二次創作小説(新・総合)
- Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.145 )
- 日時: 2022/03/11 20:57
- 名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)
天悪「みなさん、こんにちは! そろそろ桜の開花の季節になりますね! というかもう開花してるかな? そんなわけで!(?) 今回はお久しぶりに柊さんとコラボさせて頂いております!」
※柊さんは「綴られし日々-作者とキャラの日常-」を代表作として活動なされております!
天悪「今回は天悪サイドも柊さんサイドも、クロスカプ及びクロス擬似家族及びクロスハーレム&モンペがちなキャラ達の絡みをお送りしたいと思っております! どんな絡みなのか、私、気になります! って方はこのまま閲覧して頂けると幸いです! それでは本編をどうぞ!!」
ここは柊さんサイドの世界である、ハザマセカイ。ハザマセカイの繋がっている世界の一つである、荘園の敷地内にある、招待客が集まる屋敷の中で、ワイワイと賑やかな話し声が聞こえていた……だが、その場で賑やかに話している大半の者達は、荘園のサバイバーではなく、また別の異世界から来ている者である。しかし彼ら彼女らは和やかに日本のお花見について会話に花を咲かせていた。
ユニコーン(柊)「ユニコーン、お花の桜が見てみたいなぁ……ユーちゃんも、桜を見てお花見したいって」
リシアンサス(柊)「はい! お花の方の桜もとっても綺麗ですよ! ユニコーンちゃんがお花見してみたいなら、みんなでご飯も持ってきてお花見しましょうか!」
ユニコーン(柊)「いいの? わぁ! ユニコーン、とっても楽しみ! ユーちゃんも楽しみ? うん、よかった……!」
オイゲン(柊)「お花見ねぇ……こういう休暇も体にいいみたいだし、私も気になるわ。……あらあら、ナワーブ? どうしたのかしら?」
ナワーブ(柊)「『花ヨリダンゴ』………じゅるり…………」
オイゲン(柊)「あらあら……ふふ♪ ナワーブもお花見、楽しみにしてるみたいね♪ ご飯ならいっぱい用意するから、ナワーブも楽しみにしててちょうだいね♪」
ナワーブ(柊)「いや、いやいやいや! 別に食い物には興味無いからな! だから決して、何度も言ってるが! 食いしん坊じゃないからな!」
その場で話をしているのは、この荘園にいるサバイバーで『傭兵』のナワーブ・サベダーと、鉄血所属のKAN-SENのプリンツ・オイゲンと、バナナオーシャン所属の花騎士のリシアンサスと、ロイヤル所属のKAN-SENのユニコーン。彼らはとある出来事からこの四人で行動することが多くなっており、今回も四人で日本の花見で盛り上がっていた。しかしその話につられてやってきたのか、新たに人が二人現れる。ナワーブと同じくしてこの荘園のサバイバーである『納棺師』のイソップ・カールと「ボーカロイド」の大人気アイドルの初音ミクだ。
ミク(柊)「ねえみんな! 何の話をしているの? お花見をしようって話!?」
ユニコーン(柊)「うん。みんなでお花見したいって言ってたところだよ。ミクさんやイソップさんも、お花見に行く?」
イソップ(柊)「はぁ………ユニコーンさんからお誘いを頂いてもらって悪いのですが……美智子さんからニホンの桜の話を聞いて、桜に興味はそこそこあるとはいえ、お花見はちょっと………」
ミク(柊)「えっ! 私達も一緒にいいの!? ありがとう〜! キレイな桜、今年も見てみたいな〜! イソップくんも、行こう行こう!」
イソップ(柊)「って、ちょっと………もう、こうなると断ろうにも断れなさそうですね……わかりました。僕も付き添いで行きますよ」
ユニコーン(柊)「うん……! ミクさんもイソップさんも、ありがとう…!」
リシアンサス(柊)「うんうん! お花見ってみなさんでお話しながら楽しく桜を見る行事ですからね!」
オイゲン(柊)「まぁ、たまには大人数で過ごすのもいいかもね。もちろん、ナワーブの本丸の彼らも一緒でしょう?」
ナワーブ(柊)「まぁな……近侍や護衛としてついてもらう……というか頼む前からついて来てくれそうだしな」
オイゲンやナワーブの言う彼らとは、ナワーブの本丸にいる山姥切長義と山姥切国広の事だ。柊サイドのナワーブは、サバイバーであり傭兵であると共に、特殊な部署の中での審神者でもある。長義や国広とは複雑な環境下の中で出会い共に本丸で過ごすこととなったが、彼らはナワーブのことを心から慕うあまり、いわゆるモンペ気味な性質となっているのだ。そのため長義も国広もすぐにこの話を聞いて駆けつけてくれることだろう。
イソップ(柊)「ただ、お花見をするにして、どこで桜を見に行くのですか? 荘園にはもちろん桜と言える木はないとして、今のところどの世界でも桜はそこまで咲いていないでしょう」
ミク(柊)「あっ、そっか! そういえばまだ、桜はどこも満開じゃなかったね……」
しかし、イソップが言っている通り、ハザマセカイでは満開となっているどころか、十分に開花できている桜がまだそこまでない。花見の条件を満たせている桜があったとしても、ハザマセカイの住民達が向かうにはどれも遠いことだろう。そのため、十分に花見をするには条件がキツいこととなる……
ユニコーン(柊)「このままじゃあ、お花見、できないのかな……」
オイゲン(柊)「せっかくお花見の気分だったのに、それはねぇ……」
リシアンサス(柊)「うーん、うーん! ここからハッピーエンドになるにはどうすれば………あっ! そうです!」
ナワーブ(柊)「? どうしたリシアンサス。何か思いついたのか?」
リシアンサス(柊)「はい! みんなでお花見ができる案が思いつけました! 団長さんにお願いしに行って、許可が貰えたらになりますが……これならきっと、もっとみなさんで楽しいお花見ができるはずです!」
リシアンサスちゃんの思いついた、お花見のできる突破方法とは!? 感想まだ
- Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.146 )
- 日時: 2022/03/11 21:00
- 名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)
それから数日後………こちらは天悪サイドのメリーディストピア……の中で繋がっている世界の一つである多魔市(裏)。多魔市(裏)には桜が咲き始め、花がふわりと広がっている並木がいくつかあった。確か多魔市(裏)もまだ桜が開花するのはもう少し先だったはずだが……例年より気候が暖かいのが原因だろうか? それはともかくとして、これにより多魔市(裏)の桜のお花見に来た住民は、朝早くから多くいた。その内の一組には……
塵(表)「……………お前の言う通り、早いうちから来られて良かったな。人が大勢敷き詰めているが………」
シャミ子(裏)「よかったです。もっと遅く来てたら、場所がなくなっていました……じゃあみんな。ここで座ってお花見しましょうか」
文録(裏)「ま、待ってくれよ二人とも〜……置いてくなって〜……」
すず(表)「まぁまぁ! 場所なくならねぇためにも仕方ないって! 文録(裏)も荷物たくさん持ってくれてサンキューな!」
多魔市(裏)の元からの住民であるまぞく、シャドウミストレス優子(裏)……本名は吉田優子(裏)に、ポップンワールドにある砂の国出身の砂の力を操る少年の塵(表)に、東南アジア大学歴史工学部旅行学科四回生のマッドサイエンティストの東方見文録(裏)、そしてカフェ「ラッキーキャット」の看板娘のすず(表)がいた。彼らもシャミ子(裏)の誘いからお花見をこの四人でやってみようという形となり、こうして場所取りにも成功できたのだ。ちなみにこの四人はいわゆる「擬似兄弟」という関係性であり、文録(裏)の夢でシャミ子(裏)がアクションを起こしたことにより、文録(裏)が三人のことを兄や姉と認識するようになってからこの四人で行動する時も増えている。
塵(表)「しかし、やはりお前の世界の大地は強く、逞しい。俺もこの大地から凄まじい砂や大地の力を感じられる………来て正解だったな」
シャミ子(裏)「気に入って貰えたなら何よりです。塵君(表)、前から私達の世界の大地を気に入ってましたからね」
すず(表)「あ〜、お前ら前に通学路の紫陽花咲いてる所で話してたことあったんだっけ?(※柊さんとのDM会話の話)そこから塵(表)もシャミ子(裏)の世界の地面好きだっつってたもんな〜」
文録(裏)「塵にーちゃん(表)の言う通り、シャミ子ねーちゃん(裏)の世界の大地って力が篭ってるから、桜もこうして開花してんのかな? 何にしてもこんなに綺麗に咲いてんだから、まずはゆっくり眺めてようぜ!」
塵(表)「おい、だから俺まで兄呼びするのはやめろ……」
シャミ子(裏)「どうどう……文録君(裏)もこう言ってますし、そろそろお花見に移りましょうか」
和やかに(?)会話しつつ、シートを敷いてお花見に入ったシャミ子(裏)達だが、不意に桜の木を見ようとして………見慣れない上一際人目を引くような外見の男女の集団がチラリと視界に移った。
文録(裏)「ん???」
すず(表)「お? どうしたー? 文録(裏)?」
文録(裏)「いや、あそこに、見かけない奴らが………」
塵(表)「なんだと? ………言われた通り、あんな奴らは見覚えがないな……だが、中には刀剣男士と言えるだろう奴と、以前に天悪達がコメント返信等で交流していた奴らがいるが」
シャミ子(裏)「そうなんですか? ………ああ、もしかしたらそうかもしれません。この人たち………」
シャミ子(裏)「まさか柊さんサイドのみなさんじゃないのですか?」
シャミ子(裏)達が見つけた見慣れない人物達。それは柊さんサイドのイソップとミク、そしてナワーブとオイゲンとリシアンサスとユニコーン、更にナワーブ本丸の山姥切長義と山姥切国広だ。彼ら彼女らも和やかかつ賑やかにお花見で会話に花を咲かせている。
すず(表)「えっ? マジで柊さんとこから来た奴らなのか??? 確かにそれっぽいな〜! ちょっとこっちも交流してみてぇな!」
文録(裏)「ええ!? けど、けどよ……いきなり話しかけていいもんなのか? 邪魔にならねーか……?」
シャミ子(裏)「うーん……ちょっと私が、話しかけてみます。今から交流の交渉に踏み込んでみたいと思います……」
塵(表)「あ、おい……! 勝手な真似はやめておけと言っているだろう!?」
シャミ子(裏)「大丈夫です。交渉だけなら多分、無事に済むはずです」
塵(表)「そういう問題じゃない!」
現在身内同士で和やかに過ごすナワーブ達と交流すべく、シャミ子(裏)が率先してナワーブ達の元へ向かうようだ。シャミ子(裏)は反対する塵(表)をなんとか説得しつつ、恐る恐る長義に話しかける。
シャミ子(裏)「あのー、すみません。あなた達は、柊さんの世界から来た方たちですか? その、今は話しかけても大丈夫ですか?」
切長(柊)「ん? ……あぁ、天悪殿の世界の住民の方だね。俺は構わないよ。良ければ是非とも交流させてほしいな。特に主に対しては快く接してほしい」
切国(柊)「………………本歌、その者は俺達と、話したいのか………………?」
切長(柊)「ああ。どうやらそのようだよ。彼女には邪気は感じられないし、輪の中に入れても構わないと思うな」
切国(柊)「…………………だな……。…………俺は、主達に事情を説明しておこう………」
シャミ子(裏)「ああ、すみません。私だけじゃないんです。大切な人達も一緒に来てて。塵君(表)達も混ぜてもらって大丈夫ですか?」
切長(柊)「おや、そうだったのか。どうやら他に三人来ているようだね?」
切国(柊)「………………わかった。…………あんたの連れている者達も来ている事も、伝えておこう……………」
ナワーブ本丸の長義と国広、もとい切長と切国との交渉に入り、会話を交わせたシャミ子(裏)……やがて、少ししてから手を丸にして塵(表)と文録(裏)とすず(表)の元へ戻ってきた。どうやら柊さんサイドから来たナワーブ達の許可が取れたようだ……!
シャミ子(裏)「みんな、交渉成立です。ナワーブさん達も交流しに来ていいようですよ」
塵(表)「…………今回は無事に戻ってこれて何よりだが、これで断られていたり、トラブルに巻き込まれていたらどうするつもりだったんだ……」
すず(表)「まぁいいじゃねぇか! 柊さんとこの奴らもいい奴らばかりだしよ! よーし! ならナワーブ達んとこに行こうぜ!」
文録(裏)「あ、ああ………………」
ミク(柊)「あっ! シャミ子さん(裏)達が来てくれた! おーい! こっちだよー!」
すず(表)「おーう! 今日はこの世界に来てくれたり、あたいらとの話も受け入れてくれてありがとな!」
イソップ(柊)「こちらこそどうも……まぁ、僕にはあまり関わらないで頂けるとありがたいんですけど」
こうして柊サイドの面々と合流することに成功したシャミ子(裏)達は、笑みが零れ、既に一部が打ち解けあっているようだった。だが、一つ大きな疑問点が残っている。
シャミ子(裏)「でも、イソップさん達はどうして、遥々多魔市(裏)へ来てくれたんですか?」
塵(表)「わざわざ他の作者の世界に来るほど、お前達も暇ではなかったはずだが……」
切長(柊)「それがね……ハザマセカイ、主や俺達のいる世界では桜が十分に咲いている場所がめっきり無くてね。桜が咲き誇る時期を待つという手立てもあるにはあろうが、俺達や主の立場としてはいつ桜を見るどころではなくなるのかもわからないし、ハザマセカイでの開花予想も見てみたけれど、俺達の世界で見に行くにはまた期日が空きそうだったからな……」
切国(柊)「……………リシアンサス殿が提案してくれたんだ。………………柊殿と、近しい間柄の権力者の世界でなら、花見ができるのではと」
リシアンサス(柊)「はい! 団長さんにお願いする形ですし、どうしてもいきなりの形になっちゃうので申し訳ないかなって思ったんですけど……天悪さんがOKしてくれて、私達も嬉しかったんです! それにこんなに綺麗な桜が咲いてて、とってもすごいですよ!」
シャミ子(裏)「はい、綺麗ですよね。私のいる世界で、桜が早めに咲いててよかったです」
どうやらリシアンサスの提案から、柊さんにお花見をしたい思いを話し、柊さんと繋がっている作者さんの世界でお花見ができないかと交渉する形を取っていたようであり、今回桜の開花している場所があり、なおかつ許可が取れたのが天悪のメリーディストピアであったようだ。天悪自身、柊さんに大変お世話になっているし、ユニコーン達の願いを叶えたい気持ちも強かっただろう。ただ、後に天悪にミク達が来ていることを大々的に伝えなかった理由を聞いてみたら「もしみんなにこのことお知らせしてたらイソミクちゃんやナワーブハーレム&モンペ気味のみんながゆっくりできないでしょ!!!!!!」らしい。下心見えてるのはともかくとして、天悪も天悪なりにオイゲン達の意向を汲み取っていたようだ………まあそれは今の時点では置いておいて。疑問がスッキリ晴れたところで、塵(表)やシャミ子(裏)やすず(表)はよくコメント的な意味で交流しているナワーブと関わり出していた。
塵(表)「ナワーブさん………あんたは、どのくらい強いんだ」
シャミ子(裏)「ナワーブさん、せっかく私もご飯作ってきたので、ちょっと食べてみますか? シトロン君達に比べると、味はまだまだですけど」
すず(表)「ナワーブ! うちの親父(表)特製の弁当やお菓子もあるからよ! こっちも食ってみろよ! うまいぞ!」
ナワーブ(柊)「ああ……そりゃあ俺も傭兵だし、戦地で戦力になれる分には強いが………待て、なんで話題の大半がメシ関係なんだ!? ………まぁ、せっかくだからもらうが……」
オイゲン(柊)「ふふふ♪ ナワーブなら心配することないと思うけど、まだこっちのご飯もあるんだし、あまり食べすぎないようにね?」
ナワーブ(柊)「それはわかってるさ……」
ミク(柊)「ふふふ! こうしてみんなでワイワイしてると、つい歌いたくなっちゃうな♪」
すず(表)「おーーーっ! ミクの歌、生で聴けるもんなのか!! こりゃいいな! じゃあ一曲! 一曲頼むよ!」
切長(柊)「…………」
切国(柊)「………………」
リシアンサス(柊)「あれ? どうしたんですか? 切長さんと切国さん! みんなで話している中でそんなに緊張した顔をして」
切長(柊)「あぁ………心配ないよ。ただ、天悪殿の世界でも何かが起きた時の為に、主の護衛として身構えているだけだ」
切国(柊)「…………………俺達は大丈夫だ。………………気にしなくていい」
イソップ(柊)「気にしなくていい割には、警戒しすぎな気がしますけどね………」
早速ナワーブにご飯が与えられたり、盛り上がってきたミクが一曲歌うことになったりと賑やかになっている面々。しかし………切長と切国は先程の穏やかな態度とは打って変わって、ピリピリとした雰囲気となっているようだ。
ユニコーン(柊)「……? 切長さんと切国さん、どうして不安そうにしてるんだろう……ナワーブお兄ちゃんに、危険が迫ってるのかな……?」
そんな二振の様子を見て、自身も心配になってきたユニコーンは、切長と切国の視線の先を見てみる。そこにいたのは……輪の中に入ろうとせず、体育座りでナワーブや塵(表)達をじーっと見ている文録(裏)だった。文録(裏)の目は、こころなしかジト目というか、暗闇が篭っているかのようになっており、睨み続けていると称した方が正しく思えてくる。だが、文録(裏)がそんな表情をしていても、何故かユニコーンにとってはどこか「自分と似ている」と感じられた。ユニコーンは恐る恐る、文録(裏)の方に近づき話しかけてみることにした。
ユニコーン(柊)「あ、あの。文録(裏)、さん……だ、大丈夫?」
文録(裏)「はっ。あ…………わ、悪ぃ! 全然話に入れなくて! ど、どうしたんだ?」
ユニコーン(柊)「えっとね、なんだか文録さん(裏)、ずっとナワーブお兄ちゃんのことを遠くから眺めていたから………何か、ナワーブお兄ちゃんに言いたいことがあるのかなって……」
文録(裏)「い、いや! いや!! 大丈夫だよ! そんな、ナワーブさんに大した用事がある訳じゃないから! 心配いらないから、ユニコーンもナワーブさんとお話してきな? それに、ミクもそろそろ歌う準備できたみたいだし………」
ユニコーン(柊)「………ユニコーンね。ナワーブお兄ちゃんに、夢の中で助けて貰ってから、ナワーブお兄ちゃんのことが大好きなの」
文録(裏)「え………」
ユニコーン(柊)「でもね、ナワーブお兄ちゃんに助けて貰って、ナワーブお兄ちゃんのことが大好きなのは、リシアンサスお姉ちゃんやオイゲンお姉ちゃんもそうなの。でもね、ナワーブお兄ちゃんは優しいから、ユニコーンのことも、リシアンサスお姉ちゃんやオイゲンお姉ちゃんのことも受け入れてくれてるの。ユニコーンも、リシアンサスお姉ちゃんやオイゲンお姉ちゃんのことも大切なお姉ちゃんだって思ってるよ」
ユニコーン(柊)「だけどね。たまに、ナワーブお兄ちゃんを独り占めしたいって、思っちゃうの………」
文録(裏)「…………………」
ユニコーン(柊)「でもね、独り占めしたいって言ったことはないよ。ナワーブお兄ちゃんは、ユニコーンだけのお兄ちゃんじゃないのはわかってるから…………文録さん(裏)も、そんな時のユニコーンと、どこか似てるって思ったから、話しかけてみたんだ………」
ユニコーンは、文録(裏)にどうして話しかけたか、その理由をゆっくりと、自分の胸中もつい零してしまいつつも話してみた。ユニコーンもナワーブに以前助けられてからナワーブに恋をしており、今の現状も受け入れ、幸せに思っているものの、もう少し一歩を踏み出したい気持ちもあった。だが、この感情は出してはいけないと我慢している………今の文録(裏)は、その時の自分と同じような感情を持っていると考えていた。対する文録(裏)は、寂しそうな表情で力なく笑うと、自身もユニコーンに自分の胸中を零し始めた。
文録(裏)「俺もさ、シャミ子(裏)が俺の夢の中に来てくれた時から、シャミ子(裏)やすず(表)や塵(表)のこと、大切な姉ちゃん兄ちゃんだって思ってんだよ。 あっ、ユニコーンみてーな恋愛感情とかそういうのはねーぞ!? それに、ここにはいねーけど、マルコ(裏)のことは大切な友達だって思ってる。こんな俺についてきてくれたり、大事にしてくれる……大好きな奴らなんだ」
ユニコーン(柊)「………うん」
文録(裏)「だからさ。今日のお花見は、シャミ子(裏)やすず(表)、塵(表)と四人でゆっくり過ごすつもりだったんだ。偶然お前らを見つけて嬉しい気持ちもあったんだが、悪いがドキリともした。きっと、三人ともお前らの方が気になると思って………こんなこと思うのはすっごく悪いからどうにか抑えたかったんだが……塵(表)達がナワーブの方に行ってる時……」
文録(裏)「俺の方から離れていくような気がして、悲しくて、悔しかった」
ユニコーン(柊)「………そっか……文録さん(裏)も、シャミ子さん(裏)たちを、独り占めしたかったんだね………」
文録(裏)「そうみたいだ……ごめんな。せっかく俺達の所にお花見に来てくれたのに、こんな事言っちまって……傷ついたか?」
ユニコーン(柊)「ううん。文録さん(裏)が本当のこと言ってくれて嬉しいよ? その本当のことも、ユニコーンとちょっといっしょだから、文録さん(裏)のことを知れてよかった」
文録(裏)「そっか………ありがとう。話しかけてくれて、こうして話も聞いてくれてさ」
ユニコーン(柊)「うん! ユニコーンでよかったら、すずさん(表)たちが文録さん(裏)の方を見ていない間、いっぱいお話聞くよ? ユニコーンもナワーブお兄ちゃんたちのお話をするけど、文録さん(裏)の大切なお兄ちゃんお姉ちゃんたちのお話も聞かせて?」
文録(裏)「ああ……! する! いっぱいするよ!」
切長(柊)「………良かった。あの様子なら、彼のことはユニコーン殿に任せても大丈夫なようだな」
切国(柊)「……………………奴の邪気は、だいぶ薄れた………………主にも、危害を加えることは、ないだろう……………」
ユニコーンと文録(裏)のやり取りを、いざという時にユニコーンを守るべく観察していた切長や切国も、ここで警戒を解いたようだ。文録(裏)が主たるナワーブに向けた負の感情から文録(裏)を危険視していた二振だが、ユニコーンが文録(裏)のメンタルケアに移り、成功したことから文録(裏)の事をユニコーンに任せることにしたようだ。………ミクの綺麗で透き通った歌声がその場に響き渡る。その歌声にイソップが一番惹かれている。切長と切国も、やっとミクの歌をゆっくりと、耳をすませて聴き始めたのだった。
一旦区切り! まだまだ柊さんとのコラボ回は続きます! なお、天悪サイド側のクロスカプはジンシャミだけでなく、また次回新たに出てくる模様←
いったん感想OK!