二次創作小説(新・総合)

ABT⑥『混沌落下☆注意報』 ( No.94 )
日時: 2020/06/25 22:01
名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: LdHPPNYW)

ゲームも終盤へと差し掛かっている逃走中#CR04。
前回大人しかった『あいつら』が運営本部に殴り込み…?!ATTENTION!ATTENTION!急な混沌にご注意ください!

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~運営本部 メインサーバ~



サクヤ「いやはや、最初に『裏切り者システム』を搭載しようと提案された時はどうかと思いましたが…。思いのほか面白い逃走中が進んでいますね。今までとは違うものを味わえたような気分です」

黒尾「だっろ~?過去3回のデータベースを見せて貰ったけど、全部『仲間と協力』するタイプのミッションや通知が多かったダロ?たまにはこういう『逃走者同士が敵』な回も面白ェと思って提案させてもらったんだけど、中々上手く嵌ってこっちも嬉しかったよ」

ベレス「これが戦争であれば私は嫌だったけど、ゲームだもんね。誰かが死ぬわけじゃないし…意外な人の心理戦が見れて楽しいよ」

罪木「裏切り者さんがもう少し頑張ってくだされば『アレ』の開催も久しぶりにできますし、今回は中々面白い逃走中になりそうですよぉ!」

MZD「思い切ってメインの案出しを清多夏達に任せて正解だったな!いやー、世界が混ざっていいこともあるもんだねぇ」



こちらは逃走中のゲームを見守っているメインサーバ。
どうやら今回の裏切り者システム、最初に案を思い付いたのがまさかの黒尾。まぁこういうクレバーなシステムを搭載するなら彼かなぁとは思っていましたが。本人もここまで面白い動きになるとは思っていなかったようで感心しています。
罪木さんの言っていた『アレ』?ほら、アレですよアレ。灯焔氏が絶賛制作難航中の『アレ』です。それはともかく、今回は(^ω^)達も割かし大人しく協力的だったので混沌にも襲われずに済みそうですねぇ。前々回、初回とかなり大変な目に遭いましたからねぇ。



ヴィル「思い出させるな。2回目の際にあの4人を始末するかの如く槍を振り払っていたあの子が微笑ましかったなどと」

MZD「微笑ましかったんだ?!いやラスボスなのは充分分かってるけどさ、止めてよ!!」

マルス「ヴィルさんも時たま悪役っぽさが抜けてないときあるからね…。そういえば人形のぼくは?」

アイク「あいつか?影みたいな奴と一緒に遊んでいるはずだが。さっきおろさん所のロボットと一緒にエントランスに向かっていくのを見たぞ」

おろさん「遊び相手になってるんじゃない?」

西谷「特にトラブルも起きそうになかったし、そのまま遊ばせてていいんじゃねぇか?」



ここまで追ってきてくださっている皆様ならば分かるかと思いますが、コネクトワールドには『カオス軍団』なる集いが存在しておりまして。他の世界みたいに『裸族』などという破廉恥な集団はいませんが、お騒がせ度で言ったら対等だと言える集団です。
1回目、2回目とも自前の武器を持ってきて打ち上げパーティを滅茶苦茶に。何度打ち上げ会場が壊れそうになったかはもう数えたくありません。



MZD「色んな意味で道化師より厄介なヤツ等だからな。クロムも最近『娘がおかしくなった』って落ち込んでたよな」

マルス「マリオとカービィの受け売りを素直に表現しちゃった結果なんだろうけど。…クロムには同情することしかできないよ」

石丸「流石に3回目は大人しかったからな!4回目も空気を読んでくれることを期待したいものだ…」



そう。ヴィルヘルムの正体が分かった3回目は流石に空気を呼んだのか現れませんでした。まぁVENUSライブの時に乱入騒ぎはありましたが…。今回もそうであって欲しいと口にした石丸くんでしたが、―――そう現実はうまく行きませんよね。彼がその言葉を言い終えたと同時に。







『キサマライイカゲンニシローーー!!!!!』







何者かの怒鳴り声と爆発音がメインサーバに響いてきました。な、何事ですか?!
急に耳に入ってきた轟音に驚く一同。



木兎「な、なんだぁ?!」

百鬼姫「敵襲か?!」

ヴィル「…にしては爆発音が軽すぎる。様子を見てくる。戦えぬ者と委員トリオはここで待っていてくれ」

MZD「何かあったら連絡する。ちょっと行ってくる」

サクヤ「お気をつけて。…全く。お二人とも自分の立場を分かっているんですかねぇ」

田中「闇の道化と光の神。双反する存在であるからこそ安寧が降り注いでくるとはよく言ったものだろう」

石丸「それに、マルス王子とベレス君、ソティス君もついていったようだからな!敵襲でない可能性が高いのなら大丈夫だろう」

サクヤ「…そうだといいんですが。嫌な予感がします」



どうやら戦闘沙汰にはなっていないようですが、気になりますね。
様子を見て来ると一部のメンバーが出ていくのを見送りながら、サクヤは『無茶しますね、全く』と小さく零したのだとか。
…さて、エントランスの様子を見てみましょう。















~運営本部 エントランス~



ハテナ「~~~~!!!」(口を抑えながら悶えている)

ロボット(お)「イイカゲンニシロキサマ…。何をしに来た…!」

まるすちゃ「まるまるる~!」



あれれ?エントランスで遊んでいたんじゃないんですか?
ロボットが誰かに向けて怒号を飛ばしているようですが…。―――あっ。





ごくそつ『なんだよこのぼくが直々に来てやったっていうのにさ!あ、きみはおろさんさんのところのロボットだね~?裸族のみんなは元気?』

ロボット(お)「何が『元気』だ。何故私が裸族などの様子を見なければならんのだ!私は裸族が大嫌いなのだ!」

マリオ『あ、裸族とフィーバーしたぶりだね!元気だったロボット君っ!』

カービィ『怒ると老けるぞ~?もっとぴっちぴちでいたいなら笑う方がいいよ!ボクみたいにね!』

ルキナ『ここで皆さんとお会いするのは初めてですよね…?マルス様は元気でいらっしゃいますでしょうか?まぁ!まるすちゃんも元気そうで良かったです!』

まるすちゃ「まる…」(ガクブルガクブル)



ロボットが怒号を飛ばしていたのは『カオス軍団』の中でも『核』として活動している4人でした。ちなみに『核』になっている面子はあと3人ほどいるんですが…それはまた違う機会にと言う事で。
そういうことではありません。何しに来たんですか。そしてハテナに何食わせたんですか。



ごくそつ「ぼくがよりをかけてつくった『ケーキ』だよ!ピーチ姫の美味しいレシピを参考にしてぼくが改良したのさ!味見はしてないけどね!」

ルキナ「色々材料を増やしたので美味しさも倍増のはずですよ!」

ロボット「それにしてはこの影が悶えているようだが…何を入れたんだ?」

カービィ「ボクが『コック能力』を使ってそこら辺にあるもの全部入れたんだよ!咲いてあった花でしょ?ワドルディでしょ?洗剤でしょ?それに小麦粉じゃがいもソーセージ…」

ロボット「明らかに食べ物じゃないものが入っているだと?!そんなものを私にぶつけようとしていたのかオマエラ!」



おい。後半はともかくして前半3つ。食べ物じゃない。それをコック能力で混ぜ混ぜしちゃったんですか。確かカービィ貴方『食べる専』でしたよね?
―――そんなケーキをごくそつくんがまたもや大砲にして撃って、恐らくロボットを守る為にハテナが食べちゃったんでしょうねぇ。彼、何でも食べちゃいますからねぇ。
わーわーと騒いでいるのが響いていたのか、メインサーバから様子を見に来た5人もカオス軍団の4人を目に捉えました。



ハテナ「(えむえむ~!)」

まるすちゃ「まるる~!」(ぴえん)

マルス「ど、どうしたの?何があったの?」

ヴィル「(即座に魔法の詠唱をするがMZDに口を手で抑えられる)」

MZD「本部ぶっ壊れるから魔法放つのやめろ。…何しに来たの?」

ごくそつ「きょひょ!おまえたちだけずるいんだよー!前回だってなんかおまえらだけとんでもない重要な秘密握ってるんだよー!ずるいよー!」

MZD「メタネタやめろ!お前には関係ないだろ!それにハテナに何食わせたの?すっげー悶えてるんだけど。…大丈夫ハテナ?」

ハテナ「(首をぶんぶん振っている)」

マルス「きみ達4人ということは、また碌でもないことをしに来たのかな?…ルキナ、クロムが心配しているからもうこんなことは止めた方がいいよ」

ルキナ「いいえ!マリオさんとカービィさん、そしてごくそつさんは私に『新しい世界』を見せてくれました。絶望の未来しか知らなかった私に見せてくれた『平和』そのもの…。私は彼らに恩返しがしたいんです!」

マルス「最もらしいことを言っているみたいだけど全然平和じゃないからね?!」

カービィ「マリオとボクが逃走中に参加したってことをごくそつくんに話したらさ、『ぼくも逃走中を支配したいんだよ~!』とか言って、こっちに突撃したんだよね!で、ボク達も面白そうだから追ってきたってワケ!」

マリオ「とにかくサクヤさんとボク達は話がしたいんだよ!『逃走中の手伝いをさせてくれ』ってさ!」

ヴィル「…成程。貴様等はそんなに魂を崩したいのか。ならばいいだろう、容赦なく灰にして『ああもう!お前らの言い分は分かったから!もうゲームも終盤近いけど話すだけ話してみる?』…MZD、邪魔をするな」

MZD「ここでオレが説得しても帰ってもらえなさそうだし、一応サクヤと話し合いの場は設けてあげる。だけど、期待通りに行くとは思うなよ?こっちだって本部ぶっ壊されたら困るんだから!」

ソティス「(後半の方が本当の理由そうじゃがな)」

ベレス「(言わないでおこう)」



どうやらごくそつくんが逃走中を支配したいようで。他3人は彼にくっついてきたということになりますね。
これはサクヤと話し合いの場を設けなければ帰ってもらそうになさそうです。MZDは『仕方ないなぁ』と1つため息をつき、4人をメインサーバに案内することにしたのでした。ロボット達も彼らに続き、メインサーバへと移動しました。





~運営本部 メインサーバ~



おろさん「ロボットどうしたの?なんでそんなに怒ってるの?裸族はいな……あー。」

サクヤ「成程…。理解しましたよ」

MZD「こいつらが『逃走中の手伝いがしたい』って言うもんだからさ。いくら言い返しても帰ってくれなさそうだったし連れてきちゃった」

ベレス「でも、これからミッション③を発動するところなんだよね?手伝いと言っても…やることがないんじゃいて貰うことしかできないと思うんだけど…」

サクヤ「ふーむ。……あ。いいことを思い付きました」



メインサーバに現れたカオス軍団の4人と怒り心頭のロボットを見て事態を察する一同。
MZDが事の顛末をサクヤに話すと、彼女は少し考えた後に何かを閃いたように目を見開きました。



ヴィル「どうした。何かいい考えでも思い付いたのか?」

サクヤ「ええ。中々に妙案だと思います。…カオス軍団の皆さん。私達の逃走中を『お手伝い』していただけませんか?」

カービィ「えーっ?!そんなあっさりでいいのー?!良かったねごくそつくん、ボク達お手伝いできるってよ!」

ごくそつ「きょひょー!どういう風の吹き回しかは分からないけど、ぼく達がんばるよー!」

マリオ「1回目に続き4回目もボクのスーパースター性を見せてやるんだからね!」

ルキナ「私もいいのですか?!皆さんのお役に立てるよう頑張りますね!」



どうしたんですか急に。サクヤのことだから突っぱねるかと思いましたよ。
あまりにもあっさり過ぎる『お手伝いOK』に、本部の面子も何も言えなくなっています。
彼らを尻目に、サクヤは4人に『手伝ってほしい内容』を伝え、エリアへと4人をワープさせました。…そして。



サクヤ「えむぜさん。マルスさん。『ポップン支部』と『スマブラ支部』に一報お願いします」

マルス「えっ?」

MZD「どういうこと?」



―――意味が分からないとサクヤの顔を見たのが間違いだったのかもしれません。
…彼女は、4人を『弄ぶ』笑顔を見せていたのですから。





サクヤ『―――今とても大事な『ソーシャルディスタンス』という奴ですよ』

MZD「(悪魔だ…!)」

ヴィル「(最早神の域ではない…!)」



珍しくほくそ笑む彼女の表情を見たポップン界のM&Wは一瞬背筋が凍っていたそうな。






















~チューンストリート 商店街~



ミミ「いやー!お洋服沢山買っちゃったねー!これ、ジャックやヴィルさんに似合うかな~?」

ニャミ「大丈夫!あたし達のセンスは一級品だし!それにさ、ジャックってば仕事着しかないんだってー!こんなにかっこいいのに勿体ないよねー!」

ジャック「おい。別に荷物持ちとしての役割はいいんだが俺に服は必要ないぞ」

ニャミ「えーっ?せっかくジャックだって本部所属になったんだからさ、ちょっとくらいおしゃれしたっていいじゃーん!素材はいいんだから!」

ミミ「ヴィルさんもそうだけど、あんまり服持ってなかったのビックリしたよ。フィッティングルームに詰め込もうとすると2人共何故か逃げ出すしさー。MZDにいっつも止めて貰ってるから服の採寸とか出来るんだよねー。ヴィルさんは超美人だし、ジャックはかっこいいし、もったいなーい!」

ジャック「服の採寸どころの話じゃないからだろ?!お前ら無意識に人殺す目になってんの自覚しろ!」

ミミ「えーっ。しっつれーだなー」



…仕事ほっぽって何やってるんですか。今まで出来なかったことをしよう、とミミニャミは積極的にジャックを連れて街へお出かけ。MZDにも彼女達の意図はしっかりと伝わっている為大目に見ています。
どうやらジャックとヴィルヘルムに服を買っていた様子。そういえば2人ともそんなに服のバリエーションありませんでしたね。…彼らのフィッティングルームの攻防は割と見てて面白いんですが、それはまた別の機会にしましょう。

そんな平和な時を過ごしていた3人の背後でした。これが『物理攻撃』であれば、ジャックが気付けたかもしれません。しかし―――。





























『楽しそうにおしゃべりィ?―――俺も混ぜろよぉ♪』





―――彼女達の意識は、暗転した。