二次創作小説(新・総合)

Re: そういやそろそろバレンタインっすね ( No.142 )
日時: 2022/02/14 19:07
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)

天悪「バレンタインデーの日がやってまいりました! バレンタインといえばもちろん! カップルのウォッチングでございます!!!!←←←←」

天悪「天悪もカプ厨の身として、カップルな住民達の様子を眺めていたいと思っています! さてさて、みんなどうしてるかなーーーー………?」



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ここは希望ヶ峰学園(裏)の施設内。そこで一人で食堂にて休んでいた超高校級の幸運、狛枝凪斗(裏)は静かに温かいコーヒーを飲んでいる。今日はバレンタインだというのに静かな時間帯と場所があるのだな、とうるさい場所が苦手な彼が感心していたその時だった。

ガララッ!!

という音とともに一人の少女がこちら側にやって来たのは。



七海(裏)「特異点よ!! やはりこの亜空間内へと来ていたか!! 私の邪眼に狂いはなかったようだな!!」

狛枝(裏)「うわっ!! な、七海さん(裏)! びっくりした………どうしたの? そんなに息を切らして……」

彼女は超高校級のゲーマーの七海千秋(裏)。狛枝(裏)とは同級生であり、よく会話やゲームも交わすのだが……そんな七海(裏)は何やら狛枝(裏)も察した通り大急ぎで狛枝(裏)を探していた模様……いったいどうしたのか……?

七海(裏)「フン、貴様の元へこの下界へと降り立ったのは他でもない……貴様へこの制圧せし雷の魔女が直々に貢物を与えに来たのだ! 私の冷酷ながらも慈悲深い心に感謝するがいい!」

狛枝(裏)「え、えっと…………ボクにも、バレンタインチョコを、くれるってこと……だよね?」

七海(裏)「……………………勘違いするなよ。下界の俗物達により広まりし言い伝えの残るこの忌まわしき日に私も則り、貴様に供物を与えるこの儀式は他の者達の儀式とは全く異なる……」

狛枝(裏)「…………って、ま、まさか………… これからボクにくれるのは、ほ、本命チョコ、だったりする?」

七海(裏)「…………………」

狛枝(裏)「な……七海さん(裏)? おーい?」

どうやら七海(裏)は狛枝(裏)の元にバレンタインチョコを与えに来たようだ。しかし、七海(裏)の言葉に一番慣れており、翻訳には困らない狛枝(裏)が七海(裏)の伝えたいことを口に出した途端、顔を耳まで赤くし固まる七海(裏)……次の瞬間、七海(裏)は恐る恐る、ピンク色の包装紙に包まれた小さいものの可愛らしい箱を狛枝(裏)へと渡してくる。

七海(裏)「こ、こ、こ…………これを………」

狛枝(裏)「七海さん(裏)……ありがとう! それじゃあ、早速いただくよ………」

七海(裏)「それじゃあね!!!!!」ダダッ

狛枝(裏)「あっ!! 待って七海さん(裏)!! ……行っちゃったよ、恥ずかしがってるのかな………」

狛枝(裏)にチョコを渡してすぐに食堂から退室してしまった七海(裏)だが……狛枝(裏)はその箱の中身を開けてみる。そこには軽くホワイトチョコペンでデコられた、少し薄いいちごチョコがある。狛枝(裏)がゆっくり、味わいながらそのいちごチョコを食べてみると……市販のいちごチョコより甘酸っぱいことに気づく。もしかして、七海さん(裏)は、このチョコを、手作りで………

狛枝(裏)「七海さん(裏)………ありがとう。ボクもお返し、頑張って作らないとな……」

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一方こちらはプリンプタウン(表)。様々な 異世界から来た魔導師やぷよ使いがこの世界へ飛ばされる中、同様にプリンプタウン(表)へ飛ばされたラグナス・ビシャシ(表)も、本日がバレンタインデーである事をなんとなくだが理解していた。今日は主に女性が男性にチョコレートを送る日。現にアルル・ナジャ(表)とルルー(表)が「友チョコ」という名目であれど、チョコを自分にもわけてくれた。今は二人のくれたチョコをありがたく頂戴しているところだ。アルル(表)とルルー(表)のくれたチョコはかわいらしかったし、とてもおいしかったのだが……勇者ラグナス(表)には、一つの強い願いがあった。

ラグナス(表)「ソニア(表)は、どんなチョコをくれるんだろう……?」

ラグナス(表)は、メリーディストピアができて少し経ってから、ソニア・ネヴァーマインド(表)とお互いに告白し、付き合っている。自分で言うのも恥ずかしいが、相思相愛の仲だ。ソニア(表)のくれるチョコは、少なくとも自分から見たら格別な物だろう。そう思いながらソニア(表)が自分の家に来るのをずっと待っていた。しかし…………

ラグナス(表)「………………全然来てくれない(´;ω;`)」

夕暮れ時となっても、ソニア(表)は一向にこちらへ来ない。いよいよ胸が張り裂けそうなほど苦しくなってきた。もしかして、自分にチョコをやる予定などハナからなかったのだろうか? ………いや、そんなはずはない! とずっと葛藤していたその時……扉をノックする音がしたため、出てみるとそこにいたのは………

ラグナス(表)「ソニア(表)っ!!! 今まで何してたんだ、寂しかったんだぞ!!」

ソニア(表)「ラグナスさん(表)! 申し訳ありません! チョコをラグナスさん(表)に渡す時間が遅くなってしまって……」

ソニア(表)がついに自分のところに来てくれたことで、今は大人の自我でも子どもの体であるラグナス(表)は、ソニア(表)の足元にしがみつく形で泣きついていた。

ソニア(表)「先程まで眼蛇夢さん(表)にチョコをあげている中で共に破壊神暗黒四天王さんともお戯れしたり、左右田さん(表)にもチョコをあげていましたが、左右田さん(表)の話がとても長くなりそうでしたので、こうして早めに切り上げてここに来たのです」

ラグナス(表)「うーーーー! いくら俺よりもソニア(表)との付き合いがとても長いとはいえ、眼蛇夢(表)と和一(表)はちょっと許せないぃぃぃ…………」

ソニア(表)「まあまあそう言わず💦 ……ラグナスさん(表)、わたくしのことで妬いてくださってるようなので、お詫びにわたくしから本命チョコとやらを授けます! よきにはからってくださいね!」

ラグナス(表)「え!」

そう言ってソニア(表)が渡してきたチョコは、きらびやかで美しい、食べることが恐れ多く感じてしまうような宝石のようなチョコ。しかし、ラグナス(表)は自然にそのチョコを少し眺めた後、口に運べた。

ラグナス(表)「………とてもなめらかでおいしい。これ……もしかして手作り、なのか?」

ソニア(表)「ええ! 特に今、ラグナスさん(表)に渡したチョコレートは特別です! 一番試行錯誤した上で作り上げたチョコレートなのですよ!」

ラグナス(表)「俺のために、一番時間かけて、このおいしいチョコを作ってくれたのか……!」

自分のために誰よりも試作を重ねて作り上げてくれたチョコの味は、忘れられそうになかった。ラグナス(表)は再びソニア(表)に歓喜のあまり抱きつこうとしたものの、冷静になって恥ずかしくなり、戸惑っているとソニア(表)が抱きつき返したという……

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マルコ(表)「ブンロク(表)っ! ボクにチョコレート作りの仕方を教えてほしいんだ!」

文録(表)「は、は〜〜〜?」

あれはバレンタインデーの約3週間前。正直者のイタリアの商人、マルコ・ポーロ(表)は共に旅をする友人の東方見文録(表)に、チョコレートの作り方を教わりたいと申し出ていた。訳を聞けば「ボクもバレンタインデーに、ブンロク(表)を含めてチョコをあげたい人がいる」と。

文録(表)「あのな〜……マルコ(表)、バレンタインデーってのは女が男にチョコをやる日なんだぜ? お前はバレンタインデーじゃなくて、その次の月のホワイトデーにお菓子を作っても……」

マルコ(表)「いいや、だからってボクだけ何もしないわけにはいかないよ! コキチ(裏)だって、バレンタインのチョコを作る練習をしていたのを見たもん!」

文録(表)「あー、たしかに昨今、男もバレンタインチョコを作る事はあるけどなー………わかった! わかったよ、それなら俺もチョコ作り教えるから!」

マルコ(表)「ありがとう、ブンロク(表)!」

こうしてチョコ作りを文録(表)から教わったマルコ(表)……

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あれから時は流れ、バレンタイン当日。マルコ(表)は自ら作ったにしてはとても上手にできたチョコを入れた袋を持って、緊張した面持ちで一人の艦娘を探していた。そして、見つけることができた。自分の友達で、自らとは文化が違いながらも、とても気が合いどこか惹かれるところすらある彼女、初春(裏)を。

マルコ(表)「いた! ハツハル(裏)ーーーっ!!」

初春(裏)「おお、マルコ様(表)! このようなところにおられたのかや?」

マルコ(表)「うん! あ、あのねハツハル(裏)………こ、これ! ボ、ボクもバレンタインデーのチョコレートを作ったんだ。ど、どうか受け取って!」

初春(裏)「マ、マルコ様(表)も作っておられていたのか!? これを、わらわにか………? はぁ〜〜〜………! マルコ様(表)、ありがとうございます! 大事に、大事に頂きますぞ!」

初春(裏)の満面の笑みと、心からのお礼を受け取ったマルコ(表)も、段々と満開の笑みになっていくことを実感していた。しかし、これで終わりではないようだ。今度は初春(裏)が持っていた袋をマルコ(表)に差し出す。

初春(裏)「それでじゃなぁ、マルコ様(表)…… もし、よかったらこれを……わらわが作り申しました。甘く、なっておりまする。はい、甘く………」

マルコ(表)「え、え!? ハツハル(裏)も、ボクに作ってくれたんだ………! あ、ありがとう! ボクも、大事に頂くよ! 大切に食べるからね!」

今度は初春(裏)がまるでお返しと言わんばかりに、マルコ(表)にバレンタインチョコを与えた。マルコ(表)は顔を耳まで赤くし、満面の笑みを返してお礼を言った。マルコ(表)も初春(裏)も、嬉しい気持ちが雰囲気となって表れていた………



そんな二人を物陰から見ていた、二人の友人の文録(表)と曙(裏)は………

文録(表)「やれやれ、あの二人も朗らかなオーラを出してるなぁ……ホワイトデーもお互いお菓子をあげあうんだろうなぁ」

曙(裏)「そうね……その時はまた二人もラブラブな雰囲気になると思うわ!」

文録(表)「まぁそうだよなぁ……あっ、そうだ。曙(裏)! 先に友チョコ渡すよ」

曙(裏)「えっ、いいの!?(・∀・) ありがとう! だけど、文録(表)はホワイトデーにお菓子あげる派じゃなかった?」

文録(表)「いやー、マルコ(表)がバレンタインにチョコ作ってんのに、俺だけ何もしないのはどうかと思ってなぁ。しっかり味わってくれよな! あと、曙(裏)はバレンタインチョコは作ってるか?」

曙(裏)「あっ( ´ㅁ` ;) ………あはははは………(;^ω^) ごめん、あたしも仕事で忙しくて、提督へのチョコで精一杯で………(;^ω^)」

文録(表)「えーーーーー!??? なんだよ、じゃあホワイトデーはせめて俺にはお菓子作れよな!? 頼むぞー!」

曙(裏)「はーい(´・ω・`)」

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朱美(裏)「は、はじめてかもしれないわね……男子に手作りチョコをあげるのって………! 一期さん(表)、食べてくれるかしら………?」

こちらは、奏流院朱美(裏)が人生で初とも言えるかもしれない、自らで作った手作りチョコを、ラグナス(表)本丸の一期一振(表)に与えるべく、一期(表)を探していた。あまり一期(表)の価値観から外れたチョコにしないよう、素材はごく一般的なもの(と朱美(裏)は思うがそれでも非常に高級品の素材である)にしたものの、味付けや食感、そして気持ちにおいて愛情を深く込められたつもりだ。だが、朱美(裏)はこうして直々に一期(表)にチョコを渡すことに緊張しているのもあるが、不安な面があった。それは………

朱美(裏)「あっ! 一期さん(表)がいた! ………や、やっぱり……」





厚(表)「いちにい(表)! ちょこすっげーもらってるじゃねーか! こんなにもてるなんてやるなぁ!」

一期(表)「あはは、とてもありがたいな……しかし、私一振りだけで、食べ切れるだろうか?」

乱(表)「だから兄弟みんなでわけあって食べようって言ってるでしょー?」

五虎退(表)「そうですよ……虎くんたち(表)は食べられませんけど、他のみんなだって、こんなにたくさんのちょこを見たら、びっくりしますよ……?」

乱(表)「うん! こんなにもててすごいよいちにい(表)! さすが正統派いけめんだね!」

一期(表)「わ、私は正統派いけめんと名乗っていいのかな???」

厚(表)「いやぁ、堂々とはやめといた方がいいぜ( ̄▽ ̄;)」





朱美(裏)「一期さん(表)、ざっと100個以上はチョコもらってるわ。こうなると……私のチョコは、一期さん(表)自身に食べてもらえるのか………」

朱美(裏)が見かけたのは、弟の内の三振りである厚藤四郎(表)や乱藤四郎(表)や五虎退(表)に大量にもらったチョコを持つのを手伝ってもらっている一期(表)の姿だった。一期(表)がいくら真面目で義理堅いとはいえ、あそこまで大量のチョコを一振りで食うには無理がある。そのため大勢の弟たちと分け合う形で頂かれることだろう。そうなれば自分のチョコが本当に一期(表)に食べてもらえるのかわからない。別の弟に本命チョコが渡るのであれば、渡さない方が………

朱美(裏)「…………いや! 渡さないのは絶対だめ! ゆ、勇気がいるけど………どうしても、一期さん(表)に食べてもらわないと!」

深呼吸を一度挟み、決心を固めた朱美(裏)は、一期(表)達の前に姿を現す。

五虎退(表)「あっ、朱美さん(裏)! ……朱美さん(裏)も、いち兄(表)に、ちょこを渡しに来た……んですか?」

朱美(裏)「え、ええ。あの、その………こ、この、このチョコを! 一期さん(表)に………!」

一期(表)「朱美殿(裏)も………ありがとうございます。では、受け取らせていただきます………っと!」

乱(表)「ああほら、持ってるちょこを落としちゃうよいちにい(表)! 朱美さん(裏)のちょこは、ボクが持つから……」

朱美(裏)「あっ! そ、その!」

なんとか一期(表)にチョコを渡した朱美(裏)だが、そのチョコを受け取ろうにも、一期(表)は他の者からのチョコにより手からチョコが溢れそうになっていた。チョコを地面に落とすのを避けるべく、乱(表)が代わりに持とうとするが、既で朱美(裏)が待ったをかける。……朱美(裏)が恐る恐る口に出した言葉は………

朱美(裏)「その………… よ、よかったら、私のチョコ………ここで、食べてみては、くれませんか?」

一期(表)「え?」

………現時点で最後に渡しておいて、無茶であることはわかっている。けれど……どうしても、この思いは一期さん(表)にもらってほしい。朱美(裏)が恐る恐る、一期(表)の顔を伺うと………

一期(表)「……わかりました。乱(表)、朱美殿(裏)がくださったちょこれえとを、開けて食べさせてはくれないかな?」

朱美(裏)「!!」

比較的手ぶらな乱(表)が、手持ち無沙汰な一期(表)に代わり包装紙を開け、そのチョコレートを一期(表)の口に運ぶ。一期(表)がゆっくりと味わっているのを、ドキドキしながら見ている朱美(裏)だが……食べ終わった一期(表)は、晴れやかな笑顔で感想を述べた。

一期(表)「朱美殿(裏)の作ったであろうちょこれえと、とてもおいしかったです。とても良く、気に入るほど美味でした! また機会があれば、こうして作って頂きたいものです」

朱美(裏)「あ………! はい! 私のチョコで良ければ………! ぜひ!! ぜひ……………!」

一期(表)に満足してもらえた朱美(裏)は、全身赤くして、最後には恥ずかしすぎて「ありがとうございました!!!!!」と言葉を残してその場を立ち去っていった。その様子を厚(表)と乱(表)と五虎退(表)は微笑ましく見送り、一期(表)も食べたチョコの味わいを忘れることなく、快く朱美(裏)を見送ったのだった。

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以上バレンタインssでした! 感想OK!