二次創作小説(新・総合)

Re: ポケットモンスター レインボー ( No.20 )
日時: 2020/11/15 13:43
名前: みなひっきー (ID: 4VXB0SaS)

第4話 約束の場所

サヤカside


 午前10時。今、うちの目の前にヒロキがおる。ヒロキとは幼い頃、たった1ヶ月だけ一緒に過ごした思い出がある。

「……サヤカ」

「久しぶりやな」

「でも君はあの時……」

 ヒロキの言いたいことはわかっとる。

「うち、死んでないで。あの戦争で逃げとる途中で体力が尽きてうちは倒れてしまった。そのまま意識失ったんやけど目が覚めたらこの世界に来とった」

「そうか……。とにかく生きてて良かった。そしてこの世界ってことはここはボクのいた世界とは別の世界なんだね。サヤカが倒れた時、不思議な光に包まれて消えたから死んでしまったと思ったけどこっちの世界に来てたんだ……」

ヒロキの目から涙が溢れていた。

「もう、せっかく再会したのに泣かんといて」

「ボク、サヤカとまたこうして会えたことが嬉しいんだ。サヤカがいなくなってからとても悲しくて、寂しくて辛いことばかりだったから」

「ゴメンな、急にひとりにしてもうて……。それでもヒロキは今まで生きてきたんすごいやん。そしてこれからはまた一緒におろう」

ヒロキは黙って頷いた。

「よし、じゃあこの世界のことについて話すで。この世界の名前はアルコバレーノ。この世界の人たちは異世界の人達と共存してるんよ」

「異世界の人達と共存って……。あの時空を越えて語り継がれた神話みたいだな……」

 うちらは幼い頃、その神話を図書館の本で知った。読めない漢字は調べて何度も読み返した。

「実はあの伝説に出てくる世界が今うちらがおるこのアルコバレーノやねん。まあ、異世界の人達と共存って言っても誰でもアルコバレーノに来れる訳じゃないけど。異世界からアルコバレーノに来れるんはあるポケモン達に穏やかな心を認めてもらえた人だけやねん。その穏やかな心を認められた人だけが時間を司る神と空間を司る神にこの世界に連れてきてもらえるんよ」

「じゃあ、ボクとサヤカはそのポケモン達に穏やかな心を認めてもらえたってことか」

「そういうこと。そして今うちらがおるんはアルコバレーノにある国のひとつハイラル」

「ハイラル……。ボクの住んでた国と同じ名前だ」

「名前だけじゃなく地形も同じらしいで。ほら、この場所もうちらがいつも待ち合わせしてた約束の場所そのまんまや」

「確かにこの場所は見慣れた景色だな。驚いた。そしてこのアルコバレーノに来て最初に会ったのがサヤカだってことにもすごく驚いてる」

「実はヒロキがアルコバレーノに来ることを友達に教えてもらったんよ。今日の午前10時頃にこの場所で待ってればヒロキに会えるって。だからうち、ここで待ってた。」

 昨日、うちはモミジ、アオバ、ヒロカとカラオケに行った。その時ヒロキのこと思い出してたらモミジが「大丈夫。もうすぐ会えるよ」って言ってた。カラオケの帰りモミジとアオバに話を聞いたら「明日の午前10時頃、2人がいつも待ち合わせしてた約束の場所にヒロキが来るよ」って教えてくれた。そしてその言葉通り、ヒロキはこの時間、この場所にやって来た。

「まあ、家を出る時に雨が降ってたから傘をさしてたんやけど途中、風で傘を遠くに飛ばされてびしょびしょになってもうたけどね。でもヒロキがアルコバレーノに来る頃には晴れたから良かった」

「迎えに来てくれたんだね。しかも雨の中ずっと待っててくれたんだ……」

「当たり前や。その時間、その場所で待ち合わせしとるんなら行くし、待つ!」

「サヤカ、ありがとう」

「ええってそんなん。それより再会した記念に写真、撮ろう」

「う、うん」

ヒロキは写真を撮るのに慣れてなくて表情が固かった。

「緊張しすぎや。もっとリラックスして……。ほな、撮るで。……チェッキー!」

ヒロキは緊張してたけど写真を見るとなかなかいい感じやった。写真を撮れ慣れてるうちはというともちろんめっちゃかわいく……。

「ヒロキ、もう1回撮ろか」


第4話 END

Re: ポケットモンスター レインボー ( No.21 )
日時: 2020/10/11 08:11
名前: みなひっきー (ID: PodOMJCV)

ポケットモンスター レインボー
今日の格言

その時間、その場所で待ち合わせしとるんなら行くし、待つ!

以上!