二次創作小説(新・総合)

ABT⑦『はじまりの作戦会議』 ( No.79 )
日時: 2020/05/06 22:11
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: ACwaVmRz)

さーて、MZDとソティスの居場所が分かった今、救出する為作戦会議をしましょう!
その前に、ベレスがみんなに言っておかなければならないことがあると言います。何でしょうね?

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~メインサーバ~



マルス「ごめんね。遅れちゃった」

ヴィル「作戦会議だったな。時間が惜しい、早く始めよう」

アクラル「サクヤの言った通りとんでもねー切り替えの早さだな。さっきまであんなに焦ってたのによ」

ヴィル「焦ってばかりでは周りが見えていないと真上から水をかけられてな。お陰で目が覚めた」

アカギ「さ、寒そう…」

サクヤ「実際に水をかけたわけではありません。変な想像をしないでください。…お待ちしておりました。それでは、作戦会議を始めましょう」



ヴィルヘルムとマルスがメインサーバへと入ると、既に彼ら以外の運営本部が全員揃っていました。
今回は緊急事態だということで、ゼウスとルーファスも特別に会議への参加の許可を貰っています。…立ち話も早々に、サクヤは今回の『作戦』についてみんなに話を始めました。



サクヤ「―――今回、我々が成し遂げなければならない事項は2つ。『えむぜさんとソティスさんの救出』、そして『フェルディナントさん、マリアンヌさん、エフラムさんの洗脳解除及び保護』です。…しかし、総出で処刑場へと向かってしまえば『道化師』に本部がまたいつ襲われるか分かりません。そこで、今回は『処刑場へ向かい救出活動を行う軍』と、『拠点である運営本部を守護する軍』の2つの軍に分けたいと思います」

霊歌「なるほど!『救出組』と『守護組』ってことね!」

クルーク「どうして短縮したがるのかな?」

jun「軍とか堅苦しいよ!その呼び方に僕も賛成!…って、呼び方の話をしてるんじゃなかったよね。サクヤさん、救出組はやらなきゃいけないことが2つあるから、『人数の比率を多めに』した方がいいかもしれないよ?」

サクヤ「私もそう思っておりました。洗脳されている3名がえむぜさんとソティスさんに危害を加えないとは限りません。…ですので、人数の比率を『7:3』程に分けたいと思います。まず戦えない皆さん、それから今回お手伝いに来てくださった異世界の方々は私と兄貴と共に『運営本部の守護』をよろしくお願いいたします」

ニャミ(j)「えーっ?!サクヤさんの世界のミミがあんなに落ち込んでたのに黙ってられないよ!あたし達戦えるし、加勢するわよ?!」

ミミ(j)「そうだよ!あのマホロアって奴に今凄く腹が立ってるんだから!ここの世界の私を、あんなに悲しませて…許せないの私達!」

アクラル「待った待った。相手は俺達の理解の未知数の相手なんだぜ?そんな相手にただ怒りだけで戦って、重症どころじゃない怪我を負ったらどうする?元の世界に帰れなくなるなんて嫌だろ?俺達にはお前達を『ゲーム終了まで怪我させない』っていう責務があるからな。得体のしれない場所には連れていけねぇ」

jun「…ミミ、ニャミ。気持ちは僕も痛いほどわかるし、MZDとソティスさんを助けたいのは僕も一緒。でも、今回はお願い!ここで僕達と一緒に運営本部を守ってくれない?」

タイマー(j)「僕からもお願いするよ。君達が怪我しちゃったらミニッツにどんな顔すればいいか分からないし…。ニャミちゃんが傷付くの見たくないし…」

サクヤ「心配しなくとも大丈夫です。私が言うのもなんですが、本部にはとても強い精鋭が揃っています。―――『本気を出せば、世界すら壊してしまうレベル』の方々だっているのです。それでも行きたいというのならば私は止めませんが。ミミさん、ニャミさん、どうしますか?」



目の前で悲しむサクヤの世界のミミを目の当たりにしてしまったjunrisの世界のミミニャミは、自分達の怒りをどうにかして道化師にぶつけたいと考えていました。しかし、相手は未知の敵。お手伝いとして来てくれてはいるものの、あくまで『お客様』。怪我をさせるわけにはいきません。
作者であるjunrisとタイマーの説得、そしてサクヤが彼らの言葉を後押しするように優しく彼女達に語りかけます。彼女達はしばらく押し黙っていましたが、彼らの説得に折れるように小さく頷きました。



サクヤ「霊歌さん、ねこさん、そしてjunrisさんはコハクさん、罪木さんと排球部の皆さんと共に後方支援を。ミミさんとニャミさんは私、兄貴、石丸くん、田中くんと共に本部の護衛…そして、ゲームの運営の補佐をお願いします」

霊歌「分かったわ!みけ、後方支援だって!がんばろうね!」

ねこ「いっしゅくいっぱんのおんぎ……はたします……」

罪木「それはちょっと違うと思いますぅ…」

石丸「ご飯を食べさせてもらったんだから半分は意味が合っているのではなかろうか。いやそういうことではない!…とにかく、僕達のやるべきことは『運営本部にもう1mmたりとも敵を攻め込ませないこと』だ!とどのつまり防衛戦というわけだな!」

西谷「おー、防衛戦か!なんかスゲーことになってきたなぁ!」

黒尾「盛り上がってるトコ悪いけど、ノヤクンは戦えないから後方支援よ?」

西谷「分かってますよ!言ってくれればやれることはじゃんじゃんやるから、頼りにしてくれよな!」

サクヤ「それは頼もしい。その他の皆さんは…霊歌さんの言葉を借りて『救出組』といたしましょう。準備が整い次第処刑場へと向かってください。そこで、『3人の洗脳を解く時間稼ぎをする組』と、『えむぜさんとソティスさんを救出する組』に分かれてください」

ジョマンダ「分かった。…サクヤ、引っかかる言い方だな。『時間稼ぎ』なんて。どういうことだ?」



天の声もそこに引っかかっておりました。ジョマンダが質問をすると、サクヤは少し考えた後みんなに向かってこう返しました。



サクヤ「ゼウス様。彼らが洗脳されている原因…恐らく、現在逃走エリアにいらっしゃるデデデ大王と『一緒』だということで正しいのですよね?」

ゼウス「…困ったことにのう。そして、彼奴等を操っている『原因』…。ドラマの時に出てきた『紫色の壺』なのじゃ。つまり…あの大王を何とかせねば洗脳は解けぬ」

リピカ「つまり、私達に『原因を何とかすることはできない』から、サクヤは『時間稼ぎ』って言ったんだな」

サクヤ「そういうことになります。…先程も伝えました通り、洗脳されている3名がえむぜさん、ソティスさんを襲う可能性がございます。処刑場に到着しましたら、素早く二手に分かれて行動してください」

マルク「分かった!ボクはマホロアがジャマしそうな方につくからな!」

ベレス「…そのことなんだけど。サクヤ、自分から言いたいことがあるんだ」

サクヤ「伺いましょう」



ドラマパートでコピーカービィを暴走させた原因であるあの『壺』。確かデデデ大王がいる場所にありましたね。その壺が原因で、デデデ大王を含む4人が洗脳されていましたとゼウスは進言しました。
つまり、『原因』を排除できるのは逃走者のみ…。つまり、本部と逃走中が一体となって動かなければ彼らを救うことは出来ないという訳ですね。
サクヤは素早く二手に分かれることを伝えた後、『言いたいことがある』というベレスの発言を聞くことにしました。



ベレス「―――まだ、みんなに言ってなかったことがあるんだ。ソティスのことなんだけど…。ソティスは元々『幽霊体』で、この世界に混ぜられてから実体を得たことはみんな知ってるよね?」

マルス「うん。本人もそう言っているし、ぼくもそう思っているけど」

ベレス「自分も最初は『全員に』見えていると思っていたんだ。だけど…違った。1回目の逃走中が終わった後、エーデルガルト達に一緒に声をかけに行ったんだけど…。彼女達には見えていなかった。つまり、『ゲーム中の逃走者』と『運営本部に関わる者』にしか姿は見えていなかったんだ」

jun「確かに、打ち上げの時にはベレスさんしかいなかったような…。その時も、近くにソティスさんがいたの?」

ベレス「うん。元々ソティスは私の心の中にいた存在だからね。この世界に飛ばされて、実体を得た後も…雛鳥のように自分の後を付いていっていたのはよく覚えてるよ」

エイリーク「ですが…。マホロア殿は、神様とソティス殿を『両方捕まえて』、処刑場へと行ってしまいました。『道化師』の皆さんにも見えているのではないのですか?」

ベレス「今回言いたかったのはそこなんだ。どうして彼らにもソティスの姿が見えていたのか…。『道化師』側で自分達にまつわる『何か』を知ってしまったか、とか…。ソティスを捕まえられた以上、自分達の思っている以上に彼らは『情報を得ている』可能性は高いんだって伝えておきたくて」

サクヤ「そうですか…。貴重なご意見ありがとうございます」

ベレス「そこで自分から提案があるんだけど…。『神様とソティスを助ける軍』の比率を少なくしない?時間稼ぎの方に人数を多くして搖動して、道化師達の目を欺いている間に最少人数で救出に向かった方が素早く動けるよ。救出は自分とヴィルヘルム、あと…マルスの3人で行こうと思う」

クルーク「えっ?3人で大丈夫なの?!」

ヴィル「…いや、私もそうしてもらった方が有り難い。寧ろ救出に人数を割いてしまうと、一度の失敗で全てを失う可能性があるからな。それに…『処刑場』を知っている者の動く範囲は別々の方がいいだろう」

サクヤ「なるほど。ヴィルさんには地下の『処刑場』の封印も解いてもらわねばなりませんし…。分かりました。『2人の救出』は3名に任せます。その他の皆さんは、処刑場に付きましたら洗脳中の3名を搖動し、大いに暴れてください。ただ、戦闘は最小限にとどめてください。我々の目的は『勝利』ではありません。あくまでも『救出』と『保護』が最優先です。目的を果たし次第、迅速に本部に戻ってきてくださいね」

ニア「…あら、釣れませんのね?サクヤのことですから…『殲滅させるまで暴れてください』とでも仰られるかと思いました、わ」

サクヤ「それは昔の話です。今は…沢山の世界が混ざってしまった『今』は、昔とは事情が違うのです。守らねばならない『世界』がそこにあるのならば、私は全力で守り通すだけです」



一通りの動きが決まった後、サクヤは改めて作戦の説明を行います。



サクヤ「それでは作戦の一部始終を今一度説明いたします。
    まず、ヴィルさんとベレスさん、マルスさんが先行して逃走中のエリアへと向かってください。『エントランス』に、デデデ大王さんのいる場所に向かうエレベーターを用意するタイミングと一緒に、逃走者の皆さんに『地下への封印を解く手伝いをしてほしい』と連絡いたします。彼らと連携後、ヴィルさんは地下への封印を解いてください」

ヴィル「承知した。逃走者が使用するエレベーターとは別のものを用意するという認識でいいのだな?」

サクヤ「はい。詳しい位置は時間になったらお知らせします。ヴィルさんが封印を解いたら、残りの皆さんで地下へと向かってください。その後、3名は『えむぜさんとソティスさんの救出』、そして残りの皆さんは『操られた3名の搖動、そして時間稼ぎ』を行ってください。フェルさん、マリアンヌさん、エフラムさんの洗脳が解かれ、えむぜさんとソティスさんを救出できたならば、必要以上の戦闘は避けて本部へと戻ってきてください」

アカギ「搖動側は俺が指揮を執る…。初めてだけど、遠慮はしないでいくから…な」

リピカ「寧ろ遠慮されたら困るのさ。ビシバシお願いするのさ!」

サクヤ「そして、私と兄貴、非戦闘メンバーは『運営本部の守護』。外敵を中に入れないよう本部の見回りを中心に行動をお願いします。霊歌さん、junさんは私と共にここに残り、ゲームの進行補助と処刑場に向かっている方々のサポートをお願いします」

jun「分かったよ!つまりはオペレーターってことだよね!」

霊歌「精一杯頑張るわ!絶対ハッピーエンドを迎えてやるんだから!」

アクラル「その他の奴らは俺が指揮を執る。しっかり言う事聞きやがれ!」



一通り説明を終えた後、サクヤは今一度深呼吸をします。
…神とはいえ精神はまだまだ子供。処刑場にいる彼らは、内に秘める恐怖がないわけではないだろう。サクヤはそう思っていました。
そんな彼らを救う為、今は動かなければ。彼女のその気持ちは、ただ『前』を向いていました。



サクヤ「―――それでは、合図次第『処刑場潜入作戦』、開始します!」





全員『おーーーーー!!!』





メインサーバに響き渡る大きな威勢のある声。それは、運営本部の心を1つにしていました。
…処刑場潜入作戦、うまく行くといいですね!