二次創作小説(新・総合)
- Re:ジュンブラサクランボちゃん(表)のキャラクエ風ss ( No.264 )
- 日時: 2024/01/30 19:38
- 名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: caCkurzS)
※今回のお話は「フラワーナイトガール」に存在するサクランボちゃん(ジューンブライドバージョン)のキャラクタークエストを天悪サイド版でお送りするというお話です。フラワーナイトガールのジューンブライドサクランボちゃんのキャラクエのネタバレ&アレンジありについて要注意!!
※今回はまだ天悪の日常小説で加入話を正式に書けていないキャラ(今回だと文豪とアルケミスト、フラワーナイトガール)が先行登場しております。
※オリ設定が多々含まれます。例えば今回だと、(表)の方のフラワーナイトガールの世界での花騎士たちの騎士団長はカードキャプターさくらのさくらちゃん(表)で、さくらちゃん(表)はスプリングガーデン(表)全体の花騎士の団長です。
※今回はサクランボちゃん(ジューンブライド衣装)(表)のキャラクエ風ssですが、目線は団長であるさくらちゃん(表)でなく文アルのドストエフスキー先生(裏)……というのも、今回フェージャさん(裏)ことドストエフスキー先生(裏)×サクランボちゃん(表)のクロスカプ回となっております(!????)
※これらの要素から「こんなん見れるかァーーー!!!」と感じた方はブラウザバックを推奨いたします。大丈夫な方は↓へどうぞ!
ここはスプリングガーデン(表)、ブロッサムヒル(表)にある駐在地の中の執務室。そこに俺………フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(裏)は、親交があると言える同業者の文豪、レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ(裏)と同伴という形でそこに妹の方の木之本(表)……木之本桜(表)に呼ばれて来ていた。ブロッサムヒル(表)自体にはスプリングガーデン(表)とも世界が繋がってから度々来ることがあったが、木之本(表)に招集される形で執務室まで来ることはなかった。執務室には俺とレフ(裏)と、スプリングガーデン(表)の花騎士の騎士団長である木之本(表)の他に、木之本(表)とお互い好き合っている上時々木之本(表)の騎士団の有事を手伝っている李小狼(表)と、この騎士団の花騎士の一人であるサクランボ(表)もいた。最後の辺りに来たのは俺とレフ(裏)だったが、木之本(表)は俺達が来たなり挨拶を先に始める。
さくら(表)「ドストエフスキーさん(裏)、トルストイさん(裏)。今日はお誘いを受けて執務室まで来ていただいて、ありがとうございます!」
トルストイ(裏)「それはいいけれど、さくら(表)は僕とフェージャ(裏)も呼んで、いったい何があったの?」
ドストエフスキー(裏)「俺とレフ(裏)はそっちの騎士団とは関係がない部外者のはずだが………俺達が必要な用事があるのか?」
小狼(表)「はい。今回は、お二人にもどうしても参加していただきたい催し物があるんです」
サクランボ(表)「ドストエフスキーさん(裏)とトルストイさん(裏)も参加が必要の催し物? って、なんでしょうか?」
さくら(表)「それがね………………」
さくら(表)「サクランボさん(表)とドストエフスキーさん(裏)の、結婚式のイベントに参加してもらいたいんです!」
ドストエフスキー(裏)「は…………」
木之本(表)から頼まれた用事の内容が、あまりにも想定の範囲外にあったことで一瞬固まってしまった俺だが、すぐそばに居たサクランボ(表)が声を上げたことで正気に戻った。
サクランボ(表)「えぇっ!?? わ、私とパパが………結婚、ですか!??」
ドストエフスキー(裏)「っ!? ちょ、待っ!! こらこら! サクランボ(表)! 人前ではなるべく俺のことは『パパ』とは呼ばねぇって、自分でも言ってたろ? 他の誰かに聞かれたら驚かれるぞ」
サクランボ(表)「ご、ごめんなさい……! 私ったら、大声出しちゃってはしたない………」
俺は慌ててサクランボ(表)の前で人差し指を唇の前に立て、静かにするよう促す。
………それと同時に、サクランボ(表)から聞いた過去と初めて会った時の事を思い出す。サクランボ(表)は幼い頃に害虫によって両親を殺され、それによって両親の愛情に飢えている面もあり、特に父性……俺に対する愛情にかなり執着しているように思える。アイツは団長である木之本(表)の事を『ママ』と呼ぶが、サクランボ(表)が初めて俺の事を『パパ』と呼んだのはあの時だったか━━━━━━━━━━
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ドストエフスキー(裏)「あぁ〜……クソッ! また大敗しちまったよ。またレフ(裏)から借金しねぇとな……」
その日、俺はこの日も競馬の賭けに勤しんでいて、惜しくも敗北を喫した所だった。それにより金はすっからかん、レフ(裏)にまた金を借りなければいけない状況に陥っていた。………サクランボ(表)と初めて会った、というより見かけたのは人気のあまりない工事作業現場が近い場所に差し掛かった、そんな時だった。
サクランボ(表)「う、いたい………っ」
ドストエフスキー(裏)「ん? 誰かの声がこんなところで………っ!?? おい!! 大丈夫か!??」
俺の視界に映ったのは、綺麗な左足の一箇所から血が流れて、足を痛そうに引きずっていたサクランボ(表)だった。俺は気づけばサクランボ(表)の方へ駆け寄り、声をかけていた。
サクランボ(表)「あ、あなたは……?」
ドストエフスキー(裏)「左足、怪我してるじゃねぇか………この辺りのどっかでケガしたのか? 悪いが、病院へ………は、この辺りだと遠いか………すぐに応急手当しねぇと!!」
サクランボ(表)「あ………だ、大丈夫です! このくらいの怪我なら、自分で帰って手当できます………痛いっ………!」
ドストエフスキー(裏)「やっぱり怪我で痛がってるじゃねぇか………俺も救急箱とか持ってねぇし、せめて安静にできる場所でレフ(裏)に連絡………悪ぃ、少し体借りるぞ!」ひょいっ
サクランボ(表)「えっ………/////」
俺は左足から出血しているのに、我慢しようとして余計痛がるサクランボ(表)を見かねて、安静な場所でサクランボ(表)を座らせるべく、無我夢中で姫様だっこをしていた………
やがて、少し歩いた先に障害物も何も無い日陰を見つけて、そこにゆっくりとサクランボ(表)を座らせた。
サクランボ(表)「あ……すみません。私、重くなかったですか……?」
ドストエフスキー(裏)「そんなの気にすんなよ。重くねぇし……今レフ(裏)……俺のダチみてぇな奴に連絡して、救急箱取りに行ってもらうからな」カチカチカチ
サクランボ(表)「あ…………ありがとう、ございます。初めて会った私を、そこまで気にかけていただいて………」
ドストエフスキー(裏)「いいって。怪我人放っておくのも後味悪ぃからな。………そうだ、お前の家族か身内かダチ! 誰か一人にも連絡して、迎えに来てもらった方がいいだろ。誰か迎えに来て欲しい奴はいるか? レフ(裏)がそいつとも連絡取れる仲ならそいつにも迎えに来るよう頼みてぇところだが……」
サクランボ(表)「えっ? ………じゃ、じゃあ……………団長さん………木之本桜さん(表)に………連絡、というものを、取れますか?」
ドストエフスキー(裏)「木之本(表)にだな、わかった! まずレフ(裏)と電話するから……もう少し待っててくれよな」
日陰の安定した場所にサクランボ(表)を座らせたものの、俺は救急箱も何も持っていないため、レフ(裏)に図書館(裏)から救急箱を持ってこっちに来てもらうことと、サクランボ(表)の会いたがっている木之本(表)にも来てもらうよう電話で連絡することにした。その間にも何があってもいいように、サクランボ(表)から目を離さない………そうして電話に出たレフ(裏)に状況説明と伝達事項を伝えつつ、サクランボ(表)の傍にい続けていると、レフ(裏)との電話を終えた後で、サクランボ(表)が恐る恐る、という形で俺に話しかけてきた。
サクランボ(表)「あの………貴方の名前……教えていただけませんか………? 私は、スプリングガーデン(表)、ブロッサムヒル(表)の花騎士、サクランボ(表)と申します………」
ドストエフスキー(裏)「ん? 名前か? 俺はフョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(裏)。訳あって帝國図書館(裏)で暮らしてる文士だ」
サクランボ(表)「ドストエフスキーさん(裏)………とても、お優しい方なんですね………私を助けてくれて、ありがとう! パパ!」
ドストエフスキー(裏)「はっ!??? パパ!????? いやいやいや!!! なんで急に俺の事を親父認識してきてんだ!??」
サクランボ(表)「あ、あぁ〜〜〜〜〜っ!!? すすす、すみません!! 初めて会ったばかりの人になんでか、パパって呼んじゃって……! 私ったらはしたなーい!!!」
その時の俺は、いきなりサクランボ(表)から父親扱いされてビビったんだが………その日はレフ(裏)と木之本(表)が来てくれて、サクランボ(表)の手当をして事なきを得たが……その日からサクランボ(表)は俺にもなつき始めていたようだったな………
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そして不意に今に意識を戻せば、サクランボ(表)が木之本(表)や李(表)に向けて質問を始める。
サクランボ(表)「でもママ……じゃなかった。団長さん。私とドストエフスキーさん(裏)の結婚式って、どういう事なんですか?」
さくら(表)「ご、ごめんね! ちょっと伝え方が悪かったです! サクランボさん(表)とドストエフスキーさん(裏)が本当に結婚式をするんじゃなくて、結婚式のマネをするんですよ!」
ドストエフスキー(裏)「結婚式のマネ? ……となると、俺とサクランボ(表)はモデルとして結婚式の真似事をする、ってことか?」
小狼(表)「はい。今度、この街で『結婚』をテーマにした催しをやる事になっていて……その催しでは結婚式を体験できる企画もあるんです」
さくら(表)「それで、その企画では一般の人たちがメインなんですけど、まず最初にサクランボさん(表)とドストエフスキーさん(裏)が結婚式の体験をやる役をやってもらいたいんです!」
小狼(表)「ああ、おれとさくら(表)はそれぞれ花婿役と花嫁役のサポートに回る、リングボーイとフラワーガールの役で、トルストイさん(裏)は花嫁の父親役としてここに呼ぶこととなりました」
トルストイ(裏)「僕はサクランボさん(表)のお父様役か………サクランボさん(表)が嫌じゃなければいいけれど……」
サクランボ(表)「私も、ドストエフスキーさん(裏)もよろしいのならば構わないのですけれど……でも、どうして私が?」
どうやらブロッサムヒル(表)の街で行われる結婚式のイベントの企画のトップバッター役として、俺とサクランボ(表)やレフ(裏)達が手本を見せる事になるらしいが、確かに俺とサクランボ(表)が抜擢された理由がわからない。
さくら(表)「それがね! 今回のイベントの主催者さんが、街でサクランボさん(表)を見かけて、サクランボさん(表)のことを気に入ってるんだって!」
サクランボ(表)「えっ! そ、そうだったんですか?」
小狼(表)「はい。同時にドストエフスキーさん(裏)の印象も良かったと言っていて、それでお二人もここで打ち合わせをする為に呼んだんです」
ドストエフスキー(裏)「そういう事か。いつの間に……確かに、この間ブロッサムヒル(表)へレフ(裏)も連れて散策に行った時に、サクランボ(表)と会ってついてきて談笑してたけどなぁ」
サクランボ(表)「じゃ、じゃあドストエフスキーさん(裏)が花婿役になるんですね! ……パパと私の、結婚式………」
サクランボ(表)は俺と自分がイベントの催し物とはいえ結婚式を挙げる姿を想像してか頬を赤く染めるが……すぐに木之本(表)に向き合った。
サクランボ(表)「……あっ。でもそれだと、大勢の人に見られちゃう……んですよね……?」
さくら(表)「今回のイベントへの参加はサクランボさん(表)やドストエフスキーさん(裏)に委ねますよ。サクランボさん(表)やドストエフスキーさん(裏)がやってみたいなら、わたしたちも参加しますよ!」
小狼(表)「逆にお二人が引き受けたくないのならば、おれたちが主催者の人と話をつけてきますので」
トルストイ(裏)「ふぅ〜ん……僕はさっきも言った通り、サクランボさん(表)やフェージャ(裏)がいいのなら引き受けるけど、二人はどうする?」ニヨニヨ
ドストエフスキー(裏)「レフ(裏)、お前なぁ………俺はサクランボ(表)の意思を尊重するけどよ。サクランボ(表)はどうしたいんだ?」
サクランボ(表)「私は………やってみます! わざわざ私にお話を頂いたことですし。それに、あくまで体験とはいえ、神聖な儀式なんですから。………はしたないことなんてないはず、です。だけど、具体的にはどんなことをするんでしょう?」
ドストエフスキー(裏)「だな……俺も前世は何度も結婚した身と言えど、恐らく俺の経験した結婚式とは勝手が違うだろ」
小狼(表)「詳しいことはイベント開催会場での練習で教えて下さるようです」
さくら(表)「でも、わたしたちも基本的な結婚式の内容は教えられますよ! 今のうちに予習しておきましょう!」
サクランボ(表)「は、はい……!」
サクランボ(表)も結婚式のイベントへの参加を了承したところで、俺も結婚式のイベントに付き合うことにした。
そのために本格的な練習の前に、木之本(表)達と大まかな予習に励むことにしたが……
小狼(表)「ええと。まずは新郎役のドストエフスキーさん(裏)が祭壇まで向かって……」
ドストエフスキー(裏)「お、おう」スタスタ
さくら(表)「わたしと小狼くん(表)も祭壇まで向かって………」
トルストイ(裏)「それで、僕とサクランボさん(表)もフェージャ(裏)の所まで向かうんだね」
小狼(表)「はい。それで、おれとさくら(表)がそれぞれの役目を終えてはけたら、トルストイさん(裏)がドストエフスキーさん(裏)にサクランボさん(表)を明け渡して、そこから愛を宣誓する必要があります」
サクランボ(表)「み、皆さんの前で愛の宣誓を………! 自分のことと思うと、大胆……ですね………」
さくら(表)「それとね! お互いで愛の宣誓をした後に、誓いのキスもするはずだよ!」
サクランボ(表)「キスですか!??」
ドストエフスキー(裏)「おいおい!? ほ、本当にキスするのか?」
トルストイ(裏)「……さすがに本当の結婚式じゃない中で、大勢に見られる中でキスはフェージャ(裏)もサクランボさん(表)も抵抗があるでしょ。こういうのはフリでいいんだよ。手で頬に触れて、唇はギリギリ触れないようにするとか」
ドストエフスキー(裏)「だ、だよな!?? びっくりしたぜ………」
俺は木之本(表)や李(表)から結婚式のやり取りを聞いて、サクランボ(表)と共に赤面した気がするが、イベントの催し物故、本当にキスまでする事は無いとわかってお互い気持ちが落ち着いた。なので愛の宣誓の場面の練習に入るが、まず俺とサクランボ(表)は木之本(表)から粗方の愛の誓いの言葉を教わる。
サクランボ(表)「では、私から………」
サクランボ(表)は何度か深呼吸を繰り返してから、意を決したような顔になると、固い声で誓いの言葉を述べた。
サクランボ(表)「わ、私は、幸せな時も、困難な時も、パパを生涯愛し続けることを、誓います………っ!」
ドストエフスキー(裏)「おおお………」
さくら(表)「ほええ〜………/////」
サクランボ(表)「………ふぁぁ、い、言っちゃった〜……! パパやママ達の前で、あ、愛し………って…………あぁぁ〜………!(顔真っ赤)」
トルストイ(裏)「いや、その前に。その場面でフェージャ(裏)に向けての『パパ』呼びは違うよね」
ドストエフスキー(裏)「はっ! そ、そうだな! 大勢の前での宣誓だしよ………練習や本番は、気をつけてくれよな💦」
サクランボ(表)「あっ! そ、そうでした! パパはパパですけど、まだパパじゃないですし、知らない人が聞いたら変に思いますよね」
小狼(表)「…………(´・ω・`)」
さくら(表)「しゃ、小狼くん(表)💦 わたしの一番だいすきな人は小狼くん(表)だよ! 気にしちゃうのも仕方ないけど、落ち込まないで💦」
小狼(表)「ああ………わかっているしサクランボさん(表)の心境のことを考えれば受け入れるしかないんだけどな………」
感想まだ
- Re: ジュンブラサクランボちゃん(表)のキャラクエ風ss ( No.265 )
- 日時: 2024/01/30 19:41
- 名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: caCkurzS)
なんか急にドタバタしたやり取りになった気がするが、今度は俺が愛の宣誓をサクランボ(表)に告げる。
ドストエフスキー(裏)「俺……でいいよな? ……俺は、どんな時でもサクランボ(表)を何より大切にし、幸せにする事を誓います」
サクランボ(表)「ふぁっ………! う、うぅ………っ! パパぁ………っ!」むぎゅっ
ドストエフスキー(裏)「うおっ!??/////」
トルストイ(裏)「えっ、サクランボさん(表)!?」
俺も愛の宣誓をした途端、サクランボ(表)が俺の腕に抱きついてきた。どうやら様子からして、かなりドキドキしているようだが……サクランボ(表)に抱きつかれている俺もドキドキ………している気がする。
サクランボ(表)「こ、この練習、心臓に悪いよ。パパ〜っ……! 私の胸、さっきからずっとドキドキしてて……でも幸せなの………どうしよう、パパぁ……」
すがるような上目遣いでこっちを見つめるサクランボ(表)。そうされると庇護欲がくすぐられるのだが………忘れてはいけない。この場にはレフ(裏)も、木之本(表)も李(表)もいるのだ。
ドストエフスキー(裏)「ま、待てサクランボ(表)。今は結婚式の練習をこの調子で続けようぜ。………レフ(裏)達も見てる」
サクランボ(表)「えっ!?? あぁ〜……! す、すみません! 私ったらつい興奮しちゃって! あぁぁ〜………私ったらはしたない!」
さくら(表)「う、ううん! サクランボさん(表)もドストエフスキーさん(裏)のことだいすきなのがよく伝わったからいいんですよ!」
小狼(表)「あ、ああ………………(耳まで真っ赤)」
トルストイ(裏)「ヒューヒュー!」( *¯ノ³¯*)
ドストエフスキー(裏)「ああもう!! ったく!///// 練習続けるぞ!!」
といった模様ではあるものの、俺達は時間の空いた時に集まり、結婚式イベントの練習初日まで練習を重ねていっていたが……この時、俺も、木之本(表)も李(表)も、主催者側との間に重大な行き違いが発生していたとは、思いもしなかった………
♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'☆.:*:・'♪.:*:・'゜
そうして迎えた、結婚式イベントの本格的な練習の初日。俺達はここで主催者サイドから衝撃的な事実を聞かされることとなった。
さくら(表)「ほえぇぇっ!??? ドストエフスキーさん(裏)は、サクランボさん(表)のお父さん役なんですか!?」
サクランボ(表)「えっ………え!? そう、なんですか!?」
トルストイ(裏)「………フェージャ(裏)は花婿役じゃないってこと?」
女性主催者「はい! そうなんですよ。打ち合わせの段階で、こちら側のアシスタント達もそう説明したはずなのですが……」
なんと木之本(表)や李(表)からは俺が花婿役と説明を貰っていたんだが、実際は俺も父親役らしい。女の主催者も木之本(表)達も、お互いに起きた齟齬に困惑を示すが、主催者が木之本(表)と李(表)と打ち合わせをしたというアシスタント達に聞くと、そいつらの目はかなり充血していて、グロッキーな状態なのがすぐにわかった。
男性アシスタント「えぇ〜? いや、今回はドストエフスキーさん(裏)は花婿として抜擢したいって、オーナー言ってませんでした〜?」( 。∀ ゚)
女性アシスタント「わたしうちあわせのないようおぼえてないんですわ」( 。∀ ゚)
小狼(表)「だ…………大丈夫ですか? お二人とも」
女性主催者「あ〜………() 申し訳ありません! こちらの説明に間違いがあったようで……! このような事をお話するのは大変申し訳ないのですが、我々も今回のイベントでは期間的にデスマーチ状態となっておりまして……休暇を少なくして臨んでしまった事で、このような事に………」
ドストエフスキー(裏)「そ、そうなのか……💦」
………どうやらアシスタント達の様子からして、主催者側もかなり追い込まれた状況なんだろう。それによって今回のような伝達ミスが起きたようだった。
ドストエフスキー(裏)「ならよぉ、なんで俺はサクランボ(表)の父親として抜擢されたんだ? まさか、俺とレフ(裏)はそれぞれ父親役と花婿役、って形なのか?」
女性主催者「ドストエフスキーさん(裏)を今回父親役として抜擢させていただいたのは、サクランボさん(表)とトルストイさん(裏)とで談笑なされていた時、本物の親子のように思えまして……ドストエフスキーさん(裏)とトルストイさん(裏)とで父母役に抜擢させて頂きたく思いまして!」
トルストイ(裏)「えっ、僕とフェージャ(裏)とで花嫁の両親役………」
トルストイ(裏)「は??????? もしかして僕のことを女性だと思ってる???????? 僕は男なのだけれど?????????」
女性主催者「えっ女性ではないのですか!?? ももも、申し訳ありません!!!」
そして更にレフ(裏)も主催者から女だと見間違われていた事が判明したが、よく見れば主催者の目もよく眠れていない証である充血が見られたから、これは仕方の無い事として、俺はレフ(裏)をなだめ続けた。
サクランボ(表)「うう、親子………そ、それも、間違いじゃないんですけど………じゃなくて、ええと……どう説明したらいいのでしょう……?」
ドストエフスキー(裏)「………レフ(裏)も男だし、サクランボ(表)も困るから、配役を変更願いたい所だが……構わねぇか?」
女性主催者「それは厳しいかと……! ドストエフスキーさん(裏)とトルストイさん(裏)にはどうしてもサクランボさん(表)のご両親役を務めて頂きたいですし、花婿役もこれだ!と思っている方が決まっていますので!」
トルストイ(裏)「いや、僕が男だと知ってもなおか………これは参ったな………」
サクランボ(表)「そんな………そんなの…………ドストエフスキーさん(裏)以外の人と式をするなんて、無理です!」
さくら(表)「サクランボさん(表)……」
サクランボ(表)「………でも、ここで私が断ってしまったら、今から代わりの方は見つかるんでしょうか……?」
女性主催者「それが、上からの方針とスケジュールの関係で、時間がかなり差し迫っていまして………今から新規の方をスカウトするのは、かなり厳しいです………」
男性アシスタント「もしこれでイベントが中止になるとしたら、私どもは減給どころか、首が飛んでしまいます!!」( 。∀ ゚)
女性アシスタント「こちらとしても手を尽くしたいところではありますが、如何せん他の騎士団長の方々からNOを食らっておりまして……」( 。∀ ゚)
さくら(表)「そ、そんな! 主催者のみなさんは、みんなのためにがんばってるのに!」
サクランボ(表)「それでしたら、尚更抜ける訳にはいかないです! …………でも………………」
小狼(表)「………そもそも、そちらの抜擢した花婿役の人って、誰なんですか?」
話を聞くに何やらきな臭い裏事情によって、主催者側もかなり追い詰められていて、サクランボ(表)も俺も断ろうにも断れなくなったが……李(表)の言う通り、主催者側のスカウトしただろう花婿役が誰なのかは気になる。
???「すみません、お待たせしてしまい申し訳ないです」
女性主催者「ああ! 来て下さりましたか! いえいえ、とんでもないですよ! 少々こちらの手違いで話し合いの最中ではありますが、今回のイベントでのご協力、よろしくお願いします!」
トルストイ(裏)「って、ああ!? 君は…………」
そんな時、主催者の対応からして花婿役だと思われる奴が姿を現した。ソイツは、スプリングガーデン(裏)のリリィウッド(裏)の花騎士達の騎士団長を勤めている………
トルストイ(裏)「ルイス(裏)!?? 君が……サクランボさん(表)の花婿役なのかい!??」
ルイス(裏)「やあ、ドストエフスキーさん(裏)達。おはようございます。本日は結婚式のイベントの練習のお付き合い、よろしくお願いいたします」
うちの図書館(裏)のルイス・キャロル(裏)だったんだが……
ドストエフスキー(裏)「お前……何があってサクランボ(表)の花婿役を引き受けたんだ?」
ルイス(裏)「ああ、それがですね。はじめは僕達の騎士団にも、今回の結婚式イベントの話が持ちかけられまして。それでスプリングガーデン(裏)の騎士団長全員が花婿役の誘いを受けたんですけど………」
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烈(裏)「フン。悪いが、俺にはもう好きな女がいるんだよ」
塵(裏)「愛のイベントの誘いに来てくれたところ悪いが、俺にも一生愛すると決めた奴がいるんだ!!」
ラヴクラフト(裏)「興味、ありません!!」
ポー(裏)「……………私には、そのような機会は もう訪れんからな…………」
ドイル(裏)「無理無理無理無理ただでさえ人見知りの自覚あるのに他の騎士団の女性といきなり結婚式など無理だーーーーーーっ!!!!!」
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ルイス(裏)「皆してこのような状態で………それならばと僕が引き受けることにしたんです」
女性主催者「キャロルさん(裏)は紳士的ですし、イケメンですし、何よりサクランボさん(表)をエスコートして下さりそうですし! 花婿役にピッタリだと思うんです!! どうでしょうか!??」
サクランボ(表)「確かに、キャロルさん(裏)も顔立ちが整っていて紳士的なんですけど………」
どうやらキャロル(裏)も残りの(裏)の騎士団長達が皆して乗り気じゃなかった為に、半ば消去法で選ばれたものの、主催者に気に入られて抜擢されたようだが……
サクランボ(表)「………パパ…………」
サクランボ(表)が俺の腕を掴んで、不安げな顔でこちらを見上げている。相手がよく騎士団の仕事で話すだろうキャロル(裏)だとしても、花婿としては受け入れられないようだった。俺は悲しそうにこちらを見るサクランボ(表)の頭を優しく撫でたが、主催者側が「せめて一回だけでも」と後押ししたことで、言われた通りに練習をする事になった。
木之本(表)や李(表)が説明してくれた通りに、まずは花婿役であるキャロル(裏)が祭壇へ行き、その後にフラワーガールとリングボーイの木之本(表)と李(表)が花をバージンロードに振りまいたり、婚約指輪の乗ったリングピローを持ち運んで祭壇まで移動する。そして、花嫁の両親役の俺とレフ(裏)と、花嫁役のサクランボ(表)が、キャロル(裏)の下まで向かう。この時もサクランボ(表)は不安そうな表情のままだった……
ドストエフスキー(裏)「キャロル(裏)、サクランボ(表)のこと……頼んだぜ」
ルイス(裏)「ええ。任せてください……それでは、レディー。こちらにどうぞ」
サクランボ(表)「あ………」
そして、俺は花婿役のキャロル(裏)に、サクランボ(表)を預けるべく、サクランボ(表)の手を差し出そうと━━━━━━━━━━━
サクランボ(表)「いやっ…………!」ギュッ
ドストエフスキー(裏)「!」
ルイス(裏)「ああ…………」
さくら(表)「サクランボさん(表)………」
したが、サクランボ(表)は俺のその手を離すまいと、しがみつき始めた。
サクランボ(表)「あっ…………あ、ああ…………」
サクランボ(表)自身も自分の行動に驚いたようで、我に返って自らと俺の手を見比べ始める。そして………
サクランボ(表)「う、うぅっ……! ごめんなさい! やっぱり、私………っ!」タタッ!!
トルストイ(裏)「!? サクランボさん(表)!!」
小狼(表)「サクランボさん(表)!!」
さくら(表)「ほええっ!? サクランボさん(表)、待ってください! わたし、サクランボさん(表)の後を追います!」タタッ
瞳を潤ませて、サクランボ(表)はその場から逃げるように駆けてしまった。俺も引き止めようにも、勢いよく駆け出したサクランボ(表)を止めることができなかった。サクランボ(表)の後をさくら(表)が追うが………
ドストエフスキー(裏)「……サクランボ(表)が、ここまで追い詰められるなんてな……すまねぇが、やっぱり配役について相談した方がいい。もう少し会議させてくれや」
女性主催者「うぅ………サクランボさん(表)があそこまで悲しまれてしまうのなら、会議が必要ですよね………」
ルイス(裏)「…………いえ。ドストエフスキーさん(裏)はさくらさん(表)とサクランボさん(表)の後を追ってください。要相談は僕達が行います」
ドストエフスキー(裏)「! いいのか?」
トルストイ(裏)「……いいんだよ。フェージャ(裏)はサクランボさん(表)に寄り添ってあげるべきだ。……あの人はフェージャ(裏)が一番大事な存在だと思うから」
ドストエフスキー(裏)「!!」
小狼(表)「ドストエフスキーさん(裏)……説得はおれたちに任せて、さくら(表)といっしょにサクランボさん(表)のところへ行ってやってください」
ドストエフスキー(裏)「お前ら……… わかった。ありがとよ。……サクランボ(表)、今行くからな!」タタッ
レフ(裏)達が主催者側と話をつけると言ったため、レフ(裏)達の言葉もあり、俺もサクランボ(表)を探して駆け出すのだった……
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
ドストエフスキー(裏)「木之本(表)にサクランボ(表)は………いた! おい! 二人とも、今どうしてるんだ…………あ……」
さくら(表)「ドストエフスキーさん(裏)……サクランボさん(表)、やっぱり悲しくて、泣いてるみたいです………」
俺が勘に頼って執務室へ向かえば、そこに木之本(表)と、中で泣きじゃくっているサクランボ(表)を見つけた。俺が「サクランボ(表)、迎えに来たぜ」と言えば、サクランボ(表)は泣き腫らした目と安堵した表情で、更に涙を溢れさせた。
サクランボ(表)「う、うぅ………っ……ママ………パパぁっ! うわぁぁぁぁぁんっ…………!」
そして、そのままサクランボ(表)は木之本(表)と俺の方へ抱きついてきた。俺も木之本(表)も、優しくサクランボ(表)の体を抱きとめる。
サクランボ(表)「私、パパと離れたくない……! もう、離れ離れになるなんて嫌だよぉ……! ひぐっ……ぐすっ、うわぁぁんっ……!」
さくら(表)「サクランボさん(表)……だいじょうぶだよ。わたしもドストエフスキーさん(裏)も、サクランボさん(表)から離れたりしないよ」
ドストエフスキー(裏)「サクランボ(表)……ごめんな。お前のトラウマを、刺激してたみたいでよ……俺は離れたりしない。離れないから、安心してくれよ………」
俺は先程の出来事で過去の心の傷が刺激されたからか、俺と木之本(表)の胸の中で泣き続けるサクランボ(表)に温もりを与えるように、木之本(表)と共に何度もサクランボ(表)を安心させるように耳元で囁きながら、その頭を撫で続けたのだった……
感想まだ
- Re:ジュンブラサクランボちゃん(表)のキャラクエ風ss ( No.266 )
- 日時: 2024/01/30 19:44
- 名前: 天悪 ◆Q6ZpdcD6Uw (ID: caCkurzS)
俺と木之本(表)が時間をかけて、泣きじゃくるサクランボ(表)を慰めていくと、サクランボ(表)はこの執務室に駆け込んで泣き始めた時よりはぐすぐすと鼻を鳴らす頻度が減ってきた。だいぶ落ち着いてきた証だ。
サクランボ(表)「………ごめんなさい。ママ、パパ。私、急に逃げちゃって……びっくりさせましたよね」
さくら(表)「ううん、だいじょうぶだよ。サクランボさん(表)、やっぱり、ドストエフスキーさん(裏)から離れたくなかったんだよね」
サクランボ(表)「はい……パパの手が離れた瞬間、すごく怖くなったんです。この大好きな人の手が、私から離れていって、二度と戻ってこないんじゃないかって……」
ドストエフスキー(裏)「………ガキの頃に害虫によって、親から永遠に引き離されたお前にとって、大事な奴と離れ離れになる事がどれだけ辛いか、言葉に尽くし難い程だろうな……俺の方こそ、お前の心に寄り添いきれなくてすまなかった」
サクランボ(表)「私………ママから、真似事とはいえ……け、結婚できるって教えられて、すっごく嬉しかったんです。パパは、私にとって頼れて力強くて、とても優しい大人の男性で……そんなパパと結婚できないと言われた落差で、余計にどうかしちゃったのかもしれません」
さくら(表)「うん。サクランボさん(表)、ドストエフスキーさん(裏)とお話できたことを、いつも嬉しそうにお話してくれてたもんね……」
ドストエフスキー(裏)「……… その気持ちもよくわかる。………けどな。どちらにしても、俺はもう、俺のことを好いてくれてるお前の元から離れたりしねぇよ。……それに、ある意味ではもう結婚してるようなもんだろ」
さくら(表)「え? ほえぇっ!??」
サクランボ(表)「えっ!? 結婚って……私と、パパが!??」
ドストエフスキー(裏)「結婚ってもんは、血が繋がらねぇ恋人同士が家族になるもんだろ? ……俺も、お前の事を初対面で助けた時に父親認識された時よりは、お前のパパ呼びもお前自身の事も、受け入れられてるつもりだからさ。
俺は、苦楽を共にする家族の事を傷つけたり、縛ったり、ましてや離れていったりすることはしたくない」
サクランボ(表)「……幸せな時も、困難な時も………?」
サクランボ(表)の、愛の宣誓の時と同じ言葉に、ゆっくりと頷く。すると、サクランボ(表)はまた目に涙を溜めたが、穏やかな笑みで俺に微笑んだ。
サクランボ(表)「ドストエフスキーさん(裏)は……パパは、あの時のように、いつも私が一番欲しい言葉をくれるんだね。好き……大好きっ! パパぁ………♪」
ドストエフスキー(裏)「ははっ………くすぐったいな。ふふ、こいつめ……♪」
無邪気な子どものようにじゃれついてくるサクランボ(表)を、サクランボ(表)が喜ぶような撫で方で撫でてみる。そうすればサクランボ(表)はその名と同じような赤い頬で、無邪気に笑った。
さくら(表)「ふふっ、よかった〜! サクランボさん(表)が安心してくれて!」
しばらくそうしていると、執務室の扉が外からノックされる音が聞こえた。木之本(表)がそれに気づいて扉を開けると、レフ(裏)と李(表)、キャロル(裏)がこっちに来ていた。
ルイス(裏)「サクランボさん(表)、大丈夫かい? 心苦しい中申し訳ないけれど、お邪魔させてもらうよ」
さくら(表)「あっ! キャロルさん(裏)にトルストイさん(裏)に小狼くん(表)!」
サクランボ(表)「あ……! そ、その……! 先程は、練習の途中であんな事して、逃げてしまってすみませんでした……! 驚かせてしまいましたよね……」
ルイス(裏)「ううん。気にやまなくていいんだよ、レディー。サクランボさん(表)の心中を察せなかった僕に非があるからさ」
小狼(表)「それに、キャロルさん(裏)が主催者の人たちを説得するのに成功したから、安心してください」
ドストエフスキー(裏)「! 説得に成功したのか! けど、いったい何言ったんだよ? サクランボ(表)や俺達が納得できるものなのか?」
トルストイ(裏)「それがねフェージャ(裏)。次の練習で…………」
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それから、結婚式のイベント当日………他の参加者や客たちの眩い視線と歓声を浴びながら、俺はサクランボ(表)と二人、手を繋いでバージンロードを歩いていた。
サクランボ(表)「………♪」
純白のウエディングドレスを身に纏ったサクランボ(表)は、穏やかな笑みを浮かべていた……どこに出しても、恥ずかしくない立派な娘だと、胸を張って言えるだろう。サクランボ(表)と共にバージンロードを歩き続け……神官の前で立ち止まった所で、花びらをバージンロード中に振りまいていた木之本(表)は一旦はけ、俺は李(表)からこのイベント用の婚約指輪を受け取った。李(表)もその場からはけた所で、サクランボ(表)は俺にしか聞こえない声で無邪気に囁き笑いかける。
サクランボ(表)「……パパとお婿さんの役、両方パパがしてくれるなんて、幸せです♪」
………俺と木之本(表)がサクランボ(表)の傍にいた時、キャロル(裏)達が主催者側を説得していたが、その時に「ドストエフスキーさん(裏)に父親と花婿の一人二役をさせてはいかがでしょう」と案を出してくれたようだった。俺もレフ(裏)から話を聞いた時は驚いたが、主催者達はキャロル(裏)の案を採用したようだった。サクランボ(表)のあの練習の時の反応も含めて改めて見てみると、親子のようであり恋人にも見えるからという理由が決め手らしい………キャロル(裏)には後で礼をしないとだな。俺も金欠ではあるが……そんな事を考えていたが、今は神官の前だ。神官が俺とサクランボ(表)に向けて、誓いの言葉を口にし、問うてきた。
神官「これから先、夫婦として支え合い生きていくことを誓えますか?」
サクランボ(表)・ドストエフスキー(裏)「「……誓います」」
言葉で誓いを述べた後は、祭壇の前でキスをする。……だが、これはあくまでフリだ。何度も練習をしてきたし、サクランボ(表)の調子もすこぶる良いし、問題ねぇだろう。
サクランボ(表)「パパ………」
サクランボ(表)の方に向き合い、頬に手を添え、周囲から口元が見えないようにする。そうしてから、唇と唇が触れ合う寸前まで、顔を近づけ━━━━━━━
サクランボ(表)「ちゅっ♪」
た時。そっとサクランボ(表)が唇を突き出して、互いの唇が重なった。
ドストエフスキー(裏)「なっ! 〜〜〜〜!//////////」
……俺の顔面は今のキスで真っ赤に染まっていると思う。驚いてサクランボ(表)の方を改めて見れば、サクランボ(表)は恥ずかしそうに目を逸らした。
サクランボ(表)「………これは、神聖な儀式ですから。………はしたなくは、ない、ですよ?」
そう照れ隠しのように言って、今度はこっちに抱きついてくる。俺もそっと抱きしめてやれば、ほのかに赤いその顔に、再び満面の笑みが浮かんだ。
サクランボ(表)「今までも、これからも……パパを愛してます。ずっと一緒にいてくださいね、パパ♪」
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