二次創作小説(新・総合)

Re: スイートピーちゃん(裏)のキャラクエ風ss ( No.261 )
日時: 2023/11/28 14:32
名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: jQF4W0MP)

※今回のお話は「フラワーナイトガール」に存在するスイートピーちゃんのキャラクタークエストを天悪サイド版でお送りするというお話です。フラワーナイトガールのスイートピーちゃんのキャラクエのネタバレ&アレンジありについて要注意!!

※今回はまだ天悪の日常小説で加入話を正式に書けていないキャラ(今回だと(裏)の刀剣男士と文豪とアルケミスト、フラワーナイトガール)が先行登場しております。

※オリ設定が多々含まれます。例えば今回だと、(裏)の方のフラワーナイトガールの世界での花騎士たちの騎士団長は6人いるんですが(!?)その内の1人が文アルのルイスくん(裏)で、ルイスくん(裏)はリリィウッドという国家に所属する花騎士の団長です。スイートピーちゃん(裏)はリリィウッド所属の花騎士なので、つまりそういうことです←←← なお、帝國図書館(裏)で特務司書を務めているのは刀剣乱舞の膝丸(裏)です

※今回はスイートピーちゃん(裏)のキャラクエ風ssですが、諸事情により膝丸(裏)も出てる&膝丸(裏)が話の大部分の中で幼児化した状態で登場します(は???????)

※これらの要素から「こんなん見れるかァーーー!!!」と感じた方はブラウザバックを推奨いたします。大丈夫な方は↓へどうぞ!






ここはスプリングガーデン(裏)、ブロッサムヒルの街中だ。この辺りでは害虫による被害もなく、市民も花騎士も皆この街で楽しそうに過ごしている。

ひざまる(裏)「しろうさぎ(裏)。ここはひとびとがいきかっているなぁ」

ルイス(裏)「うん。この街は色んな店があるんだ。司書さんも、何か興味深いものを見つけたら見てみるといいよ」

僕、ルイス・キャロル(裏)は今、刀剣男士であり僕を転生させた特務司書でもある膝丸さん(裏)を抱き抱え、この街に買い物に来ていた。というのも、僕は文士なんだけれど、花騎士達……リリィウッド(裏)の花騎士達の指揮を執る騎士団長でもあるんだ。けれど、この日は騎士団長としての仕事も、今の所文士としての研究の仕事もない休日だから、羽を伸ばして司書さんと一緒にブロッサムヒル(裏)の街へと遊びに来た、という訳だ。
司書さんも街へ連れてきた理由は、司書さんも刀剣男士だから、時間遡行軍と戦う自分と同じように害虫という強敵と戦う花騎士達から様々な事……戦術とか戦い方等を学びたいようで、「自分も花騎士達と交流させてほしい」という頼みから、たまに視察という形で司書さんもスプリングガーデン(裏)に連れてきているんだ。ちなみに、司書さんは司書さんが転生させた文豪で、初期頃に転生させた文豪かつ騎士団長が僕しかいないことから、スプリングガーデン(裏)に来る時は僕が引率という形で僕を頼る。……ん? 僕はどうやって身長も高い太刀の刀剣男士である司書さんを抱き抱えてるんだって? いや、今は司書さんは身長は高くないんだ。何故なら……



イチゴ(裏)「あっ! キャロル(裏)の団長さんと、膝丸くん(裏)! こんにちは! 今日は休日で街をお散歩ですか?」

ルイス(裏)「やぁ、レディー。今日も可愛らしい髪にお顔に表情をしているね」

イチゴ(裏)「も、もう! キャロル(裏)の団長さんにそう言うこと言われても嬉しくないですから! キャロル(裏)の団長さん、他の花騎士たちにもそんな事言ってませんよね?」

ルイス(裏)「ははは。花騎士のみんなが可憐で美しいのは事実だからね。それでも紳士としては常日頃言葉にして伝えたいんだよ」

ひざまる(裏)「いちねえ(裏)、こんにちはぁ。いちねえ(裏)は、ほのお(裏)にほめられたいのか?」

イチゴ(裏)「ひ、膝丸くん(裏)も! 何言ってるんですか! しかも、団長さんの名前は『烈さん(裏)』ですし! これはですね、キャロル(裏)の団長さんが口説くみたいにわたしのこと褒めてきて照れくさいんですよ」

今、司書さんは『人間で言う4〜5歳児の姿に幼児化した状態で』この街に来ているからだ。司書さんは初めは学園パロ、というもので勉強が苦手な事から気分転換に幼児の姿で過ごしてみた事から始まり、今は大人の姿でも幼児の姿でも刀生を満喫している。それで、スプリングガーデン(裏)では今はこの幼児の姿で来ることが主なのだけれど、司書さん曰く「白うさぎ(裏)達も花騎士達と仲良くしているのに、また新たに男が出てくるのもまずいから」らしい。つまり、僕達の事を気遣って、子どもの姿で来ることで僕達と花騎士達の仲を下手に拗らせないようにしてくれてるようだけど……

ひざまる(裏)「いちねえ(裏)はすきではないのか? しんし………」

イチゴ(裏)「いやー、紳士らしさは団長さんも少し兼ね備えてるので、嫌いではないんですけど………ともかく! 口説くなら自分の下の騎士団の花騎士さんたちだけにしてくださいね!? 膝丸くん(裏)も、キャロル(裏)の団長さんから離れないようにしてくださいねぇ」

ルイス(裏)「ふふふ。照れ屋なところも可愛いよ」

イチゴ(裏)「もう!!!!! わたし、もう行きますから!!」

イチゴさん(裏)は司書さんの頭を優しく撫でた後、顔を真っ赤にしながらその場から去っていった。……司書さんの本来の姿を知ってる花騎士は、まだほぼいない状況。司書さんも自分から説明はしないけれど、そんなに強く秘密にしてる訳じゃないから、別の世界や帝國図書館(裏)で大人の姿の司書さんに会いに行けば事情を話してくれるんだ。少ししてまた街中を歩いていると、今度はアサザさん(裏)とバッタリ鉢合わせた。

アサザ(裏)「あっ……ルイスさん(裏)に膝丸さん(裏)! こんにちはー!」

ルイス(裏)「やぁ、アサザさん(裏)。アサザさん(裏)も街を歩いているのかな」

ひざまる(裏)「ザーアサ(裏)も、こんにちはぁ」

アサザ(裏)「私は『アサザ(裏)』! ですよ! ………あの、ちょっと? 今日の膝丸さん(裏)、子どもの姿で来てるんですか? 視察で、ですか?」ボソッ

ルイス(裏)「そうだね……司書さんも僕も今日は休暇だよ」

ひざまる(裏)「いまはまだふらわぁないとのめんめんに、だいだいてきに"ひみつ"をはなすよていはないぞ」

アサザ(裏)「う〜ん、そうですかぁ………大きな誤解で事件が起きる前に、言った方がいいと思うんですけどね〜」

アサザさん(裏)も幼児の姿に変身して街中に来てる司書さんが気になるようだけど、僕もそこは気になるものの、司書さんも秘密主義者の側面もあるからなぁ……

アサザ(裏)「そうだ! 私も料理の食材の買い出しに行かないと! それではルイスさん(裏)に膝丸さん(裏)、また話しましょうね!」

ルイス(裏)「うん。アサザさん(裏)もゆっくり過ごしてね」

ひざまる(裏)「またなーザーアサ(裏)ー」

僕と司書さんはここでアサザさん(裏)が買い物の事を思い出したから、そこでアサザさん(裏)と別れたんだけど……

ひざまる(裏)「かいものかぁ。うちのとしょかん(裏)も、せいかつようひんがいくつかなくなってきていたから、われらもかいものをしよう。しろうさぎ(裏)のきしだんのほうも、なにかかうべきものはあるか?」

ルイス(裏)「そうだね。こちらも食料品を買い足しておこうか。それと司書さんの本丸の方でも、何か買っておくべきものは………」

アサザさん(裏)の用事から、僕達も買い物をしておくべきと、出店が並ぶ道へ向かい始め、まずは生活用品から買い始めた僕達。僕の騎士団に所属する彼女と会ったのはそんな時だった。

スイートピー(裏)「あっ団長さん、こんにちは! 膝丸くん(裏)も、こんにちは!」

ひざまる(裏)「おー! グッドスメル(裏)も、こんにちはぁ」

ルイス(裏)「やあスイートピーさん(裏)。あなたも買い物中なのかな?」

スイートピー(裏)「ふふっ、そうなんです! 団長さん達も買い物にやって来ていたんですね。何を買うつもりだったんですか?」

スイートピーさん(裏)は、リリィウッドに所属する花騎士で、真面目でマメな性格の、学園パロで言えば「学級委員長」の役割がよく似合うほどの品行方正な花騎士だ。……そうだな。スイートピーさん(裏)の買い物も気になるし、スイートピーさん(裏)も同伴してくれるのなら、騎士団や帝國図書館(裏)、司書さんの所属する本丸の食料品の買い物も効率よく行えるだろう。

ルイス(裏)「今のところは、次に食料品の買い出しをするつもりだったんだ。スイートピーさん(裏)が良かったら、食料品の買い出しに付き合ってもらえるかな。スイートピーさん(裏)となら頼もしいから」

スイートピー(裏)「えっ! いいんですか? ちょうどあたしもそのつもりだったんですよ! この先に素敵な市場と食料品店があるんです! こちらこそ、休日でも団長さん達といられて、とても嬉しいですよ!」

ひざまる(裏)「ふふ、ありがとうグッドスメル(裏)。グッドスメル(裏)もあたまのかいてんがはやいからなぁ」

スイートピー(裏)「あの、膝丸くん(裏)。あたしの名前は『スイートピー(裏)』よ💦」

ルイス(裏)「うん。僕からもお礼を言うよ。それじゃあ、スイートピーさん(裏)の勧める素敵な市場やお店へと行こうか」

こうして、僕と司書さんとスイートピーさん(裏)は、一緒に食料品の買い物に行くことになったんだけれど……



スイートピー(裏)「団長さん! どうして肉と魚とジャガイモばかり買うんですか? もっと野菜も摂らないと駄目ですよ?」

ルイス(裏)「ああ、そのジャガイモ達は、他の紳士達へフィッシュ&チップスを振る舞う用のものだったんだけどね」

スイートピー(裏)「それに膝丸くん(裏)も、焼き菓子ばかり買い続けるのはよしましょう? ……あっ! こっちの焼き菓子なら野菜がふんだんに使われてるし、体に良いわよ!」

ひざまる(裏)「ふふふ。グッドスメル(裏)もまめだなぁ」

スイートピー(裏)「そもそも、このお肉は高いですし、あっちの店のお肉の方が安いので、お肉の場合はあっちで買いましょう!」

ルイス(裏)「そうだね……なら、肉の買い物については少し任せてみてもいいかな?」

スイートピー(裏)「はいっ! 任せてください! あ、あちらの出店でセールですって! 市場のおじさん、今日は店じまいだから閉店セールかしら。団長さん達、会計が終わったら行ってみましょう! 安いですよ! 果物屋さんなので糖分も摂れますよ!」



スイートピー(裏)「もっと値切りましょう! 値切れるはずです! おじさん、この果物、もう一声安くなりませんか?」

まるで嵐のような怒涛の買い物をしている……スイートピーさん(裏)は安く多く、そして栄養を多く摂れるように食料品を買っていく。その様子はまるで………

ひざまる(裏)「グッドスメル(裏)、まるでしゅふのようだなぁ。グッドスメル(裏)がははおやのようにみえるぞ」

スイートピー(裏)「え、えぇっ!?」

ルイス(裏)「そうだね。買い物をしている時のスイートピーさん(裏)は特に、伴侶となる男性や家族のためを思って良質な食料品を買い求める、素敵なレディーに見えるよ」

スイートピー(裏)「や、やだ。団長さんまで………主婦だなんてとんでもないですよ! ただ、あたしは無駄にお金を遣いたくないだけなんですよ? それに、団長さんや膝丸くん(裏)も悪いんですよ。男の人って、目に付いたものをとりあえず買おうとするんだから……特に団長さんも紳士を名乗るならお買い物も真面目にやってください」

ルイス(裏)「ははは、怒られてしまったね……。レディーにこう言われてしまっては、僕も紳士としてまだまだだね」

ひざまる(裏)「しんしといえば、グッドスメル(裏)のかいものにはつきあえてなかったな」

ルイス(裏)「そうか、僕とした事が………スイートピーさん(裏)が余りに頼もしいものだから、ずっとこちらの買い物に付き合わせてしまったね……ごめんよ、レディー。今度は僕達があなたをエスコートしよう。何が欲しいんだい?」

スイートピー(裏)「あっ、大丈夫です。団長さんと膝丸くん(裏)の買い物ついでに、ちゃんと自分の分も買っていますから! 問題ありませんよ」

ルイス(裏)「おや、そうなんだね。ふふ。スイートピーさん(裏)は本当にしっかりしたレディーだね」

ひざまる(裏)「グッドスメル(裏)はどんなしょくりょうをかっていたのだ?」

スイートピー(裏)「え??? ………そ、それは……………」

ルイス(裏)「そうだね。ここまで僕達の栄養価の事を考えて買い物に付き合ってくれたスイートピーさん(裏)の事だから、きっと理にかなった夕食のメニューなんだろう。僕も紳士として参考にさせてほしいから、失礼だけど見せてはくれないかな」

スイートピー(裏)「ええと、あたしは手軽に済ませてしまうので、あまり参考にならないというか…………」

司書さんの疑問点からスイートピーさん(裏)はいったいどんな食料品を買ってきたのか、気になってきた僕だけど………ここで司書さんが一度僕の腕の中から離れて、スイートピーさん(裏)の持つ荷物の方を覗きに行った。

スイートピー(裏)「あっ! ダメです膝丸くん(裏)! 見ないで!」

ひざまる(裏)「………んー? グッドスメル(裏)、こんなにたいりょうのかしにせいりょういんりょうをかっていたのだな? しかも、べつのみせからかやわらかそうなくっしょんまで」

ルイス(裏)「え?」

スイートピー(裏)「こ………これは、違うんです」

司書さんから聞いたスイートピーさん(裏)の買い物袋の中身の内容は、普段の真面目で品行方正なスイートピーさん(裏)とは真逆の中身で……これだとまるで。

ルイス(裏)「まるで休日とかでクッションで寝そべってダラダラしたいと言いたげな中身だね」

スイートピー(裏)「あ…………あははははは…………」

………笑ってごまかすスイートピーさん(裏)に、これ以上この事について聞くのは、紳士としては禁忌と言えるだろう。司書さんにも軽くこれ以上話に踏み込まないよう耳打ちをする。その後、僕はスイートピーさん(裏)に買い物に付き合ってくれたお礼にと、美味しいパンケーキを奢って、スイートピーさん(裏)も喜んでくれたんだけど、彼女は先程の買い物袋の中身について、それ以上触れることはなかった。







感想まだ

Re: スイートピーちゃん(裏)のキャラクエ風ss ( No.262 )
日時: 2023/11/28 14:37
名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: jQF4W0MP)

それから数日後………僕は再び視察に来た司書さんと共に、リリィウッド(裏)の騎士団長として、仕事に励んでいたんだけど………

スイートピー(裏)「あっ、団長さんに膝丸くん(裏)。おはよう、ございます………」

ひざまる(裏)「うむ、おはよう。ちょうしはどうだ?」

スイートピー(裏)「あっ、今日も任務のために戦えます。ははは………」

先日の買い物の件から、スイートピーさん(裏)の様子がおかしくなっていた。よそよそしくなって、少し距離を置かれている気がする……原因は理解している。僕と司書さんが、スイートピーさん(裏)の買った物を見てしまったからだ。

ひざまる(裏)「しろうさぎ(裏)、やはりおもいきってたずねたほうがよいのではないか?」

ルイス(裏)「そうは言われてもね………」

司書さんはこう言っているけれど、レディーの秘密に値する事をしつこく聞くのは……と思っていたら、スイートピーさん(裏)の方から僕達に声をかけてきた。

スイートピー(裏)「あのっ、団長さんに膝丸くん(裏)! ………この間の買い物のこと、もう誰かに話しちゃいました?」

ルイス(裏)「? 誰にも言っていないよ」

ひざまる(裏)「ああ、おれもだぞ」

スイートピー(裏)「よ、よかったぁ………じゃ、じゃあ! 忘れてくださいっ! お願いしますっ! 先日のアレはなかったことに!!」

と、スイートピーさん(裏)は顔を赤くして僕達に頭を下げてきた。となると、相当本人にとって恥ずかしい秘密なのだろうけど……

ひざまる(裏)「いや、それはむりがあるぞ」

ルイス(裏)「そうだね………あの買い物の後にパンケーキまで食べてもらったし。ああでも、あの時のパンケーキを食べて喜んでいるスイートピーさん(裏)の笑顔は素敵だったよ。だから僕も忘れたくはないな」

スイートピー(裏)「あうう………そんな事を言われると、恥ずかしいです………そうですよね、忘れられるわけないですよね……パンケーキごちそうさまでした………で、でもですね! あたしだって、家ではお菓子やジュースくらい嗜みますよ。いいじゃないですか、別に。でも、あまり人に見られたくないっていうか、その、恥ずかしくて………」

ひざまる(裏)「べつにはずかしいことなどないとおもうぞ?」

ルイス(裏)「そうだよ。お菓子やジュースといったおやつは誰だって好きなものだろう。ただ、司書さんから聞いた話を思うと、少し多いとは思うけれど」

スイートピー(裏)「い、家ではゴロゴロすることが多いので……休日になると、あまり動きたくないっていうか、つい寝転がってダラダラと………おかしいですよね。周りには『真面目にして』って言ってるのに、あたしはダラダラしちゃって。そんな事言う資格なんてないのに……」

ひざまる(裏)「いや、きゅうじつはじゆうにすごしてよかろう。グッドスメル(裏)はこうしこんどうはしておらぬのだろう? とうけんだんしのなかにもやすみにじゆうにすごしているものもいるし、むしろやすめるときにやすみ、しごとのときはそのぶんはたらけることはすばらしいことではないのか?」

スイートピー(裏)「ええと、あたしは『スイートピー(裏)』だってば……でも、膝丸くん(裏)はそう思うの?」

ルイス(裏)「司書さんだけじゃなくて、僕もそう思うよ。休日まで覗いて査定することなんてないし、花騎士のレディー達も好きなことをして思い思い休日を過ごすというのが当たり前で、魅力的な事だ。むしろスイートピーさん(裏)は普段はよく仕事に励んでくれているから、休日の過ごし具合も釣り合っていると言えるよ。ダラダラするあなたも素敵さ」

スイートピー(裏)「そう、言っていただけると………少し、救われました。団長さんも膝丸くん(裏)も、お優しいんですね。あたし、自分のことになると無頓着になっちゃうから」

ルイス(裏)「自分のことに興味が無いということは、他人を思いやる心に溢れているという事だ。常日頃誰かのことを心配して、気にかけている反動だよ」

ひざまる(裏)「むしろ、スイートピー(裏)はじぶんのこともねぎらってほしいな」

スイートピー(裏)「あ、ありがとうございます……!」

僕と司書さんがたくさんスイートピーさん(裏)を励ますと、スイートピーさん(裏)はにっこりと微笑んでくれた。そして、改めて僕達の方に向き直る。

スイートピー(裏)「あの、それで、お願いがあるんですけど………やっぱり、この事はみんなには内緒にしておいてもらえますか? あたしと団長さんと膝丸くん(裏)との秘密ってことで。誰にも言わないでくださいね? な、内緒よ?」

ルイス(裏)「うん。それはもちろん。レディーの秘密は守りきるさ」

ひざまる(裏)「………うむ。そうだな。おれもひみつにしよう。それと、これではスイートピー(裏)にわるいかたちとなるからな。おれもスイートピー(裏)にむけて、ひみつをあかそう」

スイートピー(裏)「えっ? それって、どういうこと?」

ルイス(裏)「もしかして、司書さん。スイートピーさん(裏)に元の姿を見せるのかい?」

ひざまる(裏)「ああ。よーくみててくれ」

スイートピーさん(裏)が秘密を僕達に共有して内緒にするようお願いして来たのを受けて、どうやら司書さんも元の姿をこの場ではスイートピーさん(裏)だけに晒すことにしたようだ。僕の腕の中から降りた司書さんは、一閃の眩い光に包まれて………元の大人の姿を見せた。………そうすると、やっぱり驚くものなのか、スイートピーさん(裏)は軽くへたりこんでしまった。

スイートピー(裏)「えっ? えっ??????」

膝丸(裏)「グッドスメル(裏)、これが俺の本来の姿だ。この場では白うさぎ(裏)達の仕事や恋路の邪魔になってはならんと思い、あえて幼児の姿で通っているが、驚かせてしまっただろうか?」

ルイス(裏)「大丈夫かい? レディー」

スイートピー(裏)「あ、はい。さすがに腰を抜かしましたけど………膝丸(裏)……さんのお気持ちとお気遣いは伝わりました」

スイートピーさん(裏)が僕の手を取って立ち上がると、司書さんは改めてスイートピーさん(裏)に向けて話を進めた。

膝丸(裏)「それでだな。グッドスメル(裏)も、俺の秘密……という程ではないが、この事はキミから公表はしないで頂けると助かる。花騎士(裏)達に告げる機会は、俺自身が決めたいからな」

スイートピー(裏)「ええっと、あたしの名前は『スイートピー(裏)』ですってば……でも、わかりました! あたしもその秘密、守らせていただきます」

お互いに秘密を共有し合ったスイートピーさん(裏)の顔は、とても晴れやかな表情となっている。悩みが解決して、満足したんだとわかって、こっちも嬉しかった。

スイートピー(裏)「それでは失礼します! 花騎士のお仕事はしっかりやりますよ!」

ルイス(裏)「うん。今日もお仕事、頑張ろうね」

膝丸(裏)「応援しているぞ、グッドスメル(裏)」

元気よく歩き、凛々しく礼儀正しい姿勢で歩いていくスイートピーさん(裏)を、司書さんと一緒に手を振る形で見送った。ただ、今のスイートピーさん(裏)からは想像もつかない、ダラダラと過ごすスイートピーさん(裏)というものにも、興味こがれている僕だった。







次で後編
感想まだ

Re: スイートピーちゃん(裏)のキャラクエ風ss ( No.263 )
日時: 2023/11/28 14:40
名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: jQF4W0MP)

そうして三人でお互いの秘密を共有してからも、スイートピーさん(裏)の基本的な態度が変わることはなかった。この日の訓練の時も委員長のような世話焼きな一面は変わらず、花騎士達を指導している。

スイートピー(裏)「ああほら、クリスマスベゴニア(裏)! 訓練中にダラダラしませんよ。害虫はいつどこからやって来るのか分からないんですから。花騎士としての自覚を持って、きちんとした行動を心がけるのよ」

クリスマスベゴニア(裏)「ふぇぇ〜〜〜!?」



ひざまる(裏)「グッドスメル(裏)はほんじつもまじめにくんれんをしているなぁ」

ルイス(裏)「うん。スイートピーさん(裏)の凛々しい姿のおかげで、他の花騎士達や騎士団長達も真面目に取り組んでくれるから、有難いね」

テキトーに訓練をしようとする花騎士達や騎士団長達を温和ながらも正論で律していくスイートピーさん(裏)。彼女はサボり魔を見つけるのも得意だ。この日に視察に来た司書さんのお守りを頼まれて見学している僕と司書さんは、そのスイートピーさん(裏)の手腕を間近で見ていた。



クリスマスベゴニア(裏)「待ってくださいスイートピーさん(裏)! サボっていたのはわたくしだけではないのですっ!」

スイートピー(裏)「知ってます。今ラヴクラフト(裏)の団長さんも説得するわよ。ラヴクラフト(裏)の団長さんも、この草原地帯が天気がいい日は気持ちよくて、その木陰もサボるのに最適だからといって、ゴロゴロしないでください。ね?」

ラヴクラフト(裏)「あうっ!?? な、何故、私、寛ぐ、場が、わかる、です!??」

スイートピー(裏)「場をよく見ていればわかりますよ。あなたの場合はロータスレイク(裏)の花騎士達の大事な要でもあるんですから、ロータスレイク(裏)の花騎士達の師範としての姿を見せてください」

ラヴクラフト(裏)「うぅ、せっかく、心地いい、寝床、なのに〜………」

クリスマスベゴニア(裏)「もしかしてスイートピーさん(裏)、わたくし達がサボっている場所、全部おみとおしなのです?」

スイートピー(裏)「当然よ。どこで誰がサボろうとも、すぐに見つけてあげるからね?」

クリスマスベゴニア(裏)「ふえええ〜……さすが、花騎士の委員長さんなのです〜」

ラヴクラフト(裏)「真面目、芯が通る、です………」

クリスマスベゴニアさん(裏)とラヴクラフトさん(裏)は二人とも猫背になりながらも、それぞれの訓練に戻って行った。二人がきちんと訓練を再開させたのを見届けたスイートピーさん(裏)は、こっち側に駆け寄ってきた。



スイートピー(裏)「……なんてね。団長さんと膝丸さん(裏)はどうしてサボる場所を見つけられたのか、わかりますよね?」

ルイス(裏)「うん。スイートピーさん(裏)がサボってみたい場所を探せば自然と……という事だよね」

ひざまる(裏)「グッドスメル(裏)のめせんでさがしてみれば、すでにほかのものもいる、ということだな」

スイートピー(裏)「ふふっ、正解です。こうして役に立つんだから、実体験に基づいた予測も有難いものになるんですね」

そう言ってふんわりとした笑みをこぼすスイートピーさん(裏)。趣味は実益を兼ねるという事になるのか……

ルイス(裏)「そうだね。今日はサボり魔の人達を見つけ続けてくれてありがとう」

スイートピー(裏)「……実は、ここまでできるようになったのは最近なんです。それまでは自分の私生活を悟られないように、気を使っていたんです。でも、団長さんや膝丸さん(裏)に見られたり、膝丸さん(裏)の秘密も知ってから気にしなくなったというか、自分の秘密がそこまで大事には思えなくなってきたというか。もう少し気楽に考えられるようになりました」

確かに、司書さんの秘密……というより伏線?と比べればそんなに壮大なものじゃないから、気楽に思えるようになるのもわかる。

スイートピー(裏)「実は、少し罪悪感があったんですよ。花騎士なのに、私生活でダラダラしてていいのかって。でも団長さんや膝丸さん(裏)に言われて目が覚めました。私だって自分を労っていいんですよね。……それに、あたしだって乙女ですから! 秘密の一つや二つ、あったっていいですよね」

ルイス(裏)「うん。この秘密は三人だけの秘密だよ。それを共有するのも悪くないさ」

ひざまる(裏)「だなぁ。おれたちにもひみつをきょうゆうすることで、グッドスメル(裏)がきらくになったならよかった」

スイートピー(裏)「そうだ、団長さんに膝丸さん(裏)。今度の休み、またお買い物に付き合ってくれますか? お菓子をたくさん買って、三人で休みましょうよ」

ひざまる(裏)「おお、それはよいな! しごとのことをかんがえず、さんにんでだらだらとおおざっぱにすごすのだ」

ルイス(裏)「ふふ、『何でもない日を祝うお茶会』だね」

スイートピー(裏)「あっ! 団長さんの描く物語に出てくるストーリーの展開の一つ、ですね? お互い疲れていますから、お誕生日でなくてもゆっくりしたいですよね。その時は三人で思いっきりダラーっとしましょう!」

ルイス(裏)「思いっきりダラーっと………ちょっと、矛盾してるかな?」

ひざまる(裏)「ふふふ。しかしきもちはわかるぞ。なんでもないひのおちゃかいが、たのしみになってきたな」

スイートピー(裏)「私もです。さーて、そうと決まれば任務はきちんと片付けないと。がんばりますっ!」

三人だけの時に見せる、締まりのない笑顔。そんな笑顔を見せてくれるスイートピーさん(裏)との休日もとい何でもない日のお茶会に思いを馳せる。いっぱい働いた後はいっぱい休もう。そう教えてくれたスイートピーさん(裏)に感謝しつつ、僕達も訓練任務に戻るのだった。





今回はほのぼのぉな話になりました←
感想OK!