二次創作小説(新・総合)

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.159 )
日時: 2020/05/20 15:08
名前: 琴葉姫 (ID: FyzG1Vo4)

後編で完結無理でした中編です(爆)。そういえば前回タイトル書くのとキャプション?に記載するの忘れてましたね()改めて記載させていただきました。あと神崎君のセリフも修正しときました。
コメント返信の冒頭でも言った通り、胸糞ざまぁ展開があるので苦手な方はご注意ください。
では、よろしくお願いします。



月恋ス紅花 中編



LOSまであと20日…。
紅月はESの所有するレッスン室でもうレッスンをしていた。
レッスン内容はもちろん、LOSで披露する新曲『月恋ス紅花』の、だ。

トレーナー「よし、10分休憩!」

蓮巳「っ…ありがとうございます!」

流れて止まらない汗を拭い、床に転がる。
あんずがやって来て3人に水の入ったペットボトルを渡した。

あんず「お疲れ様です!」

鬼龍「ああ、ありがとな…」

一気に水を流して喉を潤し、息を吐いた。

鬼龍「…すみません、俺だけ通しお願いできますか?」

トレーナー「…鬼龍君?」

あんず「え、鬼龍さん!?」

鬼龍の言葉に、蓮巳も神崎も、トレーナーもあんずも目を見開く。
しかしトレーナーはすぐに目を細め

トレーナー「…早く完璧に歌とダンスをマスターしたいという気持ちは分かるわ。レッスンも遅くなったし。でも無理をして身体を壊したら全て水の泡なのよ?それくらい貴方ならわかるでしょう?」

鬼龍「それは…」

トレーナー「休める時に休みなさい。それが終わったらビシバシしごいてあげるから」

鬼龍「…はい」

トレーナーにそう言われた鬼龍は再び床に座り込む。所謂ヤンキー座りで。

蓮巳「貴様らしくない行動だな」

鬼龍「俺は、別に…」

神崎「確かにえるおーえすまで時間はありませぬが…とれえなあ殿の言う通り無理は禁物。出来ることから成し遂げていきましょうぞ」

鬼龍「…ああ、そうだな。ワリィ、迷惑かけちまって」

蓮巳「…迷惑だと思ってなどいないが」

神崎「うむ!鬼龍殿は頑張り屋であるからな!」

…二人と、遠目で見ていたあんずは察していた。
鬼龍が無理にでも頑張ろうとしているのは、マツバボタンの存在があるからだろう。
自分達が無理を言って、身を削ってまで、彼女は歌詞を作ってくれた。
その苦労に報いようと必死なのであろう。鬼龍は義理堅く面倒見の良い性格で、マツバボタンと親しいようだから。
…だから、彼が無理をしようとしていたら自分達が防がなくては。
そう決意して約10分後、レッスンを開始した。



○●○●○

零(あんスタ)「邪魔するぞい…おや」

あれからレッスンを続けていた紅月メンバーの元に、朔間零さくまれいを筆頭としたUNDEAD(アンデッド)のメンバーがやって来る。
それを不思議そうな目で其方を向く。

蓮巳「…?UNDEAD?何故貴様らがここに」

アドニス「いや…確か今の時間は我々のレッスンタイムのはずだが…」

あんず「あっ…!」

あんずが慌てて腕時計、紅月のメンバーもスマホで確認すると…既に紅月のレッスン終了時を悠に超えていた。

あんず「すっすみません!あまりにも熱が入ってしまって…!」

零(あんスタ)「それは構わん。紅月は結構大変なことがあったらしいからのう」

晃牙「急な作詞家のドタキャンだっけか?苦労してんなァ…まぁ、俺らには関係ねぇけど」

アドニス「大神、」

鬼龍「いや、ワリィ。すぐ出るわ」

そう言ってレッスン室から出ようとする紅月メンバー。
蓮巳と神崎が先に外に出て、鬼龍もそれに続こうとするが…
零(あんスタ)が、鬼龍に声を掛ける。

零(あんスタ)「のう、鬼龍君」

鬼龍「あ?」

零(あんスタ)「我輩達、紅月の新曲の歌詞読んだんじゃが」

鬼龍「ああ、いい曲だろ」

零(あんスタ)「そうじゃのう。…それでなんじゃが」

鬼龍「あ?」

零(あんスタ)「…鬼龍君は、あの歌詞を読んで何も思い当たらんのか?」

鬼龍「…何が言いてぇ」

零(あんスタ)を睨む鬼龍。その気迫は遠目で見ていたあんずを震撼させるほどで、傍にいる薫(あんスタ)と晃牙、アドニスは気圧されていた。
しかし当の零(あんスタ)本人は痛くも痒くもないのかけらけらと嗤った後

零(あんスタ)「いやぁなに、あの歌詞の登場人物が我輩の知っている人間と既視感を感じてのう。まぁ鬼龍君が分からないのならいいんじゃが」

鬼龍「………」

睨み続けた後、鬼龍はレッスン室から出て行った。
圧迫感から解放された一同はへなへなと力が抜ける。

薫(あんスタ)「はぁ~…っ!朔間さん、鬼龍君を煽らないでくれる!?朔間さんはいいかもしれないけど俺達にとっては気が気じゃなかったからね!?」

零(あんスタ)「すまんのう。いやはや、鬼龍君怒るか。そうかそうか」

アドニス「…?あの歌詞に、何かあっただろうか…俺は浅学で日本の文化に乏しく…」

晃牙「アァ?俺も知らね。つか早く始めるぞ」

晃牙とアドニス、薫(あんスタ)が早速柔軟運動を始め、零(あんスタ)も遅れて参戦する。

零(あんスタ)「(『月恋ス紅花』…この『月』というのは…言うまでもなく。では、『紅花』は…まぁ、そういうことじゃろうな)」

そんな思いを飲み込みながら、UNDEADのレッスンが開始された。



○●○●○
それからしばらくして、場所は桃源郷。

オミナエシ「あら、マツバボタンさん、これは…」

マツバボタン「あ…これ…キリュウさん達が出るイベントの、散らし、です…」

オミナエシ「なるほど、これが…」

レウイシアの道場の玄関横に、LOSの宣伝ポスターが貼られていた。
それを見つけたオミナエシがふむふむとポスターを見つめていると…

ハゼラン「…ねぇ」

オミナエシ「え、ハゼランさん?い、いつの間に…」

ハゼラン「ついさっき。…これ、アンサンブルなんとか、っていう奴が主催なんだよね?」

マツバボタン「え、あ、はい」

ハゼラン「…忍は出る?」

オミナエシ「…忍君というのは、流星隊の…彼は鬼龍さん達とは所属が違うと聞いたんですが…」

ハゼラン「…そう。忍が出ないのなら、いい」

そう言い残して、ハゼランは煙と共に姿を消した…。

オミナエシ「最近のハゼランさん、忍君にお熱ですね…忍者仲間で親近感があるのでしょうか?」

マツバボタン「さぁ…どうでしょう?」

オミナエシ「それで、開演も残りわずか、ですね。マツバボタンさんは会場に行くのですか?」

マツバボタン「はい。今回の謝礼の一つとして、ビップ席…?というところで見せてくれるって…それも、私だけじゃなくて、お師匠様と、桃源郷の代表として…ハナショウブさんも」

オミナエシ「良かったですね。マツバボタンさんが頑張ったからですよ」

マツバボタン「そ、そう、なのでしょうか…?」

オミナエシ「ええ。マツバボタンさんも、心なしか嬉しそうですし」

マツバボタン「あ、えと…心なしじゃなくて、本当に嬉しいんです…明日…」

オミナエシ「明日?」

マツバボタン「…明日、リハーサルって、本番の合わせをするって、それを…私とお師匠様と、ハナショウブさんも、観ていい、って…」

オミナエシ「まぁ…!嬉しい先取りですね♪マツバボタンさんの書いた歌詞を彼らがどう歌うか、楽しみですね♪」

マツバボタン「…はい!」


楽しそうで何より
感想まだ

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.160 )
日時: 2020/05/20 17:21
名前: 琴葉姫 (ID: FyzG1Vo4)

LOS・リハーサル当日。
既にUNDEAD、Ra*bits、他の共演者の番が終わり、次は紅月の番だ。

スタッフ「それでは紅月の皆さんお願いします!」

紅月「応っ!」

ステージの上に立ち、辺りを見回すと…

鬼龍「…!」

端の方に、マツバボタンが見えた。そばにはあんずと、同行者であろうレウイシアとハナショウブもいた。
真剣にこちらを見るマツバボタンを視認し、鬼龍はふっと笑みを溢してリハーサルを開始した。
スピーカーから、優しい石琴リソフォンの音色が響き始めた───。



「「「お疲れ様でした!!!」」」

リハーサルと、ちょっとした打ち上げが終了し、参加者やスタッフが疎らになっていた時だ。
あんずが「マツバボタンさんをお連れしますね」と席を外した。
紅月の新曲『月恋ス紅花』は参加者やスタッフの間から、一言でいえばもう絶賛されていた。
当然曲も歌詞もどちらもなのだが、歌詞は想像が広がると嬉しい言葉も貰った。
そして、今後行われるCD収録やメディアのインタビューでマツバボタンの名を出すつもりでいるから、これからその打ち合わせを行おうとしていた。
が…

鬼龍「…大丈夫か?」

蓮巳「何がだ」

鬼龍「…マツバの嬢ちゃん、自分が歌詞書いたって知られるの嫌だって言ってただろ?なのに大っぴらに、嬢ちゃんが書いたって吹聴してもいいのかって」

神崎「む、確かに…まつばぼたん殿は大分と自分の名前を出すのを憚っておりましたが…」

鬼龍「なんか理由があるんじゃ…」

マツバボタンの過去は、決して明るいものではない。
鬼龍にも話していない奥底の本音が、実はあるのではないか。
しかし、彼女のこと知っているのは鬼龍と、師匠であるレウイシアといつも懇意にしている騎士団長の煙くらいだ。
それを知らない蓮巳と神崎はただ恥ずかしいからとしか思っていなかった。彼女は元来引っ込み思案で臆病な性格だから、あんな背景があることを知らない───

「あれ、紅月まだいんの?」

───不意に、声を掛けられた。
声のした方へ振り返ると…同じくLOSに出場するアーティストである永谷トシキがいた。
全く接点のない永谷に声を掛けられ少々困惑したが相手は芸能歴では自分達より先輩。失礼のないように言葉を交わす。

蓮巳「はい。永谷さんもまだお帰りにならないのですか?」

永谷「あー、邪魔だったって言いたいの?」

蓮巳「いえ、そういうわけでは…」

永谷「ならいいじゃん。それより、紅月大変だったみたいだね?」

蓮巳「…どういうことでしょう」

永谷「俺、君達がプロデューサーと話してるとこ聞いちゃったんだけど、元々の作詞家が急にドタキャンしちゃったんだって?後任見つけるの大変だったって聞いたけど」

蓮巳「それはそれは…お聞き苦しいことを聞かせてしまってすみませんねえ。しかし永谷さんがお気になさることではないのでご心配なさらず結構ですので」

…若干、蓮巳の言葉に棘を感じる。
それもそのはずだ。永谷はわざと、蓮巳…否、紅月の気に障るような言葉を選んでいるのだから。
どんな意図があるのかは知らないが、これ以上彼に付き合っていたら蓮巳がお説教モードに入るし、神崎は既に帯刀している刀を鞘から抜く準備をしている。
今ここで一番冷静でいられている鬼龍がフォローしなければ…そう思って間に入ろうと───

永谷「それにしてもさァ──────」



○●○●○
マツバボタン「い、いいのでしょうか…私…キリュウさんのところへ行って…」

あんず「はい!今後についてもお話したいので」

ハナショウブ「今後、とは?」

ほぼ同時刻、あんずはマツバボタン達を紅月の元へ招待していた。
そこで、マツバボタンの名前を公表するかの話になる。

あんず「はい。マツバボタンさんの作詞した曲をお披露目する際、マツバボタンもメディアに露出すると思うので、そのお話を」

マツバボタン「え…!?あ、あの…!私、名前を出すのは…その、よくなくて…!」

あんず「えっ…あ、あ゛ー!?そういえばお願いする際そう仰っていましたね!い、いやしかし、お名前を出さないと今後不味いというか…」

レウイシア「はぁ?マツバボタンの頼みを受け入れたから書いてもらったんでしょ?なのに出来て逃げ場を失くした後でそいうこと言うの、会社としてどうなの?」

あんず「う゛…それは、そう、ですけど…!こ、ここは芸名を作ったり…?」

マツバボタン「芸名…?」

あんず「はい。本名とは別に芸能界用の名前を登録して、発表…とか…?」

マツバボタン「………」

レウイシア「マツバボタン、どうしてもしつこかったら私も…」

ハナショウブ「確かに、マツバボタンさんが嫌だと言っているのにしつこく頼み込むのは…もちろん、そちらもお仕事だというのは重々承知していますが…」

あんず「ほ、本当にごめんなさい…!いや、マツバボタンさんがどうしてもだめと仰るのでしたら私から社長に掛け合いますが…!」

あんずも自分の立場がある。いい返事を貰えなければ、それ相応の厳罰があるかもしれない。
それでも、彼女はマツバボタンの意思を一番に尊重した。自分の保身より他人の気持ちを優先するのは、鬼龍に似たものを感じた。
しばらく考え込んで、マツバボタンが顔を上げた。

マツバボタン「…あの、私───」

ハナショウブ「シッ」

マツバボタン「へ…?」

突如、ハナショウブが静かにするように諭した。
何事かと3人は困惑したが…すぐそばで、話し声が聞こえた。
恐る恐るそちらを覗いてみると…先程話し(というよりは言い争い)ていた紅月と永谷だ。
なにやらピリピリとしていて、中々声を掛けづらい…思わず物陰に隠れて様子を窺ってしまう。

ハナショウブ「…あの方は?」

あんず「あ、あの方は今回LOSに参加されるアーティストさんの一人の、永谷トシキさんです…何を話しているんでしょう…」




蓮巳『───え、そういうわけでは…』

永谷『ならいいじゃん。それより、紅月大変だったみたいだね?』

蓮巳『…どういうことでしょう』

永谷『俺、君達がプロデューサーと話してるとこ聞いちゃったんだけど、元々の作詞家が急にドタキャンしちゃったんだって?後任見つけるの大変だったって聞いたけど』

蓮巳『それはそれは…お聞き苦しいことを聞かせてしまってすみませんねえ。しかし永谷さんがお気になさることではないのでご心配いらず結構ですので』



レウイシア「…何、あの人。そんなこと言うためにわざわざ話しかけたの?心配しているようにも見えないし、嫌味な人」

あんず「あ、いや、あの…その…(やばいやばい蓮巳さんお説教モードは入りそうだし神崎君は抜刀しかけてるし!!!鬼龍さん二人を止めてください!鬼龍さんだけが頼りなんです!!!!!)」

あんずの願いが届いたのか、鬼龍が永谷との間に割って入ろうとした───

永谷『それにしてもさァ──────』

しかし、現実は…無常だ。



永谷『君達のあの曲の歌詞、何?』

…マツバボタンの呼吸が止まる。レウイシアとハナショウブが、慌ててマツバボタンの表情を窺った。
無感情で固まっているマツバボタンを見た後は、永谷の方を見つめた。…否、睨み付けたと言った方が正しいかもしれない。
頼む、これ以上喋らないでくれ。喋ったらこちらはどうするか分からない。
しかし当然永谷はマツバボタンがここにいることを知らないしマツバボタンがあの歌詞を書いたと知らないので、お構いなしに…ぺらぺらと口を滑らせる。

永谷『あんな綺麗事だけの歌詞の歌歌ってて恥ずかしくないの?』

ぐさ

永谷『俺の披露する曲、俺が作ったんだよ?頑張って書いたのに、天下の紅月の新曲があれなんて…ねぇ?』

ぐさ、ぐさ

永谷『他の皆は絶賛してたけど…歌ってメロディが良ければ歌詞はどうにかなるって曲多いし、そういうことでしょ。時間も碌に貰えなかったからだろうけど、あんな陳腐な言葉並べただけの歌詞なんて…作詞家の顔が知りたいね』

ぐさり

マツバボタンは、胸に激しい痛みを感じて手で押さえるが、外傷はない。そもそも戦ってもいないのに傷つくわけがない。
じゃあ、この痛みは何?言葉に出来ないくらい、痛い、痛い。
息が出来ない。なんで?どうして?
疑問に思えば思う程頭の処理が遅れる。
こちらをすごい形相で見つめるレウイシアやハナショウブ、顔色が真っ白になっているあんずなんて当然眼中になくて。
ただただ…鬼龍の顔を見ようと身動きせずに立ち尽くしていた。しかし、その鬼龍を永谷が隠しているのは皮肉としか思えなかった、
そして…その鬼龍はというと…



鬼龍「………けか」

永谷「は?何…」

ガッ!

鬼龍「言いてぇことはそれだけかってんだよ!!!」

永谷「ひっ…!?」

鬼龍が永谷の胸ぐらを掴み、地から這い出るような怒気を孕んだ大声で怒鳴った…!
その殺気に当てられて、永谷は先程の軽口が嘘のように怯えている。ようやく意識を取り戻した蓮巳と神崎が、引きはがそうとする。

蓮巳「っ!やめろ鬼龍!ここで暴力沙汰になったら…!」

神崎「落ち着いてくだされ鬼龍殿!気持ちは十二分にわかるが…!」

鬼龍「………」

ぎろり、と二人を見やって、鬼龍が乱暴に永谷から手を離した。
永谷は荒く息を吐きながら鬼龍に不満を吐き出す。

永谷「てっめぇ…!俺にこんな暴力…SNSで言いふらすぞ!?」

鬼龍「…そん時ゃあテメェの言い分も言わせてもらうが」

永谷「あ゛ぁ!?本当のこと言っただけだろうが!作詞家が公表された時は酷評してやっからな!ったく…」

マツバボタン「っ…!!」

永谷が紅月に背を向けてこちらを見た。
目が合う。逸らせない。どうして、怖い。
恐怖で固まっているマツバボタンの心境など気にせず、永谷はマツバボタンを見てだらしない表情を見せた。

永谷「あ、あれ…君、ここのスタッフさん?それとも関係者か何か?可愛いね…」

マツバボタン「ッ!!!」

厭らしい目でこちらを見て、近づいてくる。
レウイシアとあんずが何か叫んでいるように聞こえたが、内容を聞き取れない。そんなことは知らない。
男の人が、キリュウさんじゃない人が、近づいてくる。
キリュウさん、助けて…!
縋る思いで、鬼龍を見ると───

呆気に取られて言葉を発せられない鬼龍が、マツバボタンの瞳に映った。



───あれは
あれは、お父さんが───
私が間違ってお父さんの好きじゃない言葉を言ってしまった時の顔だ。
あの表情をした後に、お父さんは…



『お前は、また私を失望させて…悲しいよ』



マツバボタン「ッ───!!!」

永谷「うわ…っ!?」

バッ!

レウイシア「マツバボタンッ!!!」

あんず「ま、まつばぼたん、さん…!」

一心不乱に、マツバボタンがその場から逃げてしまった。
レウイシアが焦って、あんずが涙声でマツバボタンの名を呼ぶが、彼女が止まることはなかった…。
永谷が残念そうに腕を組む。

永山「ちぇっ。俺と出会って恥ずかしかったのかn「マツバの嬢ちゃんッ!!!!!」べぶうっ!?」

鬼龍が慌てて、マツバボタンを追いかけた。その際、永谷を押し飛ばしてしまったのは不可抗力というものだろう。
幸い元空手部部長に押し飛ばされて大した怪我もなかった永谷だったが、鬼龍に対する不満が止まらない。

永谷「ってぇなアイツ!やっぱちょっと芸能界の洗礼を受けねぇとわかん「黙れクソ野郎」っ!?!?!?」

先程の鬼龍と同格…否、それ以上の殺気が永谷に降りかかった。
ハナショウブが、座り込んでしまった永谷を、殺意の篭った瞳で見下している。
あまりの殺気に永谷は喉から泡が溢れるのではと思えるほど、顔面蒼白だ。
側にいる蓮巳と神崎、あんずもハナショウブの殺気に当てられている。レウイシアも、この本気の殺気には本気で恐れているため、言葉が出ない。

ハナショウブ「…目障りだ。今すぐ失せな。5秒以内に実行しなかったら…分かってんだろうなァ!?」

永谷「ひいいいいいっっっ!!!!!!!」

情けない悲鳴を上げながら、永谷は逃げるようにその場を去った。…文字通り逃げた、という方が正しいか。
しかし、すぐにハナショウブは殺気を収め、『いつも通り』に振る舞う。

ハナショウブ「…あらやだ、私ったらはしたない。お見苦しいところをお見せしてすみません」

あんず「あ、あ、あ…いえ…わ、私達の方こそ申し訳ありません!!!」

神崎「まつばぼたん殿を泣かせるなど…!切腹を持ってお詫び致す!!!」

レウイシア「えええええ!?いやいやそこまでする必要はないって!!!ていうか悪いのは貴方達じゃないでしょ!?」

神崎「お止めくださるなれういしあ殿!この神崎颯馬、切腹して詫びなければまつばぼたん殿に顔向け出来ませぬ!」

レウイシア「ああもう!あんずさんこの人止めて!!!」

あんず「…いえ、これはもう、私が切腹を」

レウイシア「あんずさん!?」

蓮巳「………」

神崎が切腹すると刀を抜こうとするのをレウイシアは必死に止めるが神崎も興奮しているようで中々言うことを聞かない。
あんずに助けを求めるもこの世の終わりのような顔で上記のようなことを言うのだから、レウイシアは頭が痛くなった。
しかし蓮巳はやけに冷静になっていて、ハナショウブとレウイシアに"あること"を問う。

蓮巳「きさ…貴方達は、彼女のことを知っているのでしょう。…何があったか、教えてくれませんか」

レウイシア「…それは………」

マツバボタンの過去、それは決して他人に言いふらしてはならないことだ。
しかし、多少ぼかして話せば…マツバボタンには後で謝ろう。そう決意したレウイシアは話し始めた。

レウイシア「…あの子は───」



アーサー「あのさぁ…」

琴葉姫「ぶっちゃけ、ここ滅茶苦茶書きたかった…何て言ったら怒るでしょ?(震え声)(!?)」

アーサー「当たり前だよなぁ!?(迫真)」

色々とすみませんorz
感想まだ