二次創作小説(新・総合)
- Re: ポケットモンスター レインボー ( No.4 )
- 日時: 2020/10/18 21:35
- 名前: みなひっきー (ID: PodOMJCV)
第1話 この世界の日常
ヒロキside
……朝か。
「今日も地獄のような1日の始まりだ」
時計に目を向ける。現在、午前10時。
「そろそろ食料、買いに行かなきゃ」
ボクは着替え、自分の家から離れた街に向かう。
「汚ねぇ空だ」
見上げればいつも黒くて分厚い雲が空を覆っている。この空を見る度、ボクの気分はモヤモヤしてイライラする。
「街まで遠いから森の中を通って近道しよう」
この世界の空は常に黒くて分厚い雲に覆われてるから朝や昼でも暗い。そして森の中はもっと暗い。
「?」
森の中を進むと近くの草むらが揺れた。何かいるみたいだ。
「ポケモン?」
ボクは揺れた草むらに近づいてみた。するとキノココが飛び出してきた。出てきたキノココに少しびっくりしたけどキノココはボクを襲わず別の草むらの方へ行ってしまった。
「一瞬だったけどあのキノココ、怯えてるように見えた。何かから逃げてきたのか。まあ、いいや。それより早く街に行かないと夜になる。ペースを上げよう」
ボクは再び歩き出す。
しばらく歩くと2人の男が話しているのが見える。静かな森で大声で話す2人の男。当然、2人の会話はボクの耳に入る。
「クソっ!あのポケモン、どこ行きやがった!?」
「お前が油断してるから逃げられたんだよ!せっかくレアなポケモン見つけて売って金になりそうだったのに!」
「うっせぇ!金が欲しけりゃてめぇも探せ!」
「俺に命令すんな!」
2人の男は喧嘩を始めた。2人ともボールを手に持ち、投げる。ボールから出てきたのはゲンガーとニドリーノだ。そして2匹はそれぞれトレーナーである男2人の指示に従い技を出すがそれと同時にトレーナー同士が殴り合い始めた。巻き込まれると面倒だ。でも喧嘩が激しくなった今なら2人の視界に入らず通り過ぎることができる。
通り過ぎた後、さっきのキノココのことを思い出す。
「さっきのキノココはあの2人から逃げてたんだ」
あの2人の男はレアなポケモンを見つけて売って金にすると言っていた。キノココ自体はこの世界に沢山いるごく普通のポケモン。だが野生となれば話は別だ。なぜならこの世界の野生のポケモンは人前に姿を見せることが少ないからだ。
「はぁ……」
思わず溜め息が出た。ボクはこの世界に生きるすべての人間が嫌いだ。この世界の人間は簡単に人を傷つける。毎日、自分の周りで争いが起き多くの人が死んでいる。これがこの世界の日常だ。ボクも今までに何度も殺されそうになったし、理不尽なことばかり言われ傷つけられてきた。自分がいつ死んでもおかしくない。野生のポケモンもそんな身勝手な人間に怯え、姿を見せない。だからこの世界では野生のポケモンは珍しく、人間は捕まえ高値で売ろうとする。そして最近では人のポケモンを盗み、それを野生のポケモンだと言い他のトレーナーに売るという事件も増えてきた。
さっきのキノココもあの2人に捕まってたら危なかった。でもあのキノココならもう心配ない。あの2人が喧嘩してるうちに遠くに逃げれただろう。そしてあの2人もあれだけ暴れて傷つけ合ってたんだ。キノココ1匹、追う体力も残ってないはずだ。
いろいろあったがようやく街に着いた。街の中には沢山の人がいてどこを見ても争いが起きていた。街の中は人が集まる。人が集まれば争いが起きる確率は高くなる。それに巻き込まれたくないから、ボクは不便だと思うが街から離れた場所に住んでいる。とにかく街の中は危険すぎる。
ボクは買い物を済まし街の外に出る。そしてかなり距離のある家まで走って帰った。足を止めることなく。
帰る途中、森でさっきのキノココに会った。キノココは仲間と合流し群れになっていた。これで本当に安心だな。
家に着く頃には、夜になっていた。ボクはベットに倒れ込んだ。
「はぁ、買い物行くだけなのに疲労感半端ないな。でもキノココが無事で良かった。キノココ、仲間と一緒にいれる間はいっぱい笑え。後悔しないように。ボクにはヒロキという名前があるけどその名前を呼んでくれる人はもういなくて、悲しい気持ちになって笑うことすらできないんだ……」
第1話 END
- Re: ポケットモンスター レインボー ( No.5 )
- 日時: 2020/10/04 08:41
- 名前: みなひっきー (ID: PodOMJCV)
ポケットモンスター レインボー
今日の格言
仲間と一緒にいれる間はいっぱい笑え
以上!