二次創作小説(新・総合)
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.14 )
- 日時: 2018/02/20 23:04
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: hz0j4KYh)
お久しぶり(?)です。琴葉姫です。新作が出来ました。
今回は夢100レイヴンさんと艦これ三日月ちゃんの関係に今まで一切触れてませんでしたので、書かせていただきました。しかし夢100レイヴンさんと艦これ三日月ちゃんの話と言っておきながら、今回レイヴンさん全然出てません(爆)後編では結構出る予定なのでお待ちください…(震え声)(クズ)
・注意書き
※政府や本丸などの刀剣乱舞の設定を捏造しています。
※今回はあまり出ていませんが、後編ではオリキャラ、更には作者本人がでしゃばります。
※レイヴンさんの両親(レベルタ国王王女)を捏造しています(しかし出てくるのは後編です←)。
※後編に新しく嫁に入った審神者のキャラが出てきます。
※以前カキコで書いた話を改変しております。
それでも良いという方はどうぞ→
*****************************************************************
夕凪の国、レベルタ。
その国の王族の城の一室で、ベットに横たわる一人の青年がいた。
名は「レイヴン」。レベルタの王子で、後にこの国を統べる者だ。
レイヴンはぼそり、と呟く。
レイヴン「…オフィーリア…」
オフィーリア…彼の元婚約者の名だ。
しかしオフィーリアは幼いころに亡くなっている。その理由を彼は「自分のせい」と信じて疑わないのだ。
身体の弱い彼女を連れだし、雨が降る中一日中彼に付き添いその夜…熱を出して亡くなった。
それを理由に彼は自分を許せず、食事もろくにとらず機械的に生きていた。
そんな人生の中、彼に一つの転機が訪れた。
それはとある世界で出会った「三日月」という少女の存在だ。
三日月という少女は…「外見がオフィーリアにとても似ていた」。
それはもう、彼女がその時のまま生きていたと錯覚させるくらいには。しかし、性格や口調は本人とは違う。結局は赤の他人の空似でしかなかった。
それでもレイヴンは彼女が気になった。三日月がどのような人物なのか、どのような人生を送って来たのか、レイヴンは彼女と話がしたくて仕方なかった。
しかし、それは叶わない。彼女の周りは常に人がいて、二人きりで話は到底出来そうではなかった。
別に二人きりでなくてもいいのかもしれないが、上述の話を周りに聞かれるのはレイヴンには耐えがたかった。
レイヴン「もうすぐ…もうすぐだ…もうすぐで彼女が…手に入る」
彼はゆらりと起き上がる。瞳に薄暗い"なにか"を灯しながら。
*****************************************************************
宗近「平和よなぁ」
三日月「ですねぇ」
望月「平和が一番だよねー」
場所は変わりとある一つの本丸。その本丸の縁側でのんびりお茶を飲む刀剣男士…天下五剣で最も美しいと言われる「三日月宗近」と、その三日月宗近の艦隊に所属している駆逐艦の「三日月」と「望月」が宗近同様に茶菓子と茶を嗜んでいた。
マールーシャ「宗近。今日は出陣も遠征もないからといってのんびりしすぎじゃないか?」
宗近「何を言う。こういう休める時にこそ思いっきりのんびりするべきだ。常に動き回ったり警戒しっぱなしではいざという時に本領を発揮できんからな」
マールーシャ「尤もらしいことを…」
その宗近を窘めるように"審神者"であり本丸の主である「マールーシャ」が注意する。が、宗近はある意味では正論とも取れる屁理屈で躱す。それにマールーシャは呆れたように呟いた。
本日はマールーシャの本丸では日頃の出陣や遠征で疲れた刀剣男士達を一日任を解き、また明日から頑張れるように休みを与えていた。
それで宗近だけでなく本丸の刀剣男士達は休日モードで、次郎太刀や日本号などの酒豪は朝っぱらから酒盛りをしていた。生真面目な長谷部や厨当番はそれでも動いていたが、基本的には休憩を取り英気を養っていた。
足柄「はぁー。いつもいない男共が全員一日中ここにいるなんて、休みもあったもんじゃないわね」
獅子王「仕方ないだろー?それにお前らは殆どの日が休みみたいなもんだからいいじゃねーか」
足柄「ちょっ、私はニートじゃないわよ!ただ出撃に必要な場所と資材がないだけよ!」
獅子王「いや、俺別にそこまで言ってないけど…」
三日月達と同様に宗近の艦隊に所属している足柄が刀剣男士達が一日本丸にいることをぼやき、それに隣で3DSで遊んでいた獅子王がそう返すと、足柄は大声で訂正と言い訳をした。獅子王は画面から目を逸らして足柄を呆れた様な目で見つめ弱弱しくそう返すしかなかった。
ちなみに足柄がなぜこのような性格になっているのかと聞かれれば…「彼女の元居た鎮守府の提督のせい」としか言えない。
乱「いいじゃん、皆で遊べるし!足柄さん、マリカやろマリカ!」
厚「そうだぜ!マリカやってもやもやする気持ちを吹き飛ばそうぜ!」
磯風「マリカが嫌ならポケモンをやろう。磯風の相手をしてくれ」
後藤「くっそ信濃そこで道連れとかずっりぃ!」
信濃「これも戦術だからね!てか後藤は火力押しすぎ!」
照月「ゲームもダメなら映画を観ましょう?今コナンの映画を観ようと思っていたところなんです」
五虎退「あ、でも…無理にとは言いません…」
そんな足柄を見かねて、乱、厚、後藤、信濃、五虎退等の短刀男士。磯風や照月等の駆逐艦娘が足柄をゲームや映画鑑賞に誘った。短刀男士は言わずもがなマールーシャ部隊に、、駆逐艦娘は宗近の艦隊に所属している。
そんな子供達の誘いに足柄は一歩後退し狼狽えたものの…
足柄「…もう!私が貴方達の誘いを断れないのを知って…わかったわよ遊べばいいんでしょ遊べば!」
乱「わぁい!足柄さん、ここ座って!」
獅子王「マリカなら俺もやるぜ!」
足柄「ちょ、アンタもやんの!?」
獅子王「なんだよ、悪いのか?」
足柄「そういうわけじゃないけど…」
折れた足柄やそれを喜ぶ子供達、仲間に入る獅子王を見て、宗近やマールーシャは顔が綻んだ。
マールーシャ「…確かに、平和だな。戦争をしているということを忘れてしまうくらいに」
宗近「そうよなぁ。この平和な時間が俺は好きだぞ」
三日月「…私も」
三日月が口を開く。マールーシャも宗近も望月も、黙ってそれを聞き入れる。
三日月「私も、以前はこんな幸せな気持ちになるなんて、思ってもいなくて…でも、こうして司令官や望月や皆さんと楽しくお話して、美味しいものを食べて、皆さんの笑顔を見て…私、ここに来て良かったです。とっても幸せです。ずっとずっと、こんな幸せが続いたらなぁって、思います」
三日月の言葉に、宗近は一瞬唖然とした表情を見せたが、すぐ笑顔で三日月の頭を撫でた。
三日月「司令官…?」
宗近「嬉しいぞみか。みかがそのような感情を持つ事が出来て。みかの幸せを作ってあげられていたのなら、俺は何も言うことはない」
三日月「司令官…」
宗近の言葉に、三日月はむねがあったかくなるのを感じた。以前は決して持つことがなかった感情だ。それを今こうして感じられることが、彼のおかげで感じられることが、とても嬉しい。
望月「しれーかーん、あたしは?あたしも今結構幸せなんだけど」
宗近「望月もか?それはとても喜ばしいことだ。磯風やユーもそうだといいのだが」
宗近がそう言い終わったのと同時だった。
ビーッビーッビーッ!
「「「!?」」」
さっきまでの穏やかな雰囲気が一変し、剣呑な警告音が本丸中に響いた。
すぐさまマールーシャは執務室に向かい、モニターを表示する。
マールーシャ「…!?侵入者!?」
モニターに表示された文字には「部外者ノ侵入ヲ確認」と書かれていた。そして本丸の各箇所に、何者かに侵入されたであろう赤い輪が表示される。
するとこの本丸の初期刀である、山姥切国広が執務室のドアを乱雑に開き大慌てで入って来た。
山姥切「主!これは…」
マールーシャ「恐らく時間遡行軍の侵入だ!わざわざ警戒態勢が緩んでいる今日を狙ってくるとはな!」
マールーシャが苛々しながら、吐き捨てるように愚痴る。そして本丸全体に繋がるスピーカーで刀剣男士達に告げる。
マールーシャ「本丸の全刀剣男士に告ぐ!侵入者が本丸内に侵入!警戒を強め侵入者の殲滅に取り掛かれ!繰り返」
青江「主、そのことなんだけど」
マールーシャ「うわっ!?」
マールーシャが勧告を告げる途中でにっかり青江が言葉を遮る。
まさか彼がいたとは露にも思わず驚きのこっをあげてしまった。しかしすぐさま取り繕い
マールーシャ「何だ青江、侵入者の討伐を」
青江「そのことなんだけどさ」
青江「相手は時間遡行軍じゃなくて、人間みたいなのだけど。どうすればいいかな?」
マールーシャ「………はっ?」
感想まだ
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.15 )
- 日時: 2018/02/20 22:52
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: hz0j4KYh)
前田「お覚悟!」
前田藤四郎が相手に斬りかかる…が、それは足を狙っただけで、相手の息の根を止める攻撃手段ではない。刀剣男士達は相手に本気を出せない。
何故ならば、侵入者は"ただの人間"だからである。ナイフや拳銃などの武器は持ってはいるが、戦慣れした刀剣男士からすればズブの素人だ、これが時間遡行軍ならば斬って伏せれば簡単に倒せるが、相手が人間だということはそうは行かない。
どこの何者かはわからないが、何故この本丸に侵入したか理由を聞き出すために政府に身柄を渡さないといけないし、なにより刀剣男士が"ただの人間"を斬り殺せば魂は堕ち荒魂になる恐れがあるのだ。
それはまだ確定した情報ではないが、実際人間や自分の審神者を殺した刀剣男士がそうなった事実があるため行動にはできないのだ。
そうでなくても、前田に足を斬られた侵入者の一人は痛みのあまりに武器を落とし斬られた部分を抑え悲鳴を上げながらのた打ち回っているのだ。何を理由にこの本丸に侵入したかは不明だが、その姿に前田は顔を歪めた。それは他の侵入者と対峙している刀剣男士も同様だ。
「ひぎぃぃぃぃっ!!!いてぇ!いてぇよぉ!!!」
「なんだよ!?こんなに強いなんて聞いてねぇぞ!!!」
「こんなに強いとは聞いていない」という言葉に前田は推理した。
この者達は何者かに雇われてこの本丸に侵入したと。しかし、誰が何のために?
仮にこの者達を雇った人物が歴史修正主義者なら、時間遡行軍を率いた方がよっぽど効率的だ。我々刀剣男士と交えるのにうってつけで、今までもそうだったではないか。
しかし、相手は"ただの武器を持っただけの人間"。我々刀剣男士との力の差は歴然だし、あまりにも効率が悪い。
同情を引いて刀剣男士達を錯乱させるのが狙いか。いや違う。
前田「(この事件を引き起こしたのは歴史修正主義者ではない…?)」
前田がそう結論付ける。黒幕が何者かは分からないが、歴史修正主義者以外の何者かが別の目的でこの本丸に侵入した。しかし、何のために?
本丸の運営を滞らせ、審神者や刀剣男子を使い物にならなくする以外に前田は思い浮かばなかった。あの政府のセキュリティを掻い潜り、本丸を襲撃してまで何をするつもりなのだ?雇われただけとはいえ、この者達もただではすまないはずだ。
思考を巡らせている前田に、理由を決定づける言葉を侵入者達は叫んだ。
「怯むなぁ!早く探せ、"三日月"って少女を!」
「黒服の女のガキだ!こいつらはつっきって探せ!俺らの命がいくらあっても足りねぇ!」
確信した。彼らの目的は三日月だ。
三日月と言う名の者はこの本丸に二人いるが、黒服の少女、と言われれば駆逐艦娘の三日月しかいない。
その言葉を聞いた前田は真っ先に三日月を探すか、マールーシャに報告に行こうとするが、傍にいた堀川が目を配らせアイコンタクトを交わした後にその場を去った。三日月のことは堀川に任せた方がいいだろう。
前田は再び、侵入者の足止めを再開した。
マールーシャ「侵入者は人間で目的はみかだと!?」
あれから堀川に事情を聞いたマールーシャは思わず声を荒げた。
傍らでは三日月が宗近に抱きかかえられ、唖然とした表情をしていた。
望月「なんで!?なんでみかが狙われるわけ!?しかもうちの!他にも"三日月"はたくさんいるのに…!」
宗近の隣にいる望月も「何故みかが」と愚痴をこぼす。しかしそうは言っても状況が変わるわけではない。
マールーシャ「…宗近、お前はみかと艦娘達を連れて政府のビルに匿ってもらうんだ」
宗近「!?主はどうするのだ!?」
マールーシャの命令に、宗近は慌てて聞き返す。
マールーシャ「しばらく数振りの刀剣男士と侵入者の無力化とごうも…黒幕が誰か問いただす。相手がほぼ素人なら数が少なくても対応できるはずだ」
宗近「だが…!」
マールーシャ「宗近」
宗近が反論しようとするが、マールーシャが宗近の肩に手を置き
マールーシャ「みかはお前の艦娘だろう?いざという時にお前が護らず誰がみかを護るんだ」
宗近「………」
マールーシャ「それに私も皆も強いんだ。それはお前もわかっているだろう?」
宗近「………」
マールーシャ「お前達に一期と乱と厚と青江を護衛に付ける。4人はもう言ってあるから…お前なら大丈夫だろう?宗近」
宗近「…わかった。三日月宗近の名に誓ってみかを護る。だから、主達も何事もなくな」
マールーシャ「わかっている!」
三日月「司令官…」
宗近に抱きかかえられている三日月は、心配そうに宗近を見るが
宗近「大丈夫だ。何者が相手であろうと、みかは提督である俺が護る。約束だ」
三日月「………」
宗近がそう言っても、三日月の表情は晴れなかった。
当初は狙われている不安だからかと思ったが…
乱「宗近さん、みかちゃん、皆、こっち!非常用のわーぷ装置で政府のびるまで行くよ!」
赤城「は、はい!」
那珂「提督、みかちゃん早く!」
宗近「今行く!」
マールーシャ達と十数振りの刀剣を本丸に残し、宗近達は政府の所有するビルへ赴いた
*****************************************************************
担当「本丸に歴史修正主義者以外の何者かが侵入!?」
宗近「ああ、今、主や他の刀剣男士が食い止めている」
政府所有のビルに到着した宗近達は受付で担当を呼んでもらい、事情を話した。
本丸が襲撃、それも歴史修正主義者とは別の何者かが、という事実を聞き担当は驚愕の声を上げた。
担当「審神者様達は、大丈夫ですか…?」
宗近「問題ない。主も山姥切達も強いからな」
担当「そうですか…。しかし、何が目的で…」
宗近「それなのだが…」
宗近が渋りながら答えようとすると…
乱「あいつら、みかちゃんを狙ってるんだよ!」
担当「へっ?み、みかちゃん?」
乱が代わりに大声で答えた。担当は首をかしげ、訊き返す。
三日月「あの、私、です…司令官…三日月宗近さんとマールーシャさん達にお世話になっている…」
担当「あ、ああ!貴方は艦娘の…!」
三日月が名乗りを上げると、担当は思い出し大袈裟に反応した。
実はというと、政府は三日月達艦娘がマールーシャの本丸に移住し、宗近が提督であることを許可したのだ。…鎮守府のお偉いさんと"ながーい会議"の末に。
「艦娘を他の審神者と会わせない」「出撃は鎮守府側が指名した日時以外で戦わせない」ことを条件に。
それを飲んだ政府とマールーシャや宗近、艦娘達は現在マールーシャの本丸で手伝いをし、三日月宗近を提督とした。
担当「何故、みか、三日月さんを狙っているのですか?」
宗近「それは分からぬ…深海棲艦の者でもないようだし」
担当「とりあえず、このことは上に相談してみます」
そう言い、担当は携帯電話で誰かと話す。数分後、「ありがとうございます!失礼します!」と言い残し通話を切った。
担当「政府のボディガードがついてくれるそうです!」
宗近「まことか!」
鈴谷「じゃあ、もうみかちゃん安全!?」
担当「はい、犯行グループの身柄を確保し情報を聞き出すまで、保護してくれるそうです」
プリンツ「よかった!みかちゃん、もう大丈夫ですね!」
三日月「はい…」
宗近「…?」
安全が確保されてもなお、三日月の表情は曇ったままだ。
宗近はそれに首をかしげ疑問に思うが、考え過ぎだろうと気にも留めなかった。
如月「ふぅ、安心したらお花を摘みたくなったわ。ちょっと行ってくるわね」
乱「あ、ボクも行く!」
厚「お前なぁ…」
一期一会「仕方ないな。早く行っておいで。迷わず帰って来るんだよ」
如月「はぁい♪」
乱「はぁーい!」
如月「一時はどうなることかと思ったけど、まずは一安心ね」
乱「うん!相手が時間遡行軍だったら色々手間取ってたかもしれないけど、人間だったらまぁなんとかなるよね」
トイレに行く途中、乱と如月は三日月の安全が確保されたことにホッとしていた。
…その喜びもつかの間の物と知らず…
ふと、廊下の隅で男の話声が聞こえた。
ふとそちらを見ると、黒服でサングラスをかけた男が電話で何か話していた。
この状況なら気にも留めはしないのだが、何故か嫌な予感がし二人は男の言葉に耳を傾けた。
「ええ、はい。駆逐艦三日月本人です。間違いありません。これから身柄を確保します。ええ、気づかれていません」
如月と乱は一目散に宗近達の元に戻った。
*****************************************************************
乱&如月「みかちゃん!!!」
乱暴にドアを開け三日月に駆け寄る。
それに驚き言葉を失う三日月。代わりに担当が二人に問いかける。
担当「ど、どうしました…?」
乱「どういうこと!?政府がグルだなんて!」
担当「え!?ど、どういうことです!?」
「お待たせしました。三日月さんは…」
ボディーガードと称した男が部屋の中に入る。しかし…
「いない…?」
部屋はもぬけの殻だった。
足柄「どういうことよ!?政府がグルって!?」
乱と如月から事情を聞いた宗近達は早急に政府のビルから抜け出し、現在万屋に避難した。
二人からの証言で政府まで絡んでるとは思わず、宗近達も言葉を失った。足柄が声を荒げる。
足柄「まさか、貴方も…!」
担当「ええ!?いや、私は…」
青江「彼は大丈夫みたいだよ。一応ね」
足柄が担当もグルなのではないかと疑いをかけるが、それを青江は否定する。
祥鳳「どうしてわかるのですか?」
青江「霊気がね、すごい勢いで揺れているんだ。これは本当に動揺しているということだ。彼も知らないことなんだろう」
担当「ほ、本当です!政府まで何故三日月さんを狙っているのか、本当に訳が分かりません!こっちが聞きたいです!」
乱「…それで、どうするの?政府もグルなら、政府に頼れないよ…」
予想外の出来事に乱だけでなく、宗近も艦娘も一期一振達も表情が曇る。
しかし、一番ひどいのは三日月だ。今にも泣きだしそうな顔をしていて、周りもかける言葉が見つからない。
陸奥「と、とにかく!ここじゃ何れ見つかっちゃうわ。どこか他に安全なところは…」
宗近「…あそこしかないだろうな」
感想まだ
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.16 )
- 日時: 2018/02/20 22:55
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: hz0j4KYh)
ゼクシオン「…事情は分かりましたけど、僕達まで巻き込まないでください」
加州「何言ってんの主!みかが狙われてるんだよ!?助けてあげないと!」
次に宗近達が訪れたのは、ゼクシオンの本丸だ。
担当とは、この事態の調査のために信頼できる上司と共に犯行グループと共謀している政府の人間が誰なのか、を探るのと並行して調べるために別れた。
事情を話す宗近(事前に担当から連絡が入っている)に、ゼクシオンは厄介な種を植え付けられたとぼやくが、加州達刀剣男士は三日月を守るために指揮を上げ、本丸内を見回っている。
宗近「すまないゼクシオン殿。だが、みかを護るために力を貸して欲しい」
ゼクシオン「別に追い出そうなんてしませんよ。彼女に何かあったら、セフィリアに何言われるか分かったものじゃありませんからね」
それに、とゼクシオンが付け足す。
ゼクシオン「…約束しましたからね」
宗近「…恩に着る」
三日月「………」
三日月は、この本丸に来てからずっと俯いたままだ。
不安なのだろうと、宗近が三日月の頭を撫でる。
宗近「みか、大丈夫だ。主や担当殿が頑張って解決に導いてくれている。俺も、お前を護る」
望月「司令官だけじゃないよ!あたし達だってみかを護るから!」
三日月「………」
宗近の言葉にも、三日月は俯き表情を曇らせたままだ。
ゼクシオン「…とりあえず、色々あって疲れたでしょう。食事を持ってきますので、召し上がってください」
宗近「ああ、すまないな」
ゼクシオンの本丸で三日月達が匿われている同時刻…
夕凪の国、レベルタでは…。
城の窓からレイヴンが町並みを眺めていた。無表情のまま、ぼうっと、無心に。
するとふいに、後ろから声がかけられた。
「ここにいたのですね」
その声にレイヴンが振り向く。…老年の男の声だ。
男はにやにやとレイヴンに近づく。
「今連絡が入りました。もうすぐ「オフィーリア様の生まれ変わり」にお会いさせてあげられます」
レイヴン「…しかし、今彼女はお休みのはずでは…」
「何を言うのです?"貴方はオフィーリア様の婚約者なのですから、彼女に遠慮することはありません"」
男がそう言うと、レイヴンは目を伏せ、その場を去る。
「お部屋に戻られるのですね。必要なものは届けさせます」
レイヴン「…失礼」
それだけ残し、レイヴンはその場を後にした。
残された男は、厭らしく口元を吊り上げ、にたにたと笑う。
「これで…私の野望が達成される…!」
*****************************************************************
再びゼクシオンの本丸。
あれから1時間が経ち、本丸は警戒態勢に入りながらも穏やかな雰囲気に包まれていた。
厚「やることなくて暇だなー」
一期一振「何を言ってるんだい厚。何事もないのが一番だよ」
厚「そりゃそうだけどさー…」
赤城「ゼクシオンさん、見張りの方達におにぎりを作ったんですが…」
ゼクシオン「嗚呼どうも。ありがとうございます」
三日月「あ、私が持ちま―――」
三日月がそう言いかけた時だった。
ガシャアアアンッ!
大きな物音と共に、刀剣男士達の怒声が本丸に響いた。
宗近が三日月を抱き留め、ゼクシオンがその場に向かった。
ゼクシオン「何事です!」
ゼクシオンが刀剣男士が集まっている個所に向かうと―――
ゼクシオン「!!」
ゼクシオンが驚愕のあまり目を見開く。刀剣男士達は忌々し気にその光景を見ているしかなかった。
「無駄な抵抗はしないでくれ。我々の目的はただ一つ」
U-511「っ…」
「三日月という少女を渡してもらおう」
U-511が、武装した男達に捕らえられ、銃口を向けられていた。
秋田「ユーちゃんを離してください!」
大和守「首落とされたいのかお前らァ!!」
ゼクシオン「…小賢しい真似を」
三日月「し、司令官!?離してください!」
宗近「駄目だみか…!部屋から出てはならん…!」
ゼクシオン達が武装集団と 睨み合っている中、三日月は部屋を出ようとするも宗近に拘束され動けないでいる。
何とか抜け出そうとするも、太刀の刀剣男士の腕力だ。駆逐艦の三日月じゃ一筋縄ではいかない。
三日月「でも、でも…!ユーさんが…!」
宗近「わかっている。もう少し様子を見るんだ…」
部屋の中で三日月と宗近が攻防を繰り広げている中、武装集団は一枚の紙を仲間に見せあっていた。何やら小声で会話をし、話し合っている。
チャキッとU-511に当てられている拳銃が音を鳴らせ、男達はゼクシオン達に問いかける。
「そいつが三日月か?」
男達が指名した人物に全員の視線が集まる。
そして声も出ない程驚愕し、目を見開いた。何故なら―――
乱「…え…?」
男達は何故か"乱藤四郎を三日月と勘違いしている"のだから―――。
それによりゼクシオンは思考を巡らせた。
ゼクシオン「(どういうことだ…?何故乱藤四郎を三日月と間違えている?これは一体…)」
ゼクシオンが結論に辿り着く前に、乱は言葉を発した。
そして、その言葉が更なる混乱を招く。
乱「…そうだよ」
ゼクシオンと刀剣男士達が硬直した。
乱「ぼ、私が、三日月だよ」
乱が自分が三日月だと名乗りをあげたのだ。
そして周りはすぐ気づいた。"乱が三日月の囮になった"のだ。
すぐさま厚が乱に駆け寄ろうとする。
厚「待て!そいつは―――!」
一期一振「厚」
その厚の肩を掴み、一期一振が制止した。
厚「でもいち兄…!」
一期一振「乱の気持ちを踏みにじってはいけない」
厚「ッ…!」
一期一振がそういうと、厚は踏みとどまり、悲痛な面持ちで乱を見ていた。
「よし、我々と一緒に来てもらおう」
乱「わかった。だからユーちゃんは離して」
乱が集団の元へ行き、U-511を解放することを要求した。
意外なことに男達は素直に、U-511から銃口を離し解放する。すぐさま刀剣男士達がU-511の元に向かい保護する。
三日月「乱さん!みだ、乱さんっ!!」
宗近「駄目だみか!大人しくしてくれ!」
三日月「どうしてですか!?私のせいで、乱さんが、乱さんが!!!」
今すぐ駆け出して彼らに訂正しようともがく三日月だが、宗近が必死に抑えそれは叶わない。
悲痛な声で宗近に訴えるが、宗近の力が弱まることはない。
宗近「みか…!」
三日月「乱さんが…!乱さ―――」
望月「みか!ゴメン!!!」
後ろから望月の声が聞こえたかと思えば、頭に鈍痛が走った。
それにより徐々に意識が遠のいてゆき、三日月は意識を手放した。
***************************
宗近「みか…!」
三日月「あ…」
三日月が気が付くと、視界には心配そうに自分を見る宗近と望月が写り、起き上がると布団の上に寝かせられていたのがわかった。
秋田「よかったです!目が覚めて!」
三日月「私…気を失っていたんですか?」
磯風「ああ。一時間くらいな」
望月「…ごめんみか。痛かったよね」
三日月が気を失った原因は望月にあった。三日月を鎮めるために艤装で後頭部を殴ったのだ(後から薬研の治療で後遺症はないと証明された)。
望月「…でもあそこでみかを止めないわけにはいかなかったから…」
三日月「…乱さんは?」
三日月の問いに、周りは目を逸らしたり俯きしばらく沈黙が続いた。
ゼクシオン「…奴らが連れて行きました」
沈黙を破ったのはゼクシオンだ。あれから乱は男達に抵抗せず、連れて行かれた…。
最悪の事態に三日月は言葉を失い、布団を掴むをぐっと握りしめる。
秋田「だ、大丈夫ですよ!乱は強いですし、すぐ抜け出してきますよ!」
厚「そ、そうだぜ!それに人違いだってわかったら、すぐ解放して―――」
薬研「乱を人質に取って、みか嬢の身柄と交換を要求してくるかもしれないぜ」
秋田と厚が三日月を励まそうと言葉をかけていると、薬研がそれを否定する言葉を発した。
それに厚は薬研に掴みかかった。
厚「お前な…!ちょっとは気の利いた事を」
薬研「乱がみか嬢じゃないことはとっくに奴さんは気付いてる頃だ。またこの本丸を襲撃してくるかもしれない。今度は乱を人質に取ってな。乱がただ大人しく人質されるとは思えねぇが、マールーシャの旦那達のことで強請られるかもしれねぇ。その時こそ本当にみか嬢を護れるかは、難しいかもしれねぇぞ」
薬研の言葉に、厚も、ゼクシオンも、宗近も、刀剣男士達も言葉を失う。
しかし、三日月の行動は既に決まっていた。
三日月「―――なきゃ」
望月「え…?」
三日月「…私…行かなきゃ…」
そう言って、起き上がり部屋から出ようとする。
急いで宗近や艦娘達が制止する。
宗近「待てみか!お前が出て行ったら…!」
阿賀野「そうだよ!今は待って、皆が調べてくれてるから…!」
三日月「私のせいなんです!!!」
三日月が張り詰めた大声で叫んだ。
制止していた者は手を止め、目を見開いた。三日月の口から、ずっと溜め込んでいたものがマグマのように噴き出す。
三日月「マールーシャさんの本丸もゼクシオンさんの本丸も襲撃されたのも、ユーさんが怖い目に遭ったのも、乱さんが連れて行かれたのも、全部私のせいなんです!私が、司令官のところに来たばかりに、皆さんが私なんかを護ろうとしたせいで!!!私が幸せに思ってしまったから罰が下ったんです!!!本当はこんな幸せを望んじゃいけなかった、あそこで沈んだままでいれば、皆さんがこんな目に遭うこともなかった、だから…だから私のせいなんです!!!」
三日月「だから、私が乱さんを助けないといけないんです!私が…!」
三日月の表情がずっと曇っていた理由。それは自分のせいで周りを巻き込んでしまったという自責の念からだ。
相手が自分を狙って襲撃し、マールーシャや宗近達を巻き込んでしまった。マールーシャ達だけではない。ゼクシオンも彼の本丸の刀剣男士も、U-511も、乱藤四郎も。自分のせいでこんなことになってしまったと信じて疑わなかった。
必死になって自分を責める三日月の前に一期一振が傅いた。
一期一振「違いますよ」
三日月の顔を覗き込むようにそう呟いた。
三日月「え…?」
一期一振「うちやこの本丸が襲撃されたのも、乱が攫われたのも、みか殿のせいではありません。誰が悪いというなら貴方を狙う犯人が悪いに決まっています。当たり前でしょう?」
そういい、三日月の目元にたまった涙を指で拭った。
一期一振「それに、乱は大丈夫です。みか殿も知っておられるでしょう?乱は強い。我が主の刀剣男士で、私の弟なのですから」
一期一振「だから、そんなことを言わないでください。可愛いお顔が台無しですよ」
そう言って、微笑んだ。
それに三日月はポカンとした表情だが、すぐ頬を赤く染めおずおずと微笑んで見せた。
三日月「…ありがとうございます。一期さん」
ちなみに後ろの方で鶴丸が「流石は太閤殿下の帯刀…女たらしだな」と小声で呟いていたのを燭台切が聞き逃さず、密かに足を踏みつけ鶴丸が声を上げようとするが雰囲気を読んで我慢したのは三日月は知らない。
宗近「…みか」
今度は宗近が三日月の傍らにしゃがみ込んだ。
宗近「…すまない。お前の気持ちを察してやれず。ただ不安なだけだと思っていたのだが…自分の艦娘の気持ちを理解できないとは、俺も提督失格だな…」
三日月「ち、違います!」
三日月の気持ちを理解できず謝罪する宗近に、三日月はすぐさま否定した。
三日月「私、司令官に逢えて、本当に幸せなんです!司令官もマールーシャさんも、私に親身になって、優しくしてくださって…でも…そのせいで私が、皆さんに不幸を振りまいて…」
一期一振「言ったでしょう?今回の件はみか殿は何も悪くない。悪いのは全部この事件を起こした黒幕のせいだと」
三日月「ですが…」
宗近「みか」
宗近の手が三日月の頬を撫でた。
宗近「そのようなことを言わないでくれ。お前は言っていただろう?「ここに来てよかった」と。「とても幸せ」だと。ならその幸せを阻む要因は取り除かなければいけない。お前が幸せで罰が当たるなど、あってはならないからな」
三日月「………」
三日月はまた顔を歪め、目を潤ませる。しかし先程とは違い、幸せを噛みしめるような表情を見せた。
三日月「…乱さんを助けましょう」
そういう三日月に、宗近は困ったように笑った。
宗近「…うむ、みかがそういうなら俺に止める権利はないが…」
望月「ちょ、おじいちゃん正気!?でも行き先が―――」
マールーシャ「行き先ならわかっている」
聞きなれた声が聞こえた。まさか、と襖に目を配ると…マールーシャが立っていた。
マールーシャ「すまない。色々手間取ってしまってな」
三日月「マールーシャさん…!」
厚「大将!無事だったんだな!」
マールーシャ「当たり前だろう?私を誰だと思っているんだ?」
厚「へへへっ、そうだったな!」
マールーシャが無事でほっと胸をなでおろす三日月と、すぐさま駆け寄り安否を確認しにかっと笑う厚。
三日月「でもどうしてここが…」
マールーシャ「ああ、ゼクシオンのおかげだ」
三日月「え?」
マールーシャの言葉に一斉にゼクシオンに目線を向ける一同。
ゼクシオンは一瞬驚いたもののすぐに説明する。
ゼクシオン「一応、四六時中レキシコン・ファントムでマールーシャの連絡端末にメールをし続けていたんです」
そう説明するゼクシオン。マールーシャは証拠を見せるように端末を取り出し画面を見せた。
画面には「変な人来た」「乱が捕まった」「男達に乱が連れて行かれた」などなど色々なメール内容が書かれていた。
加州「さっすが主!」
鶴丸「やはり便利だなそれ!今度俺にも貸してくれ」
ゼクシオン「いやです(キッパリ)」
そんな中、マールーシャの端末からメロディが流れる。「担当」と表示されていた。マールーシャが通話ボタンをタップし通信相手と通話する。
マールーシャ「私だ」
担当『私です!山姥切様達からの情報だと、"あちら"の動きがあわただしくなって来たようです!やはり間違いありません…!』
マールーシャ「そうか…お前の調べた通りだったのか。黒幕はやはり"奴"…。わかった。今すぐ私も向かう。少し待っててくれ」
三日月「私も行きます!」
三日月の申し出に、マールーシャがぎょっとして三日月を見る。
マールーシャ「駄目だみか!お前を連れて行くわけには…!」
三日月「どうしてですか!?だって乱さんが…!」
マールーシャ「ここは私達に…」
宗近「主」
三日月が共に行くことを拒否するマールーシャだが、宗近が真剣な表情でマールーシャを見据える。
宗近「みかは必ず俺が護る。だから…連れて行ってやってくれないか」
マールーシャ「宗近…!」
加州「おっと、俺達も忘れないでよね!」
厚「俺だって乱を助けたい!」
一期一振「そうですな。私も可愛い弟を拐かし、みか殿を泣かせた愚か者に説教をせねばなりませんし」
香取「ええ、厳しい躾をせねばなりませんね」
ゼクシオン「…ここまで巻き込んでおいて僕を連れて行かない、なんて言いませんよね?」
三日月「お願いします…!どうしても乱さんを助けたいんです…!」
三日月だけでなく、宗近、刀剣男士、艦娘、更にはゼクシオンの説得にマールーシャはバツが悪い顔をするが…
マールーシャ「…案内する」
担当『!?マールーシャさ―――』
マールーシャ「仕方ないだろう。ここまで言われてしまってはな。それに…」
マールーシャ「私の刀剣男士を連れ去って、ただでは済まさん。痛い思いをさせるのに、人手は多い方がいいだろう?」
そう、乱が連れ去られたことにマールーシャは怒り心頭だった。
あ、これ俺の手には負えないな。
そう悟った担当は自分の後始末が増えると心の底で嘆きながらも、仕方ないなと一言で済ませた。
マールーシャ「では、行くぞ」
夕凪の国、レベルタに―――
あとがきがあるので感想はまだです
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.17 )
- 日時: 2018/02/20 22:57
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: hz0j4KYh)
…はい←
乱ちゃんが三日月ちゃんを庇って連れて行かれるシーンを書きたいなと(爆)思った結果がこれだよ!(ドクズ)
ちなみにこれ元ネタあります←マリッジロワイヤルってギャルゲーの漫画です。一応ゲームあるんですけど3人しか攻略してない…(爆)
次回は後編。乱ちゃんは助け出されるのか、レイヴンさんと会話していた男は何者か、レイヴンさんの目的は如何に…次回もよろしくお願いします!
ということで感想OKです!
琴葉姫「FGOのボーイズコレクションでプーサーとアルジュナピックアップ来てください…!」←
アーサー「それどうしても言わなきゃいけなかったことかァ!?(憤慨)言うてお前引けないだろ」
琴葉姫「おい馬鹿やめろ馬鹿(真顔)」