二次創作小説(新・総合)

Re: 【】 ( No.26 )
日時: 2021/03/04 23:01
名前: 海未ちゃんが気になる ◆Jx1Vgc1Dso (ID: XWWipvtL)






[2.巴の話に乗って真実を話す]

 巴のこの反応だと、どうやら何も知らないらしい。ことりちゃんが好んでこういうのを知りたがるようにも思えないし、この場であの音に関する怪談を知っているのは俺だけ、のようだった。ことりちゃんには申し訳ないが、この音はきっと「ちょーだいまぁーちゃん」ではないだろうか。出会っても困るが、相手が何者か、そしてどう対処すればいいのか、
これに関しては分かっている。だから、伝える必要がある。

「ことりちゃん、ごめんだけど話さないと俺たちは死ぬと思うから話すよ」

 ゆうきの穏やかな口調にことりは最初こそ不安そうにしていたが、うんと頷くと、
ゆうきは息を吸って話し始めた。

 ちょーだいまぁーちゃん、は体から血を滴らせている女の子である。見た目は小学生くらいの女の子なのだが、実際は高校生であり、死んだ女生徒が仲間を増やすために旧校舎にいる生徒に近づくのだ。
まぁーちゃん、というのは死ぬ以前のあだ名であり、本名は「前田麻耶」という。
このまぁーちゃんは迷い込んだ生徒に何かを要求するが、それに一度でも応えたらラストは決まってまぁーちゃんのお仲間、つまりは死ぬ羽目になるのだ。
そして、まぁーちゃんに出会ったら、本名の「前田麻耶」と、そして「ごめん、まぁーちゃんとは友達になれないよ」。こう言わないと、駄目だ。
そう言わないと連れてかれる。友達になるもんか、とかそんな刺激的な言葉も当然駄目だ。
そんなことを言ったらまぁーちゃんは激怒して呼吸する暇さえなく殺される。どんなふうに殺されるかはランダム。だって、怒り狂ってるんだもん。仕方ないよね。
 このことを俺はことりちゃんと巴に伝え、対処法に関しては何度も念押しして伝えた。
すると、またあの音。それもさっきより近い場所で聞こえてきた。
そして暗がりに慣れてきた目がこんな時になって目の前の人影をうつした。

「もしかして、あれが」

「そうだよ、あれが」

 目の前に現れたのは、あのまぁーちゃんだった。でも、大丈夫。

「俺が本名を言うから、二人はそのあとを頼んでいい?」

「うん、わかったよ、ゆうきくん!」

「了解、しくじらないでね」

 そして、何も言わず笑顔なまぁーちゃんに向かって、

「前田麻耶!」

俺はそう叫んだ。それに続いて、

『ごめんね、まぁーちゃんとは友達になれないよ』

 ことりちゃんと巴が続けてそう言った。すると、

「ふーん、そうなんだ。そうだね、君たち、凄く仲良し……まぁーちゃん、そういうの邪魔しない、いい子」

 そう言って、まぁーちゃんはすぅーと姿を消していった。話せばわかるタイプで助かった。

「もう、大丈夫なんだよね。は、早く学校から離れよう!」

 そんなことりちゃんの声に俺らは慌てて学校を後にした。
そして、また明日も会おうね、と約束して。

 そして、次の日。自分がちゃんと起きたことを確認した。
あんなことがあった夜なのによく眠れたな、と自分では思っていたが、
時計を見て気づいた。現在の時刻は……もうすぐで昼休みの時間だった。
慌てて着替えて必要なものだけ持って家を飛び出した。

 学校に到着して、遅刻届を職員室に提出してから教室に向かうと、
それを見つけたことりちゃんがもうっ、と嬉しそうな声を上げてこっちにやってきた。
その後方には巴がやれやれ、といった様子で一人で持ってきていたお弁当を頬張っていた。

「ゆうきくん、無事だったんだね! 朝会えなくて、学校にも来てなかったから
本当に心配しちゃったんだからね! だから、ことりを心配させた罰としてー」

「ば、罰として……?」

 思わず、唾をゴクリと飲み込んだ。こんな笑顔が天使なことりちゃんが変なことを言うはずがないことくらい、わかっているのに。

「今日はカラオケ、明日は放課後デート! 勿論、どっちもゆうきくんの奢りだから!」

「あ、と、巴、一緒に来るよな? 俺、今月ピンチで助けて欲しいんだけど」

「デートくらい二人で楽しめ。ってことでお二人さん、私は図書室に用があるんで、ご達者で!」

 あぁ、くそっ! 巴に逃げられてしまった。あぁ、でも……。
この目の前の天使の笑顔に俺は、お、俺は……!

「わ、わかったって! あんなことがあったんだから、今日は目いっぱい楽しむぞ!」

「今日だけじゃなくて、明日もだけどね?」

「うわぁぁぁぁぁぁっぁぁー!」



 これにて一件落着、とな? 他のENDも回収する?
[はい>>24
[いいえ]
mo