二次創作小説(新・総合)
- Re: ナナカマドちゃん(裏)のキャラクエ風ss ( No.246 )
- 日時: 2023/11/03 21:59
- 名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: 6tDnREag)
※今回のお話は「フラワーナイトガール」に存在するナナカマドちゃんのキャラクタークエストを天悪サイド版でお送りするというお話です。フラワーナイトガールのナナカマドちゃんのキャラクエのネタバレ&アレンジありについて要注意!!
※今回はまだ天悪の日常小説で加入話を正式に書けていないキャラ(今回だと文豪とアルケミスト、フラワーナイトガール)が先行登場しております。
※オリ設定が多々含まれます。例えば今回だと、(裏)の方のフラワーナイトガールの世界での花騎士たちの騎士団長は6人いるんですが(!?)その内の2人が文アルのポー様(裏)と同じく文アルのはわわ様(裏)ことラヴクラフト様(裏)で、ポー様(裏)はウィンターローズという国家に所属する花騎士の団長で、ラヴクラフト様(裏)はロータスレイクという国家に所属する花騎士の団長です。ナナカマドちゃん(裏)はウィンターローズ所属の花騎士なので、つまりそういうことです←←←
※これらの要素から「こんなん見れるかァーーー!!!」と感じた方はブラウザバックを推奨いたします。大丈夫な方は↓へどうぞ!
これは某日のスプリングガーデンにある国家の一つ、ブロッサムヒルの駐在地に存在する執務室から始まる物語━━━━━━━━私、エドガー・アラン・ポー(裏)は我が騎士団に所属する花騎士、ナナカマド(裏)をとある任務の為に呼び出し、たった今、ナナカマド(裏)が執務室にたどり着き、室内に招き入れたところであった。
ナナカマド(裏)「お呼びですかっ!? 団長さん!」
ポー(裏)「ああ。よく来たな、ナナカマド(裏)。待っていたぞ」
ナナカマド(裏)「はいっ! 団長さんからのお呼び出しだもん。楽しみで楽しみで! あっ! ラヴクラフト(裏)の団長さんに、ネムノキさん(裏)もいる!」
ネムノキ(裏)「どうも。今回の任務には、私達も呼ばれたんです」
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)、からの、直々に、頼まれた、任務………必ず、こなす、です!」
ポー(裏)「ああ。ハワード(裏)やネムノキ(裏)、そしてナナカマド(裏)が大いに働けるよう期待している。それで、今回依頼を受けた任務の内容なのだが……これはナナカマド(裏)が一番にうってつけのものであるのだ」
ナナカマド(裏)「えっ? 私に最適? なにそれ?」
ポー(裏)「それがだな。この度、ブロッサムヒルで取り壊しが決まった店があるのだが……その作業に取り掛かろうとしていた土木業者どもが倒れていく事件があってだな………」
ナナカマド(裏)「………えっ!? ちょ、ちょっと待って!?? 話を聞くに、それって!!」
ネムノキ(裏)「悪霊絡み、の任務でしょうね……」
ラヴクラフト(裏)「今回、害虫、退治、違います」
ナナカマド(裏)「ちょっとちょっと待ってよ〜! なんで悪霊絡みの任務に私を入れるの〜!?」
ポー(裏)「貴女の家は由緒正しい悪魔祓いの一家であると聞いているからだ。今回は悪霊が絡んでいる可能性が高い任務。今回は我が下僕であり霊的な……というより邪神に縁のあるハワード(裏)や水の魔力が非常に強いネムノキ(裏)と、貴女が適任であると考えたのだ」
ナナカマド(裏)「知ってるでしょ、団長さん! 私、霊感とか全くないの! だから、悪霊祓いとかしたくても難しいんだってば……こういった任務に抜擢されて成果を挙げられない度にガッカリさせちゃうのが申し訳なくて………」
……確かに、ナナカマド(裏)本人から悪魔祓いの一家の出にも関わらず、霊感がないのだと話を聞いたことはある。ナナカマド(裏)が悲しそうにこう言うということは、以前にも悪魔祓いに失敗して、依頼主から不満を漏らされるなどのことをされたのだろうか……
ナナカマド(裏)「だから今回もきっと、私お荷物になっちゃうよ? ラヴクラフト(裏)の団長さんとネムノキさん(裏)だけじゃダメなの?」
ラヴクラフト(裏)「そう、です! ポー様(裏)! 悪霊、程度、なら! 私だけで、十分、です!」
ネムノキ(裏)「団長殿、ポー殿(裏)からの誉を貰いたいが為に、自分一人だけで挑みたがるお気持ちは察しますが……」
ポー(裏)「…………ハワード(裏)は邪神どもを創造した"伝道師"として、我々には計り知れん力を持っているが、ハワード(裏)ができることはいわゆる除霊であり、恐らく祓魔はできん。ネムノキ(裏)も、ハワード(裏)の護衛も兼ねてついてもらっているが、ネムノキ(裏)の魔力も強力であるが、悪霊を祓えるかどうかというと……なので、貴女の協力が必要なんだ」
ナナカマド(裏)「うう、どうしよう………さっきも言ったけど、私霊感ゼロなんだよ? 他の悪霊を祓える花騎士さんが戻ってきてからじゃダメなの?」
ポー(裏)「生憎、彼女達も今は害虫退治の為に出かけているからな……それに、彼女達を待っていると次の店が入る工事に差し支えがあるらしい。次の者も早く使いたい所だろうが、悪霊もいる店で働きたくはないのだろうな」
ナナカマド(裏)「そうだよねぇ………ところで、何のお店が入る予定なの?」
ラヴクラフト(裏)「あっ! 私も、気になり、ます! アイスクリーム、店、ですか!?」
ネムノキ(裏)「そう都合よくアイスクリーム屋さんが入ることがあるのでしょうか?」
ポー(裏)「それがな。ベルガモットバレーで有名であるチェーンの、パスタ料理店だ。なんでも、名物料理にカルボナーラがあるといわれるな………」
ナナカマド(裏)「………えっ!」
ラヴクラフト(裏)「パスタ? ですか? パスタは、普通、です」
ネムノキ(裏)「何の店でも、これも任務なんですから。気を引き締めて、私達だけでも向かいましょうよ」
ポー(裏)「………ああ。ナナカマド(裏)には無理を言ってしまって、すまなかった。今回の任務は、私とネムノキ(裏)とハワード(裏)とで向かおう」
ナナカマド(裏)「ま、待って! やっぱり私も行くよ! 美味しいパスタ屋さんやカルボナーラを作ってくれる人たちのために、そのお店を守ってあげたい! 私でも祓えるよ! きっと! ……ああ、でも上手くできるかなぁ………?」
ポー(裏)「! ……そうか。ありがとう。今回はキキョウ(裏)を始めとした霊的な者に詳しい花騎士達から事前に、清めの塩や魔除けのアクセサリに、御札等を有難く頂戴させていただいている。全員でこれらを装備して向かうぞ」
ナナカマド(裏)「! うんっ!」
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)! これも、魔除け、御守り? ですか?」
ポー(裏)「……………いや。これは恋愛成就の御守りのようだな……これは机の中にしまっておこう」
ネムノキ(裏)「………決まりですね。では、私も微力ながら、この魔力を団長殿達の為に奮わせて頂きます。ポー殿(裏)、目的地まで向かいましょうか」
ポー(裏)「ああ。ナナカマド(裏)、これが終われば皆で喫茶店のパフェといったスイーツを頂こう」
ナナカマド(裏)「うんっ! よーし、がんばるよー!」
こうして、私達は悪霊に対する対策をなるべく万全になるように施し、任務の舞台となる、取り壊しの決まった一軒家の方へ向かうのだった……
感想まだだッピ!
- Re: ナナカマドちゃん(裏)のキャラクエ風ss ( No.247 )
- 日時: 2023/11/03 22:01
- 名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: 6tDnREag)
4人でやって来たその一軒家に辿り着くと、一番にナナカマド(裏)がやる気を見せていた。
ナナカマド(裏)「ここが悪霊の出るっていう店ですか! 私、頑張っちゃいますよ! 美味しいパスタ屋さんのためにも!」
ネムノキ(裏)「ナナカマド殿(裏)は完全にパスタにつられているようですね」
ラヴクラフト(裏)「ナナカマド(裏)! ポー様(裏)から、誉、授かる、この、私、です! あなたには、負けない、です!」
ナナカマド(裏)「ええっ? ラヴクラフト(裏)の団長さんが祓えるのなら喜んで譲りたいけどなー……」
………この悪霊退治の依頼は、本来害虫を倒す花騎士の騎士団の仕事とは言えんのだが……私の退屈が今回の出来事で紛れるのならば、最後までやり遂げるとしよう。
して、この一軒家は普通の家を改造した、ごく普通の店であるのだが………
妙な感覚がする。この店も普通の雰囲気のはずなのだが、やけに薄暗く、周りがくすんで見えるのだ。………悪寒も感じられる。直に恐怖を味わうことができるのは有難いのだが、これは………
ネムノキ(裏)「…………これは……相当な邪気が漂っているような…………」
………やはり、ネムノキ(裏)にもこの邪気が伝わっているようだ。ぱっちりとした双眸を険しく細め、対象の一軒家を見ている。しかし、ナナカマド(裏)とハワード(裏)は平気そうであった。
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)? ネムノキ(裏)、どう、しましたか? されましたか?」
ナナカマド(裏)「二人とも、何かあったんですか?」
ポー(裏)「ハワード(裏)に、ナナカマド(裏)……お前達は、平気………なのか?」
ナナカマド(裏)「? 何がですか? うーん、フツーのお店じゃないですか! 本当に悪霊なんているんですかぁ? 作業員さんが倒れたのだって、過労とかだと思うけどなー……」
ネムノキ(裏)「……ナナカマド殿(裏)、悪霊の気配を全然感じないのですか? 団長殿も……」
ラヴクラフト(裏)「? ネムノキ(裏)、ポー様(裏)も! 何を、警戒、している、ですか? この程度、怖く、ない、です! 平気、です!」
…………どうやら、ナナカマド(裏)は本気で悪霊の気配を感じていないようで、ハワード(裏)にとっても恐るるに足るものではないらしい。……まぁ、ハワード(裏)もこう言うのなら、特に支障はなかろう。早速中に………
ポー(裏)「…………っ!???」
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)!? 大丈夫、ですか!?」
ナナカマド(裏)「……あれ? この扉に着いてる赤い………血かな? これ」
ネムノキ(裏)「………そんなに平然と口に出せるものではないのでは?」
この赤い模様……確かに血の臭いが漂っている。こんなもの、いったい誰が………やはり、この店の中にいるという、悪霊の仕業なのか………?
ナナカマド(裏)「もしかして! ケガ人がいるのかな!? 土木業者の人かな!?」
ポー(裏)「………とは言うがな……この辺りには誰もおらんぞ。それに、誰かがケガをしてこの血をずっと放置するというのもおかしいだろう」
ネムノキ(裏)「…………これは、やはり悪霊の…………」
ナナカマド(裏)「えー? 悪霊が血を吐くわけないじゃん。悪霊って目には見えないものなんだよ? 血だけ見えるのっておかしくない? それに、これが悪霊のものなんだとしても、これだけ血を吐いてるなら、弱ってるはずだよ」
ネムノキ(裏)「………そうでしょうか……」
ポー(裏)「………そのような考え方もあるにしても、やはりこの店は不気味な雰囲気が漂っているのだが……」
ナナカマド(裏)「とりあえずみんなで入ってみようよ? もしかしたらケガをしている人が中にいるかもしれないよ? 助けないと!」
ラヴクラフト(裏)「ナナカマド(裏)の、言う通り、です! 早く、入る、しましょう!」
ポー(裏)「…………中には誰もいないと聞いているのだが……まぁ、お前らの言う通りだな。早く入るとしよう」
業者からはこの一軒家の鍵を預かっている。私はその鍵を扉の鍵穴に差し込み………回、し…………
ポー(裏)「…………っ!??」
ネムノキ(裏)「ポー殿(裏)?」
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)!?」
ナナカマド(裏)「団長さん? どうしたの?」
ポー(裏)「く………………っ」
鍵で扉を開けようと、鍵穴を回し始めた瞬間、頭が締め付けられるかのような感覚に襲われた。悪寒も先程よりずっと強くなっている……更に、肩に何かがのしかかっているかのような重みまで感じる………
ナナカマド(裏)「大丈夫? いつも働いてるから、疲れてるのかな?」
ネムノキ(裏)「いえ、そんな雰囲気ではないですよ……!!」
ラヴクラフト(裏)「………………」
私は、そのどうにも耐え難い、気味の悪い感覚に、呑まれ…………
ラヴクラフト(裏)「あなた、ポー様(裏)に、触れる、許しません」
………前に、ハワード(裏)が扉の方を強く睨むと。先程私に襲いかかってきた不快感が半分ほど和らいだ。……ハワード(裏)がこの店の中にいる悪霊を睨んで、私から一時的に引き剥がしたのだろうか……
ポー(裏)「あ………落ち着いて、きた。助かったぞ、ハワード(裏)」
ナナカマド(裏)「よかったー! やっぱり団長さん、日頃のお仕事での疲れが溜まってたんだよ! ちょっと休憩する?」
ネムノキ(裏)「ナナカマド殿(裏)、呑気が過ぎませんか……? 私からも礼を言いますよ、団長殿」
ラヴクラフト(裏)「ふふん! 私、言いました! この店、巣食う、悪霊、私の、敵、違います! ポー様(裏)、私、守ります! 早く、入る、しましょう!」
ポー(裏)「………ああ。休憩はいらん。このまま進もうか」
ナナカマド(裏)「えー? 団長さん、一回水飲んだりした方がいいと思うけどなー。ネムノキさん(裏)、団長さんにお水、渡してくれるかな?」
ネムノキ(裏)「………一応、飲める水は渡しますけどね」
私はネムノキ(裏)から魔法で錬成された軟水を有難く頂戴して飲みながら、4人で家の中に入るのだった……
次で後編
感想まだ
- Re: ナナカマドちゃん(裏)のキャラクエ風ss ( No.248 )
- 日時: 2023/11/03 22:04
- 名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: 6tDnREag)
ナナカマド(裏)「わーっ! 大きい店! イスとかテーブルとかないと、こんなに広くなるんだねっ! 新しくできるパスタ屋はどんな内装になるなかなーっ?」
ネムノキ(裏)「ナナカマド殿(裏)、貴女は本業者でしょう? 少しは緊張感を持たないのですか」
ラヴクラフト(裏)「ネムノキ(裏)! 悪霊、私が、始末、します! 心配、無用、です!」
問題の店内に入れたはいいのだが、相変わらずナナカマド(裏)は笑顔で店内を見回している。この中はかなり陰鬱とした雰囲気となっているのだが……ナナカマド(裏)は何も感じておらんのだろう。ハワード(裏)の方も、悪霊の事を格下に見ているからか、もう自分が退治する気でいる。
ナナカマド(裏)「こっちはキッチンかー。あれ? 何か書いてあるよ?」
ナナカマド(裏)に手招きされて、キッチンの中に入ってみれば、壁に赤い字で「カエレ」と書かれているのが見えた。
ポー(裏)「これは………やはり、赤い血か」
ラヴクラフト(裏)「無駄な、真似を……あの! あなた、私に、倒されること、変わりません! 早く、出てきなさい!」
ネムノキ(裏)「団長殿、ポー殿(裏)も弱ってますから……」
ナナカマド(裏)「誰が書いたのかな? あっ! 何かのレシピなのかな?」
………この中で明らかにナナカマド(裏)の発言が浮いている。
ポー(裏)「………明らかに変ではないか……悪霊の仕業だろう? ハワード(裏)もそう言っているし」
ナナカマド(裏)「えっ? だって悪霊だったら、こんな回りくどい真似しないよ。私たちに帰ってほしかったら、念力でポイッて外に出しちゃえばいいんだし! なんでわざわざ血で書くのかな?」
ネムノキ(裏)「それは、ナナカマド殿(裏)があまりに鈍感ですから、気付いて欲しいのではないでしょうか?」
ポー(裏)「………そもそも、悪霊にそこまでの力があるものなのか」
ナナカマド(裏)「両親から聞いた話だと、家一軒ごと持ち上げる悪霊とかいたらしいよ。あとねー、洪水を 起こしたり、竜巻を飛ばしたりとか、怖いよね、悪霊って。もし本当に悪霊がいるとしたら、今ごろ体が爆発して死んじゃってるんじゃないかなぁ」
………そんなに凄い悪霊がいるのか。ハワード(裏)との生活も興味深いことばかりだが、ナナカマド(裏)の一族の悪霊との戦いも気になってきた。
ポー(裏)「なんというべきか………害虫との戦いより、危険そうだな」
ナナカマド(裏)「そんなことないよ! 害虫だって怖いもん。だけど私、悪霊は見えなくても、害虫は見えるもん! 害虫は武力で成敗!」
珍しく頼もしいな……この調子であれば、店内にいる悪霊も祓える事だろう。
ナナカマド(裏)「うー……ん、とね。やっぱり、ここのは悪霊じゃないよ、多分。悪霊にしては弱すぎるもん!」
………本当にその言葉を信じても良いのだろうか? 先程から清めの塩が黒ずんでいたり、除霊の札がボロボロになっていたり、執務室の机の中にしまったはずの恋愛成就の御守りが何故かシルクハットの中にあったのだが……
ナナカマド(裏)「私には何も感じられないんだよねー。うーん、そうだなー。お父さん(裏)が言ってたんだけど、せめて悪霊を名乗るなら、店くらい破壊してくれないと」
ラヴクラフト(裏)「はい。この店の、霊、脆弱、貧弱、です! 貧弱、ですから、血しか、用意、できない、です!」
と、ナナカマド(裏)とハワード(裏)が言うと………隣の部屋でカタカタと音が鳴った。
ネムノキ(裏)「ん? 何の音でしょうか………私が見に行きます」
ネムノキ(裏)が率先して音の方へ向かうと、小さな悲鳴が聞こえた。何事かと私達も続くと………そこには、大きな穴が空いていた……しかも、壁にはヒビが入っており、中からどろりと血のようなものご溢れ出ている。
ナナカマド(裏)「土木業者の人、解体途中で帰っちゃったのかな? こんなに大きな穴を空けて放置してるなんて、ちゃんと工事しないと!」
ラヴクラフト(裏)「霊、強がり、してます! この程度で、私、倒せない、です!」
ネムノキ(裏)「いえですから、これはナナカマド殿(裏)と団長殿の挑発を受けた悪霊がやった事でしょう……団長殿もその辺にしておきましょうか」
ナナカマド(裏)「あと、お母さんの話だと、悪霊って不幸にもさせるんだって! 悪い気持ちにさせたり、犯罪を起こさせたり、くらーい気持ちにさせたりするの。その陰気なパワーが、不幸を呼ぶんだよ?」
ポー(裏)「……………」
気持ちが悪いと言うなら、今の私がそうだ………恐怖を味わっている場合ではないほど、憔悴している。
ネムノキ(裏)「! ポー殿(裏)………やはり、悪霊の力に充てられてましたか」
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)?」
ポー(裏)「…………もう、図書館(裏)に、帰りたい……………」
ラヴクラフト(裏)「ポー様(裏)…………」
私は気づけば、その場で座り込んで塞いでいた……………
ナナカマド(裏)「えー? せっかく団長さんたちとみんなで遊びに来られたのにー。それに、団長さんもこれが終わったら喫茶店でパフェとか奢ってあげるって言ってたじゃん! だから私、すっごく幸せだよ!」
………………そう言って晴れやかに私の方を見て笑いかけるナナカマド(裏)の背後には、輝かしい光が見えて…………気づけば、私を纏う邪気の大抵は取り祓われていた気がした。
ポー(裏)「…………ああ。そうだな。ありがとう、ナナカマド(裏)」
ナナカマド(裏)「そう? よかった! 少しは元気になってくれて!」
ラヴクラフト(裏)「……………」
ネムノキ(裏)「………団長殿?」
私達がそうしていると、また隣の部屋から物音が聞こえた。そこにはまた血文字が描かれていたが……今度のは今までよりも小さく、か細いものであった。
ナナカマド(裏)「えーっとなになに………『すみませんもう勘弁してください』ってどういうこと?」
ネムノキ(裏)「…………そのままの、意味だと思いますよ」
ラヴクラフト(裏)「………フン! あなた、中々、やる、よう、です。今回の、誉、あなたに、譲る、します。次は、負けない、です!」
ナナカマド(裏)「えっ!? 私、何にもしてないよー!?」
………ナナカマド(裏)はこう言うが、もう私を苦しませていた目眩や悪寒、頭を締め付けるような感覚や肩に何かがのしかかっていた感覚も感じない。悪霊は祓われたのだ。
ポー(裏)「………ああ。ナナカマド(裏)のおかげで、悪霊は祓えた。本当にありがとう。任務達成、だな」
ナナカマド(裏)「団長さんまで! だから悪霊なんていないってば! 団長さんは心配性なんだからー! ……よーし! これで素敵なパスタ屋さんがオープンできるね! 団長さん! 次は二人で! 美味しいカルボナーラを一緒に食べようね!」
ラヴクラフト(裏)「ああ! あなた、狡い! です! ポー様(裏)と、お食事、するのは、この、私、です!!」
ネムノキ(裏)「ああほら、団長殿もナナカマド殿(裏)も、店の中を走り回らないでくださいね」
ポー(裏)「………ふふ」
こうしてナナカマド(裏)は、自身でも気付かぬ内に、初の除霊に成功したのであった。………本人は否定してはいるが………そこもナナカマド(裏)らしいと、私は改めて思うのであった。
というわけで、新たにフラワーナイトガールも新ジャンルとして入れることになりました! よろしくお願いします!! 感想OK!