二次創作小説(新・総合)
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.146 )
- 日時: 2020/05/06 11:24
- 名前: 琴葉姫 (ID: EnwL6lXi)
※IQを極限まで下げて読むことをお勧めします←
仲直りの魔法
玉響館のとある一室………
水心子(姫ゼク)「清麿のわからず屋!」
清麿(姫ゼク)「はあ?それは君なんじゃないのかい」
ゼクシオンこと審神者名「影井」の本丸所属の「水心子正秀」と「源清麿」が何やら言い争いをしていた。
あわあわとしている蜂須賀虎徹(姫ゼク)のところへ、ゼクシオンがやって来て説明を促す。
ゼクシオン「…何やってるんですかあの二振り。あの二振りが言い争いなんて珍しいですね」
蜂須賀(姫ゼク)「ああ主!いい所に!実は…」
蜂須賀が二振りの言い争いになった原因を解説し始める…。
~回想~
清麿(姫ゼク)「あ、いたいた。水心子ー」
水心子(姫ゼク)「清麿?どうしたんだ?」
清麿(姫ゼク)「さっきエミヤさんと花騎士のアズキさんからお菓子を貰ったんだ。あげる」
水心子(姫ゼク)「ああ、ありがとう。…清麿は?」
清麿(姫ゼク)「僕はいいよ。水心子にあげる」
水心子(姫ゼク)「何を言う。清麿の分もあるのだろう。それは清麿が食べるべきだ」
清麿(姫ゼク)「でも、水心子これ好きだって言ってただろう?」
水心子(姫ゼク)「私を理由にするな。とにかく清麿が食べろ」
清麿(姫ゼク)「いいよ僕は!水心子が食べて」
水心子(姫ゼク)「清麿が食べろ」
清麿(姫ゼク)「水心子が食べて」
水心子(姫ゼク)&清麿(姫ゼク)「…………………」
蜂須賀(姫ゼク)「ということで…」
ゼクシオン「思った以上にしょうもない理由で笑うんですけど」
蜂須賀(姫ゼク)「しょうもなくないよ!もう半時間もあの有様で…!」
ゼクシオン「全く…あの二振り互いのこと好きすぎでは…」
ゼクシオンの目線が今も尚口喧嘩を続けている水心子正秀と源清麿に向けられる。
水心子(姫ゼク)「どうして言うことを聞かないんだ!」
清麿(姫ゼク)「それは水心子の方だろう!?」
水心子(姫ゼク)「ぐぅぅぅぅ………!」
ゼクシオン(姫ゼク)「ちょっと貴方達、そんなくだらない発端で………」
ばんっ!
清麿(姫ゼク)「っ…!?」
ゼクシオン「は?」
蜂須賀(姫ゼク)「あっ…!?」
一瞬の出来事だったが、ゼクシオンと蜂須賀と、当事者である清麿が言葉を失うには充分だった。
水心子正秀が、源清麿を、突き飛ばした。
水心子(姫ゼク)「っ…!清麿の馬鹿者!清麿なんて嫌いだ!!」
そう言って、走り去ってしまった。
数秒唖然としていた蜂須賀だったが、すぐハッとして清麿に駆け寄る。ゼクシオンも後に続いた。
蜂須賀(姫ゼク)「だ、大丈夫か清麿」
清麿(姫ゼク)「…………………」
蜂須賀(姫ゼク)「き、清麿?」
生気のない表情で、水心子が去っていった方向を見つめていた。
そして、やっと発せた言葉は…
清麿(姫ゼク)「水心子…」
蜂須賀(姫ゼク)「ん?」
清麿(姫ゼク)「水心子に嫌われた………どうしよう………!」
真っ青な顔色で蜂須賀とゼクシオンの方を向いた。
この世の終わりかのような絶望した表情をする清麿に、ゼクシオンはため息をついて
ゼクシオン「意固地ですね、貴方も彼も。素直に謝ればいいでしょう?」
清麿(姫ゼク)「で、でも、水心子は僕のこと嫌いって、絶対許してくれないよ…!」
ゼクシオン「本当にそう思ってるんですか?」
清麿(姫ゼク)「だって…!」
蜂須賀(姫ゼク)「清麿、少し落ち着いた方がいい。水心子も本心で言ったつもりはないだろうし…俺達も協力するから」
清麿(姫ゼク)「…………」
清麿の表情は、未だ晴れず…
○●○●○
水心子(姫ゼク)「うっ…ひぐ………」
中庭の池の前で、水心子は座り込んで涙を流していた。
水心子(姫ゼク)「どうしよう…僕はっ、清麿に、なんてことを………絶対に、嫌われた…」
きっかけはとても些細なことだったのに、どうして…
今から謝っても、許してはくれない。だって、自分は彼に酷いことをしてしまった。酷いことを言ってしまった。
今思えば彼は自分を想ってああ言ってくれたのに………
水心子(姫ゼク)「どうしよう…」
池を覗いて、映っている泣いて無様な自分をぼやっと見つめていた。
「誰かいるの?」
突然声が掛けられて、反射的に振り返る。
すると、こちらを心配そうに見つめる白髪の青年がいた。
水心子(姫ゼク)「あ、貴方は…」
壮五「えっと、逢坂壮五です。IDOLiSH7の」
水心子(姫ゼク)「ああ、現世の…」
確か、彼は現世では「あいどる」と呼ばれる芸者?をしていた者だということを思い出した。
おずおずと、壮五が水心子と同じように屈んで手を伸ばす。
壮五「もしかして…泣いてた?」
水心子(姫ゼク)「っ!」
乱暴に袖で涙を拭って、立ち上がりその場を去ろうとする。
が
壮五「ま、待って!」
水心子(姫ゼク)「…っ!?」
咄嗟に自分の手首を掴む壮五に、唖然としてしまう水心子。
「そこに座ろう?」とベンチを指さし促す壮五に水心子は唖然としながらも「あ、ああ」と頷く。
何を言われるか大体予想がついてしまい、水心子は気まずかった。
壮五「えっと、水心子くん…だよね?」
水心子(姫ゼク)「如何にも。私は新々刀の祖、水心子正秀だ」
壮五「えっと…何か嫌なことでもあった?僕でよければ、相談に乗るけど…」
来た。
本来ならば何も無いと一点張りで黙秘するのだが…
彼の優しい声色が、大好きな彼と似ていて…
頭がもたげてしまって、彼に吐き出した
水心子(姫ゼク)「…………………清麿に」
壮五「清麿さん?いつも水心子くんと一緒にいる刀剣男士さんだっけ?」
水心子(姫ゼク)「………清麿に、酷いことを言ってしまった。酷いことをしてしまった。………嫌われてしまった」
壮五「…………」
水心子(姫ゼク)「清麿は私のことを想ってくれたのに……私、ぼっ、僕はっ………自分のことばかりで…!今も言い訳ばかりが頭に浮かんで…っ!僕は、最低だ………!」
壮五「………水心子くん。僕の話も聞いてくれないかな?」
そう言う壮五に水心子はきょとんとしてしまうが、彼があまりにも優しい表情で、思わずこくんと頷いてしまう。
許可を得た壮五は語り始めた。
壮五「僕にもね、四葉環君って言う相方がいるんだ」
水心子(姫ゼク)「四葉環…貴方の所属する集団にいる背の高い彼か?」
壮五「そう。彼と僕、世間では超超仲良しって言われてるけど、実は喧嘩ばかりなんだ」
水心子の口からえ、と言葉が漏れる。
目の前にいる彼と、四葉環と言う男はいつも一緒にいるイメージで、壮五も喧嘩なんてしなさそうな温厚そうな人物なのに、と。
水心子の思惑など露知らず、壮五は続ける。
壮五「環君は仕事にルーズで敬語も使わないし、僕は僕で自分で色々と溜め込んで、皆に迷惑をかけてる…。でもね、最終的には仲直りするんだよ。…水心子君、1番平和な仲直りの方法って知ってる?」
水心子(姫ゼク)「…いや………」
ゆるゆると首を横に振る水心子に、壮五は優しい声色で教えた。
壮五「それはね、喧嘩した人と会ってすぐに「ごめんなさい」って謝ることなんだ。難しいし上手く言えるか不安って思うかもしれないけど…でも、言えたらもう大丈夫」
水心子(姫ゼク)「でも…僕、私は…」
壮五「水心子君」
ベンチから立ち、水心子と目線を合わせる。
壮五「僕は、君が清麿さんと仲直り出来るって信じてるよ。頑張って、勇気を出して」
そう言う壮五に、水心子は………
水心子(姫ゼク)「私は─────!」
○●○●○
その頃清麿は………
清麿(姫ゼク)「…………………」
ゼクシオン「生気のない目をしてますね」
蜂須賀(姫ゼク)「うう………どうにかならないものかな………」
ゼクシオン「それは彼と彼次第でしょう。それよりも、僕らがいると邪魔でしょう。行きますよ」
蜂須賀(姫ゼク)「ああ………」
清麿を心配そうに見ながらゼクシオンと共その場を去る蜂須賀。
そんな彼の気持ち等知らず、清麿は悔いていた。
清麿(姫ゼク)「水心子…」
彼もまた、後悔していた。
大切な親友に対して嫌な思いをさせてしまったことを。
そのせいで自分は彼に…嫌われてしまった。
今更謝って彼は許してくれるのだろうか?彼ははっきり言った。「清麿なんて嫌いだ」と。
どうしてあの時意地になってしまったんだと後悔ばかりが頭を支配する。
清麿(姫ゼク)「どうしよう………」
貰った菓子を見下ろして、清麿は呟いた。
「何やってんの?」
頭上から声が聞こえた。
そちらを見ると、自分より背の高い青年が片手に容器とスプーンを持ってこちらを見ていた。
彼は…
清麿(姫ゼク)「えっと、君は」
環(アイナナ)「四葉環。アンタは?」
清麿(姫ゼク)「…源清麿」
環(アイナナ)「じゃあまろまろな」
清麿(姫ゼク)「ま、まろまろ?????」
なんだその呼び方はと清麿が一言言おうとした時
環(アイナナ)「まろまろもお菓子持ってるのに、食わねえの?」
清麿(アイナナ)「………あげないよ」
環(アイナナ)「取らねーよ。で?食わねえの」
清麿(姫ゼク)「…食べたくない」
環(アイナナ)「なんで?美味そうじゃん」
清麿(姫ゼク)「っ…ほっといて!」
環(アイナナ)「うおっ」
突然大声を上げた清麿に流石にビックリしてしまう。
そんな環に構わず清麿は今の思いを吐露する。
清麿(姫ゼク)「っ…水心子にあげようと思ったんだ」
環(アイナナ)「すいしんし?ダチかなんかか?」
清麿(姫ゼク)「親友だよ。でも…僕水心子に嫌われて」
環(アイナナ)「は?なんで?」
清麿(姫ゼク)「…水心子が僕にも食べてって。でも僕は水心子の喜ぶ顔が見たかったから、全部水心子が食べてって言ったんだ。そしたら…」
環(アイナナ)「意味わかんねー」
清麿(姫ゼク)「………………」
環(アイナナ)「なんでお前も食うって言わなかったんだよ」
清麿(アイナナ)「それは………」
視線を落としてしまう清麿に、環は拍車をかける。
環(アイナナ)「俺さ、王様プリン好きだけど、全部一人で食えたら嬉しいけどそのせいで周りがギクシャクするの嫌だ。…前俺のせいでそーちゃんの胃に穴が空いて、辛い目にあって、あれからもそーちゃんと色々喧嘩するけど…でもまたギクシャクすんのはぜってーやだ」
清麿(姫ゼク)「でも、僕…水心子に嫌いって」
環(アイナナ)「仲直りなんて簡単じゃん」
清麿(姫ゼク)「え………」
環(アイナナ)「ごめんって謝れよ。親友なら、それで許してくれんだろ」
○●○●○
水心子(姫ゼク)「清麿、どこ、どこっ…!」
水心子は清麿を探していた。
そして
清麿(姫ゼク)「水心子っ…!」
清麿も水心子を探していた。
広すぎる館内を探しに走り、けれど未だに会えていない。
早く、早く会って…、と思いが通じたのか。
長い廊下の先に、会いたかった人物を見つけた。
水心子(姫ゼク)&清麿(姫ゼク)「っ…!」
相手の姿を視認するや否や廊下を駆け──────
水心子(姫ゼク)&清麿(姫ゼク)「ごめんなさいっ!!………へ???」
同時に思いっきり頭を下げ謝罪した。
しかし間抜けな声をこぼして相手を見た。
水心子(姫ゼク)「い、いいの?許してくれるの??」
清麿(姫ゼク)「それを言うなら、水心子の方こそ…」
数秒間を開けてきょとんとしてると、ぶはっと吹き出して笑う二振り。
水心子(姫ゼク)「な、なんだ、こんなに簡単に許してくれるんだ、あははっ」
清麿(姫ゼク)「そうだね、ははっ、何だったんだろあの落ち込み具合っ」
ひとしきり笑ったところで、水心子が改めて謝罪する。
水心子(姫ゼク)「…清麿、本当に済まなかった。私は清麿に心無い言葉を…」
清麿(姫ゼク)「ううん。僕の方こそごめんね、意固地になってしまって。だから」
水心子(姫ゼク)「あ………」
清麿が差し出したのは、喧嘩の発端とも言える菓子だ。
清麿(姫ゼク)「ねえ、一緒に食べよう?」
水心子(姫ゼク)「…!うん!あ、じゃない!あ、有難く頂こう」
清麿(姫ゼク)「うん」
そう言って、仲良く手を繋いだ。
それを影で見ていたのは…
ゼクシオン「まあ、そうなりますよね」
蜂須賀(姫ゼク)「本当に良かった…」
やれやれと言った笑みで二振りを見ていたゼクシオンと、ほっと胸をなで下ろしている蜂須賀(姫ゼク)だった…。
~後日談~
環(アイナナ)「まろまろー。みっきーが王様プリンくれた。一緒に食おうぜ」
清麿(姫ゼク)「ああ、ありがとう。…これ、水心子の分ってあるかな…?」
環「ある。ひでひでにもやろう」
清麿(姫ゼク)「ありがとう(にこー)」
○●○●○
清麿(姫ゼク)「水心子ー…あれ」
環「ひでひでー…ゲッ」
水心子(姫ゼク)「清麿?と…四葉環?」
壮五「環君?清麿さんと一緒にどうしたの?」
環「…そーちゃんこそひでひでと何やってるんだよ」
壮五「何って、水心子君が僕達MEZZO"の曲が気になるからって、聴いてたんだよ」
水心子(姫ゼク)「現代の勉強にと思って…しかし、時代が変わっても良いものは良いな…」
清麿(姫ゼク)「へぇ。…あ、環がぷりんをくれたんだけど、水心子も食べるかい?」
水心子(姫ゼク)「え、で、でも…(壮五を見やる)」
壮五「ふふふ、どうぞお食べ」
水心子(姫ゼク)「…で、では遠慮なく(ぱくり)…!甘くて美味しい…!」
環「だろ!?王様プリン美味いだろ!」
水心子(姫ゼク)「え、あ、いや…き、清麿も食べて!」
清麿(姫ゼク)「うんうん。僕もいただこうかな」
壮五「清麿さんと水心子君、仲が良くて見ていて微笑ましくなるなぁ。ふふふ」
環「…なーそーちゃん」
壮五「?」
環「やる(王様プリンずずいっ)」
壮五「え、いいの?」
環「おー」
壮五「…あははっ。ありがとう。一緒に食べようか」
環「…おー」
めでたしめでたし
感想OK