二次創作小説(新・総合)
- ABT④『光と開く世界』 ( No.49 )
- 日時: 2020/08/21 22:01
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: oKgfAMd9)
暗闇の障壁の対策を練っている最中、マルス達FEキャラ達はエクラについて話をしていました。
ポップンのエクラとFEのエクラ…。彼女の存在が、どう世界に影響するのでしょうか。
------------------------
~学都プレロマ~
アルフォンス「そういえば、この世界で出会ったマルス王子達が知っている『エクラ』…。特徴をまだ聞いていなかったよ。教えてくれるかい?」
マルス「そうだね。人型…なんだけど、常に浮かんでて…両手が離れてたり…。人間みたいだけど、人間じゃない雰囲気をしているね」
ベレス「そりゃ神様って言ってるからね…。でも、自分達が知っていた召喚士のエクラとは全然違う姿形なんだ。実際に会ったら驚くだろうね」
シャロン「ですが!同じ名前を持っているなら関係がないはずがありません!会ってみたいです、そのエクラさんに!そして正体が何であろうがお友達になります!」
プレロマの中を進むマルス達。サクヤから『北地区の障壁の解析が終わるまで個々道化師に気を付けて待機』との指令が出た為、FEシリーズの人物達はまとまって待機をすることにしていました。まぁ、知っている人が近くにいた方が安全の程は段違いですものね。
アンナ「…で、話を戻すけれど。この暗闇の向こうに『エクラ』がいるのよね?…私達が知っているエクラとは違う人物かもしれないけれど」
アイク「あぁ。障壁を張ってまで俺達の行く末を邪魔するんだから、あの暗闇の向こうにいるのは確実だろう」
アルフォンス「人であって人でない、か…。やはり実際にこの目で見てみるまでは想像がつかないな…」
ソティス『ほっほっほ!困っているようじゃのう!このわし自ら協力してやらんでもないぞ?!』
シャロン「ソティスさん?!そういえばベレスさんとは別に一人で立っていましたよね。あれ、私が知っているソティスさんはそんなのではなかったはずですが…」
ベレス「色々あってね。…それでソティス、何を協力してくれるつもりなの?」
アルフォンスはマルス達の説明だけではやはり想像がつかず、実際に会ってみないとイメージが出来ないと漏らしました。それを聞き逃していなかったのか、メインサーバで待機をしていたソティスが自信満々気に『協力』すると言ってのけました。ベレスがそれについて問うと、彼女は鼻を鳴らしながらマルス達の目の前に光を放ちました。
エイリーク「わっ。急に眩しくなってしまいました!」
エフラム「何をするつもりなんだ?」
ソティス『想像がつかんというからな!わしがイメージして描いてやろうではないか!』
マルス「つまり…ソティスがエクラのイメージをアルフォンス達に伝えようというのかい?それは助かるな」
アイク「…本当に大丈夫なのか?」
ベレス「ソティスが絵を描いたことは見たことはないけど…。余程自信があるみたいだから少し様子を見よう」
ふふん、と鼻を鳴らしたソティスはそのまま空中に『エクラ』であろう人物を描いていきます…が。マルス達にはどの道中を見ても『人間』を描いているようには見えませんでした。しばらく様子を見ていると、ソティスがふぅ、と息をつき『完成したぞ!』と勢いよく空中に描いた『それ』を見せました。
しかし…。
ベレス「ソティス。何を描いたの?」
エイリーク「これは何なのでしょう?犬でも猫でもない。羽が生えているのでペガサス…?」
エフラム「ペガサスならもっと凛々しい顔をしているはずだろう。きっとこれは魔物に違いない」
アイク「魔物か?俺には肉にしか見えんが」
マルス「どこが肉に見えるのかな?…ソティス、本当に『エクラ』を描いたの?」
シャロン「わー!なんてユニークな絵なんでしょうか!うう、エクラさんがいたら写真を撮ってもらっていたのに!」
アンナ「こういう絵を好む人種もいるかもしれないわね。くぅっ、紙に描かれたものではないのが悔やまれるわ!」
ソティス『なんじゃなんじゃわしの傑作をけなしおってー!ふん、おぬしらにはもうわしの力を貸してやらん!勝手に調査でもなんでもするがよい!!後でわしに泣きついても知らんからな!』
アルフォンス「あははは…」
色がぐちゃぐちゃ。線もどこが繋がっているのか分からないそれには、正にエイリーク達が各々違う物を描いたのだと思うくらいには酷い出来でした。それをやんわりとベレスが指摘すると、ソティスはそっぽを向いて拗ねてしまいました。そのまま意味不明な絵と共にソティスの通信が切れます。
苦笑いをしていたアルフォンスでしたが、『彼女が伝えたいこと』は伝わっていたようで。
アルフォンス「絵の出来はともかく、『煌びやかな印象の女性』だということは分かったよ。もしかしたら、白いローブの下にそういう顔があったのかもしれないからね」
マルス「そうだ、ぼくからも質問していいかな?メインサーバに来てくれた時…アルフォンス達の世界のエクラが『夢の国『アルフ』に行ったっきり帰ってこない』って言ってたよね?誰かに連れ去られたりした形跡はなかったのかい?」
マルスからそんな質問がぽろっと零れました。まぁ、原作でもアルフでエクラが行方不明になったことはありましたが…。今回の件とそれとは少し違うようで。アルフォンスはマルスの言葉に首を横に振りました。
アルフォンス「ううん。そうではないんだ。確かに悪夢の世界に一度連れ去られたことはあったけど…その時は確かに僕達でエクラを奪還した。だけど…その後だったんだ。『エクラが霧のように消え去ってしまったのは』」
アイク「…霧のように消えた?」
シャロン「はい。お兄様とエクラさんが話していた直後だったんです。一目離した隙に、エクラさんが『最初からいなかった』ように急にいなくなってしまって。妖精達の力を借りてアルフ中、それからアスク王国中を探したんですけどどこにもいなかったんです。
別の場所を探そうとした瞬間に、『世界の融合』とやらに巻き込まれてしまって…。気付いたら別の世界にいて」
アンナ「あの時は大変だったわよね。アスク王国にいたはずなのに、訳も分からない土地に落っことされちゃって。幸い近くにガルク=マク大修道院があったから、事情を話してしばらく匿ってもらっていたの」
マルス「うーん…」
ベレス「どうしたの?何か心当たりでもある?」
マルス「心当たり、というわけではないんだけど…1つ、考えが浮かんでね」
エフラム「考え?」
アルフォンス達の話を聞いて、マルスは顎に指を当てて考えます。自分の得た知識で何か助けられるならそうしたいと。…しばらく頭を悩ませていた時、ふと彼は1つの考えに至りました。
エフラムがそれについて問うと、彼はゆっくりとその口を開き、『自分の考え』を伝え始めました。
マルス「アシッド殿が最初に言っていた『可能性の世界』の話だよ。それが実際にあるのは、ぼく達とアルフォンス王子達の情報の違いで理解している。でも…『2人以上同じ人物がこの世界に落ちてくることはない』んじゃないかなって」
アイク「どういうことだ?」
エイリーク「えーと…つまり、マルス王子はこう言いたいのですよね?『エクラ』という人物は2人以上いない。ということは…アルフォンス王子達の会いたい、神様達がご存知のエクラさんは私達の知っているエクラさんか、アルフォンス王子達の知っているエクラさんどちらかになる、と」
アルフォンス「『同じ世界に同じ存在は2人存在してはいけない』というものかな。昔、アスク王国の書庫で呼んだことがあるよ」
シャロン「え?!ってことは、エクラさんはそのまま消えちゃったってことですか?!」
アンナ「まだそうと決まったわけじゃないわ。でも…その話を聞くと、私達の知るエクラは『この世界にはいない』可能性が高まってきたわね」
エイリーク「いない…というか。世界から消滅してしまった可能性も…」
確かにアシッドが言った『可能性の世界』が数多にあるとはいえ、コネクトワールドには同一人物は1人しか存在しません。例えばえむぜさんが2人以上同一の時系列に存在してしまった場合、原作であれば『無の雨』という現象で世界が消えちゃうんでしたよね。もしかしたらそれがコネクトワールドにも通用するのかもしれません。
そう考えると、アルフォンス達の知る『消えたエクラ』はそのまま消滅してしまった可能性が出てくる、と。―――しかし、エフラムはその意見に疑問をぶつけます。
エフラム「しかし、以前あいつと話をした際だ。エイリークも感じただろう?『懐かしい感じ』を」
エイリーク「はい。まるで会ったことがあって、話をしたことがあるような…。そんな感覚でした」
ベレス「うーん。消滅じゃなくて、あの『エクラ』に吸収された可能性も見えてくるけど…。ソティスに相談したいけど多分拗ねて出てこないね、あのままだと」
マルス「とにかく、会って話をしてみるほかに選択肢はないと思う。エフラム王子の疑問もきっと解消するさ」
エフラム「そうだな…」
あのエクラが何者なのか。エクラルの世界を管理する前は何をしていたのか。―――会えば分かる。結局はそうなりますよね。彼らは改めてそう決意し、道化師が逃走者を襲う気配が無いかを監視し始めたのでした。
―――もしあのエクラの記憶が本当だった場合…今一緒にいるアルフォンス達は…何者なんでしょうね?