二次創作小説(新・総合)

Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.149 )
日時: 2022/03/17 21:19
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)

ここは多魔市(裏)の、桜が咲き誇る地点。今回ここではシャドウミストレス優子(裏)もといシャミ子(裏)や塵(表)、東方見文録(裏)とすず(表)だけでなく、柊さんの世界からやってきたイソップ・カールと初音ミク、ナワーブ・サベダーとプリンツ・オイゲンとリシアンサスとユニコーン、そしてナワーブ本丸の山姥切長義と山姥切国広も来ていた。そうして合流した二組は現在、ミクの歌を聴いて桜を見ていたところであり、歌い終わったミクに賛美の拍手が一斉に送られた。

ミク(柊)「みんな、ありがとう! どうかな、今回のお花見、もっと楽しめたかな?」

シャミ子(裏)「はい。ミクさんの歌のおかげで、また桜も綺麗に見ることができました」

すず(表)「あたいも! 桜に合った歌だったからよー、気持ちよく桜を見れたぜ! さすが大人気アイドルだな!」

ミク(柊)「えへへへ……喜んでもらって嬉しいな〜! ねえ、イソップくんは!? どうだった!?」

イソップ(柊)「僕ですか………まぁ、今回も良かったと思いますよ。曲のテーマも今回の行事と合ってましたし」

ナワーブ(柊)「こう淡白に言ってるが、イソップが一番ミクの歌に聞き入ってたからな」←

イソップ(柊)「ちょ、わざわざ言わなくていいんですよそういうことは!?」

ミク(柊)「ほんと!! よかった〜! とっても嬉しいよ! 私の歌で、イソップくんもお花見を好きになってくれたなら嬉しいよ! しかも、誰よりも私の歌を聴いてくれたのも嬉しい!」

イソップ(柊)「まぁ、否定しないでおきますけどね……お花見も少しは悪くないなって思ったのも事実ですし」

イソップは素直じゃないながらも、ミクの歌声やミク自身を気に入っているのは確かだ。ナワーブにからかわれてから、桜色の赤面が全然取れてないし、視線もずっとミクから離れていない。そんなイソップとミクの様子を見て、周囲はまた穏やかに二人のことを見守っているのだった。

オイゲン(柊)「ユニコーンが、イソップやミクの事を誘ってくれて正解だったようね?」

リシアンサス(柊)「そうですね! 二人とも微笑ましいです! 私達も嬉しくなっちゃいますね!」

塵(表)「それはいいが、あまり水を差さない方がいいんじゃないのか?」

イソップとミクが中心になる形で、お花見を満喫していた一行だが………そんな一行にいきなり嵐が吹き荒れる。















風丸(裏)「あれ? あそこにいるのって、柊さんサイドの皆さんじゃないか!? 茶柱さーん(裏)! ちょっと話しかけに行きましょうよ!」

茶柱(裏)「きえー……何言ってるんですか、今はお花見の場所探し中ですよ?」

文録(裏)「え!? うわ、風丸(裏)に茶柱(裏)!? お前らもここに来てたんだな!?」

ユニコーン(柊)「ん? 文録くん(裏)、あの人たちも、文録くん(裏)のお友だちなの?」

文録(裏)「ああ、あいつらも俺達と同じメリーディストピアの住民なんだ!」

どうやらユニコーンたち柊さんサイドから来た者達を見かけて話しかけたくなったのか、こちら側にやって来たのは、雷門イレブンの疾風ディフェンダー、風丸一郎太(裏)と超高校級の合気道家、茶柱転子(裏)だった。二人もお花見のためにこの場にやって来ていたからか荷物も各自持参してきている。

風丸(裏)「こんにちは! 皆さん、遥々このメリーディストピアまでやって来てくれてありがとうございます! えっと、俺は風丸一郎太(裏)です! 皆さんはどうして多魔市(裏)に来てくれたんですか? 向こうの俺は今どうしてますか? イソップさんはミクさんとどういう関係になってるんですか!」

イソップ(柊)「えええええええええなんですかこの風丸さん、すっごくグイグイ来て無理なんですけど!? 誰か代わりに応対してあげてくださいよ!」

茶柱(裏)「きえー、風丸さん(裏)。あまりイソップさんにグイグイ行くのはやめてあげてください。イソップさんが受け入れられる陽キャはミクさんだけですよ」

風丸(裏)「ああそうなのか、すみません!」

イソップ(柊)「いや、それはそれでどういう説得の仕方なんですか………」

ミク(柊)「あはは、風丸くん(裏)もすっごくグイグイ来るなぁ……(;^ω^) はい、イソップくんお茶!」

イソップ(柊)「ありがとうございます……ああ、肝が冷えた………」

風丸(裏)は何故かイソップに向かってグイグイ話しかけてきたものの、生者……特にミク以外の陽キャが大の苦手なイソップが引いてしまっているため、茶柱(裏)が風丸(裏)を説得した← 柊さんサイドの面々は、改めて風丸(裏)と茶柱(裏)にこれまでの事情を話すことにした。

風丸(裏)「なるほど! 天悪と柊さんがお互いの許可を得た上でお花見に来てくれたんですね! だったら俺らも混ざっていいですか! 早く来たつもりだったんですけど、もう場所が空いてなくて!」

茶柱(裏)「きえー……強引すぎやしませんか? まぁ転子も困ってますからいいんですけど……」

切長(柊)「ああ。俺達も天悪殿の世界の者達と交流したいものだし、構わないよ。………その代わり風丸殿(裏)は主にまであまり言い寄らないでほしいな」

切国(柊)「……………………風丸殿(裏)は行動を抑えてもらえると嬉しい………………」

風丸(裏)「あれ? なんで俺だけ少し警戒されてるんですか?」

ナワーブ(柊)「あー………すまん、風丸(裏)。この二振は俺に対してだいぶ過保護がちでだな……俺のこと気にかけてくれてるんだ。二振ともいい刀だから誤解しないでくれ」

茶柱(裏)「きえー………わかりました。風丸さん(裏)のことは転子がちゃんと見ておきますから」

風丸(裏)と茶柱(裏)も居場所がなくなっていたことと、ナワーブ達と交流したいことから仲間に入れてもらえるか聞いてきたが、切長と切国からOKをもらえたため、そのまま混ざることにしたようだ。………だが、切長と切国は風丸(裏)の邪気………エイリア石による後遺症からの風丸(裏)の闇を感じ取り、風丸(裏)に対して少し警戒している模様……そのため、風丸(裏)のストッパーでもある茶柱(裏)が、風丸(裏)が暴走してしまわないよう風丸(裏)のそばから離れないようについてくれるようだ。そして改めて天悪サイドと柊サイドの住民とでお花見に移ることとした。






風茶も参戦!←
感想まだ

Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.150 )
日時: 2022/03/17 21:22
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)

風丸(裏)「そういえば、シャミ子さん(裏)と文録さん(裏)は今回、塵さん(表)やすずさん(表)と一緒にお花見に来てますけど、桃さん(裏)やマルコさん(裏)はいないんですか?」

シャミ子(裏)「え? ああ、桃(裏)がいない理由ですか」

ミク(柊)「そういえば、シャミ子さん(裏)や文録さん(裏)にも大事な人達がもっとたくさんいるんだったよね! 桃さん(裏)とマルコさん(裏)ってどんな人達なの?」

文録(裏)「あー、それがだなー……」

風丸(裏)と茶柱(裏)もお花見に参加してすぐに、風丸(裏)がシャミ子(裏)と文録(裏)に質問を投げかけてきた。その内容はシャミ子(裏)や文録(裏)の元からの大切な存在である千代田桃(裏)とマルコ・ポーロ(裏)も誘ってなかったのかというものだが……

シャミ子(裏)「桃(裏)のことも誘ったんですけど、すごい涙を流しながら断られちゃいまして……理由は聞けてないんですけど、桃(裏)も何か忙しい事があるんだと思います」

文録(裏)「シャミ子(裏)もそんなことあったのか? 俺もマルコ(裏)を真っ先に誘ったんだけど、こっちも断られてさ……理由は言ってくれなかったぜ」

塵(表)「………珍しいな。アイツがお前の誘いに、反応はともかくとして断るとはな」

すず(表)「マルコ(裏)もどうしちまったんだ? 用事の理由すら言えないなんてよー」

なんと桃(裏)もマルコ(裏)も原因は不明だが、誘いを断ったらしい。普通ならありえない友の言動に一番シャミ子(裏)と文録(裏)が悩んでいるが……お花見会場となっているこの場にあるステージから、司会者の男性の声がマイク越しに響き渡った。

司会者「皆さん、大変お待たせしましたー! ただいまより、メリーディストピア新春!お花見のど自慢大会を開催したいと思いまーす!」




リシアンサス(柊)「のど自慢大会!? そんなものもあるんですね!!」

オイゲン(柊)「この大会の事もあるからなのかしらね、こんなに人が大勢来てるのって」

ミク(柊)「えー! のど自慢大会があるんだ!! 私も参加したかったな〜!! みんなの前で歌ってみたかったよ〜!」

イソップ(柊)「いや、別に参加しなくてもよかったと思いますよ。………僕としては大勢の前で歌うより、この場で歌ってくれていた時の方が嬉しいんですし」

ミク(柊)「えっ? …………えっ!? え、えーと、イソップくん? それって、もしかして…………」

ナワーブ(柊)「なんだ、お前もお前で結構グイグイ行ってるんじゃないのか?」

イソップ(柊)「もう、そこは引っかからなくていいですから……!」

この日はお花見会場にてのど自慢大会が開催されるようであり、それによりお花見に来ていた住民達の歓声が響き渡った。これを聞いて大人気アイドルであり歌を愛しているミクも参加したがっていたが、イソップがミクに対しての本音ととれる発言をこぼしたことにより、ミクは照れだし、ナワーブがイソップをからかっており、この場にいる面々も穏やかな気持ちになった←

司会者「さぁ! 早速参加者の皆さんに、歌っていただきたいと思います! エントリーNo.1! 希望ヶ峰学園(表)の存在する世界出身の地下アイドルグループ、『Mine Create』の皆さんです!」

Mine Create(表)メンバー「「「「どうもーーー! よろしくお願いします!」」」」

茶柱(裏)「きえー……あの人たちは転子も知ってますし、ライブ見に行ったこともありますよ。(表)の世界の方ですが、清涼感溢れる歌声と愛らしいパフォーマンスが人気の大人気地下アイドルなんです」

風丸(裏)「おお! アイドルに憧れてる茶柱さん(裏)がそう言うんだったら、とても期待がかかりますね!」

茶柱(裏)「きえー! めんどいことになるので言わなくていいんですよ、そういうことは!!」

まずトップバッターを飾るのは、茶柱(裏)にとっては別世界であるが、通っている学園である希望ヶ峰学園の存在する世界にいる地下アイドル、「Mine Create」のメンバーたる4人の少女たちだ。彼女らは茶柱(裏)の言う通り、メンバー全員が清楚で朗らかな雰囲気を醸し出している。司会者とのトークが一通り終わり、4人が会場のお花見客達に向けて「それじゃあ、みんな応援よろしくねー!」と掛け声をかけると大きな歓声がまた響く。やがて彼女達の歌う曲のBGMが流れ、Mine Createのメンバー達は透き通る歌声を会場中に響かせる。



ユニコーン(柊)「わぁ……! とってもきれい……!」

リシアンサス(柊)「そうですね〜……! ついつい歌に没頭しちゃいますっ」

オイゲン(柊)「さすが地下アイドル、ってところかしらね……4人のハーモニーも心地いいし」

ミク(柊)「うん! 私もあの子たちの歌、気に入ったなぁ!」

もちろん彼女らの心地いい歌声はユニコーン達にも響いていた。特に大人気アイドルであるミクも、Mine Createの歌を大絶賛しているようだ。そのユニコーン達やミクの様子にナワーブもイソップも頬が緩む。やがてMine Createの代表曲の一つである今回の歌が終わった時には、大喝采が巻き起こった。

Mine Create(表)メンバー「「「「みんな、ありがとうーーーっ!!」」」」

その声援にMine Createのメンバー達も全力でお礼を言い、司会者の言葉で締めくくられたと共にステージを後にした。こののど自慢大会、最初の時点でレベルが高いような……?

イソップ(柊)「まさか、本物のアイドルがトップバッターで歌うとは……普通あそこまで歓声湧くほどのアイドルは後の方になりませんか?」

シャミ子(裏)「まぁ……それは司会者の方や関係者の皆さんの采配の結果かもしれません。他の人達の歌もいいものかもしれませんし、もう少し見てみましょう」

シャミ子(裏)の言う通り、イソップ達はそのままのど自慢大会を鑑賞し続けることとした。その後も、路上でライブをし続けているミュージシャンや、女子高生バンド、更には一般人だが歌がプロにも負けないレベルで上手い男性などが素晴らしい歌声を披露してくれた。どうやらこののど自慢大会に参加している参加者全体のレベルが高いようだ。

切国(柊)「………………参加している者達皆が、歌が上手いな……………」

切長(柊)「主、のど自慢大会というものも、こうして高度な技術が必要なものなのかな?」

ナワーブ(柊)「いや、必ずしもそうというわけじゃないはずだ。ここののど自慢大会がレベル高すぎるだけで……」

すず(表)「だよなー。みんな実力者じゃんか! 耳が幸せだぜ」

文録(裏)「みんなしてガチ勢なんだよな……てっきりちびっ子とか酔っ払って浮かれてる奴とかが多いかと思ったら……」

このようにほとんどの時間を美声でお送りできているのど自慢大会だが、いよいよ佳境となる最後の出番の参加者の番が来た。司会者もこれまでの参加者のこともありボルテージが上がってるらしい。声に更に熱が篭っていた。

司会者「さぁ皆様、参加者の皆様のおかげで素晴らしい時間となっている、のど自慢大会が終わる時が迫っているため名残惜しいのですが、いよいよ次で最後の参加者の出番となっております! エントリーNo.20! 様々な世界から結成したユニット、『町かどエンジェルズ』の皆さんです!!」

町かどエンジェルズ「「「「はーーーい!」」」」

シャミ子(裏)「……………えっ? あそこにいるのって…………」

文録(裏)「おいおい!? マジかよ!?? こんな事あるのか!??」






シャミ子(裏)と文録(裏)が驚いている理由とは!?
感想まだ

Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.151 )
日時: 2022/03/17 21:25
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)

このお花見のイベントであるのど自慢大会の佳境たるラストを飾る参加者達。その参加者達……「町かどエンジェルズ」がステージに元気よく上がってきた途端、シャミ子(裏)と文録(裏)が驚きの表情を見せた。なぜなら、彼女達の正体は………














ルルー(裏)「今回この場で歌わせていただく『ルル』よ!」

マルコ(裏)「ボクは『コマル』ですっ‪☆」

桃(裏)「えーと……『ももこ』です!」

夢野(裏)「リーダーを務めておる『ひみたん』じゃ!」

ルルー(裏)・マルコ(裏)・桃(裏)・夢野(裏)「「「「四人合わせて町かどエンジェルズです! よろしくお願いしま〜す!」」」」

すず(表)「何してんだよあいつら!??」

塵(表)「おい、あいつらも参加していたのか!?」

格闘女王のルルー(裏)に人情溢れる商人のマルコ・ポーロ(裏)、更に桃色魔法少女たる千代田桃(裏)に超高校級のマジシャンの夢野秘密子(裏)だったからだーーー!? 四人はフリフリの魔法少女を彷彿とさせるような愛らしい衣装で来ているが、どう見てもルルー(裏)達そのままの状態であり、名前もあまりにわかりやすいことだろう……!



リシアンサス(柊)「えぇっ!? あの人たち、もしかしてシャミ子さん(裏)達のお知り合いなんですか!?」

シャミ子(裏)「はい。ええと、今自分のことをももこって名乗っていた桃色の魔法少女が私の友達の桃(裏)です」

文録(裏)「んで、さっきコマルとか名乗ってた茶髪の奴が俺のダチのマルコ(裏)だ。女装してるが男なんだぜ……マルコ(裏)ときたら、女装してまで何やってんだよ!?」

オイゲン(柊)「さっき言ってた、お花見に誘っても断られた原因は、このためかしら? 残りの二人も知り合い?」

茶柱(裏)「そうですね……自分でひみたんって名乗っていた赤髪の女子が夢野さん(裏)……夢野秘密子さん(裏)です。転子が風丸さん(裏)に誘われたのに、やけにアタックしてきませんねと思ったら、こういうことだったんですね……」

風丸(裏)「それで、青色長髪の女の人がルルーさん(裏)です! とっても強い格闘女王なんですよ!」

ナワーブ(柊)「いや………そのルルー(裏)達はなんでこうしてのど自慢大会に変装して参加してるんだ……マルコ(裏)なんか女装までして………」

塵(表)「………だな。アイツらにいったい何があった……?」




夢野(裏)(ううう……マジカルショーのステージとは全然雰囲気が違うのじゃ、緊張してきたのじゃ……!)

桃(裏)(あっ、やっぱりシャミ子(裏)来てる!! 塵(表)や文録さん(裏)やすずさん(表)だけじゃなくて、たくさん人といるのが気になるけど……覚悟を決めるしかない!!)

マルコ(裏)(ヒミコ(裏)とモモ(裏)が緊張してる……ここはボクがリードしていかないとね! ブンロク(裏)も来てるんだし!)

ルルー(裏)(さっきまで歌が上手い人達が多かったけど……せっかくみんなで練習してきたんですもの! 負けないんだからね!)

なぜ夢野(裏)達がユニットを結成してこの場にいるのか……



時は二週間前にいったん遡る………


♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'☆.:*:・'♪.:*:・'゜



お花見スポットとなる多魔市(裏)でののど自慢大会のお知らせは、もちろん何週間も前から知らされていた。そのポスターを見ているルルー(裏)に、気になった桃(裏)が話しかける……

桃(裏)「ルルーさん(裏)? どうしたんですか、何かのポスターを見て……それはいったい?」

ルルー(裏)「ああ! 桃(裏)! 実はね、二週間後に開催されるお花見スポットでののど自慢大会があるんだけど! 出場してみたくなったのよーーー!」

桃(裏)「え? ルルーさん(裏)が歌を、ですか? 珍しいですね! そこまで乗り気になるなんて……歌いたくなったんですか?」

ルルー(裏)「だって、見てよこの優勝特典!」

桃(裏)「ん? どれどれ? ………えっ、『多魔市(裏)内温泉旅行ツアーチケット』???」

ルルー(裏)「そうよー! 参加人数につき一つずつ貰えて、そのチケットで二人分ですって! 二人きりで温泉旅行に行けるから、これで優勝してお兄様(裏)とデートしたいのよーーー!」

桃(裏)「わ…………私も、シャミ子(裏)を誘って温泉旅行したい…………!」

ルルー(裏)「桃(裏)も温泉旅行したいの? ………あ! そうだわ! この大会、ユニット組んでもいいみたいだし、私達で組みましょうよ!」

桃(裏)「いいんですか!? ありがとうございます! ………でも、ルルーさん(裏)ってどのくらい歌が上手いんですか? って言う私も歌をそこまで上手く歌える自信がないんですけど……」

ルルー(裏)「うーん……それが私も、自分の実力がイマイチわからないのよね~……誰かの指南をもらいたかったところなの」

桃(裏)「そっか、お互い素人なんだ………どうしましょうか……」

どうやらルルー(裏)は優勝特典……二人分の多魔市(裏)内温泉旅行ツアーチケット目当てでのど自慢大会に参加するつもりであり、桃(裏)も見事に温泉旅行チケットに釣られた← しかしルルー(裏)も桃(裏)も歌に関しては未知数のため、途方に暮れていたが……そこに新たに人が現れた。二人の心配そうな顔を見て駆けつけた夢野(裏)だ。

夢野(裏)「二人とも! どうしたんじゃ、落ち込んだりして! 何かあったのか?」

ルルー(裏)「ああ、秘密子(裏)! 私達、この優勝特典を手に入れるために、のど自慢大会に出たいんだけど! 自分たちの実力を自覚した上で上達させたくて……」

夢野(裏)「な! なんと!? 温泉旅行チケットじゃと!?? これは転子(裏)とデートへ行けるチャンスではないか!! ………じゃが、ウチも歌に関してはどうにも得意とも不得意とも言えんのじゃ……」

桃(裏)「そっか、夢野(裏)でも難しいんだ……」

夢野(裏)「し、しかし! まだ期間も空いておるし、今から必死に練習と勉強を重ねれば実力をつけられるはずじゃぞ! ウチもユニットに加入するから、三人でこれから頑張るのじゃ!」

ルルー(裏)「そうよね! 今はまだ素人でも、努力を続ければ優勝もできるはずだものね!」

桃(裏)「ありがとう夢野(裏)! それじゃあ、これから何を題材にして歌っていくか決めよう!」

夢野(裏)も事情を聞き、ユニットに加入して優勝を目指すつもりのようだ。そのため、これから夢野(裏)と桃(裏)とルルー(裏)とで歌の練習をしていこうとしたのだが………












マルコ(裏)「ねえねえベッリーナ達! 何を話していたの? のど自慢大会!? 歌を歌う行事なの!? 楽しそう! ボクも混ぜてよ!」

夢野(裏)「んああああああああああっ!????? いきなり出てくるでないわああああああ!!!!」

そこに女好きでもあるマルコ(裏)が乱入してきた! マルコ(裏)は事情をよくわかってないものの、のど自慢大会に興味を持ち、三人の仲間に入りたがっているようだ……

ルルー(裏)「それがねマルコ(裏)、これから私達、歌を歌う大会で一番になるために、歌の修行をするつもりなのよ」

桃(裏)「優勝すると二人分で温泉に行けるチケットが貰えるんです……それを手に入れるために、私達練習していきたいんですよ」

マルコ(裏)「そっか、一番になるために実力をつけないといけないんだね? ………わかった! それならボクも覚悟を決めて最後までついてくよ。歌はあんまり歌わないけど、この機会に頑張るぞ!」

夢野(裏)「いやしかし! ウチは男死の加入など反対じゃ! ただでさえマルコ(裏)のことじゃ。歌っとる途中でウチ含めた女子にセクハラなどしてくるに決まっておるわい!」

マルコ(裏)「そんな〜、そんなこと言わないでボクも仲間に入れてよ〜! 入るからにはしっかり優勝できるように努めるからさ!」

ルルー(裏)「せっかくマルコ(裏)も仲間に入ってくれようとしてるんだし、受け入れてあげましょうよ! ………そうだわ! マルコ(裏)には女装してもらって、私達もその格好に合わせたユニットにしましょう! 桃(裏)や秘密子(裏)のこともあるから、魔法少女の格好で! これならどうかしら?」

マルコ(裏)「えっ!? 女装………ボク、女装しないといけないのかい!? さすがにそれは、恥ずかしいな!?」

夢野(裏)「女装させれば何とかなる問題じゃないんじゃ〜〜〜! ルルー(裏)達が良くても、それで男死の醜さを隠せるわけではないのじゃぞ!」

桃(裏)「まぁまぁそう言わずに……それなら私も強い方だし、私が夢野(裏)とマルコさん(裏)の立ち位置に割り込む形で立つから! これで許してくれないかな?」

夢野(裏)「うーん……桃(裏)もルルー(裏)もそこまでマルコ(裏)も入れようとするのなら仕方ないのう……… マルコ(裏)よ、絶対に女子に手出しするでないぞ!?」

マルコ(裏)「やったー!! ありがとう三人とも! ………あっ、ボクの服装はどうなるのかな?」

桃(裏)「そうですね………夢野(裏)的にはどうにもならないにしても、女装してもらいましょうか? 一応私達、住民の中では有名人的存在らしいので……」

ルルー(裏)「男一人だけ混ざってるより、みんな女子の方が華やかでいいものね! マルコ(裏)も女装似合いそうだし!」

マルコ(裏)「えーーーー!? そんなーーーー!!!」

…………色々と一悶着はあったものの、マルコ(裏)も無事加入を許可され、ユニットの方向性も決まったようだ。こうして、ルルー(裏)達は優勝を目指すべく、この二週間の間に努力に努力を重ねて、のど自慢大会に出場することになったのだ………



♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'☆.:*:・'♪.:*:・'゜


時は戻り、司会者とのトークも軽くこなしたルルー(裏)達町かどエンジェルズは、いよいよステージの上で歌うこととなる。友人達も見てる前であるため、ここは一番の成果を出したいところだ……!

桃(裏)「それでは、聞いてください……『町かどタンジェント』」











塵(表)「………………これまでの参加者と比べると、些か声質がブレがちだな」

風丸(裏)「そんな、いきなり批評ですか!? だけど、塵さん(表)の言う通り、歌は上手いんだけど、あともう一歩かも?」

リシアンサス(柊)「でも、皆さんとっても息ぴったりですよ! そのおかげで聞いてて心地いいです!」

ユニコーン(柊)「うん! ユニコーン、町かどエンジェルズのみんなの歌が、一番好き……!」

町かどエンジェルズの披露する「町かどタンジェント」は、これまでの参加者達の実力が高すぎたのが災いしたのか、二週間の間に実力をつけきれなかったのか、それなりに心地よい声質だったものの、まだまだ伸びしろがあれど未熟なものであった……しかし、リシアンサスの言う通り、四人が声を合わせて歌っていることで、よいハーモニーが奏でられているのが好ポイントだ。実際夢野(裏)達も幸せそうに、楽しく歌えている。………ここで、桃(裏)とマルコ(裏)がとあるアクションを起こし始めた。

桃(裏)「♪町かどで見つけた大事な宝物」フリフリ

マルコ(裏)「♪たとえ君が遠く離れてもかわらず大好きだよ」バチコン!




シャミ子(裏)「あっ………桃(裏)が、私に向けてファンサービス?してくれました」

文録(裏)「俺も! マルコ(裏)が俺に向けてファンサしてくれたぜ! ………すっげー嬉しい」

イソップ(柊)「そうなんですか? ………どうやら向こうにとっても、あなた達は大切な存在で間違いないようですね」

ミク(柊)「うんうん! よかったね二人とも! 今日はいい思い出になるよー!」

茶柱(裏)「まぁ……そうなりますね。転子も、今日の夢野さん(裏)がキラキラして見えますし」

なんと桃(裏)はシャミ子(裏)に、マルコ(裏)は文録(裏)にファンサービスをしてくれたのだ。シャミ子(裏)も文録(裏)も、後でまた見直すためにもビデオ撮影しているのだが(!??)、これには堪らずタジタジになっていた……やがて、曲が終わった頃には皆が微笑ましい気持ちになり、こちらも拍手喝采となった………








中編は以上です! 次の更新が後編でクロスカプ本番の予定←
感想OK!

Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.152 )
日時: 2022/03/21 22:40
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: FOqQFS6Q)

司会者「皆さん、お待たせ致しました。アンケートにご協力いただきありがとうございます! 集計結果が出たところで、いよいよ優勝者の発表とまいります! 優勝者は! エントリーNo.1! 地下アイドルグループ『Mine Create』の皆さんでーーーーーす!!!」

Mine Create(表)「「「「わーーーーーっ!!!!!」」」」

最後の出番である桃(裏)達「町かどエンジェルズ」の歌が終わったあと、お花見観光客全員に今回ののど自慢大会で誰の歌が一番良かったかのアンケートが取られた。シャミ子(裏)達もナワーブ達も素直な意見をアンケートに書いた結果、優勝者はトップバッターを飾っていたMine Createのメンバー達となった。自分たちが優勝したとわかったメンバー達は喜びを隠せず、メンバー同士で手を取り合って小躍りしていた。その様子から彼女達も相当仲が良く、こののど自慢大会に真剣に挑んでいたとわかる。




シャミ子(裏)「あっ………桃(裏)達、優勝逃してしまいました……残念ですね……」

イソップ(柊)「ですが、今回ばかりは仕方がないのでは? 僕も技術面から考えて、今回優勝を飾った彼女達に投票しましたし」

ユニコーン(柊)「ユニコーン、町かどエンジェルズのみんなの歌が大好きだったんだけどなぁ……」

文録(裏)「まぁでも、仕方ねーよ! 優勝したMine Createの奴らの歌も良かったんだし……あいつらの優勝を祝っておこうぜ」




司会者「これにて、今回ののど自慢大会の演目は以上となります! 会場の皆さん、参加者の皆さん! お付き合い頂きありがとうございました! ここからは引き続きお花見を楽しんでください! それではー!」




司会者の男性の締めの言葉とともに大きな拍手の音が響き、拍手が終わると、またみんなお花見の方に戻ったのだった。文録(裏)達もお花見に戻ったものの、のど自慢大会に出場したマルコ(裏)達のことを思い返していた。

文録(裏)「いやー……優勝まではいかなかったが、マルコ(裏)達も歌上手かったなぁ。……なんであの格好してまでのど自慢大会に出場したのかはわかんねーが」

ユニコーン(柊)「うん! お洋服もかわいかった……本当にみんなかわいかったなぁ」

リシアンサス(柊)「シャミ子さん(裏)や文録さん(裏)にファンサービスしてくれたのも嬉しいですよね! その動画はきっと、ずっと大事なお守りになるのではないでしょうか!?」

シャミ子(裏)「はい。ずっと大事にします。 桃(裏)がこの事を知ったら照れて消そうとすると思うので隠し通しますが」

茶柱(裏)「きえー……転子も、夢野さん(裏)の歌っている姿撮っておけばよかったでしょうか」

風丸(裏)「その方がよかったんでしょうけど、過ぎたことは仕方ないですよ! さーてと、改めて桜見るぞ!」

イソップ(柊)「いや、意気込んで見るものでもないと思いますが……おや、向こうから誰かこっちに来ていませんか?」

ミク(柊)「あ! 本当だ、なんだかパーカーのフードを被ってる人が来てるよ! 持ってるものは何かな?」

感慨に浸るシャミ子(裏)や文録(裏)、そして茶柱(裏)達の元に、また新たに人の来訪が……。その人物はフードによって顔がわからないが、何か缶を売っているようだ……

売り子「いらっしゃいいらっしゃーい! 甘酒はいかがかなー! 1本120円だよー!」

風丸(裏)「甘酒? そんなの売ってるんだな! ちょっと飲んでみたいなぁ!」

ナワーブ(柊)「あー……甘酒も花見だと重宝されるものだったな。お前らも気になるか? 甘酒は酒じゃないから、未成年でも飲めるが……」

リシアンサス(柊)「え! この甘酒を飲んでいいんですか!? 飲めるなら飲んでみたいです!!」

ユニコーン(柊)「ユニコーンも、甘酒が気になるから、飲んでみたいな……」

オイゲン(柊)「私はお酒は飲めるけれど、せっかくだし、甘酒を嗜んでみようかしら?」

すず(表)「おお! じゃあみんなで買ってみるか? あたいがおごるからよ!」

文録(裏)「あっ、なら俺も大人として、柊サイドから来たお前らの分の金は払う!」

売り子「はーい毎度ー! 甘酒は『甘酒』、酒は『酒』って書いてあるから、必ず確認してねー!」

すず(表)と文録(裏)がそれぞれ人数分の金額を払うと、売り子は人数分の甘酒(……?)を手渡して次の場所へ去っていった。その様子を見て、切長と切国が何かを察知したようだ……

切長(柊)「さっきの売り子の発言……気になるな。主、主達が飲む前に、一度俺達にその甘酒たちの確認をさせてくれないかな?」

切国(柊)「……………オイゲン殿も、手に取った酒を一度こちらに……………… ………!」












オイゲン(柊)「う〜ん………この甘酒、とっても濃い味ね〜……? でも、このくらいがちょうどいいわ〜……♪」

切国(柊)「……………遅かったか…………」

売り子から買った甘酒の確認をしようとした切長と切国だが、確認する前にそれを飲んでしまったオイゲンが泥酔したーーーー!??? その様子を見た切長が慌ててオイゲンからその缶を拝借してみると、よく確認すればその缶が甘酒でなく酒であることがわかった!!

切長(柊)「あの売り子の発言はそういうことか……! 他にも酒は混ざってないか!?」

切国(柊)「……………全員、缶の表面をよく見せてくれ…………」

???「う〜〜〜〜ん……………」

切国(柊)「……………!? ……………今度は、誰が…………!?」











ユニコーン(柊)「文録くん(裏)? 大丈夫? 眠くなっちゃったの?」

文録(裏)「うーーーーーん、むにゃむにゃ……もうねむい……………」

切長(柊)「ああ、文録殿(裏)まで………!」

更に、金を払い終わった後に軽くその『酒』を飲んでしまった文録(裏)も撃沈していた!! ………幸い、ここまで酒を飲むに適している年齢のメンバーが酒を飲んでいることと、切長と切国が確認してみたところ、酒はもうなく残りはみな甘酒であることが救いか……?

ナワーブ(柊)「いやしかし、あの売り子いくらなんでも説明少なすぎないか……? 危うく未成年のユニコーンやシャミ子(裏)達が酒を飲んでしまうところだったんだぞ!?」

切長(柊)「全くだな。俺達が気づいてなかったらどうなってたことか………」

茶柱(裏)「きえー………うちの住民がすみません……あの声と言動、見覚えがありますから、後で極めておきますので。………名残惜しくなって今の事をビデオ撮影しといて良かったですよ……」

風丸(裏)「おお! さすがです、茶柱さん(裏)!」

塵(表)「おい、言ってる場合か。泥酔したオイゲンと文録さん(裏)はどうするんだ……」

文録(裏)「すやぁ………」(//ω//)

オイゲン(柊)「ナワーブも一緒に飲みましょ〜よ〜♪」

ナワーブ(柊)「ああもう……わかったわかった! 俺も飲むよ。甘酒をだがな……」

ミク(柊)「あわわわわ………すっかり酔っ払っちゃってるね……!」

リシアンサス(柊)「『酒は飲んでも呑まれるな』って、このことなんですかね!?」

ユニコーン(柊)「ユニコーンも、甘酒を飲む時は気をつけないと……!」

イソップ(柊)「いえ、あれは立派な酒なので、ミクさんたちは特に気にしなくていいと思いますよ………」







葉隠(表)「王馬っち(表)ー! 酒や甘酒の販売、上手くいってるか?」

売り子→王馬(表)「うん! バッチリだよー! にしし……オイゲンちゃんや文録ちゃん(裏)達、ごめんね?」

葉隠(表)「? 何言ってんだべ王馬っち(表)! 次の場所へ行くぞー!」

王馬(表)「はーい! あっ、感想はまだだよ!」

Re: 桜並木前線〜柊サイドのクロスカプの皆さんと一緒〜 ( No.153 )
日時: 2022/03/21 22:44
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: FOqQFS6Q)

さて、甘酒の売り子もとい王馬(表)の計らいにより、酒を飲んで泥酔してしまったオイゲンと文録(裏)はすっかり酔いつぶれてしまった。そのため、ナワーブはオイゲンを、すず(表)は文録(裏)をおぶっているが……

オイゲン(柊)「うふふ……ナワーブにおぶられるのも〜、悪くないわね〜♪」

文録(裏)「むにゃむにゃ……ふふ………」

ナワーブ(柊)「参ったな………だいぶ酒入ってる。酔いを覚まそうにも、こりゃ今日中には抜けなさそうだな」

すず(表)「文録(裏)もここまで酔っ払うとはなぁ……どうする? 二人が寝ぼけた状態でお花見するのはどうなんだ……?」

塵(表)「…………こうなると二人を部屋に連れて帰って寝かせた方がいいだろう。十分花見もできた事だし……今日はここでお開きにするぞ」

ミク(柊)「そうなっちゃうよね、私はもっとみんなとお話したかったけれど……」

茶柱(裏)「きえー……転子ももう少しミクさんたちとお話させて頂きたかったんですが、仕方ないですね。最後にミクさん、この色紙にサインお願いします」

風丸(裏)「茶柱さん(裏)、ちゃっかりしてませんか」( ̄▽ ̄;)

ミク(柊)「茶柱さん(裏)、ありがとう! ちょっと待っててねー……」

オイゲンと文録(裏)の酔いっぷりから、今日のお花見はお互いここでお開きという形を取るようだ。茶柱(裏)はミクからサインをもらいつつ、それぞれ感謝の気持ちも入れながら別れの言葉を交わす。

すず(表)「んじゃ、あたいが文録(裏)をラッキーキャット(表)まで連れて帰るわ! 塵(表)やシャミ子(裏)はどうする?」

シャミ子(裏)「では、後始末は私と塵君(表)とでやってから帰りますね」

塵(表)「………俺も異論はない」

すず(表)「わかった! じゃあまたなお前らー! いつかまた話そうぜー!」

文録(裏)「ユニコーン……すずねーちゃん(表)……むにゃむにゃ……」

ユニコーン(柊)「ふふ。文録くん(裏)、またね……」

ナワーブ(柊)「じゃあ俺らも荘園に帰るか。じゃあな……今日もらった飯、どれもうまかったぞ」

リシアンサス(柊)「今日のイベントやお話、とっても楽しかったです! また会えたらもっといっぱい話しましょうね!」

オイゲン(柊)「またね〜……うふふ、ナワーブの背中温かいわねぇ〜」

切長(柊)「今日は主や俺達に快く接してくれてありがとう。また会える時を楽しみにしているよ」

切国(柊)「………………また、話せる時が来たら、いいな……………」

イソップ(柊)「……今日のお花見、悪くはなかったです。それでは………」

ミク(柊)「うん! 私もこうしてメリーディストピアでお花見できてよかった〜! また会おうね、みんな!」

風丸(裏)「はい! また会いましょう! それじゃあ茶柱さん(裏)、俺らは少し辺りを走ってから帰りましょうか!」

茶柱(裏)「きえー、それはいいですけど唐突ですね……皆さん、今日は転子たちも仲間に入れてくださってありがとうございました。気をつけて帰ってくださいね」









風丸(裏)と茶柱(裏)は向こうへと走りに行き、柊サイドの面々はハザマセカイへと帰るべく天悪と柊さんのいるところへ向かい、 すず(表)は文録(裏)をおぶって自宅であるラッキーキャット(表)へ帰るべく歩いたところで………その場に残されたのは塵(表)とシャミ子(裏)だけとなった。

シャミ子(裏)「塵君(表)、後片付けを手伝ってくれてありがとうございます」

塵(表)「別に。風丸(裏)と茶柱(裏)がすぐにこの場を去った以上、俺がいなければお前一人で片付けることになるだろう」

シャミ子(裏)「そうなるところでしたね。だからこそ嬉しいです。こういう時、塵君(表)が傍にいてくれて感謝しています。……逃走中2の時から、ずっとこうして助けられてばかりですね」

塵(表)「…………あの時だって、別にお前を助けたくて助けたわけじゃあ……」

シャミ子(裏)「え、私今でも逃走中2を見直してますよ」

塵(表)「っ…………いや、俺は元々べたべたする事が好きではなくてだな………」

シャミ子(裏)「だけど、今のところ『嫌』って、言ってないですよね。文録君(裏)やすずさん(表)といる時も、私がこうして話しかけてきてる時も」

塵(表)「……………………」

シャミ子(裏)「それは、塵君(表)も優しい人で、少しでも私のことを気にしてくれてるって、思ってもいいですよね」

塵(表)「…………お前はまだ弱い。少なくとも俺よりもずっとだ」

シャミ子(裏)「はい。私が非力なのは、自分でも課題点としています」

塵(表)「ならば、お前が俺に憧れて俺に近づいているのなら、少しづつでも俺を驚かせる程の力をつけてみせろ。そうしたら、俺も安心できるからな」

シャミ子(裏)「はい……塵君(表)に少しづつでも近づけるために、これからも桃(裏)やミカンさん(裏)との特訓頑張ります。………今の時間も、とても嬉しいんですけど」

塵(表)「よ…………余計な事を言うな! ちゃんと手を動かせ!」

シャミ子(裏)「ふふ、はい」










一方、共に風のように走り続けている風丸(裏)と茶柱(裏)は、人にぶつからないよう人気を避けたルートを走っていた。段々と道を外れていくものの、走るにはいい道だ。桜が舞い散る光景も美しい……やがて、一通り走った風丸(裏)と茶柱(裏)は、息を整え歩きながら、会話をまた始めていた。

風丸(裏)「あー! 今日は楽しかった! まさか柊さんの所の人達と話せるなんて、ラッキーでしたね!」

茶柱(裏)「きえー……その通りですね。まさか本物のアイドルのサイン色紙を手に入れられるとは思いませんでしたよ」

風丸(裏)「こうなるとミクさんの歌も聴いてみたかったですねー……」

茶柱(裏)「きえー、そういえば転子達……だいぶ惜しいタイミングでやってきてたような気がしますね?」

風丸(裏)「ですね? でも、それはそれとして割り切るしかないですよ! 今度会えた時にお願いしましょう!」

茶柱(裏)「きえー、そうするしかないようですね……また今度の機会に天悪さんが頼みに来てくれればいいんですけど」

風丸(裏)「……………」

茶柱(裏)「きえ? どうしたんですか、急に立ち止まって」

風丸(裏)「ああ、いや…………この時が、こうして何気なく他愛のないことを話す幸せな時が、ずっと続けばいいのにって思ってて……」

茶柱(裏)「……………」

風丸(裏)「天悪のことですし、この平和が崩れるのはそうそうないとはわかってますよ! でも、俺自身の手で幸せを壊してしまわないように」

茶柱(裏)「壊させませんよ」

風丸(裏)「え」

茶柱(裏)「転子は、風丸さん(裏)の事をずっと支えるって決めてるんです。あなたも幸せに思ってるこの時間を壊すなんて、絶対にさせませんからね」

風丸(裏)「………〜〜〜〜っ! あはは! ふふ、俺、この時一番茶柱さん(裏)のことが輝いて見えましたよ! やっぱり茶柱さん(裏)の事が好きです!」

茶柱(裏)「きえーーー! 人がいないからって、そういうことを堂々と言わないでくださいよ!」

風丸(裏)「ははは! 茶柱さん(裏)、顔真っ赤ですよ!」

茶柱(裏)「誰のせいだと思ってるんですか!!」








ミク(柊)「あっ! イソップくん戻ってきた! おーい!」

イソップ(柊)「すみません、お手洗いに付き合わせてしまって……というか、お手洗いから戻ってきただけで呼び込まなくていいんですよ。別に迷子になるような歳でもありませんし」

ミク(柊)「えへへ、ごめんごめん!」

一方、イソップとミクは公共のトイレで二人でいた……ナワーブ達と今は離れている理由は、会話の通りイソップがトイレに行きたくなり、ナワーブ達に先に行っておくよう言ったからだ。早く戻らなければ、待たせてしまうことになる。だが……

ミク(柊)「せっかくキレイに桜が咲いてるし、ここの人達とても優しいみたいだから、名残惜しいな〜」

イソップ(柊)「まぁ、桜が綺麗なのは否定しませんが……」

ミク(柊)「今度また季節が変わったら、遊びに行きたいな! イソップくんはどう?」

イソップ(柊)「ええーと……僕はメリーディストピアの住民の皆さんと特別会いたいってわけじゃあ………」



びゅおおおおっ!!



ミク(柊)「きゃっ!? 風が!」

イソップ(柊)「………っ! ………どうやらちょっとしたそよ風のようですね。……大丈夫ですか、ミクさん? …………………!」

そよ風が二人のいる地点で吹いて、イソップがミクの方を向いた時、イソップはつい見惚れてしまった。それも当然だろう。だって、桜の花びらもそよ風に吹かれたのか、いくつかの桜の花びらがミクの髪に程よくついていて。桜で彩られた彼女の姿は、彼の目にキラキラと美しく見えて………

ミク(柊)「えっと? どうしたのイソップくん? ………はっ! も、もしかして今のそよ風で、髪とか乱れちゃった!? ええ〜! どどど、どうしよう!? 恥ずかしいかも!」

イソップ(柊)「はっ。 ……そこまで言うほど恥ずかしいことにはなってないので安心してくださいよ。むしろ、桜に染まったミクさんも可愛いので、これはこれで………」

ミク(柊)「えっ?」

イソップ(柊)「ああ、いやその………今のは忘れてください。聞かなかったことにする事はできますか!?」

ミク(柊)「………そ、そっか。ふふ……ならしばらく髪はこのままで過ごそうかな♪」

イソップ(柊)「ですから! ……まぁ、そのまま過ごすのはいいんですけどね……」






イソップとミクが風に吹かれている間も、ナワーブはオイゲンをおんぶして天悪と柊さんの元へと向かっていた。切長や切国は今も自分たちの護衛に入っている。リシアンサスとユニコーンも他の住民と挨拶しつつ、ナワーブの方をチラチラと見ていた。

ナワーブ(柊)「今日のお花見、アクシデントはこうしてあったが良かったな………」

オイゲン(柊)「ふふふ〜。私、しばらく離れないんだからね〜?」

ナワーブ(柊)「う〜〜〜〜ん………参ったな、こりゃ本当にしばらく離さないつもりだぞ」( ;´・ω・`)

オイゲン(柊)「ねぇナワーブぅ、今日は一緒にお昼寝しましょうよ〜」すりすり

ナワーブ(柊)「昼寝か、それはいいがお前は俺と一緒に寝ていいのか………って。ふふ……オイゲンときたら、すっかり甘えてきてるな」

酒が入ったオイゲンは、元から猫のような性格であったが今は緩くなっており、ここぞという時にナワーブに甘え続け、ナワーブに頬ずりまでやっていた。その様子は正に猫である。ナワーブの方も、オイゲンの幸せそうな表情を見て微笑み返していた……

ユニコーン(柊)「………」じーーーー……

リシアンサス(柊)「あ、あの、その………」

ナワーブ(柊)「ん? どうしたんだ二人とも」

ユニコーン(柊)「あ、あのね! ナワーブお兄ちゃん………そのね………明日や別の日でいいから、ユニコーンも、おんぶしてもらっても、いい……?」

リシアンサス(柊)「私も、その……! ナワーブさんに、その、おんぶしてもらって、甘えてみたい、です………!」

切長(柊)「………」そわそわっ

切国(柊)「…………」ソワソワ((・ω・))

ナワーブ(柊)「あー………いや、別に明日とか別の日とか、遠慮しなくていいんだぞ」

ユニコーン(柊)「えっ? えっ、えっ? だって今は、オイゲンお姉ちゃんが……」

ナワーブ(柊)「ああ、大丈夫だ。おんぶはできなくても、この体勢で少し抱き寄せるならできるはずだ。………あっ、すまん。頭撫でるの方が良かったか?」

リシアンサス(柊)「い! いえ! わ、私、ナワーブさんに抱き寄せられたいですっ! 是非とも抱き寄せてください!」

ユニコーン(柊)「ユニコーンも……! ナワーブお兄ちゃんに、温めてもらいたい……!」

ナワーブ(柊)「おおお、そうかそうか……リシアンサスもユニコーンもありがとな。………切長と切国も頭撫でられにくるか? 今日も護衛頑張ってくれたからな。ささやかなお礼にすらなってないだろうが……」

切長(柊)「え、え????? 俺達も???? 主に、頭を、撫でてもらえるというのか?????」

切国(柊)「……………本歌、突然興奮する患者になろうとしないでくれ……………俺も、そうなりそうだが………………」

ナワーブ(柊)「突然興奮する患者化ってどういうことだよ( ;´・ω・`) そこまで嬉しいものなのか……そういうことなら、一人ずつ順番でいいか? イソップとミクの事もあるから、なるべくゆっくりな」

リシアンサス(柊)・ユニコーン(柊)「「はい!!(うん!)」」

切長(柊)「待ってくれ待ってくれ待ってくれ心の準備ができてない!!!!!(ありがとう主、それじゃあ俺の時は丁寧に撫でてほしいな)」

切国(柊)「………………本歌、本音と建前が逆だ…………俺も、優しく、撫でてもらいたい………………」

オイゲン(柊)「あらぁ、ふふ♪ 今日もモテモテねぇナワーブ〜?」むぎゅう

ナワーブ(柊)「ははは、お前らのおかげで毎日充実、してるんだろうなぁ……」



このようにして、天悪サイドと柊サイドのクロスカプたちのお花見は幕を閉じたのだった……









というところで! 柊さんとのコラボ回は以上となります! 柊さん、今回のコラボ承諾誠にありがとうございました!! 今回の回も喜んで頂けたらの話になりますが、気に入って貰えた&ナワーブくんたちをしっかりと書けていたなら何よりです!! でもオイゲンちゃんは後編ほとんど酔わせてすみませんでした(土下座) またこうしたコラボの機会があればぜひともよろしくお願いします!

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