二次創作小説(新・総合)

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.140 )
日時: 2020/05/05 23:11
名前: 琴葉姫 (ID: EnwL6lXi)

今回は霊夢が妖怪退治です!(まさかのネタバレ)なお今回も例に漏れずクロスカプなのと、今世間を騒がせてる"アレ"のアンチテーゼみたいな感じです(支離滅裂な思考・発言)



オリオン「久しぶりだな貧乏巫女!このオリオン様が来てやったぞ!」

霊夢「冷やかしはお断りしてるので早々にお帰り下さいませ。というか帰れ成金俺様野郎」

オリオン「ふんっ。相変わらず可愛げのない奴だ」

霊夢「大きなお世話よ金だけが取り柄の大根アーティスト(笑)」

幻想郷…その入り口である博麗神社。
博麗神社の主であり『博麗の巫女』、博麗霊夢はくれいれいむが神社の掃除をしていると…一人の男が現れた。
その男は派手な服装と装飾を身に纏い同じく派手な髪色をしている。
彼の名はオリオン。幻想郷とは別の世界、サウンドワールドのMIDI CITYに居住を置く大金持ちの御曹司であり、大手レーベル「ジューダス」に所属するグループバンド「ARCAREAFACT(アルカレアファクト)」のリーダー的ポジションにいる。
そんな彼が、何故幻想郷に来て、霊夢と顔見知りなのかと言うと…。

簡単に説明すると、オリオンは「何者か」の好奇心により幻想郷に神隠し…所謂「幻想入り」をしたのだ。
そんな彼が連れてこられた場所が博麗神社で、初めて幻想郷で会った人物が霊夢だった。
霊夢から説明されたオリオンは多少狼狽えたものの持ち前の図太さで「ここで世話になる!」と博麗神社に押しかけ居候することとなった。
当然霊夢は出て行くように脅したがオリオンも金もじいもいない場所での生活は出来ないと鋼の意思で駄々をこねた(?)。
結果流石の霊夢も折れ、家事などの家の手伝いをすることを条件に住まわせることにした(なお家の手伝いは結局最後までしなかったようだが)。
最終的にオリオンを連れてきた「元凶」を見つけ元の世界へ戻ることになったのだが、それ以降も度々「元凶」や自身らを「嫁」として招き入れた琴葉姫の力で幻想郷とMIDI CITYを行き来できるようになり、オリオンは今までの礼として博麗神社に資金援助、霊夢には個人的なプレゼントをするような仲に至っていた。
なお、その様子を見た八雲紫から「付き合ってるの?」と言われ二人共速攻で「違う!!」と大声で否定したが、二人共顔を真っ赤にしていたことに紫は笑っていた。

それはさておき、こうしてオリオンは定期的に博麗神社に行って霊夢にお布施(という名のからかい)に行くのがお約束となっていた。
だが…

霊夢「全く…今日も貢物をくれるんでしょ?そこに置いてって」

オリオン「そのことなのだが」

急にオリオンの表情が、真剣なものとなる。
いつもはじいという執事がいないと何も出来なくて、幻想郷にいた頃怪異が起こり弾幕ごっこになった際も霊夢にしがみついて離さなかった情けないオリオンが、散々霊夢に対して心無い言葉(悪意は無いが)を浴びせているあの、オリオンが、霊夢に対して真剣な表情をして、

オリオン「…今回、『博麗の巫女』であるお前に依頼がある。恐らくだが妖怪が絡んでいると俺は推測している」

そう言って、一つの茶封筒を霊夢に差し出した。ぱんぱんに膨らむまで紙が詰められているが霊夢は中に入っているであろうものを察していた。
それを確認すべく受け取り、中身を空けると…紙幣であろう紙が詰められていた。

オリオン「前払いの依頼料の300万円だ。創造主とやらにこの世界の紙幣に換金してもらった。解決した後1000万を払う。望むならば、それ以上でも払わせてもらおう」

霊夢「…ここまで大盤振る舞いだと、何か裏がありそうね」

オリオン「…疑ってもいい。だが、この依頼だけはどうか受けて欲しい。…頼む!金はたくさんある。だから…!」

霊夢は夢でも見てるんじゃないかと本気で思う程目の前の光景を受け入れられなかった。
あのオリオンが、自分に頭を下げている。
頼むと、金はいくらでも払うと、だから自分に依頼を受けて欲しいと懇願している。
霊夢の知るオリオンはとてつもなくふてぶてしく、霊夢に対して不遜で、究極的なまでにわがままで、どこからそんな自信が溢れてくるんだと思う程自信家で。
今まで霊夢が命令したことは、全て拒否しその次に出てくるのは霊夢に対する不満と悪口だった。

それが、今はどうだ。
絶対に何か裏があるか、誰かに脅されてこうしているとしか思えなかった。
だが彼の眼差しと誠意は今まで数多の怪異を起こした妖怪と対峙してきた霊夢から見ても嘘だとは思えなかったのだ。
一体何が彼をこの行為に走らせたのか、全く理解できなかった。

霊夢「…落ち着きなさい。誰も受けないとは言ってないわ。…妖怪退治ってことだけど、どういうこと?中に入って詳しく聞かせてくれる?」

オリオン「っ…感謝する。ああ、俺が知ることは全部話す。だからいい返事を期待している」

霊夢「っ…」

あのオリオンが、霊夢に礼を言った。幻想入りした時から帰るまで、一度も自分に感謝したことも、謝罪したこともないのに。
今更手のひら返しのようなことをされたことではなく、オリオンがそこまでに至らしめる事態と存在に霊夢は腹の虫がおさまらなかった。
しかしあくまで顔には出さず、静かに、最低限のことだけ伝えオリオンを神社の中に招き入れた。



○●○●○
霊夢「永眠病?」

オリオン「世間では、そう呼称されている」

オリオンが切り出したのは、現在MIDI CITYで流行している病『永眠病』のことだった。
詳しく話を聞くと、ある日を境に眠りから覚めないミューモンが現れた。
もしかしたら死んでいるのかと思われたが、医師によると息もしており心臓も動いている。眠っているだけとのこと。
しかし痛みを与えたり電気ショックを受けても目が覚めないようで未だに眠りから覚める術は持っていないらしい。
そしてその永眠病はウイルス性のものかはまだ解明されていないが別のミューモン、更には別のミューモンにも感染するようでMIDI CITY中で多くの感染者・被害者が出た。
MIDI CITYはこの話題で持ちきりで、メディア等も不安を煽るような報道をするせいで多くの住民が恐怖に怯えている。
ドラッグストアではマスクや消毒液、石鹸などがなくなり、SNSでデマが拡散され日用品なども売り切れパンデミック現象が起きているそうだ。

霊夢「…その永眠病ウイルスをばらまいてるのが、妖怪かもしれないってこと?」

オリオン「俺はそう思っている。感染者を検査してもウイルスや細菌らしきものは発見されていない」

霊夢「人の手が起こしたものではないってことね…。でも、あんたがあそこまで私に懇願するなんて、理由は何?」

オリオン「………実は…」

オリオンが、霊夢に依頼した理由を話し始めた。
オリオンの所属するアルファレアファクトのボーカル兼ピアニスト、チタンには弟が二人いる。
その下の弟が、永眠病にかかってしまった、とのことだった。
チタンの下の弟…ニケルはどれだけ兄達が叫んでも、眠り続け未だ起きないという。
現在はオリオンの実家の企業が請け負いする病院に入院しているが、どれだけ優秀な医者に見せても未だ治療法が見つかっておらずチタンは目覚めない弟に精神を蝕まれ、見ていて悲惨なほどにやつれてしまっていた。それは上の弟であるバルトも同じなようだ。

オリオン「あんなチタンを、俺はもう見るのは御免だ。早くニケルを目覚めさせて、チタンを安心させてやりたい」

霊夢「……………」

真剣な表情と声色で話すオリオンに、霊夢の心では黒い渦が渦巻いていた。
もとの世界にいる仲間のために、彼は自分に頭を下げて、大金を払って、その永眠病とやらの事件を解決して欲しいというのか。
自分のことはそれなりに長い期間一緒にいたのに、何も謝らなかった、手伝わなかったこの男が。
それほどまでにそのチタンとやらは大事なのか、私より。
…こんな面倒臭い女のような思考をしている霊夢自身も、困惑していた。
何故この忌々しい男にそんな嫉妬のような想いを抱いているのか。

…こいつには言い値で、大金ふんだくってやるんだから!

霊夢「…いいわよ。でも1000万円だけじゃ足りないわ。そうね…依頼完了後、私の望むものを言うからそれを寄越しなさい。それを貰えなければ…わかるわね?」

オリオン「っ!本当か!?ああ、お前の望むものを与えてやろう!だが…依頼完了後なのか?」

霊夢「そ、その時言って用意できなかったあんたの慌てふためく姿が見たいのよ!!」

オリオン「そ、そうか、まぁ俺の財力にかかれば容易だ。その思惑は崩れるだろう」

霊夢「だといいわね!それじゃあ、そのニケルって奴の病状がみたいからその子が入院してる病院に連れてってくれる?」

オリオン「構わないが…変な行動は起こすなよ?」

そう言って、霊夢を連れてMIDI CITYに戻るオリオンだが…

オリオン「(ん?依頼達成後なら、俺が用意しないという懸念はないのか?)」

という疑問を、隅に追いやった。



やっぱ文章支離滅裂で白目(白目)
感想まだ

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.141 )
日時: 2020/05/05 18:12
名前: 琴葉姫 (ID: EnwL6lXi)

○●○●○

チタン「…………………」

とある病院の一室。
個室のベッドで寝ている幼い少年を悲痛な面持ちで見つめている青年がいる。
彼こそが、チタンだ。
整っている顔はやつれ、目元には濃い隈がある。
そんな彼はただただ少年‥弟のニケルが目覚めるのを待っている。
早く、起きて笑顔を見せて欲しい。いつものように「お兄たま」と自分を呼んで抱き着いて来て欲しい。
そのような妄想は現実に起こるわけがない。しかし彼は弟の体調を願わずにはいられなかった。
このまま眠ったままでは、食事も取れない。眠ったまま餓死してしまうのではないかと不安で不安で、自分も食事など碌に取れなかった。

そんなチタンの後ろから、おずおずと上の弟…バルトが声をかける。

バルト「お兄様、そろそろ寝た方が…」

チタン「…え、あ、ああ、もうこんな時間か。バルトは寝てていい」

バルト「ぼ、僕は良いです!お兄様、ニケルの看病で全然寝てないじゃないですか!」

チタン「俺は大丈夫だ。心配するな」

そう言って無理して作った笑顔でバルトの頭を撫でた。
だが、

バルト「っ全然大丈夫じゃないです!」

チタン「ば、バルト?」

急に大声を出して大粒の涙を流し始めたバルトに、チタンは狼狽えてしまった。
しかしバルトは溜め込んでいたものを吐き出した。

バルト「お兄様、ずっとニケルのことばっかりで!ご飯も食べないで寝ないでずっとニケルのそばにいる!今のお兄様がどうなっているが自分でわかっていますか!?お兄様まで倒れたりしたら、僕、ぼく!なんでっこんなことになっちゃったんだよ!!うわぁぁぁぁぁぁん!!!」

チタン「バルト…!」

大声を出して泣きだしたバルトに、チタンは強く抱きしめるしか術がなかった。顔を歪めて、自分も泣き出したいのを必死に我慢して、ただただバルトを抱きしめた。
チタンは思い詰めていたのだ。父と母が帰ってこられない今、弟達を護れるのは自分だけだ。
だから、ニケルにもしものことがあれば…考えただけで死にそうだ。
だが、不安なのはバルトもだった。弟が目が覚めないだけでなく、兄のチタンも日に日にやつれ半ば諦めたように弟を見つめるチタンに、とうとう耐えられず泣きだしてしまったのだ。今まで我慢出来ていたのは、チタンを困らせたくないが故だ。
それに気付けなかったチタンは酷く精神が疲弊していた。ニケルばかり心配して、バルトに我慢させていた事実に更に心が軋む。
するとそこへ…

セレン「っ、チタン、バルト、大丈夫…?」

アルゴン「セーイ…」

チタン「っ、セレン、アルゴン…来ていたのか…」

同じくアルカレアファクトのメンバーのセレンとアルゴンが病室に入って来た。アルゴンの手には、果物の盛り合わせが入った籠が。
セレンが駆け寄ってチタンを労わり、アルゴンはテーブルに籠を置く。
セレンもアルゴンも、チタンの様子を見て泣きそうなまでに顔を歪めた。

セレン「チタン、ちゃんと寝た?ちゃんとご飯食べた?ニケルが心配なのは分かるけど…」

チタン「あ、ありがとう。俺はだいじょ…」

セレン「大丈夫なわけないでしょ!?バルトもさっきまで泣いてたの、外まで聞こえてたんだからね!?というか、そんな顔して大丈夫なんてよく言えるよね!」

チタン「っ…」

アルゴン「果物、食うか?それともなんかデリバリー…」

チタン「い、いや俺はいい…それよりもバルトを…」

セレン「チタン!」

バルト「お兄様!」

チタン「…ごめん」

アルゴン「セ、セーイ…落ち着けお前ら…」

あくまで自分ではなくバルトを優先するチタンに対し、セレンとバルトからお叱りを受けるがチタンは申し訳なさそうに謝るしか出来なかった。
二人をアルゴンがあわあわと宥めるが、セレンは全く悪びれず頬を膨らませぷいっとそっぽを向いた。バルトは俯いている。
そんな病室の空気を変えたのは…

オリオン「ここだ。入れ」

霊夢「失礼するわ」

セレン「!オリオン!…と………?」

アルゴン「だ、誰だ?この嬢ちゃん…」

オリオンと同時に入って来た紅白巫女服の少女…霊夢に、一同は戸惑ったような表情で霊夢とオリオンを交互に見やる。

チタン「オリオン、彼女は…?」

オリオン「話は後だ。おい貧乏巫女、ニケルの様子はどうだ?」

霊夢「………これは…?」

ベッドで寝ているニケルを一通り精査するように見ると、何か違和感に気付いた。それは、霊夢にしかわからないことで…。

霊夢「…魂が、抜けてる?」

チタン「ッ!?今、なんて…!?」

バルト「た、確かに今のニケルや永眠病にかかってるミューモン達は、魂が抜けてるみたいに眠ってるけど…」

オリオン「ッ!おい、まさか…!」



霊夢「みたいに、じゃないわ。本当に魂が抜けてるの」



アルカレメンバー「ッ!?」

バルト「え、ええっ!?」

霊夢の発言に、オリオンを含めたアルカレアファクトのメンバーもバルトも驚愕で表情変え声を上げてしまった。
オリオンも、どういうことかと霊夢に掴みかかる。

オリオン「どういうことだ貧乏巫女!?魂が抜けているって…ニケルは無事に目覚めるんだろうな!?」

セレン「ちょちょちょちょーっと待って!?お姉さん急に現れて何言ってるの!?連れてきたのはオリオンだけど、オリオンとどういう関係!?」

アルゴン「たたたたたたた魂が抜けてるって…!死んでるってわけじゃねえよな!?というなんか急にオカルト話になったぞどういうことだセーイ!?」

チタン「にっニケルの!ニケルの魂が抜けているとはどういうことだ!?このまま無事に目覚めてくれるのか!?教えてくれ!」

バルト「どういうことですかお姉さん!?ニケル、起きますよね!?」

霊夢「あーっもーっアンタ達うるさい!!!一気に詰めかけないで!事情は一つ一つ話すから落ち着きなさい!!!」

一斉に質問攻めしてきたアルカレメンバーとバルトを強引に押し返し、椅子に座らせ落ち着かせる。
そこから、霊夢に対する質問会が開始された…。



○●○●○

チタン「妖怪退治専門の、巫女…???」

オリオン「…確かに信じがたいかもしれないが、こいつの腕は確かだ。俺が保証しよう」

セレン「お、オリオンが言うなら…まぁ…?」

アルゴン「セーイ…」

霊夢「貴方、意外と人望あるのね」

オリオン「当たり前だ。そうでなくては黄金アーティファクトの上に立つ資格はないからな」

霊夢「なんかよくわかんないけど…理解してもらえてよかったわ」

あれから説明で霊夢はオリオンの知り合いで、妖怪退治を専門とする巫女ということをメンバーとバルトに信じてもらえることに成功した。…ほぼオリオンの人望のおかげで、だが。
そして、先程から訊きたくて仕方なかった「ニケルの魂が抜けている」とはどういう意味なのかを、チタンが問う。

チタン「…ニケルの魂が抜けているとは、どういうことだ?ニケルは…目覚める、のか?」

霊夢「うーん…」

霊夢は寝ているニケルの方を見ながら考えるそぶりをする。

霊夢「あの子の魂が抜けているのは、妖怪が掏り取ったからに間違いないわ。他の永眠病患者もそうと見て相違ないわね」

セレン「妖怪…妖怪ストリートを拠点としてる妖怪族のミューモンのこと?」

霊夢「いいえ。それよりもっと力があって…厄介でどうしようもない奴よ」

霊夢の言葉に、チタン達は言葉を失った。
相手が人ならざる…否、ミューモンならざる怪異的なものであれば、どうすれば解決出来るのだと。
しかし、博麗の巫女にとって、そんな妖怪退治や怪異解決と言った事情はお茶の子さいさいさったりするわけで。

オリオン「安心しろ。こいつはそういった事件解決のエキスパートだ。何度もそういった輩を沈め怪異を解決してきた。きっとニケルや他のミューモン達も目覚めるだろう。俺が保証する」

霊夢「随分高く見てくれるじゃない」

オリオン「ふんっ。でなければお前などにニケルの事など頼まん」

霊夢「ったく…まぁ、報酬分の働きはさせてもらうけど…」

チタン「…っ!!ありがとう、ございます!!」

バルト「ありがとうございますっ!」

チタンが涙を流して、霊夢に頭を下げた。つられるようにバルトも同様にする。
そんなチタンを霊夢は一瞥した。こいつがオリオンの言っていたチタンか、と。
確かに整った顔は疲労で窶れ、痩せこけっているように見える。
そして初めて会い非現実的なことを言っている自分に対し、深々と頭を下げている。自分が弟を助けてくれると、一抹の希望に縋り。

…お人好しなのね。

優しい人間…彼らの場合ミューモンだが…は搾取されやすい。
オリオンは彼に利用価値があるから助けるのか、それとも純粋にただ彼が本当にメンバーとして、友として大切だからか。
…そんなことは自分が知る由はない。それより、早く依頼を解決して報酬を受け取らねば。

霊夢「…それなんだけど、このニケルって子、白い花粉みたいなのがついてるわ」

チタン「花粉…?検査の時、そんなものは引っかからなかった。服も看護師が毎日変えてくれているし、身体も洗ってくれている」

霊夢「ああ、アンタ達には見えないのね。ちょっと待って」

そう言って、霊夢は袖の中から一枚のお札を取り出す。
一同は首をかしげて疑問に思っていたが、霊夢がお札に息を吹きかけ空に放り投げると…

辺りが、薄暗くなる。

セレン「へっ!?何々!?」

霊夢「落ち着きなさい。所謂赤外線センサーみたいなものを可視化するようにしたのよ。ほら、これでこの子を見てみなさい」

彼女の言う通りにニケルを見ると…確かに、白い粉のようなものがニケルの身体に付着していた。
霊夢が粉を拭き取ろうとニケルの身体に触れるが…粉はこびりついたように取れない。

霊夢「これが巷で言われてる永眠病のウイルスみたいなものね。ウイルスっていうよりはまんま花粉で、これが付着し身体を蝕んで魂を掏り取ってるんでしょう」

チタン「…魂がなくなると、どうなるんだ」

霊夢「…貴方達の想像通りでしょうね。一生目覚めなくなる」

アルカレメンバー「ッ…!!」

バルト「そ、そんな…!」

霊夢の言葉にアルカレメンバーは息を呑み悲痛な面持ちで黙り込んでしまった。バルトは今にも泣きそうだ。

オリオン「おい!何とかできないのか!?」

霊夢「出来るわよ」

チタン「!!!ほ、本当か!?」

霊夢「ええ、だから」

バルト「…へ?」

急に霊夢に肩を掴まれて、きょとんとするバルトだが…



霊夢「弟を助けたいのよね?協力してもらえる?」



アーサー「色々とガバガバでは?」

琴葉姫「私が一番わかってるやめてくれorz(クズ)」

感想まだ

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.142 )
日時: 2020/05/05 18:19
名前: 琴葉姫 (ID: EnwL6lXi)

オリオン「バルトを人柱にするだとッ!?」

セレン「うわっ、オリオン落ち着きなよ…気持ちは分かるけど!」

霊夢「人柱って言うのやめてもらえる?この子を通じて原因の主の元に連れてってもらうのよ」

オリオン「だからって、バルトを…!」

何やら言い争いをしているが、霊夢の言い分はこうだ。
元凶の元に行くには、ニケルらのように魂を抜かれその魂に案内してもらえばいいと。
その案内してくれる魂の持ち主は、この中で一番幼く耐性のないバルトが一番適役だと。
当然オリオンは反発しチタンは自分がと名乗り出たが、意外にもバルトは快く引き受けた。

バルト「大丈夫!僕出来ます!もしかしたらニケルに会えるかもしれないし!」

チタン「バルト…!」

霊夢「…過保護なだけじゃ、子供は成長しないわよ」

バルトの霊夢の言葉に唇を噛み締めるチタン。だが…意を決してバルトに任せることを決めた。

チタン「バルト、…頼んだぞ」

バルト「はいっ!」

霊夢「じゃあ、この子…ニケルだったからしら?に触れてもらえる?」

バルト「はい!」

ニケルの胸にバルトが手を当てる。
霊夢が何やら二枚の札をバルトの手に巻き付けた。

霊夢「こっちは貴方を元凶の元へ早く連れてってくれる札、こっちは私を元凶に連れてってくれる札よ。気分はどう?」

バルト「…眠く…なってきました………」

霊夢「それでいいわ。貴方は私が助ける。貴方の弟も、他の皆も…だから…おやすみなさい…」

バルト「……………」

バルトの瞼が閉ざされ、霊夢はバルトを空いているベットに寝かせた。

霊夢「それじゃあ、私も行ってくるわ」

チタン「ま、待ってくれ!俺も連れていってくれないか!?」

霊夢「は???」

突然のチタンの発言に、霊夢は呆気にとられる。
が、すぐさま「駄目」と一蹴する。

霊夢「足手まといだから来ないで」

オリオン「おい貧乏巫女。俺達も連れていけ」

霊夢「話聞いてた成金馬鹿???」

セレン「ボクも行く!バルトが心配だし!」

アルゴン「セ、セセイセーイ!!!俺の筋肉にかかれば妖怪くらい!!!」

セレン「足震えてるけど???」

アルゴン「セーイ!!!?」

チタン「頼む…!ニケルだけでなくバルトまで眠ったままになってしまったら…!」

霊夢「…あああああもう!!!そんな今にも自殺しますみたいな顔で頼まないでくれる!?まったく…!…自分の身は自分で守りなさいよ。元凶倒しながらアンタたちの護衛なんてできないから」

チタン「…!ありがとうござい、ます!」

オリオン「ふんっ、最初からそう言え。それより早く連れていけ貧乏巫女」

霊夢「アンタホントマジで性格悪いわね…!ほら行くわよ!!!」

霊夢が袖から札を取り出して空に放り投げる。
と、空間が反転し、その場が真っ暗になった。
しかし、一つの灯りのようなものが、飛行機雲のように道しるべとして霊夢達を導く。

霊夢「あれ、バルトの魂のようね」

チタン「ッ、アレが…?」

霊夢「あの子が連れてってくれるわ。行くわよ」

そう言って、霊夢はふわりと宙に浮いた。

アルゴン「セッセーイ!?お嬢ちゃん浮いてるんだが!?」

オリオン「気にするないつものことだ。それよりも早くバルトを追うぞ!」

セレン「えっなに?オリオンにとってはいつものことなの?順応性高すぎない?ボク達が可笑しいの?」

チタン「さ、さぁ…?」

灯り…バルトの魂の案内に従い歩み進むチタン達。
しばらく歩くと…霊夢がバルトの魂に近づく。

霊夢「ありがとう。もう大丈夫よ」

そう言って、バルトの魂に触れると…

バルト「わっ…!」

魂が、ミューモン体のバルトに模られ姿を変えた。
落ちてくるバルトを霊夢は抱きとめる。
慌ててチタン達がバルトと霊夢の元に集まった。

チタン「バルト!よかった…どこも異常はないか?」

バルト「お兄様…!僕は大丈夫ですけど、どうしてお兄様達まで…」

霊夢「そこまでにしておきなさい。…来るわよ」

霊夢の言葉を皮切りに、空間が振動し始める。
地震のように大きく揺らぎ始め動揺するチタン達だったが、───それ以上の存在が現れた。
底からぼこっ!と突出してきた大きな"存在"に、恐怖を感じていた。
が、霊夢は恐れそせず"存在"に問う。

霊夢「アンタが、永眠病を撒いた元凶…妖怪ね?」

『ハハハハハ、私の存在を見抜くとは…貴様、只者ではないな?』

反響して脳内に響き渡るねっとりした太い声。バルトは震えてチタンに抱き着くが、相も変わらず霊夢は億すことなく持っていた御幣を突き付ける。

霊夢「『博麗の巫女』博麗霊夢、アンタを退治させてもらうわ!」

妖怪『できるものか!力を得た私を!』

妖怪がそう言った瞬間、周りが明るくなり周囲の様子が視認できるようになる。
その光景に、チタン達は言葉を失った。
半透明のミューモン達が、瓶の中で体を丸めて眠っていたのだから。
そしてその中には───

バルト「…っ!お兄様、あれ…!ニケルだよ!」

チタン「何ッ…!?」

バルトが指さす方に目線を向けると…確かに他のミューモン達と同じく、半透明になったニケルが、瓶の中で眠っていた。

チタン「ッ!ニケル!!」

妖怪『無駄だ!あの魂はもう既に私のもの!これらの魂を食い、私はもっと力を付けこの世界を支配するのだ!』

オリオン「勝手なことを!いいからニケル達を解放しろ!!」

妖怪『下賤のものが、私に口を出すな!』

妖怪の周囲から放たれた弾幕がオリオン達を襲う。
が、それは霊夢が咄嗟に放った札がバリアとなり彼らが傷つくことはなかった。

霊夢「アンタ達は下がってて!これは私の仕事よ!」

チタン「霊夢さん!」

妖怪『ハッ!博麗の巫女如き私の敵ではないわ!』

霊夢「その言葉、後で後悔することね!」

霊夢が無数の札を妖怪に放つ。
しかしその札は妖怪が太い腕をひと振りするだけで散り散りになってしまう。

霊夢「へえ!そう言うこと出来んのね、どれだけの魂を喰らったのかしら?」

妖怪『はっ、冥途の土産に教えてやろう。私は魂を物理的に喰うなどと言う野蛮なことはしない。吸い取るのだよ。掠め取った魂の生気を』

霊夢「ッ!?アンタ、まさか!」

妖怪『そうさ、私は盗った魂の生気を少しずつ吸い取り、自分の力にする!そして得たのがこの力だ!生気を全て吸い取った魂はの持ち主は、もう二度と目覚めることは無いがな!』

アルカレメンバー&バルト「ッ!?」

妖怪の言葉に、オリオン達は息を呑んだ。
まさか、もう全て生気を吸い取られたミューモンが…と
しかし、妖怪は自惚れの強い性格のようで、結果的に良い知らせを吐露する。

妖怪『ふん、まぁまだ全て生気を吸い取った魂は無いがな。しかしそれは貴様らを倒せば無意味なこと!』

霊夢「いい事を聞いたわ!ありがと、ねっ!」

朗報を聞いた霊夢はお礼と言わんばかりの弾幕を妖怪に向けて放った。
しかしその弾幕も、妖怪の腕によって振り払われた。

妖怪『まだ分からんか!貴様の攻撃など無意味なことを!…まぁ』

これで貴様は終いだ

その言葉を言い終えてすぐだ
霊夢の足に、太い蔦のようなものが巻き付いた。
慌てて振りほどこうとするが、そうすることで余計に絡みつく蔦に霊夢は焦りを覚えた。
蔦に気を取られ気付かなたかった。ハッとして前を見ると



鋭利で大きな棘が、霊夢の脳天を貫いた。
無数の棘が、霊夢の胸、腹、足、腕を貫く。

チタン「霊夢さんっ!」

バルト「霊夢おねえさんっ!?」

セレン「霊夢ちゃん!」

アルゴン「お嬢ちゃん!」

オリオン「───ッ!?」

彼らが叫んだのは同時だった。
オリオンは言葉も出ない程顔が真っ青になっている。
妖怪の口角が吊り上がったのが分かった───



霊夢の身体が、無数の札の束となってその場を舞った。

妖怪『なッ───!?』

初めて妖怪の仮面が砕けた。
そしてそのすぐ次だ。妖怪の足元にも数枚の札が貼り付けられ、それらが光り金色の鎖が出てきて妖怪を拘束した。



BGM:色は匂えど散りぬるを

「やっとかかった」

あの声が聞こえる。
振り返って腕を振ろうとするが…鎖が締め付け身動きが出来ない。

霊夢「幻想郷じゃアンタなんてすぐ淘汰されるわよ。ここで力をつけてって魂胆だったんだろうけど、───私の手を煩わせたのが運の尽きね」

妖怪『ッ!』

霊夢に無事を喜ぶアルカレメンバー達。バルトに至っては両手を上げて万歳している。
妖怪も鎖の拘束を解こうとするが、びくともしない。

霊夢「私、長引くの好きじゃないの。今すぐ終わらせてあげる───!」

そう言って宙に立ち、御幣を天に掲げる。
霊夢の周りを札が囲み、その札が重ね一つになり、霊夢が手に取った。

霊夢「───夢想封印!」

その言葉と同時に、札が巨大な太極図として具現化する。
太極図が妖怪を押しつぶすように地に落ちる。

妖怪『おのれ、おのれ博麗の巫女ォォォ───!!!』

太極図が圧縮し、強い光と激しい強風が同時に起こる。
アルカレメンバーがそれらに耐え、収まるのを待っていると…



霊夢「はい、終わり終わり」

霊夢がその場に下りてきた。
アルカレメンバー達が霊夢の元に駆け寄った。

セレン「だ、大丈夫!?」

霊夢「ええ。あの妖怪も、ほら」

「え゛」と言葉を溢し霊夢の手元を見ると…
霊夢につままれているサイズの小さい黒い人影が暴れていた。
その人影を見て、メンバーは唖然としていた。顔文字で言うなら「( ゚д゚)ポカーン」だ。

霊夢「この妖怪は元々の自分の特性を使ってミューモンの魂を吸い取って力を付けてたにすぎなかったのよ。元々はこんな弱い妖怪だったわけ」

アルゴン「マジかセーイ!?」

霊夢「そ・れ・で?どうしたらこのミューモン達は目覚めてくれるのかしら?」

妖怪『うわーん!ぼくの力が弱くなかったから勝手に持ち主のところへ戻ってくよー!だから離してー!』

元に戻ったら高い声で幼い言葉遣いになっている妖怪。本来のあり方がこうなのだろう。

霊夢「あら、本当ね。どんどん瓶から出ていってるわ」

オリオン「何っ!?」

霊夢の言う通り、瓶詰めされていたミューモンの魂が蓋をしていたコルクが次々取られ出て行っている。
持ち主のところへ戻っていると見て相違ないだろう。
そして、ニケルの魂は既に瓶からいなくなっていた。

バルト「これで、ニケルが…!」

オリオン「早く病室に戻るぞ!早くしろ貧乏巫女!」

霊夢「はいはい…ということだから」

妖怪をつまんでいる霊夢が彼ににんまりと笑って語り掛ける。

霊夢「アンタにはスキマ妖怪と"創造主"のお説教の後、地獄の牢屋へご招待だから…悪く思わないでね♪」

妖怪『ひええええええ!!!』

泣きながら悲鳴を上げる妖怪に、同情する者は誰一人としていない…。



アーサー「………(ジト目)」

琴葉姫「いや分かってるよ!?分かってるよ設定がダメな方向のなろう作品並にガバガバなことは!!!(白目)」

アーサー「何故直さないのか…(呆)」

感想まだ

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.143 )
日時: 2020/05/05 18:30
名前: 琴葉姫 (ID: EnwL6lXi)

あれから霊夢の力で元々いた病室に戻って来たアルカレメンバー。
そして、戻ってきた瞬間に…

ニケル「お兄たま…?」

掠れた幼い声が聞こえる。
チタンとバルトがバッと声のした方を向くと───
半分目を開けてこちらに首を向ける、ニケルがいた。

チタン「に、ニケル…ニケルッ…!」

涙を流し弟の名前を呼ぶチタン。バルトも大粒の涙をとめどなく流している。

バルト「っ、ニケルの馬鹿!お兄様をこんなに心配させて!」

ニケル「…お兄た、まと、ちい、兄たま、ないて…?」

セレン「あー感動の再会は後々!誰か先生呼んできて!」

アルゴン「セーイ!!!」

ドアを開けると、他の患者も目覚めていたようでとても騒がしかった。
それでも、その騒がしさが「悪夢」の終止符だと思うと喜ばずにはいられなかった。



あれから永眠病で眠っていたミューモン達は皆目覚めたと大々的に発表があった。
ニケルも含め眠っていた者達は検査のため引き続きしばらく入院することになったが、退院するのはすぐとのことだ。
あれからパンデミックなどなかったかのような日常が戻って来た。
チタンが霊夢に今回の依頼料を払いたいと申し出たのと、今回の功績は彼女のおかげだと政府に知らせようとしたが、オリオンとほかならぬ霊夢が拒否した。
幻想郷や博麗の巫女の事などこの世界の者は信じられないだろうし、もしかしたら霊夢の力を悪用する者が出るかもしれないから、と。
そして依頼料に関してはオリオンから既に確約しているからと言ったが、チタンは中々受け入れなかった。
しかしオリオンはチタンも家庭のことで色々あるからと、チタンにはたくさん世話になり、迷惑をかけたから払わせて欲しいと、懇願した。

オリオン「俺はお前の曲を汚してしまった。大切なメンバーのお前も。だから、せめてこれくらいはさせて欲しい」

チタン「オリオン…」

二人のやり取りを見せられた霊夢は再び胸の中が黒く渦巻いていた。
何よ、私にはそんな真摯な態度取らないのに!!!
何を要求してやろうか…。霊夢は一人悶々と考えていた。


○●○●○

オリオン「報酬の1000万だ」

霊夢「…確かに」

事件が解決しニケルも無事退院した現在、オリオンは再び幻想郷・博麗神社に赴き霊夢に依頼料を払った。
数を確認し懐に入れた霊夢だが、依頼の時に言っていた「望むもの」を提示する。

霊夢「それと、忘れてないわよね?依頼完了後に「私の望むもの」を寄越しなさいって」

オリオン「当たり前だろう。それで何が欲しい?それとも神社の改装か?」

霊夢「…あーーーーうーーーーえーーーーと」

オリオン「急に幼児退行したんだが???」

霊夢が言葉を濁しながら顔を赤くし視線をせわしなく動かす。
それにオリオンは何事か?とうとう頭おかしくなったか?と困惑したが、霊夢の要求したことに更に頭がついて行けなくなった。

霊夢「~~~ああもうこの際だからはっきり言うわ!私にMIDI CITYを案内しなさい!まずは美味しい料理屋に連れてって、その後面白いところに連れてって!」

オリオン「……………は?????」

霊夢「そんな目で見ないでくれる!?」

霊夢の要求に、オリオンは未知の存在を見るような目で霊夢を見た。
それに霊夢は不満げに反発するが、やはり顔は真っ赤なままだ。
しかし、それはオリオンも同様で、同じく顔を真っ赤にして異を唱える。

オリオン「な、な、は???何を言ってるんだお前は。そんなのまるで…で、デートみたいじゃないか!?」

霊夢「だ、だから!!!!!」



霊夢「私と!!!デートしろって!!!言ってんのよ!!!!!!!!!!!!!!」

オリオン「はぁぁぁぁぁあああああ!?!?!?」

霊夢の大声とオリオンの大声で神社が揺れる。
どちらも耳まで真っ赤だ。霊夢に至っては若干涙目だ。

オリオン「お、お前…疲れてるのか?無理をさせてしまったか???」

霊夢「何でそうなるのよ!!!べ、別に高級料理亭に連れてけとか貴金属買ってほしいとか言ってないんだけど!?!?!?」

オリオン「わかった、わかったから落ち着け!!!」

今にも泣き出しそうな霊夢を見て、可哀想とでも思ったのだろうか。
大袈裟に、大きくため息を吐いて諦めたように霊夢に言い放った。

オリオン「いいだろう、俺がお前をエスコートしてやろう。光栄に思うんだな」

霊夢「!!!」

オリオンの言葉に、霊夢はパァァァァと顔を明るくした。
しかしそれも一瞬ですぐ仏頂面で「最初からそう言いなさいよ」と悪態をついた。
オリオンは内心「(やれやれ、これは骨が入りそうだ。じいに根回しを頼まねば)」と思っていたが、その表情は満更なものではなかった。



○●○●○

オリオンが帰って今現在は深夜。
霊夢は布団に入っていたがなかなか寝付けなかった。
霊夢の脳内を、オリオンが支配していた。

霊夢「(あいつ、よくあんな要求飲んだわね…。…チタンとか言う奴の弟を助けたから?)」

結局は、あの男はメンバーのために自分に頼み込んだにすぎない。メンバーのために自分を利用したに過ぎないのだ。
…あいつは、私が逆の立場になったら助けてくれるのだろうか。仲間に頭を下げて、大金を払ってまで。
…って、何を考えてんのよ私は!!!
掛け布団を深くかぶって丸まる。また面倒くさい女子みたいなこと考えてる!私は何か!?俗にいうメンヘラって奴なのか!?
なんで私がこんなこと考えてんのよ!あんな奴に対して!!ああもう!!!

霊夢「(デートで色々要求してやるんだから!!!)」

果たしてこのデコボコな恋が成就するのか、それこそ"神"のみぞ知る───



 ~あとがき~

久々の投稿がこれです。クッ殺せ!←
まぁ事の発端はオリオン×霊夢書きたいなってことだったんですけど、霊夢と言ったら妖怪退治じゃないですか?(?)妖怪退治を絡めた話はと考えて、ピーカーブーっていうTRPGの公式シナリオを参考にしたんですが、図らず某肺炎のアンチテーゼみたいになってしまいました(当社比)(支離滅裂な思考・発言)
というか妖怪退治の描写や説明がガバガバすぎてヤバい。なろう作品の方がしっかりしてるってレベルでヤバい(なろう愛好家並感)
あと戦闘描写は幻想万華鏡意識しました。っていうか観ながら書きました(爆)
あと肝心のオリ霊描写がやはり他人が見たら意味わからない感が…(?)私はノリノリ書きましたが頭おかしい奴なんで察してください_(:3 」∠ )_(クズ)

次回の話は一応書き始めてるんですがやはりいつ投稿になるか…(遠い目)遅筆ですみませんorz
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!感想OK