二次創作小説(新・総合)

ABT③『炎の紋章を掲げて』 ( No.39 )
日時: 2020/04/20 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

本日はファイアーエムブレム30周年の記念日です!おめでとうございます!
ささやかながらコネクトワールドでもお祝いの宴が開かれているようですよ!

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~運営本部 住居区 キッチン~



サクヤ「それでは、不束ながら私が指揮を執らせていただきます。本日4月20日で、ファイアーエムブレムは記念すべき30周年を迎えました!そして、マルスさん、アイクさん!お誕生日おめでとうございます!」

一同『30周年おめでとー!!!』



こちらは運営本部の住居区の中にある大きなキッチン。賑やかな声と共にクラッカーが鳴り響いています。
そう、遂に!遂にですよ!天の声も大好きなゲーム、『ファイアーエムブレム』シリーズが30周年を迎えたのです!併せて、マルスとアイクの誕生日も一緒に祝っています。
いやあ懐かしいですねぇ。天の声が初めてFEに触れたのは12年ほど前、スマブラXでマルスに一目惚れをしてからでしょうか。DSで暗黒竜と光の剣のリメイクが発売されると聞き、知人に借りて面白すぎて何週もやったのは覚えています。そこからですよ。ずぶずぶとFEの沼に嵌ったのは。

個人的な話はここまでにしておきましょう。
え?マルスはともかく何故アイクも同日にお祝いしているのかって?アイクが主人公の作品『蒼炎の軌跡』の発売日も丁度今から15年前の今日なんです。だから、暗黒竜だけではなく蒼炎にとっても記念すべき日なのです。
ちなみに、コネクトワールドの住人で『誕生日が設定されていない人物』に関しては、曲がゲームに登場した日やゲームが発売された日を参照して勝手につけています。そこはご了承ください。



マルス「みんな、ありがとう。まさかここで30周年を祝ってくれるとは思わなかった…」

アイク「ああ。…とは言うが、世界が混ぜられてなくともスマブラの方で祝ってくれそうだったがな」

サクヤ「およ、そうだったのですか。…こちらでお祝いするのはまずかったですかね」

ベレス「そんなことはないよ。祝ってくれるだけで充分自分達も嬉しい」

ソティス「わしらはスマブラのメンバーとしても歴が浅いからのう。省かれてしまわぬかと肝が冷えたわ」

MZD「いや、それはないだろ…」

アクラル「後でスマブラ支部からピーチの手作りケーキが届くってさっき連絡貰ったぜ!ピーチのデザート、超美味いから楽しみだな~!」

ニア「あら、それは楽しみですわね…?ふふふ、取り分けたケーキの中にロシアンショゴスを…」

サクヤ「入れないでくださいね?」



祝われたファイアーエムブレムの人物達も嬉しそう。後でピーチ姫お手製のケーキも届くそうです!楽しみですね~。
ささやか、とは言いますが随分と豪勢な料理ですね。…ヴィルヘルム、なんだか張り切りすぎでは?



ヴィル「30周年という記念すべき日なのだから豪勢にするのは当然だろう。…宴の参加者にも中々好評なのだぞ、今日の料理は」

ミミ(j)「お野菜もチキンももう最高よ~!ジャックの上司がいるって聞いてちょっと怖かったけど、こんなに料理上手で気品のある人だったなんて~!あー、自分の世界に帰ったらうちのジャックに自慢したいくらい!」

タイマー(j)「特定の料理だけじゃなくて、オールマイティに超美味しいから凄いよね…。僕、このタマネギのグラタンが好きだなー!おかわりください!」

ヴィル「junris殿の世界のジャックには上司がいないのだな」

MZD「新鮮だよなー。ヴィルがいない世界線のジャックってさ」

ニャミ(j)「あたしもジャックに上司がいるって、この世界に来てから初めて知ったもの。世界って広いのね~」



マルス「…あ、ヴィルヘルムさん。ぼくのあげたアクセサリー気に入ってもらえたんだ。嬉しいな」

ヴィル「5日前は本当に感謝するぞ。魔族である私にこのような素晴らしい贈り物をくれるとはな。…仕事上、着飾ることなどほとんどなかったから、嬉しかった」

MZD「センスも抜群にいいし、さっすが王子様って感じだよなー。…そのピアス持ってオレの元に尋ねて来るとは思わなかったけど」

ソティス「どういうことじゃ?」

MZD「『ピアスを新たな魔力の封印先にしたい』ってなんでかオレの元に来てな?昨日まで三日三晩ピアスにヴィルの魔法を植え付ける手伝いしてたんだよ。二徹までなら世界のバグ直すので結構経験あるけど、三轍は流石にきつかった…」

ヴィル「あの魔法を操るのに適応した協力者がお前しかいなかったのだ。…まあ、あの時はすまなかった」

ミミ(j)「三轍…。うちのMZDなら絶対やらないよ…」

ミミ「14回目のパーティ終わり辺りからMZD超無茶するようになったんだよねー。ラピストリアでもわたし達守るために神の力出しっぱなしでさ。一回神部屋でぶっ倒れて1週間起きなかったことだってあったんだよ?」

MZD「今その話するー?」

ニャミ「しないといつまでも無茶するでしょ!この世界に来てからそれがより激しくなったってテントさんも心配してるんだからねー?」

ニャミ(j)「へぇー、この世界ってテントカントもいるんだ」

ミミ「うん、いるよー!こことは別の『ポップン支部』って所で支部長さんをしてるんだよ!」



…5日前、ヴィルヘルムが誕生日を迎えたことは皆さんご存知でしょう。その時にマルスから貰ったピアスがいたく気に入った彼は、MZDを巻き込んで三日三晩彼の魔法をピアスに封じ込める作業をしていたそうなのです。お陰で彼は仮面を被らずとも魔力のコントロールが更に容易になったとか。

…穏やかにパーティの時間が流れていく中、それを遮る1つの声がキッチンに現れました。



ジョマンダ「サクヤ、パーティ中ごめんな。客人が来てる」

サクヤ「客?一体誰です?」

ジョマンダ「お前達が今まさに話してたテントカント…と、もう一人。超高飛車なお嬢様がいる」

ベレス「超高飛車なお嬢様?まさか……」



やって来たのはジョマンダでした。どうやら客人を連れて来た様子。
その客というのが、テントカントと『超高飛車なお嬢様』だというのです。彼はそれだけ伝えると、彼とは別の足音をキッチンの中に入れました。
そのうちの1人、テントカントはパーティの光景を見て嬉しそうに手を合わせます。



テント「なんて楽しそうなパーティでしょう!こんな宴があるのならば私も呼んでくださればよかったのに!」

MZD「FE30周年を本部なりに祝うささやかな宴なんだから外部の人間を呼ぶわけないだろ。何しに来たのー?」

ヴィル「今回の料理は中々の自信作なのだ。食べていかないか?」(切り分けた料理を皿に盛って手渡す)

MZD「なんでも美味しく食べるからってテントに早速食べ物を渡すな。後にして?」

タイマー(j)「本当だ。テントカントが親し気に話している…」

テント「おやおや?マドモアゼル達が4人も…。まさか貴方達もマジックを?」

ミミ「ノーマジック!テントさん、こちらはjunさんの世界のわたし達だよ!同じに見えてもお姉さんなんだ!」

テント「なんと!異世界のマドモアゼル達でしたか!ご存知かとは思いますが私はテントカント。この『コネクトワールド』のポップン支部で支部長をしております。どうぞお見知りおきを」



テントカントは4人いるミミニャミに驚くも、コネクトワールドのミミの説明を聞いてすぐに納得しました。流石は伝説のマジシャン。
…そういう話ではなかったはずです。一体何しに来たんです?



テント「おっと、そうでした。本日こちらにお邪魔したのはサクヤさんとベレスさんに用事があったからなのです」

ベレス「自分に?」

テント「はい。本日は彼女をベレスさんに合わせたくて一緒に来訪したのです」



そう言うと、テントカントはまだかと待ちくたびれている少女を呼び、ベレスの元へ連れてきました。
…彼女を顔を見てベレスははっとします。どうやら彼女の知り合いのようですね。そして、ベレスは彼女の顔をまじまじと見た後…『良かった』とほっと息を撫で下ろしました。



ベレス「『コンスタンツェ』…!無事だったんだね、良かった…」

エイリーク「彼女を知っているのですか?」

ベレス「うん。知っているも何も、士官学校で教師をしていた頃の教え子だからね。紹介するよ、彼女は『コンスタンツェ=フォン=ヌーヴェル』。魔導が得意なヌーヴェル家の御子息だよ」

コニー「おーほっほっほ!先生、ご紹介ありがとうございます。私は由緒あるヌーヴェル家の子息、『コンスタンツェ=フォン=ヌーヴェル』ですわ!この名を心に留めておきなさい!」

マルス「元気な人なんだね…」

ソティス「あー…。元々そういう小童なのじゃ。それでのう?外に出ると…一気に根暗になる」

MZD「二重人格なんだな…」

ベレス「『おしとやかになる』が正しいと思うよ、ソティス」

ソティス「訂正するのはそこではない!!……そんなことはどうでもいいのじゃ!おぬし、一体何をしにきたのじゃ?」



テントカントが会わせたいと言ってきたのはベレスの『元』生徒である『コンスタンツェ』でした。
…煤闇の章をプレイした方ならば分かると思いますが、彼女屋外と屋内で性格がガラッと変わる二重人格です。今は快活なお嬢様ですが、外に出ると根暗なお嬢様になります。他人の隣に立つのもおこがましいと言い始めます。



コニー「そうでしたわ!実は…先生、貴方に伝えたいことがあってこの方に連れてきてもらったのですわ。…逃走中の催しを行っている会場の近くに、『士官学校の生徒らしき人物』が3名程うろついておられた、と偵察係から情報を得ましてよ」

ベレス「―――えっ?」

サクヤ「士官学校の、生徒…」



行方不明の生徒…。そういえば#CR01のゲーム中、何か話していた生徒がいましたね!



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ヒルダ「実はね…。ここが逃走中のエリアになるって連絡が来た時…。全員いるか確認したんだけど、マリアンヌちゃんだけ『いつまで経っても来なかった』んだよ。
    あたし心配でさー。どこで何やってんだろ…」



ドロテア「『フェルくんが大修道院から見つからない』って」

ルイージ「フェル…?彼もエーデルガルトさんの学級のクラスメイトなの?」

ドロテア「ええ、そうよ。こんな大きな催し物に彼女が出ると言ったら、彼は絶対に対抗して彼女に会いに行くでしょうから。でも、全然見つからないから心配なのよね。
     エーデルちゃんなら何か分かるかもしれないし、伝えておいてくれないかしら?」

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ミミ「……あっ!そういえばエーデルちゃん言ってた!『自分の学級のクラスメイトが1人行方不明で、今も見つかってない』って!確か…『フェルディナント=フォン=エーギル』って名前の生徒だったような…」

コニー「偵察の方からのご報告ですと…。お一方は『橙色の髪の毛で制服を着ており』、もうお一方は『水色の髪の毛を頭上で結んだ女性』、そして最後のお一方は―――『槍を持っていた王子らしき人物』とのことですわ」

ベレス「その情報が間違いなければ、橙色の髪の毛の男性は『フェルディナント』、水色の髪の毛の女性は『マリアンヌ』で間違いなさそうだね。…まさかここで見つかるなんて」

エイリーク「『槍を持っていた王子』…?すみません、もう少し詳しく教えていただけませんでしょうか?!」



コンスタンツェの情報によると、バトルデラックス会場の近くで誰かがうろついているとの報告を偵察部隊から得たそうなのです。
特徴からして#CR01で話していた行方不明の生徒2人、そして……最後の『槍を持った王子らしき人物』は。



エイリーク「髪の色!私と同じではありませんでしたか?!それに、ルネス王家の…」

マルス「エイリーク!落ち着いて!1つずつ聞いていこう」

コニー「そうですわね…。私が実際に見た、という話ではありませんので確実性に欠けるお話ではありますが…。確かに、偵察部隊の情報をまとめると、貴方のような髪の色をしていたとの報告もありましたわね」

エイリーク「―――!やはり……兄上が見つかったのですね…!」



そう。最後の1人は行方不明のエイリークの双子の兄、『エフラム』で間違いありません。
槍を持った王子はディミトリもいますが、そもそも彼は1回目の逃走中に逃走者として出ていますからね。現在もガルク=マクにて学級の生徒を率いているようですし、彼でないのだとしたら…エフラムしかあり得ません。
兄が見つかった可能性が高いことを聞き受け、エイリークは思わずへたり込みます。



ニャミ(j)「だ、大丈夫?エイリーク?」

エイリーク「は、はい…。安心したら何だか腰が抜けてしまって…」

ソティス「じゃが妙じゃのう。何故に会場の近くをうろついておったのじゃ?マリアンヌはともかく、残りの2人はそんな何もなしにうろつくような性格ではあるまい」

コニー「そう!問題はそこなのです!何故会場に入らずに近くをうろついているのか、私にはさっぱり分かりませんわ」

テント「そのことなんですけれど…。もしかしたら私、その件に関して有益な情報を与えられるかもしません」

ヴィル「藪から棒に何だ?言ってみろ」

テント「あのエリアに…曰く付きの古い昔話があるんです。あの大王がバトルデラックス会場を創るずっと昔…『地下に、処刑場のような場所があった』とかなんとか…。もしかしたら、そのお話の3名は『地下の処刑場を探している』のでは―――?」

エイリーク「そんなことはありえません!兄上が処刑などをするはずは―――!」

MZD「…ヴィル。どうしたの?眉間にしわ寄せて」

ニャミ「何か心当たりでもある感じかな?」





ヴィル「あぁ。魔族に伝わる古い話の中にその処刑場がある話があったのを思い出してな。―――魔族、か。もしかしたら彼奴等が絡んでいる可能性があるな」

MZD「また邪魔しに来るのかなー…」

サクヤ「否めませんね。…エイリークさん、メインサーバで会場の周りの様子を見てみましょう」

エイリーク「お願いします。兄上の無事を自分の目で確かめたいのです…!」

サクヤ「善は急げと言いますからね。えむぜさん、兄貴。パーティの管理は任せました」

MZD「おう、任された!ちゃんと兄貴の元気な姿見て来るんだぜエイリーク!」

アクラル「サクヤに任されたからには一肌脱ぐしかねーな!お兄ちゃんに任せとけ!」



見つかった3人の様子が変。そして『地下の処刑場』の噂ですか。
サクヤは早いところ様子を見た方がいいと、エイリークとベレスを連れてメインサーバへと向かいました。





~メインサーバ~



サクヤ「お待ちください。今会場の周りを―――これは……!」



バトルデラックス会場の周りのカメラに通信を繋げました―――が。
そこには、『恐ろしい光景』が映っていました。



エイリーク「あ、兄上……!」

ベレス「フェルディナント…マリアンヌ…どうして…!」

サクヤ「(―――彼らは正気ではない。まさか……『道化師』の介入が既に始まっている―――?!)」



画面には、獣をバラバラになるまで斬り裂き、『何かを探している様子の3人』が映し出されていました。
その眼には―――光など、宿ってはいませんでした。まるで、『意志のない人形』のように、彼らは剣を、槍を、魔法を―――振るっていたのです。





折角の30周年のお祝いになんて事実が発覚するんですか?!
エイリーク、エフラムと再会できそうだったのに!正気じゃない可能性が高いなんて!あんまりだぁー!
…話を戻しましょう。前回の最後、メフィストが妙なことを話していましたが―――繋がりそうですね。
一体どうなってしまうのやら…。また逃走中の本編に影響が出てしまうんでしょうか…くわばらくわばら。