二次創作小説(新・総合)
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.45 )
- 日時: 2020/04/25 19:54
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: EnwL6lXi)
※注意書き※
・クロスカプです
・クロスカプですが、ほとんど防衛部要素でクロスカプが脇役みたいになっています(致命的)
・多分これを見てる人がわからない作品のキャラしか出ません。
・フラワーナイトガールや刀剣乱舞のことを捏造しています(今回刀剣乱舞キャラは出ません)
・作者は頭と感性がおかしいので見てる人によっては気持ち悪い、意味の分からない内容になっている可能性が大です。
・とにかく、本当になんでも許せる勇者様のみ閲覧ください。
以上の項目が大丈夫な方は、よろしくお願い致します。
「HAPPY LOVEな仲直り」
鏡太郎「平和だなぁ…」
龍馬「だねぇ…」
眉難高校の一室…「地球防衛部(笑)」と書かれた板が飾られてる扉の奥に、のんびりと実家のようにくつろいでいる生徒達がいた。
彼らは「地球防衛部」という部活に所属している。といっても、のほほんとお茶を楽しみ、一銭の得にもならない馬鹿話をだべるだけの部なのだが…
机にうつぶせで寝ている男子生徒、「修善寺鏡太郎」はぽつりと言葉を溢す。それに部員であり鏡太郎の幼馴染である「霧島龍馬」が短く言葉を返した。
一六「なーんか、こう何もないと逆につまんないッスねー…」
太子「まぁ、だからと言って怪人が大勢出るのも面倒だがな」
椅子に腰かけ背に持たれる部員の一人「道後一六」もつまらなさそうにそう言ったあとあくびを溢す。
そんな一六に同じく部員の「万座太子」は本を読みながらそう言う。ちなみに彼の言う怪人というのは…
カルルス「いいねーこの平和な時間!世界がハッピーに溢れている証拠だよ!」
龍馬「いや、そういうわけじゃないと思うけど…」
黄色いカワウソ、「カルルス」の言葉に龍馬はツッコミ(?)を入れるが…何故カワウソが喋ってるんだ?と疑問を持つ者もいるだろう。
そう、カルルス・デ・ユターリ・ホニャララはただのカワウソではない。魔法の国「ホニャラランド」の第一王子なのだ。
理由あって人間界に在住し、地球防衛部の5人を勝手に自身の幸せの魔法騎士団「カルルスナイツ HAPPY KISS!」に任命し、ヒーローに変身し怪人を元に戻す魔法の力を与えた張本人だ。
それは今はさておき、最近は怪人も出なくて平和ボケをしている防衛部。だらだら~っと、暇を持て余していた。
七緒「ああ、もうこんな時間ですか」
と、突然部長の「和倉七緒」がスマホで時刻を見ると椅子から立ち上がり、帰宅の準備をしていた。
龍馬「あれ、和倉先輩もう帰っちゃうんですか?」
七緒「ええ。今日はある人と待ち合わせをしていて…」
太子「今日もバイトですか?」
七緒「あー…今日はバイト関連ではありませんよ」
これを見ている人の中には知っている人もいるかも知れないが一応説明しておくと、七緒は防衛部の一員を担っている傍ら「審神者」という職に就いていた。
「審神者」というのは…大雑把に言えば、「刀剣男士と呼ばれる付喪神を使役する存在」とだけ言っておく。なにしろ今回は刀剣男士はでないので(メタ発言&ネタバレお許しください!)
それはともかく、バイト(審神者業)ではない用事と聞いて部員たちはクエスチョンマークを頭上に浮かべる。
鏡太郎「…もしかして、彼女とか?」
なーんて、と続ける鏡太郎。そんなわけないだろうと頭の中では分かっていたが適当に放った言葉。
しかし、七緒の反応は…
七緒「え!?え、あー、いや、そうですねぇ…」
と、その言葉に狼狽え、視線を迷わせ言葉を濁している。
いつも余裕のある彼らしくない反応に、部員たちはポカンとしていたが、数秒後にその行動の意味を把握したのか…
龍馬「えっ…ええええええええ!?わ、和倉先輩、彼女いたんですか!?」
太子「う、嘘だろ…!あの和倉先輩に、か、彼女…!?」
一六「マジでマジでマジで!?七緒先輩に、彼女!?え、ウソウソウソ!?」
鏡太郎「へぇー、七緒さん彼女いたんだ。知らなかった」
龍馬「鏡太郎反応薄いよ!」
鏡太郎「や、すっごい驚いてる」
カルルス「彼女って恋人ってこと!?ヒュー!七緒やるねー!どんな子どんな子!?」
七緒「え、いや、そのですね…」
部員たち+αの怒涛の詰め寄りと質問に七緒は珍しくタジタジだ。
七緒「い、いや、僕のことは気にしないでください!それでは、また明日っ!」
と、部員たちを振り切って部室を出ていってしまった。
残された部員たちは唖然とした表情で七緒が出て行った扉を数秒見つめた後、各々違う反応を見せる。
一六「な、七緒先輩に彼女…七緒先輩に彼女…彼女…」
鏡太郎「なんでちろそんなに落ち込んでるの」
一六「だってだって!七緒先輩に彼女ッスよ!?」
太子「確かに、あの和倉先輩と付き合うような彼女がいるなんて、驚きですからね」
龍馬「何気に失礼だね太子」
カルルス「いいじゃないか!でもボク達に教えてくれなかったのは残念だなぁー」
鏡太郎「あー、それは確かに」
一六「だぁーーーッ!!!ここでじっとしてる場合じゃない!先輩達行きますよ!」
龍馬「えっどこに?」
一六「七緒先輩の跡を追うんですよ!どんな彼女か気になるじゃないですか!」
龍馬「ええ!?そ、そんなことして大丈夫かな…」
太子「…確かに、和倉先輩の彼女がどういう人なのか気になるな」
龍馬「え、ちょっと!?」
鏡太郎「あー、それはわかる」
龍馬「鏡太郎まで!?」
カルルス「おおー!なんかスパイって奴みたいだね!面白そう!」
龍馬「ああもう…!」
鏡太郎「りょーちんは気にならないの?七緒さんの彼女」
龍馬「そ、そりゃあ気になるけど…!」
一六「じゃあ決まりッスね!善は急げ、七緒先輩を追うッスよー!」
カルルス「おー!」
鏡太郎「おー」
龍馬「…うん、仕方ないよね…」
七緒先輩の彼女とは?感想まだ
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.46 )
- 日時: 2019/01/05 14:26
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: 5u1tMYzR)
一六「あ、よかった七緒先輩いた!」
龍馬「…尾行するのはわかったけどさ。なんでサングラス?」
一六「尾行と言えばサングラスッス!」
太子「万が一の時に何個か持ってきてよかったです」
龍馬「なんで何個も持ってきてたの太子?」
鏡太郎「細かいことはいいでしょりょーちん。それより七緒さん行っちゃうよ」
一六「うわうわうわ、ヤバイ!」
あれから部室を出て七緒を探していた防衛部+α。
幸いにも七緒は早く見つかり、バレないように跡をつけて行く。
太子「和倉先輩、心なしか足取り軽いですね」
龍馬「そんなに彼女さんと会うの楽しみなのかな」
カルルス「七緒がハッピーに溢れてるよ~!あそこまでハッピーオーラを纏っているのを見られてボク嬉しいよ~!」
一六「ええマジ!?」
鏡太郎「へぇ~。七緒さんにそんな一面があるなんて知らなかった」
そんな会話をしているうちに、七緒と一行はとある公園にやって来た。
恐らくここで待ち合わせをしているのだろう。一六はせわしなく辺りを見回す。
一六「どこだ~どこだ~!?七緒先輩の彼女!」
龍馬「あれ、和倉先輩あそこのベンチに…」
七緒が向かった先に一行が視線を向けると…
アプリコット「あ、な、七緒さん!」
七緒「どうも、アプリコットさん。待たせちゃいました?」
アプリコット「い、いえ!わ、私も今来たばかりです!」
亜麻色の髪の可愛らしい少女に七緒が話しかけ、頬を赤らめながら七緒の名を呼んだ。恐らく彼女が…
少女を一目見た瞬間、防衛部たちは電流が走った様な感覚を受けた。
一六「う、うわうわうわ~!な、七緒先輩の彼女、チョー可愛い…!!」
太子「華奢な体躯にふわふわな亜麻色の髪、慎ましやかな言葉遣い、そしてどこかの貴族かのような整った容姿…!あんな可愛い女性がこの世界にいたなんて…!」
龍馬「名前、アプリコットちゃんって言うんだ…ハーフかな?年齢は中学生くらい…?」
鏡太郎「可愛いね」
カルルス「…むむむ~?」
防衛部たちは七緒の彼女であろう少女に頬を朱に染めながらも感嘆の褒め言葉を自然に口にしていた。
しかし、カルルスだけは少女を見つめて唸りながら首を傾げた。しかし、そんなカルルスの様子は少女に釘付けの防衛部たちは気付いていなかった。
七緒「それで、今日はどうします?」
アプリコット「あっ、今日、私お菓子作って来たんです!」
七緒「またジャム系ですか?」
アプリコット「ジャムは美味しいんですよ!」
七緒「いやそうですけどね。でもずっとジャムばっかりじゃ飽きるじゃないですか」
アプリコット「うう…でもジャムが一番なんです…!」
七緒「はいはい。アプリコットさんのジャムは一番美味しいですからね」
アプリコット「!?(ボフンッ)」
七緒「ふふふ、可愛い♪」
一六「ああああ七緒先輩…!羨ましい…!」
太子「お菓子作りが得意と…なんと女子力が高い…」
鏡太郎「お菓子って聞くとお腹空いてきた…帰っていい?」
龍馬「ちょっ鏡太郎!今それどころじゃないよ!もうちょっと見てかないと…!」
鏡太郎「えー…」
カルルス「ん~…?」
七緒「それはそうと」
アプリコット「はい?」
七緒「今日も小ぶりで可愛いですね♪」
アプリコット「…えっ」
防衛部+α「えっ」
七緒の言葉に、彼女…アプリコットも、遠目で見ていた防衛部+αも凍り付いた。
それを察していないのか知っているから敢えてなのか、七緒は言葉を続けた。
七緒「アプリコットさんは小さくて可愛いなって話ですよ」
アプリコット「へ!?な、七緒さん!私の胸の事まだ小さいって言うんですか!?」
七緒「?胸の事なんて一言も言ってませんが」
アプリコット「へぁ!?じゃ、じゃあ身長の…?」
七緒「さぁ、どうでしょう?まぁ、どっちにしろ僕は小さいアプリコットさんが好きですよ♪」
アプリコット「あ、あう…う…!」
七緒「…アプリコットさん?」
バサッ
七緒「Σぐ!?」
七緒の顔に何かが飛び掛かった。
それが地に落ちて再び七緒はアプリコットを見やった。
目には涙をためて、身体を震わせて七緒にこう言った。
アプリコット「な、七緒さんの!ばかぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
そう言って、アプリコットはその場から走り去った。
七緒は唖然として、自分の顔に当たったものを見た。
それは、カップケーキの入った袋。恐らくさっき言っていたアプリコットが七緒のために作ったものだろう。
それを拾おうとしたが、先に誰かが拾い上げて、七緒に渡した。
七緒「え…」
鏡太郎「駄目じゃないですか。あんなこと言ったら」
それは鏡太郎だった。鏡太郎だけじゃない。他の部員とカルルスも彼の後ろに続く(空気を読んでサングラスは外した模様)。
一六「七緒先輩!駄目じゃないッスか!彼女にあんなこと言ったら!」
龍馬「俺らにならともかく、女の子は繊細なところありますし…」
太子「女性に胸の話はNGですよ。和倉先輩なら知っていると思ってましたが…」
七緒「…すみませんねぇ、みっともないところを見せてしまって」
龍馬「いや、みっともないとかじゃなくて…」
かなり堪えているのか、七緒の作った笑顔は痛々しいものだった。
それに部員たちは言葉を失うが、それに構わないのが"彼"だ。
鏡太郎「…何であんなこと言ったんですか?いきなりあんなこと言ったってことは、ああなることは分かってたんじゃ?」
龍馬「ちょ、鏡太郎いきなり切り込むな…!?」
七緒「…うーん、こういうのもなんですけど」
七緒「彼女、可愛いじゃないですか」
防衛部+α「…は?」
そう言う七緒に部員たちはそう溢すしかなかった。
そんな彼ら等お構いなしと言ったように七緒は続けた。
七緒「アプリコットさん可愛いでしょう?容姿だけでなく性格などの内面も。それで彼女、胸が小さいことを気にしていて…それで揶揄うとすごく可愛いんですよ。あの落ち込んだ表情を僕が独占してると思うとぞくぞくして…」
龍馬「ストップストップストーーーーーップ!!!!!!!」
まさかの答えに龍馬が耐えきれず中断させる。
太子も、あの七緒を慕っている一六さえ七緒に引いている。
しかし鏡太郎はいつもの無表情で
鏡太郎「…七緒さんって、好きな子いじめちゃうタイプなのは知ってましたけど、そこまで行くと普通に、ってか、かなりひどいですね」
七緒「…幻滅しました?」
鏡太郎「幻滅って言うか。謝った方がいいですよ。彼女に」
七緒「……………」
鏡太郎「あの子、泣いてたし」
七緒「……………」
鏡太郎の言葉に、七緒はふと手に持っているカップケーキの入った袋を見つめた。
彼女…アプリコットは嬉しそうにこれを作って来たと自分に行った。
そんな彼女を、自分は心無い言葉で傷つけてしまった。
今どこにいるのだろう。こんな寒い中、泣いているのかもしれない。
七緒「………」
鏡太郎「探しましょ。俺らも手伝います」
一六「はいはいはい!手伝います!」
太子「まぁ、先輩の尻拭いをするのも後輩の務めですしね」
龍馬「アプリコットちゃん、和倉先輩が謝ってくれるのを待っていると思いますよ」
七緒「………」
優しい後輩たちに涙腺が緩むが、ぐっと耐える。
七緒「ありがとう。みんな」
一六「じゃあ俺、あっち探しますね!」
鏡太郎「俺とりょーちんはこっち」
龍馬「了解!」
アーサー「…ちょっといいか」
琴葉姫「何かな」
アーサー「七緒…クズじゃね?」
琴葉姫「本家の七緒先輩は滅茶苦茶かっこいいし綺麗だし可愛いんです!!!!!!!!!!!!」
アーサー「アッハイ(震え声)」
感想まだ
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.47 )
- 日時: 2019/01/05 14:31
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: 5u1tMYzR)
防衛部たちがアプリコットを探しているのと同時刻───
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マーサ「ヒマヒマヒマぁ~!」
眉難高校生徒会室。
書記を務める白骨マーサはやることがないのか、机に突っ伏していた。
阿多「マーサ、行儀が悪いぞ」
マーサ「だって指宿先輩!最近何もないじゃないですか!」
宇奈月「うーん、確かに最近何もないけどいいんじゃないかな。平和で」
生徒会長の指宿阿多がマーサを注意するが、マーサは最近何もなく暇だと訴える。
それに副会長の宇奈月大樹がマーサに同調するもこれでいいんじゃないか、と返す。
が…
フラヌイ「ならぬ!」
生徒会室に大声が響く。
声の主は…青いフェネックのような生き物だ。
この生き物の名は「フラヌイ」。ホニャラランド第二王子でありカルルスの弟だ。
生徒会の3人はフラヌイ騎士団「エーデルシュタイン」であり、コンプレックスを持つ生徒を怪人に変えて事件を引き起こす。言わば地球防衛部の敵だった。
フラヌイは言葉を続けた。
フラヌイ「怠惰こそ悪!我らフラヌイ騎士団がそのような平和ボケに慣れてどうする!」
宇奈月「うーん、でも何もないんじゃねえ」
マーサ「フコーな人最近出てこないしねー」
フラヌイ「ぐぐぐ…!、…!」
宇奈月とマーサの言葉にフラヌイは歯軋りをするが、その直後何かを察知したように別の方角を向いた。
阿多「何か?」
フラヌイ「ふふふ…いるではないか。絶望している者が…」
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七緒から逃げ出したアプリコットが辿り着いたのは、眉難高校の校庭だった。
あれからずっと座り込み、涙をこぼしていたアプリコットだが、やはり七緒のことが頭から離れなかった。
アプリコット「…やっぱり、七緒さんは…団長さんと同じで、胸の大きい人が好きなんですね…」
アプリコットは、この世界でななく「スプリングガーデン」と呼ばれる世界の、花騎士と呼ばれる存在だ。
花騎士は世界花の力を受け、害虫と呼ばれる虫型モンスターを討伐できる唯一の存在だ。
そんな彼女が何故七緒と知り合えたのかと言うと、彼女の指揮官…団長との縁と、七緒が審神者をしていることと関係がある。
実は七緒の知り合いに花騎士の審神者がいて、七緒がスプリングガーデンに立ち寄りアプリコットと出会ったのが全ての始まりだった。
最初に七緒をみたアプリコットは素直に綺麗な人という第一印象を受けた。
それから別世界を超えてのやり取りを経てアプリコットは気付いた。自分は彼…七緒が好きなのだと。
でも自分はちんちくりんで、こんな自分を好きになるはずがないと思った。
でも、友人のヨモギや同じ騎士団の花騎士の応援もあって、アプリコットは勇気を出して彼に告白した。
結果は…OKだった。
その時のアプリコットの驚きと喜びと言ったらなかった。ずっと焦がれてた彼と付き合えた。両想いになれたのだから。
…しかし、その後の付き合いで自分は自惚れてたのだと実感させられた。
七緒は彼女のコンプレックスである小さな胸のことで揶揄うことが多かった。実の両親が騙したことを、彼もまた揶揄いの材料にした。
彼がサディスティック気質なことは付き合い始めて分かったが、自分の心がついて行けなかった。
両親に騙され、猜疑心が強い自分は疑ってしまう。七緒は、特に自分のことなんて好きなんじゃないかと。
本当は胸の大きい…我が騎士団最強の花騎士、サクラのような…胸が大きいだけではなく強くて包容力があってなんでもそつなくこなす美女の方が好きなんじゃないかと…
アプリコット「なんで私、胸が大きくならないんだろう…」
「なるほど、それが君が絶望する理由か」
アプリコット「へっ!?」
突然発せられた誰かの言葉にアプリコットは振り向いた。
そこには生徒会の3人と、阿多の肩に乗っているフラヌイの姿があった。
マーサ「へー、胸ないのがいやなんだ。そーんなに可愛いだけでも十分なのに贅沢ものだなぁ」
アプリコット「へ、へ?」
宇奈月「うんうん。可愛いよねえ君。でも胸が小さいのがコンプレックスだなんて、もっと可愛いね」
アプリコット「は、はい…?」
阿多「…二人とも、今はそんなことを言ってる場合じゃない」
阿多は改めてアプリコットに向き直る。
阿多「女性を怪人化するなんて…騎士としていいのか…?」
フラヌイ「民に性別など関係ない。彼女もまた、理由はどうであれ不満を持っている」
アプリコット「…あ、貴方達、は…」
宇奈月「うん?」
アプリコット「貴方達だって、大きい胸がいいんでしょう!?」
阿多「Σはっ!?」
宇奈月「おや?」
マーサ「へ?」
アプリコットの言葉に、阿多は顔を真っ赤にしながら口をわなわなさせているが、宇奈月は「どうした?」と首を傾げ、マーサはポカンと呆気に取られている。
そんな彼らのことなど気にせずにアプリコットは続けた。
アプリコット「いいえ!男の人だけじゃないです!女同士ですら、胸はステータスになります!言わば、胸の格差社会…これを正せばこの世界は…!」
マーサ「うっわぁ~…」
宇奈月「どうやらただのコンプレックスじゃないみたいだね…」
阿多「…何故そこまで胸に拘る。君はそんなものがなくても、十分…」
先程まで現実逃避(?)していたアプリコットだったが、阿多の言葉で我に返る。
顔を俯かせ言葉を絞り出した。
アプリコット「だって、私の好きな男の人はみんな、胸が大きい人が好きなんです。団長さんも、七緒さんも…だから、私みたいな胸の小さい子は相手になんて…」
生徒会「!!!」
アプリコットの言葉に、生徒会の3人は息を呑んだ。
そしてしばらくしてアイコンタクトを交わした後、一歩前に出る。
宇奈月「…そっか。じゃあ、お兄さんたちが手助けしてあげるよ」
アプリコット「へ?」
フラヌイ「Σえっ」
マーサ「マーサたちが、君のキューピットになってあげる♪」
アプリコット「え?え?」
フラヌイ「ちょ、ちょっと待てフラヌイ騎士団!奴を怪人に…」
阿多「ええ、分かっていますよ」
アプリコット「あ、あの…?」
阿多「胸の大きさなどで女性を計ろうなどという愚かな男には、鉄槌を下さねばならぬ!君はその好きな男とやらにし返すべきだ!」
アプリコット「…(ポカン)」
唖然とするアプリコットに構わず、フラヌイが宙返りすると、人間の姿になった。
生徒会「Dhe Verwandlung!」
それに伴い生徒会の3人が指に填められている指輪をかざすと、黒い装束を纏い…
エーデルシュタイン「我らフラヌイ騎士団、エーデルシュタイン!」
アプリコット「…はい?」
突然変身した3人に驚きを隠せないでいるアプリコット。
だが、そんな呑気なことも長くは続かなかった…。
ディアマント「ドルック!」
ローゼクヴァルツ「ミッヒ!」
アメテュスト「ハート♪」
エーデルシュタイン「アン!」
円を作った3人が呪文らしきものを唱えると、稲妻のような光がアプリコットに直撃する。
アプリコットの立っている地面に魔法陣が浮かび上がり、それがアプリコットを捕らえた───
アプリコット「きゃああああああああっ!!」
アプリコットに何が…!?感想まだ
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.48 )
- 日時: 2019/01/05 15:08
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: 5u1tMYzR)
龍馬「そっちいた!?」
太子「いえ…」
防衛部たちはずっとアプリコットを探していたが、結局見つけられずにいた。
不安そうに俯く七緒。するとそこにカルルスが駆け寄って頭に上る。
カルルス「ねえ七緒、ちょっと聞いていいかな?」
七緒「はぁ…なんですかこの緊急事態に」
カルルス「七緒の恋人ってさ、魔法使い?」
七緒「っ…!?」
カルルスの言葉に思わず彼を手で捕まえ、部員たちから離れて聞き返した。
七緒「どういうことです?」
カルルス「え?だって七緒の恋人、なんか魔力纏ってたよ?」
カルルスの言葉は当たっていた。
花騎士の中には魔法が使える者もおり、アプリコットもその一人だ。
カルルスにはアプリコットの魔力が見えていたのだ。それにより七緒は「あー」と頭を抱えたが…
七緒「(うーん…花騎士や審神者の事、話すべきですかねえ…まぁ、すでにみんな"彼女"に気に入られているし、今更って気もしますが…)」
そんなことを七緒が考えていると、カルルスが何かを感じ取ったように呟いた。
カルルス「不幸な人がいる…!」
七緒「え、今ですか!?」
鏡太郎「七緒さん、カル、何やってるの?」
カルルス「みんな!不幸な人がいるんだ!カルルスナイツの出番だよ!」
一六「ええ!?今!?」
太子「今それどころじゃないって言うのに…!」
カルルス「!待って!近づいてくる!」
龍馬「え、近づてくるって、…も、もしかして…!?」
龍馬が言い終える前に、それは現れた。
ズン、という重い音と同時に、自分が押しつぶされるような感覚に襲われる。
防衛部が音のした方に視線を向けると───
「巨乳こそ、爆乳こそ正義!貧乳なんていう悪い文明もそれを持ち上げる愚かな民もこのボクがお説教しちゃうぞ!」
…直径一メートルほどの大きすぎる胸と、地面に着くくらい長い虹色の髪と、あまりに細すぎる体躯を持つ、右目が黄色で左目がピンクの奇形な少女がいた。
一六「えっ何あれ(真顔)」
鏡太郎「あっ俺知ってる。ヒドインってやつだよね」
龍馬「ヒドイン?なにそれ?」
太子「ヒドインとは、杜撰な設定のヒロインのことで、主に占い○ツ○ールというサイトで用いられています。よくある設定としては「オッドアイ」、「身長の割に体重が軽すぎる」、「100人中100人が振り返る美少女」など色々ありますが、創作においては鬼畜・外道な性格のヒロインという意味でも使われていますね」
龍馬「そんなことまで詳しいんだね、太子…」
七緒「………」
殆どの部員が引いたりヒドインなどと言っている中、七緒は彼女…基「ヒドイン怪人」を見つめていた。
まさか、彼女は…
何か感じるものがあったのかは分からないが、カルルスの言葉で我に返る。
カルルス「我が幸せの騎士団よ!カモン!」
そう言って宙返りをすると、褐色の美男子に姿を変える。
カルルス「さぁ、誓いのキスを…」
美男子の姿になったカルルスの手の甲に、防衛部たちは口づけをした…。
フィオーレ・キッス(鏡太郎)「花の魔法使い、フィオーレ・キッス!」
ステラ・キッス(龍馬)「星の魔法使い、ステラ・キッス!」
ルーナ・キッス(七緒)「月の魔法使い、ルーナ・キッス!」
ネーヴェ・キッス(太子)「雪の魔法使い、ネーヴェ・キッス!」
スパツィオ・キッス(一六)「宙の魔法使い、スパツィオ・キッス!」
フィオーレ・キッス「この世に花があるように!」
ステラ・キッス「夜空に星があるように!」
ルーナ・キッス「月が全てを照らすように!」
ネーヴェ・キッス「雪が優しく包むように!」
スパツィオ・キッス「宇宙に幸せ、運びましょう!」
フィオーレ・キッス「我ら、幸せを呼ぶ魔法騎士団!」
HAPPY KISS「カルルスナイツ、HAPPY KISS!」
防衛部たちが、魔法騎士団「HAPPY KISS」に変身した!
カルルス「ナイスコントラクト!完了!(カワウソ姿に戻る)」
ヒドイン怪人「ボクの邪魔をする気!?そんな奴は…これでも喰らえーっ!」
HAPPY KISSを見たヒドイン怪人はビシッ!と彼らを指差す。
するとHAPPY KISSの5人は、先程の見えない力に押しつぶされるような感覚を受けた。しかも、最初のものとは明らかにパワーが違う。
その力により、5人は手を地に付けた。
スパツィオ・キッス「ちょっ!?あいつ強いんだけど!」
ステラ・キッス「これって重力!?そんなのあり!?」
ネーヴェ・キッス「ヒドインの設定は他にもあって、反則的な能力や高い戦闘能力を所持していることが殆どなんですよ!」
スパツィオ・キッス「先に言えーっ!」
フィオーレ・キッス「なんか眠くなって来た…片付いたら起こして…」
ステラ・キッス「ちょっダメだって鏡太郎!今寝たらホントに死んじゃうから!」
スパツィオ・キッス「寝てんのか重力かけられてんのかわかんないッスよ!」
ルーナ・キッス「………」
ヒドイン怪人のまさかの強力な能力によってHAPPY KISSは苦戦を強いられる。
しかし、ルーナ・キッスだけはヒドイン怪人を睨み付け、言葉を投げかける。
ルーナ・キッス「…貴方」
ヒドイン怪人「ふぇ?」
ルーナ・キッス「貴方は、貧乳は悪い文明?と言いましたよね?」
ルーナ・キッスの言葉に、ヒドイン怪人は苦虫を噛み潰したような表情を見せたが、そのまま答える。
ヒドイン怪人「…そうさ。ボクは元々貧乳だったんだ。そんなボクを、僕の好きな人達は好きにならなかった。すべてはボクの胸が小さいからだ。団長さんは、胸が大きくて包容力があって強くて完璧な綺麗な人を選んだ。ボクの大好きな人は、ボクの小さな胸をからかって遊んでる。あの人だって、本当はボクみたいな胸の小さいちんちくりんより、団長さんが好きなあの人みたいな胸の大きい人が好きなんだ!!!」
ルーナ・キッス「ッ!!!?」
それは、ヒドイン怪人の心の叫びだった。
それを聞いたルーナ・キッスはすぐわかった。他のメンバーもすぐ察した。
ステラ・キッス「あの子、まさか!」
ネーヴェ・キッス「和倉先輩の…!」
ステラ・キッス「うええええええ!?マジかよ!?」
フィオーレ・キッス「…?」
ステラ・キッス。ネーヴェ・キッス、スパツィオ・キッスの3人は唖然としてヒドイン怪人を見つめているが、フィオーレ・キッスは不思議そうに頭を掻いている。
そして肝心のルーナ・キッスは…顔を俯かせていて、表情は分からない。が、わなわなと震えている。
ヒドイン怪人「ボクはただ、愛されたかった、褒めてもらいたかった。ボクの作ったお菓子を食べてもらえて美味しいって言ってくれて、任務が成功したら褒めてくれて、一緒にいる時は手を繋いで、き、キス、して…でもあの人は…七緒さんは…ボクみたいな胸の小さい奴より胸の大きい人が好きなんだ…!全部ボクが、私が…!」
ルーナ・キッス「アプリコットさんはお菓子作りが得意!」
ヒドイン怪人「!?」
ルーナ・キッス以外のHAPPY KISS「ゑっ」
…ルーナ・キッスの突然の脈略もない言葉に、ヒドイン怪人だけでなく他のHAPPY KISSメンバーも面を食らっている。
そんな彼ら彼女らのことなどお構いなしに言葉を続けた。
ルーナ・キッス「しかもすごく美味しいんです。市販品のものと違うところは、食べてくれる人への気持ちが込められているからです。自分のお菓子を美味しいって食べてくれると信じて愛情を込めたお菓子です。しかも僕のヤツは格別です。アプリコットさんの愛情が詰まっています。こんな陳腐な言葉言うのもアレですけど本当にそうとしか言いようがありませんからね。アプリコットさんが僕のために作ってくれたというだけで僕の心は満たされます」
ステラ・キッス「あ、あのー」
ルーナ・キッス「他は…アプリコットさんはお医者さんを目指してますよね?しかも「万能薬のような医者」。医者というものはなることが大変です。勉強もそうですが、なにより命を扱う職業ですから。その努力も怠らず更には花騎士の仕事も一生懸命やって両立させようなんてなかなかできることではありません。有基さんもサクラさんやウメさんも褒めてるのに謙遜しすぎなんですよ。もっと胸張ってください」
ネーヴェ・キッス「…フラワーナイト?」
ルーナ・キッス「次は…ああクリスマス衣装ですね。サンタと羊を合体させたようなあの衣装に私が心躍らないとでも?というかなんですか開花衣装のあの紐?足絡まってますよ?あれで緊○プレイでもご所望だったんですか?」
フィオーレ・キッス「七緒さん、それ褒めてないですよね。あと危ない」
ルーナ・キッス「そして何より!!!アプリコットさんは!!!笑顔が可愛いんですよ!!!褒めて頭撫でた時に見せるあの笑顔!!!あれを有基さんにもしているという事実に僕は納得がいきません!!!というか彼に甘やかされるのが中毒性あるってどういうことですか!!!僕だって褒めてるじゃないですか!!!僕にも中毒性持ってくださいよ!!!」
スパツィオ・キッス「七緒せんぱーーーい!?最初いい感じに褒めてるかと思いきや最後自分の気持ち!?大きく声張り上げて最後自分の気持ち!?」
ヒドイン怪人「え、え、え」
ルーナ・キッス「それに!!!」
ルーナ・キッス「僕は胸が大きい人が好きだとか、君の胸が大きかったらよかったとか一言も言ってませんからね!」
ヒドイン怪人「!」
そう、ヒドイン怪人…否アプリコットの思っていたことは完全なる杞憂だった。
七緒は、本当にアプリコットに恋慕していたのだ。
初めて会った時から彼女に惹かれていた。所謂一目惚れだ。
スプリングガーデンを離れてもやり取りできたことは彼にとって吉兆だった。
どうやって想いを伝えようか悩んでいた最中に、彼女の方から想いを告げられた時は夢でも見ているのかと思っていた。
彼女と心通じ合えたのだと舞い上がってしまった。それがいけなかった。
七緒は好きな子には大なり小なり意地悪してしまう性質がある。そのせいで度々アプリコットに意地悪をしていた。
その一番の例が胸の事だった。胸にコンプレックスを抱いているアプリコットに七緒は良くそのことで揶揄っていた。
「小さくて可愛いですね」と…
しかし、それは愛情の裏返しだった。
胸が小さくて、それを気にして顔を赤らめて自分を上目遣いで見るアプリコットが、とても可愛く映ったのだ。
…これだけを見ると結構最低な男に思えるかもしれないが、
和倉七緒という男は、飴と鞭をしっかり使い分ける男だ。
ルーナ・キッス「胸の小さいアプリコットさんが好きです。お菓子作りが得意なアプリコットさんが好きです。お医者さんになろうと努力するアプリコットさんが好きです。ちゃんと花騎士の仕事を全うするアプリコットさんが好きです。そして…僕を好きになってくれたアプリコットさんが、何よりも好きです」
ヒドイン怪人(アプリコット)「あ、貴方、は───」
フィオーレ・キッス「というか君は胸が大きい方がいいって言うけどさ」
ステラ・キッス「えっこの中でそれ言う!?」
突然フィオーレ・キッスが寝ころびながら横槍を入れる。ステラ・キッスが突っ込むがフィオーレ・キッスは関係ないと続ける。
フィオーレ・キッス「胸が大きい人だって悩んでると思うよ。というか、今の君ほど胸でかかったら、いい笑いものだと思うけど」
スパツィオ・キッス「そうそう!100人中100人が振り返るって、可愛いからとかじゃなくて怪物見たみたいな意味で振り返るってことだと思う!」
ネーヴェ・キッス「お前にしては的確な意見だな…」
スパツィオ・キッス「おお!?珍しく褒めたな!」
ネーヴェ・キッス「…もう何も言うまい」
フィオーレ・キッス「うん、絶対前の方が可愛いよ。少なくとも、俺らはそう思ってる」
ルーナ・キッス「ちょっと鏡太郎くん!人の彼女を口説かないでくれます!?」
フィオーレ・キッス「え、別にそんなつもりはないけど」
カルルス「まぁそれはともかく!」
ステラ・キッス「うわいつの間に!?」
先程までいなかったカルルスの登場に、ステラ・キッスは驚く。
カルルス「さぁ!今こそ彼女をHAPPYにする時だ!」
BGM:HAPPY READY?????
フィオーレ・キッス「Are You Happy?」
ステラ・キッス「Are You Happy?」
ルーナ・キッス「Are You Happy?」
ネーヴェ・キッス「Are You Happy?」
スパツィオ・キッス「Are You Happy?」
カルルス「Let's Happy Houh!」
5人の杖が合体し、一つの大きく豪華なステッキに姿を変える。
フィオーレ・キッス「ということで、はい」
ルーナ・キッス「え?」
いつもならこれはフィオーレ・キッスの役目なのだが、彼はステッキの七緒に渡した。
フィオーレ・キッス「七緒さんがやった方がいいよ」
ルーナ・キッス「…ふっ、では美味しいところは頂きますね」
ルーナ・キッス「幸せよ戻れ!ハッピー&ターン!」
ルーナ・キッスがそう言って杖をかざすと、勢いよく"湯"が噴き出る。
その湯は洪水のように波打ち一直線にヒドイン怪人…アプリコットに迫る。
ヒドイン怪人(アプリコット)「ひゃあああああ!?」
一瞬の大量のバブルで見えなくなるが、バブルの向こうには…
ヒドイン怪人(アプリコット)「はわぁ~…気持ちいれすぅ~…」
…何故か蓮の花が咲く温泉で気持ちよさそうに湯につかってるヒドイン怪人(アプリコット)。だがすぐに…
アプリコット「はふぅ…」
アプリコットが…肌と髪の毛がつやつやの状態で怪人から元に戻っていた。
フィオーレ・キッス「…ハッピーエンド、かな」
カルルス「ハッピー、パウダー!」
カルルスが投げキッスをすると、辺り一面に綺麗な雪のようなものが降り注いだ。
アーサー「つ、つまり…どういうことだってばよ!?!?!?(※描写のことです)」
琴葉姫「アニメ見て!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(ダイレクトマーケティング)(ドクズ)」
感想まだ
- Re: 嫁でクロスカプ&クロスコンビSS集 ( No.49 )
- 日時: 2019/01/05 14:52
- 名前: 琴葉姫 ◆KXLt9XXgaQ (ID: 5u1tMYzR)
アプリコット「あ、あれ…?わ、私なんでこんなところに…」
七緒「アプリコットさん」
アプリコット「えっ、な、なな、七緒さん…!?」
変身を解いた七緒がアプリコットの名を呼ぶ。
ここに七緒がいるとは思わなかったのか、アプリコットは近づいてくる七緒から後ずさる。が
ぎゅっ
アプリコット「Σはわ…!?」
素早くアプリコットに近づいて屈み、優しく彼女を抱きしめる。
アプリコット「な、ななななな、七緒さ…!?」
七緒「すみませんでした」
アプリコット「え…?」
突然の謝罪に、先程の動揺はどこかに吹き飛んでしまった。
しかし、七緒は続ける。
七緒「貴方に、酷いことを言ってしまいましたね。今日だけじゃない。ずっと前から。でも…」
───アプリコットさんが好きなのは、本当なんですよ。
アプリコット「…」
七緒「そんな風には見えないって顔してますね。本当です。これからも、ずっと、僕が好きでいるのはアプリコットさんだけです」
アプリコット「…私」
七緒「ん?」
アプリコット「わ、私、いつも疑っちゃって…七緒さんがそう言っても、わからなくて…ほ、本当ですか?」
七緒「本当です。貴方が疑うたびに、僕は言い続けます。好きです。アプリコットさん」
アプリコット「な、七緒さん…」
鏡太郎「お楽しみ中のところ悪いんだけど」
アプリコット「ひゃあっ!?」
七緒「…(ニッコリ)」
龍馬「ちょちょちょっ!鏡太郎!なんでこの雰囲気に介入したの!?」
太子「台無しですね…」
一六「七緒先輩かっこよかったッス!」
七緒「…君達、なんですか?(ニッコリ)」
鏡太郎「あ、俺修善寺鏡太郎。よろしくあぷりん」
七緒「は?(超ド低温)」
龍馬&一六「ひっ」
アプリコット「え、あ、あぷりん…?あ、よ、よろしく、お願いします…?」
龍馬「あ、あの!俺霧島龍馬です!」
太子「…万座太子です」
一六「はいはいはい!俺、道後一六です!よろしくお願いします!」」
カルルス「あっぼくぐぐぅ!?」
カルルスも名乗ろうとしたが、鏡太郎が顔面を掴んで黙らせた。
アプリコットがカルルスに驚くと思ったからだろう。…まぁそれはいらない心配だったのだが。
七緒「鏡太郎くん?なんですか?あぷりんって?(ニコニコ)」
鏡太郎「え、だってアプリコットって長いし」
七緒「…はぁ~…」
鏡太郎「なんですか?」
七緒「…言っておきますが!」
アプリコット「ひゃ…!?」
七緒がアプリコットの肩を抱きしめたかと思うと…
チュッ
龍馬&一六「!?!?!!!!?!???????????!!!!!!!!?!!!!」
太子「なッ…!?」
鏡太郎「わぁ」
アプリコット「…え、え…」
七緒が、アプリコットの額にキスをした。
それを見せられた龍馬と一六は顔を真っ赤にして手で覆う。太子も顔を赤くして固まった。
しかしやはり鏡太郎だけは無表情で呟いただけだった。
だが一番驚いてるのは当事者のアプリコットであり、防衛部の3人以上に顔が赤く頭から湯気が出て目を回している。
そんなアプリコットのことなど気にしていのか強く抱きしめ鏡太郎たちに宣言する。
七緒「アプリコットさんは僕の!彼女ですからね!手を出したりしたら許しませんよ!」
鏡太郎「いや別にそんなことしないけど…七緒さん、大胆ですね」
一六「な、七緒先輩がちゅ、ちゅーした…!」
太子「くっ、これが彼女のいる男の余裕か…!」
龍馬「どうしよう、明日から和倉先輩の顔まともに見れない…!」
鏡太郎「なんでなのりょーちん」
そんな防衛部たちの一挙一動を見ていた人影があった。
宇奈月「ふふ、よかったねぇ。彼女、幸せになったみたいだ」
フラヌイ「くっ…!このフラヌイ騎士団が人々を幸せにするなど…!」
マーサ「いいんじゃない?こういうことがあっても。それにしても、あの先輩がね~。なんかイガイ」
阿多「…ふん、想い人を泣かせる男など、馬に蹴られてしまえばいいと思ったのだが…」
宇奈月「う~ん、そうだねぇ…」
宇奈月「もし七緒があのまま彼女を泣かせたままだったら、俺があの子を掻っ攫おうと思ったんだけど、ちょっぴり残念だなぁ」
阿多「えっ」
マーサ「え~マーサ意外!宇奈月先輩あんな子がタイプなんですか!?」
宇奈月「タイプっていうか、まぁ可愛いしね」
フラヌイ「ええい恋路に現を抜かすんじゃない!今度こそカルルス騎士団に目にもの見せてくれる…!」
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───その夜
あれから防衛部と別れ帰宅し、アプリコットはスプリングガーデンへ帰って行った。
七緒「今日は色々あったなぁ…」
風呂から上がった七緒は自室で机に置いてあるカップケーキを眺めていた。
アプリコットからもらったカップケーキをじっと見つめる。
アプリコットが、愛しい少女が自分のために作ってくれたお菓子。食べるのがもったいない。
でも保存がきくものでもないし、彼女も食べてもらうために作ってくれたのだ。
カップケーキを齧る。甘くておいしい。中には彼女の大好きなジャムが入っていた。
七緒「…甘いです。アプリコットさん。すごく…」
~スプリングガーデン・ブロッサムヒル騎士団本部~
有基「アプリコットちゃん大丈夫だったっすか!?七緒さんに何もされてないっすか!?言われてないっすか!?」
アプリコット「だ、団長さん…?」
サクラ「こらこら団長さん。アプリコットちゃんが困っているじゃない」
スプリングガーデンに帰ってきたアプリコットは、帰って来るなり団長の箱根有基に今日の出来事(?)を問いただされていた。
その気迫に迫る勢いにアプリコットはたじたじだったが、すぐ副団長のサクラが有基を宥める。
アプリコット「だ、大丈夫、でしたよ?けど…今日何があったかよく覚えてなくて…」
有基「よ、よく覚えてないってなんすか!?七緒さんに変なことされたとかじゃないっすよね!?」
サクラ「団長さん?」
有基「う、サクラねーちゃん…だ、だってぇ…」
サクラに窘められて落ち込む有基だが…。
アプリコット「で、でも団長さん…私…」
有基「?」
アプリコット「わ、私…すごく幸せで…こ、こんなに幸せでいいのかなって…」
有基「えっ」
サクラ「あらあら~。うふふ♪」
顔を赤らめてそう言うアプリコットに有基は真顔で固まったが、サクラはいつものように笑っていた。
サクラ「そう。よかったわね~。今日は疲れたんじゃない?お風呂に行って来たらどうかしら?」
アプリコット「は、はい!ありがとうございます!お先に失礼します!」
アプリコットがその場を去ると、有基が…この世の終わりのような顔でサクラに綴った。
有基「さ、サクラねーちゃん…」
サクラ「何かしら?団長さん」
有基「あ、アプリコットちゃん、絶対完全に堕ちてるっすうううううう!!!あれは完全に男を知った顔っすよ!何やったんだよ七緒さん!!!」
サクラ「男を知ったとか言わないの。いいじゃない。アプリコットちゃんが幸せなら」
有基「そうかもしれないっすけどぉ!最近うちの騎士団の娘たち俺以外の男の人とデキてばっかじゃないっすかぁ!あのウメてんてーですら人間失格的な人に…!ああああああもおおおおお悲しいっすーーーーーーー!!!(号泣)」
サクラ「あらあら~。でも、団長さんには私がいるじゃないですか(頭なでなで)」
有基「うう…もう俺にはサクラねーちゃんと強羅あんちゃんしかいないっす…!サクラねーちゃんは見捨てないで欲しいっす…」
サクラ「もちろん、団長さんにはこのサクラがいますからね~?(…この場にスズランちゃんがいなくて本当によかったわ…)」
~あとがき~
死にました(遺言)(!?)。
いやいやいやなんだこれ!?最近防衛部最熱してHK最推しの七緒先輩と花騎士最推しのあぷりんをクロスカプに宛がってこの二人の話書きたいと思った結果がコレか!!!!!!!!!!やばいな!!!!!!!!!!!(クズ)
七緒先輩が多少クズ感あってホント白目ですはい…(白目)本家の七緒先輩はいい人だからな!!!これネタバレだからな!!!!!!(???????????????)
あと生徒会が結構いい人になってるかもしれないけど彼らはマジでいい人達だから(震え声)(???????????????????????????????????????????)
書き始めがこれっていうのもひどいんですけど私のクオリティはお察しなので更ですね( ˘ω˘ )(は?(威圧))
ここまで読んでくださりありがとうございました!新年も琴葉姫や嫁達をよろしくお願いいたします!
感想OKです