二次創作小説(新・総合)

Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.271 )
日時: 2022/02/14 18:24
名前: 琴葉姫 (ID: oj1DPSdh)

今回は現在開催中の文アルイベント「おかしなお届け屋さん」を大元にし、イベントでも大活躍している南吉くんの、南吉くんのお相手のカカオちゃんとのクロスカプSSです!
でも安定の結構意味不明な奴になってすまない…()(おい)



おかしなお届け屋さん~南カカ編~

特務司書・ディプラデニアの管轄である帝國図書館のキッチン。
そこで、堀辰雄がクッキーを作っていた。
そこへ、新見南吉、小川未明、鈴木三重吉が甘い匂いを嗅ぎつけてやってきた。

三重吉「いい匂いがするんだけど…」

南吉「おいしそうなお菓子の気配!」

堀「あっ、こんにちは匂いにつられてやってきましたね」

三重吉「わあ、出来立てのお菓子がいっぱい!」

三人がテーブルを見ると、クッキーだけでなくチョコレート、マフィン、マカロン…たくさんのお菓子が並べられていた。
3人が目を輝かせてお菓子に手を伸ばそうとすると、堀が制した。

堀「駄目ですよ。このお菓子は、普段食べるものとは違うんです。これは大事な人にあげるためのものなんですよ」

未明「プレゼントするの?」

堀「そう。今はバレンタインの季節ですから」

南吉「バレンタイン?」

三重吉が「バレンタインって、何?」と堀に訊いている中、南吉はその言葉に聞き覚えがあった。
そういえば、『あの子』がそのことを言っていたなあ、と。
堀も同じことを説明しているが、『大事な人にチョコレートなどのお菓子を贈る日』とのこと。
『あの子』はチョコレートしか贈っているのを見たことがないが、他のお菓子もありなのか、と南吉が思っていると…。

堀「みんなも作りますか?」

未明「いいの?」

堀「はい。それにお菓子作りには味見が必要なんですよ。ちゃんと大事な人が喜ぶくらいに、美味しく出来てるかなって」

三重吉「そっか!食べちゃうんだね」

南吉「あたまいい!」

未明「ふふ、楽しそうだね」

堀「はい。早速始めましょうか。お菓子をあげたい、笑顔が見たい大事な人を思い浮かべながら作りましょうね」

南吉&未明&三重吉「はーい!」

そんなこんなで、バレンタインのお菓子作りに励むことになった一同だった。



○●○●○

お菓子を作っている四人。
三重吉は師である夏目漱石にお菓子をあげるようだ。
三重吉は夏目の作品が大好きでそれがきっかけで小説を書き始め、手紙と共に小説を送ったらそれを褒めてくれたことがとても嬉しくて、それがきっかけで何回も文通をし会うことになり、初めて夏目のサロンである木曜会に参加し出会った時の感動は言葉に表せないくらいだったとのこと。
偉大な人物なのに気さくで優しくて格好良いのに、甘いものが好きというギャップが素敵、とも語る三重吉の眼はキラキラと輝いていた。

未明も師のように慕っている先生である坪内逍遥に、羊を模ったクッキーを上げるらしい。
演劇や文劇を教えてくれて、文学というものを初めて考えたから直々に教えてくれたため授業をいつも楽しみにしていたと柔らかい表情で語る。
自分の童話を描く才能を見つけてくれて、本を出す手助けをしてくれて、今の「未明」という名前も逍遥がつけてくれたとのこと。
未明は「夜がすっかりとは明けきらない時間、夜が薄明るい時」という意味と言うと、みんな未明にぴったりだと口をそろえて言う。
この名前にこれからも頑張ってほしいという思いを感じ、「先生ではなく逍遥と呼んでほしい」という、「一人の対等な相手として接して欲しい」と告げた逍遥が未明は大好きだと語る。

堀は芥川にお菓子を渡すようだ。
知的で颯爽としていて素敵だと芥川の人物像を語り、何より小説が芸術的で何回も何回も繰り返し読んだと彼の作品も絶賛した。
それだけでなく、堀自身のことも可愛がってくれて、優しい言葉をかけてくれて、「辰っちゃんこ」という愛称もつけてくれたと語る。
自分にとって芥川は憧れでもあり、目指す文学を示してくれた人でもあり、自分の心の、一番大きな存在だと言ってから…堀は照れてしまってそこから話は有耶無耶になってしまった。

そして南吉は…

南吉「う~ん…」

未明「南吉はさっきから悩んでいるね」

南吉「だって、大好きな人がいっぱいいて選べないんだもん………」

未明「南吉は誰が大好き?」

南吉「えーと、ごんに、けんちゃん!あと白秋さんに乱歩さん…紅葉さんも!あとね…カカオちゃん!」

未明「カカオさん?」

その場の者達が思い浮かべるのは、"嫁"とやらになってから関わるようになった、南吉と仲の良い花騎士フラワーナイトの小さな女の子だ。
チョコレートが大好きで周りにもよく配っていて、大人になるのを焦がれている可愛らしい少女だが…

三重吉「うーん…花騎士って人達と関わるようになってから、夏目先生があの人達に取られるからあんまり好きじゃないんだけど…」

南吉「みんないい子だよ?」

三重吉「それは…わかってるけど」

未明「まぁ、南吉はあの子と仲が良いもんね」

南吉「うん!カカオちゃんはすごくいい子なんだよ!」





あれはいつの日だったか。ある日、カカオが意気込んでいた時に、出合わせた時だった。

カカオ『よぉーし!今日も大人の階段上っちゃいますよー!』

南吉『?カカオちゃんは大人になりたいの?』

カカオ『もちろんです!早く大人になって、皆さんのお役に立ちますよ!』

そう言うカカオに、南吉は俯いて告げた。

南吉『なんで?大人なんて皆汚いよ?』

カカオ『えっ…南吉くんは、大人は嫌いですか…?』

南吉『うん、嫌い。大人は臆病なくせに、僕を悪戯っ子っていじめるんだ…』

悲しそうな表情をして問うカカオに、南吉は大人が如何に汚いかを説明する。

そうだ、大人なんてみんな汚くて、いかに自分に利益や得があるかしか考えてない。
そうやって子供を、ボクを抑圧して、いじめて、悪いって決めつけるんだ。
そう思っていると、カカオは笑顔で胸を張って答えた。

カカオ『…じゃあ、カカオは大人になって、南吉くんを虐める大人達を懲らしめてあげます!カカオが大人になっても、カカオは南吉くんの味方ですよ!」』

南吉『ほんとう?』

カカオ『はい!だから笑ってください、南吉くん♪』

そう言って、手を差し伸べてくれた。
嬉しかった。
賢治が自分に言ってくれたように、自分の味方になってくれると言ってくれた。
その笑顔が眩しくて、自分も彼女の手を取った。

南吉『…えへへ、ありがとうカカオちゃん♪』





南吉「ふふふ…♪」

堀「南吉君、良い笑顔ですね」

未明「じゃあ、みんなにあげちゃえばいいんじゃないかな」

南吉「そっかあ、みんなにあげてもいいんだね」

未明「もちろんだよ」

南吉「わーい…あ、未明とみーくんも大好きだよ!」

未明「ふふ、もちろん知ってるよ」

三重吉「俺たちはこの後一緒に食べるからいいよ」

そう言って、大好きなきつねのぬいぐるみのごんを模ったクッキーを作る。
賢治には彼の大好きな星の形にし、カカオにあげるチョコには…

南吉「…カカオちゃんには、何の形にしてあげればいいかな…?」

未明「ごんじゃだめなの?」

南吉「ううーーーん…」

堀「あ、じゃあ、こういうのはどうですか?」

そう言って堀が提案すると…

南吉「わぁ!良いと思う!カカオちゃん喜んでくれるかなあ」

三重吉「きっと喜んでくれるよ!早速作ろう!」

未明「ボクたちも手伝うよ」

堀「ふふ、喜んでくれるといいですね」

南吉「ありがとう、未明、みーくん、辰っちゃんこ!」

それから色々ありつつ、可愛い文豪たちのお菓子作りは進んでいった…。


○●○●○
南吉「カーカオちゃん♪」

カカオ「南吉くん?」

後ろからとててとカカオに駆け寄ってくる新見南吉。
彼は女の子が着るようなとても可愛らしい衣服を着用しており、大好きなきつねのぬいぐるみのごんは背中にリュックサックのように背負い、両手にはラッピングされた袋を抱えていた。
カカオは最初首を傾げたが、可愛らしい衣装の南吉にすぐに目を輝かせた。

カカオ「わぁ~っ!南吉くんのお洋服、すっごく可愛いです~!どうしたんですか?」

南吉「えへへ、今日はバレンタインでしょう?」

カカオ「そうですね!カカオも団長さんやチョコ姉や他の皆さんにもチョコを配っていました!もしかして、南吉くんの持ってるそれも?」

南吉「うん!みーくんと未明と辰っちゃんこと一緒にお菓子を作ったんだ!カカオちゃんにもあげるね!」

カカオ「えっ!?本当ですか!?嬉しいです!ありがとうございます!♪あ、私からも南吉くんにチョコをあげますね!」

南吉「わあ!ありがとうカカオちゃん♪」

そう言って、お互いお菓子をあげた。
南吉は、カカオからもらったチョコレートを見て目を輝かせた。

南吉「わあーっ!ごんのチョコレートだあー!」

カカオ「南吉くんといえば、ごんくんかなと思って!会心の出来ですよー!」

南吉「嬉しい!ありがとうカカオちゃん♪」

カカオが南吉にあげたチョコレートはごんの形とデコレーションが施されており、可愛らしいものになっていた。
これだと、やはり自分があげるのはごんのチョコレートじゃなくて正解だったのかもしれない。いや、逆にごんの方が…?と考えていると…

カカオ「南吉くんのくれたこれ、マカロンですか?」

南吉「あ、うん!カカオちゃんはチョコレートが好きだから、チョコレートマカロンにしたんだ!」

カカオ「わぁ~っ!すっごく美味しそうです!食べるのがもったいないですね…♪」

南吉がカカオにあげたお菓子は、チョコレートマカロンだった。
堀が提案して、「最近流行っている美味しいお菓子らしいですよ」と言われ作ってみたのだ。
味もみんなで食べて確認済みなので、問題はない自信作だ。
カカオも目を輝かせてラッピングされたマカロンを見つめているので、とても喜んでくれているのは一目瞭然だ。

カカオ「南吉くん、マカロン本当に、本当にありがとうございます!嬉しいです!」

南吉「えへへへ…♪カカオちゃんに喜んでもらえて、ボクもすごく嬉しい♪カカオちゃんも、ごんのチョコレートありがとう♪」

カカオ「こちらこそですよ!えへへ~♪チョコレートマカロン~♪」

心から嬉しそうな表情のカカオに、南吉も思わず笑みが零れる。

南吉「カカオちゃん」

カカオ「あ、はい!なんでしょう?」

南吉「これからも、よろしくね」

そう言う南吉にカカオはきょとんとしたが、すぐ笑顔で答えた。

カカオ「はい!それはもちろん!これからもよろしくお願いしますね、南吉くん♪」

その言葉に南吉は目を細めて笑い返したのだった。



○●○●○
カカオ「えへへ~♪美味しそうですね~…でも食べるのがもったいないですね~…」

あれからバナナオーシャンの騎士団駐在所にチョコレートマカロンを持って帰って来たカカオ。
そこへ、彼女の姉貴分であるチョコレートコスモスがやってきた。

チョコレートコスモス「あれ、カカオちゃん。嬉しそうだね」

カカオ「あっチョコ姉!聞いてください!南吉くんからバレンタインのお菓子をもらったんです!」

チョコレートコスモス「え、そうなの?良かったね。やっぱりチョコレート?」

カカオ「はい!チョコレートのマカロンです!」

チョコレートコスモス「…え、マカロン?」

マカロンを貰ったと聞いたチョコレートコスモスは、目を見開いている。心なしか声も驚きを含んでいるように聞こえる。

カカオ「はい!見てください!美味しそうでしょう?」

チョコレートコスモス「本当にマカロンだ…」

カカオからラッピングされた袋の中に入っているマカロンを見せられ、本当にもらったのかと驚いた。
何故驚いているのだろう?とチョコレートコスモスの様子に首を傾げているが…

チョコレートコスモス「…まぁいいや、カカオちゃんも喜んでるし」

カカオ「え?なんですかチョコ姉?」

チョコレートコスモス「ああ、なんでもないよ。良かったね、カカオちゃん」

カカオ「??? そうですね?南吉くんが作ったマカロン、美味しそうですし。あ、それではチョコ姉!」

チョコレートコスモス「うん」

手を振って行ってしまったカカオに手を振り返して行った方を見つめるチョコレートコスモスは、まだ驚きの表情が消えてなかった。

チョコレートコスモス「まさかカカオちゃんと南吉くんの関係がそこまで行ってたなんて…。…いや、南吉くんも知らなかったかもしれないし、うん。深く考えなくてもいいよね。…いいよね?」

…マカロンに込められた意味は『あなたは特別な人』。
堀はこれを見越していたのか…それは彼のみぞ知る。



琴葉姫「うへへへへへへへへ^p^」

アーサー(ヘタリア)「こいつは嬉しさからまだ抜け出せてねぇし…()というかクオリティry」

琴葉姫「察しろォ!!!(ブチギレ)」

アーサー(ヘタリア)「情緒不安定か!?」

以上ッ!感想OKッ!←←←