋にそんなエピソードがあったなんて~!」

海美「いいないいな~!なんていうか、甘い気持ちって言うのかな!?私も嬉しくなる~!」

翼(ミリマス)「紗代子ちゃん羨ましい~!は~あ、わたしもそんなことを言ってくれる人現れないかな~」

奈緒「や、やるな紗代子…そんな隠し玉を持ってるとは思わんかったわ…」

未来「よかったね紗代子ちゃん!優しい男の子が初恋で!」

のり子「それでそれで!?てんやくんとはどんな話をしたの!?」

紗代子を余所に盛り上がるアイドル達。紗代子も押され気味だったが再び語り始める。



えーと、その日から、学校から帰ったらてんやくんと遊んだんだ。
といっても、遊びよりおしゃべりばっかりだったけど。
てんやくんにはお兄さんがいて、お兄さんはてんやくんにとってヒーローなんだ、って熱弁してたよ。本当にお兄さんが好きなんだなあって、兄弟のいない私はよくわからなかったけど、微笑ましい気持ちになったな。
「お兄さんがてんやくんにとってヒーローなら、私にとってのヒーローはてんやくんだね」って言うと、てんやくんは顔を赤くしてロボットみたいに腕を動かして照れてたよ。あれは可愛かったなぁ…。他にも、てんやくんの大好きだって言うヒーローの話をしてくれたけど、私はそういうの詳しくなくて相槌しか出来なかったから、ちょっと申し訳ないなって今でも思ってるかな…。
私はその頃からアイドルを目指してて、そのことをてんやくんに言ったら「さよこちゃんなら絶対なれるよ!ぼくも応援する!」って、笑顔で元気に答えてくれて、すごく嬉しかった…。
てんやくんの言葉もあったから、今私はアイドルとして頑張れてるのかな、って気持ちも…あったりするんだ。



奈緒「いやぁ~…見事な惚気っぷりやな。口から砂糖吐きそうやわ」

未来「えええっ!?奈緒ちゃん、口から砂糖出せるの!?」

奈緒「いや、それくらいに紗代子の話が甘すぎるってことやからな!?」

未来「え?えーと、そうだね!紗代子ちゃんが本当にてんやくんのこと好きなんだなって、私も嬉しくなってきたよ~!」

莉緒「これが…若い子の恋愛なのね…お姉さん話聞いただけで若返りそうだわ!」

中野(姫プラ)「全く、莉緒ったら…それで、紗代子」

紗代子「はい?」

中野(姫プラ)「…そのてんやくんとは、今でも話したりしてるわけじゃないよね?」

紗代子「あ…」

中野(姫プラ)の問いかけに、暗い表情をして俯いてしまう紗代子。

莉緒「ちょっとプロデューサー君。そういう話は無粋じゃないかしら?」

中野(姫プラ)「確かに空気を読めなくて申し訳ないけど、これは紗代子の為を思って…」

紗代子「い、いいんです。…もう、てんやくんとは何年も会ってないんですから」

「「「え…」」」

紗代子の言葉に、アイドル達も唖然としてしまう。
しばらくして、紗代子が口を開いた。



ある日ね。学校に行くと、クラスの女の子が話しかけて来てくれたの。
それで話が盛り上がって、友達になろうって言ってくれたの。
転校してきて、てんやくん以外の友達ができたって、嬉しくて嬉しくて。
だから、新しい友達ができたって、真っ先にてんやくんに知らせたくて。
帰ってくるなり玄関にランドセルをほっぽって、てんやくんのいる公園に走ったけど…
公園が工事現場になってたの。作業員の人に訊いてみたら、公園を潰してマンションを建てるって…。
けど、私はてんやくんが来るまで外で待ってた。最終的にお母さんが見つけに来るまでてんやくんは来なかったの。
次の日も、次の日の次の日も、ずっとずっと、毎日毎日工事現場で待ってたけど、てんやくんは現れなかった。
近所の人にもてんやくんの見た目と名前を教えて「こんな子知りませんか?」って訊きに回ったけど、誰に訊いても知らないって…



紗代子「それ以来、私はてんやくんに会えてない」

のり子「紗代子…」

先程までの熱気はどこへ行ったのか、控え室は冷めた空気が支配していた。

海美「う、うえええ~ん!紗代子ぉぉぉぉ…!」

紗代子「え、う、海美!?どうして泣いてるの!?」

海美「だ、だってぇぇぇ…!紗代子、急にてんやくんと会えなくなっちゃって、さよならも言えなかったなんて…うわぁぁぁん!悲しすぎるよぉ~…!」

美奈子「よしよし海美ちゃん…でも、私も悲しいと思うな。いきなり予期せぬお別れなんて…」

未来「紗代子ちゃん、きっと悲しかっただろうな…」

紗代子「みんな…っありがとう、私のために心を痛めてくれて。でも大丈夫!今は皆とアイドルをやることが楽しいから!…確かにもう会えなくなっちゃったのは悲しかったけど」

未来「あーっ!私、いいこと考えた!」

静香「未来ったら、落ち込んでたかと思ったら急に大声を出して…」

翼(ミリマス)「いいことってなーに?未来?」

翼(ミリマス)の問いに、未来が目を輝かせ顔を上げた。



未来「紗代子ちゃんがアイドルとして有名になって、てんやくんに見つけてもらえばいいんだよ!」



紗代子「…えっ?」

海美「あーっ!確かに!そうすれば、てんやくんも紗代子のことに気付いてくれるよね!」

静香「…確かに悪くはないと思うけど、そう上手く行くかしら…」

未来「きっと上手く行くよ!だって、紗代子ちゃんはこんなにもてんやくんのことを好きなんだから!」

奈緒「ええ~…その理屈で言うたら逆ちゃう?てんやくんが、紗代子のこと好きやから見つけてくれる~って」

紗代子「えええ?てんやくん、未だに私のこと好きってことはないと思うけど…」

「「「それはないよ!」」」

紗代子「みんなして断定しちゃうの!?」

莉緒「だって紗代子ちゃん!てんやくんが泣いてた紗代子ちゃんに声をかけてた時点で脈ありだと思うの!」

翼(ミリマス)「うんうん。どうでもいいと思うなら、無視してると思うな~」

紗代子「そ、それはてんやくんが優しいからで…」

未来「とにかくっ!これからもアイドルのお仕事頑張ろっ!アイドルとして有名になれて、ファンも喜んでくれて、てんやくんにも見つけ出してもらえて一石三鳥だよ♪」

紗代子「………!」

未来の言葉に、紗代子の瞳にメラメラと炎が宿る。
そして勢いよく椅子から立ち上がり、拳を固める。

紗代子「うんっ!どのちみアイドルの頂点を目指すって夢は変わらないもん!アイドルのお仕事はもちろん頑張るし、てんやくんが見てるかもしれないのに中途半端な仕事は出来ないもん!」

奈緒「その意気や、紗代子!」

海美「よーし!じゃあ今からダンスレッスンしよー!」

のり子「いいね!紗代子が決意してアタシも火が付いちゃった!」

莉緒「いいわね~!なら、お姉さんも負けてはいられないわ~!今すぐレッスンルームに集合よ!」

美奈子「はーい!」

奈緒「私も負けられへん。ガンガン行くで!」

翼(ミリマス)「すごいな~みんな。頑張れ~♪」

静香「もうっ。翼にこそレッスンが必要なんじゃないの?最近サボり気味でしょ」

翼(ミリマス)「え~!だって~、疲れるし~。さっきまで仕事してたんだから休憩くらいいいじゃん~」

静香「そう言ってサボり癖がつくのはよくないでしょ」

翼(ミリマス)「む~!」

未来「あはは、みんな頑張れ~!」




中野(姫プラ)「…紗代子」

紗代子「あ、プロデューサー」

レッスンルームに向かう紗代子を呼び止め、中野(姫プラ)は紗代子に最終確認を取る。

中野(姫プラ)「…自分の欲求に素直になって、後で後悔するのは紗代子だよ?」

紗代子「…わかってます。でも大丈夫です!今の私は、ファンの皆が恋人みたいなものだから!」

中野(姫プラ)「………そっか。それを聞けて安心したよ。頑張って」

紗代子「はいっ」

元気良く返事をし、駆け出していった紗代子の背中を見つめ、中野(姫プラ)は思い耽る。

中野(姫プラ)「(…でもね紗代子。紗代子が「てんやくん」の話をしているとき、アイドルというよりは女の子の表情をしてた。…ああ言った僕だけど)」




紗代子が悔いのない選択をしてくれたら、それでいいんだ



○●○●○

アーサー「あのさぁ…(n回目)」

琴葉姫「言うな…みなまで言うな…(白目)」

アーサー「内容が飯田視点と全然変わってなくて草。薬屋のひとりごとのコミカライズかよ」

琴葉姫「多分その例えこのスレ見てる人全員分らないと思うぞ()」

アーサー「あとお前アイドル恋愛御法度とか小説(SS)で書いときながら息をするようにアイドルの嫁達もクロスカプしてるんですがあのその」

琴葉姫「それに関してはマジで今更感半端ないから然程重要なことではない(!?)」

アーサー「は??????????(威圧)」

琴葉姫「おうやめーや(震え声)」



こんな感じでしたがお楽しみいただけたなら幸いです。
次回は一応ネタ自体あるんですが、近いうちに投稿出来るかな…←書く気力が削がれている…。

ここまで閲覧ありがとうございました!
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