二次創作小説(新・総合)
- Re: ポケットモンスター レインボー ( No.23 )
- 日時: 2020/11/15 13:50
- 名前: みなひっきー (ID: 4VXB0SaS)
第5話 虹
ヒロキside
写真を撮ってニコニコのサヤカ。
「写真を撮るのが好きなんだね」
「うん。幼い頃、ヒロキと1ヶ月ずっと一緒におったけど写真や動画は1度も撮らんかった。それで離れ離れになって後悔した。何であの時、写真や動画を撮らんかったんやろうって。長い間、会えなくていつかヒロキとの楽しい思い出を忘れそうで怖かった。うちはもうそんな後悔したくない。だから決めた。大切な人との思い出はカメラに収めようって。それからうちは写真や動画を撮るようになった。そしたらいつの間にかそれが趣味になってたんや」
サヤカの気持ちはよくわかる。
「ボクもサヤカとの思い出は忘れたくなかった。あの残酷な世界で生きるボクにとってはサヤカとの思い出が全てだった」
「そう言えばヒロキはうちのことよく覚えてたな。一緒におったんはたった1ヶ月だけやのに」
「サヤカとの思い出が唯一楽しかった記憶だし、クリスマスにもらった青いマフラーもあったからな」
「そっか。これからはもっと楽しい思い出をいっぱい作るで。今まで会えなかった分も」
「うん」
「さて、せっかくアルコバレーノに来たんやからいろいろ見に行こう」
「アルコバレーノか……。この世界の空はなんか明るくてキレイだな。」
「明るいんは太陽が出てるからやで」
空を見ると大きな光の塊がある。あれが太陽か。なんだか暖かい。
「あっ!ヒロキ、あれ見て!」
サヤカが指を向けてる方を見ると七色の橋が架かっている。あれはなんだろう?
「あれは虹っていうんよ。雨が降った後に太陽が出てくると見えることがあんねん。」
太陽も虹も見るのは初めてだ。ボクのいた世界では常に黒くて分厚い雲が空を覆っていた。雨が降ることはあっても虹が出ることはなかった。
「違う色が七色集まって1つの虹になる。この世界は虹みたいにいろんな世界から人が集まってることからある国の言葉で虹を意味するアルコバレーノっていう名前がつけられたんよ」
ボクとサヤカは虹を眺めていたその時、強い風が吹き太陽の方から虹に向かって飛んでいく大きなポケモンがいた。
「あれは伝説のポケモン、ホウオウ!」
伝説のポケモン……ホウオウ?ボクはある程度のポケモンのことは知ってるけどホウオウという名のポケモンは聞いたことがない。
「ホウオウは心正しき者の前に姿を現し、見たものには永遠の幸せが約束されるって云われとる。うちも見たんは初めてや」
「永遠の幸せ……」
この時、虹に向かって飛んでいくホウオウと一瞬だけど目があった気がした。そして空から七色に輝く羽が1枚、ゆっくりと落ちてきた。
「虹色の羽……。ホウオウはヒロキがアルコバレーノに来たことを歓迎してくれてるみたいやな」
「ありがとう……ホウオウ。この虹色の羽は御守りにするよ」
ボクとサヤカはホウオウの姿が見えなくなるまでずっと眺めていた。
「さあ、街に行ってなんか食べよ。うち、お腹空いたわ」
「うん」
ボクとサヤカは街に向かって歩き出す。途中の草むらでジグザグマやポチエナが沢山出てきた。ジグザグマやポチエナはボクらを襲おうとはせずに遊びたがっていた。
「なんかこうしてると昔の事を思い出すなぁ」
「そうだな。よく2人で野生のポケモン探しに行って一緒に遊んでたな。ボクらのいた世界では野生のポケモンは人前になかなか姿を見せないはずなのにサヤカといるといつもこんな感じでポケモンが寄ってきてたな。それに今まで1度も野生のポケモンに襲われたことがないし、サヤカは昔からポケモンに懐かれてたな」
「だってうちはポケモンが好きやもん。好きという気持ちが伝わればポケモンは心を開いてくれる」
ポケモンにはサヤカの素直で純粋な思いが伝わるみたいだ。
第5話 END
- Re: ポケットモンスター レインボー ( No.24 )
- 日時: 2020/10/18 16:24
- 名前: みなひっきー (ID: PodOMJCV)
ポケットモンスター レインボー
今日の格言
好きという気持ちが伝わればポケモンは心を開いてくれる
以上!