二次創作小説(新・総合)

Re: 南国という名の天国に行こう ( No.97 )
日時: 2021/07/10 22:06
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)

ザザーン……ザザーン………

そんな波打つ音が、フェリーの上からも心地よく聞こえてくる。潮風も同様に感じ取れる。周りの子ども達も、「うわーーーっ!!」なんて歓声を挙げて、『テンウァック島』に到着することが待ち遠しくなっているみたいだ。

「きえー……テンウァック島、メリーディストピア独自の施設としてまだ残されていたのですね……」

「いや当然だよ!せっかく作ったんだし、逃走中からの登場だからこそ大事にしなきゃ!」

「オレら刀剣男士や艦娘も連れてきてくれて嬉しいぜ!ありがとなー天悪さん!」

「いやぁ、今とっても暑いし、ちょうど逃走中2から一年くらい経つから、来ておこうかなとね……」

茶柱(裏)や厚(表)と会話する天悪の発言からして、逃走中2の舞台だったこの島の様子を見に行くためもありここへ来たんだろうが……何にしてもこの島で数日、夏を満喫できるっていいことだよな!

「よーーーし!!南の島へ来たからには遊びまくるぜーーーーーっ!!」

「烈(表)、はしゃぎすぎて迷子になるなよ」

「おいっ!!俺を子ども扱いすんのはやめろーー!!」

俺、烈(表)はまた塵(表)に一言言われながらも、これから遊ぶテンウァック島を見据えていた。




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「わー…!今度は海の中へ泳ぐことができますね!この時のために!海に流されないためのうきわを持ってきたんですよ!これで海で遊ぶ準備は万全です!」

「………シャミ子さん(表)、水着はともかくとして、うきわはさすがに子どもっぽい……と思うけど………」

「子どもじゃないです!うきわも遠くまで流されてしまわないようにできる、重要な道具です!!」

「まぁまぁ孤爪くん(表)、そんなこと言ったら、海でもゲームを持ってきてる私も子どもだから……」

「ふぇぇっ!?さすが七海さん(表)、南国の島の海でもゲームに勤しむんですね!」

「でも、もし水没したらマズイですし、ゲームはしまいましょうか★」

テンウァック島の海へやってきた私達、シャドウミストレス優子(表)と七海さん(表)と孤爪さん(表)とまぐろ君(表)は水着に着替え、泳ぎにいっていました。孤爪さん(表)はあまり乗り気ではありませんけど、私たちゲーマー仲間と一緒に泳ぎにきてくれてありがたいです。私もメリーディストピア学園都市の売店の一つで売られていた、ごせん像の浮き輪を使って泳ぐとしましょう!

「おや、キミたちも海で泳いでいるんだね」

「あっ!シロクマさん(表)!そうなんです、みんなでさっぱりしようと…… シロクマさん (表)も泳ぐんですか?」

「うん。といっても、やる事はぷかぷか浮きながらオサレなジュースを飲む事だけどね」

「………通りでサングラスもかけてると思ったら………生態的に、いいの…?」

「だいじょーぶだいじょーぶ」( ◜௰◝ )b

その時に、シロクマさん(表)が私達の方に話しかけてきました。どうやらシロクマさん(表)も、ぷかぷか浮きながら海へ泳ぎに行くそうです。シロクマさん(表)の言う通り、ジュースを飲みながら海に浮かぶというのも、オシャレでいいのかもしれません!

「そのジュースは、シロクマさん(表)の自作でしょうか★」

「まぁね。テンウァック島へみんなで旅行に来てる以上、余ってる材料を持ち寄ってジュースを作ったり、後でスイーツやランチやディナーの手伝いをするのもいいかなと思って」

「なるほどー!シロクマさん(表)の料理も絶品なので、期待が高まりますなぁ」

更に、シロクマさん(表)は休暇を取ってテンウァック島に来てる際に、カフェで余ってる食料を持ち寄っていて、私達にも振舞ってくれるみたいです。私も、シロクマさん(表)も作るごはんがとても楽しみです!

「シロクマさん(表)!お手伝いは私もやりますから、おいしいごはんを作ってくださいね!」

「うん!ありがとうシャミ子さん(表)。ボクの方こそ、よかったらキミ達のゲーム話とか聞かせてくれないかな?前々からキミ達の集まっている内容も気になってたんだよね」

「シロクマさん(表)もゲーム、好きなのかな?私達もゲーム好きと話すのは嬉しいし、もちろんいいよ」

「おれも……ゲームの話するのは楽しいから……」

「僕もいいですよ★僕の方こそ、料理の手伝いは任せてください★」

「まぐろくん(表)の料理もおいしいって評判だからね。まぐろくん(表)もありがとう!」

「私も大丈夫です!なので、まず海で泳ぎましょう!泳ぎましょー!」

そして、シロクマさん(表)も私達とゲームの話で盛り上がりたかったらしいので、シロクマさん(表)も入れて五人で海に入りつつ、ゲームの話に華を咲かせたのでした……涼しくて気持ちいい海の中で過ごす時間は中々なかったので、とても楽しい時間になりましたね……!



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「なぁ龍田(裏)〜」

「あら、どうしたの?天龍ちゃん(裏)」

「こっち側、ちらちら見られる割には、近づいてくるヤツがいなくねぇか〜?」

「あら!言われてみればそうね……となると、私のことを恐がっているのかしら?ふふふっ!戦場とは違う場でも、私の恐さは健在のようね!」

「あ〜、ある意味そうだろうな〜」

私達は、入間美兎(裏)提督の鎮守府に所属している、天龍型軽巡洋艦。私は2番艦の龍田(裏)で、傍で飄々としているこの子は1番艦の天龍ちゃん(裏)。私達艦娘も天悪さんに招待を受けて、このテンウァック島という人工島にやってきたんだけど……どうやら私の恐さはここでも健在みたい。みんなが私達を見て動けずにいるわ!



「おいおい葉隠(表)!ちょっと声掛けてこいよ!」

「ええ!?俺もできるならそうしたいとこだけど……あんな美人に堂々と手出ししたらマズイ予感がするべ!ここは桑田っち(表)が!」

「えー?オレもあの子たちとお近付きになりたいけどよ、舞園ちゃん(表)もいるからなー!どうすっかな………」



「はーーーー………とても綺麗な方たちです………正に高嶺の花という言葉が似合いそう………」

「鬼灯君(裏)、せっかくのバーベキューが焦げそうだよ」

「あっ!??しまった、あまりに見とれてて………あちちちち!???」

「全く、他所の方向いてるから……ここは改めてワシが焼くから、早く白澤君(裏)や桃太郎君(裏)に手当してもらってよ」




「………今のオレ達にそう簡単に近づけるヤツはいなさそうだな〜」

「当然よ!特に私は世界水準を軽く超えるほど強くて恐いもの、そう簡単に近づける人は………」

「おーい!みんなー!………どこ行っちゃったんだろう?」

「もう遠くまで行っちゃったのかな……」

私達の事が恐くて手を出せない周りを見ながら、堂々とビーチの散歩をしていたけど………前から二人の男の子が歩き出していたの。男の子の一人は、今にも泣いてしまいそうだったから、天龍ちゃん(裏)と一緒にその子たちのところへ駆けつけてみることにしたわ。

「そこのあなた、大丈夫?もしかして迷子かしら?」

「あ……!えっと、そうなっちゃったみたいです。その、ぼくたちクラスメイトのみんなとで行動してたんですけど、みんなとはぐれちゃって……」

「しばらくみんなを探してたけど、見つからないんです!この島のどこかにいると……思うんですけど………」

「なるほどなぁ、ならオレらもメリーディストピアの住民なんだし、お前らのクラスメイトを探すの手伝うぜ〜?だから涙拭けよ、な?」

「あ、ありがとうございます…! えっと、その、あなたたちは………」

「あぁ、オレは天龍(裏)。提督の鎮守府に所属する天龍型軽巡洋艦の1番艦だぜ〜?んで、こっちは……」

「天龍ちゃん(裏)とは姉妹艦になる、天龍型軽巡洋艦の2番艦、龍田(裏)です。そうね、あなたたちもだいぶ歩いて疲れてるだろうし、おんぶしてあげるから、上からクラスメイトのみんなを見つけるのよ!わかった?」

「はいっ!あっ、同じ住民相手になら、名乗っても大丈夫だよね?僕は忍術学園の忍たまで、一年は組の皆本金吾(裏)です!」

「えっと……ぼくは金吾(裏)と同じく、一年は組の忍たまの山村喜三太(裏)です!ぼくも金吾(裏)も一年は組のみんな(裏)と一緒にいたんです」

「金吾(裏)と喜三太(裏)だな?二人ともダチの特徴はっきりわかんだろ?しっかり上から見てるんだぞ〜」

「あと、しっかり掴まっててね!振り落とす訳にもいかないから!」

「はいっ!お、お願いします!」

二人の男の子……金吾くん(裏)と喜三太くん(裏)に話しかけて、天龍ちゃん(裏)が金吾くん(裏)にハンカチを差し伸べながら、二人とも迷子になっちゃったことを知った私と天龍ちゃん(裏)は、このまま放っておくわけにもいかないし、二人をおんぶして友達を探すことにしたの。



結構広いこの島を歩き回って、数十分……クラスメイトの子達も金吾くん(裏)と喜三太くん(裏)を探してたみたいで、二人の気づきで向かえたけど、11人の忍たまはお互い合流できて安心してたわ。その様子を見て、私も天龍ちゃん(裏)も安堵したけど、その直後に何故か金吾くん(裏)たちに引き止められて懐かれたけどね……








メリディス住民の夏の日々!感想まだ

Re: 南国という名の天国に行こう ( No.98 )
日時: 2021/07/10 22:11
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: 8hHoYYXB)



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「正直ビーチで発明をする方が良かったのですが……どうでしょうかこの水着?似合っていますか?」

「おーーーーー………っ!いい!いいぞ入間(裏)!さすがオレ様が唯一見込んだ人間といえるヤツだ、いいボディしてるじゃねーかよ!」

「ふっふーん!ワタシが美女であることは多くの方から評価して頂けているので自信があります!キーボクン(裏)もそう仰るなら、海へ入っても問題はないようですね!では、みなさんと泳ぎに行きたいと思います!」

「入間(裏)!その、少しでいいから、海から出る時はオレ様の所に来いよな。オレ様、ただでさえ鋼鉄のボディだから、海へ入ると沈むからさ……」

「そうですね……ビーチに戻ったら、キーボクン(裏)のボディに支障のない遊びをしましょうか」

ワタシは現在、クラスメイトのキーボクン(裏)に、水着を着けた状態で違和感や不備がないか確認してもらい、問題はなかったため、海へそのまま入ることに決めました!しかし、一方のキーボクン(裏)は鋼鉄製のロボットであるため、海へ入ることは推奨できません。なので一人寂しそうに海を眺めるキーボクン(裏)に「必ず戻って構う」と約束したのですが……新たに複数分の足音が聞こえました。その正体は、我が艦隊の駆逐艦達でした。

「提督〜!ちょっと駆逐艦のメンバーでビーチバレーやるつもりだから、提督審判して!」

「曙さん(裏)に漣さん(裏)!電さん(裏)に雷さん(裏)も……みなさんかわいい水着を着ていますね!それに、ビーチバレーもいいかもしれませんね」

「クソご主人さまが他の艦娘に手を出さないように、尚更審判やってほしいけど……やるならちゃんとやってね!いいね!?」

「が、頑張ります!!審判という立場に立ったことはありませんが、ルールを教えていただければ、そのルールに則って合理的かつ公平に審判を執り行うことを約束しますよ!」

「司令官さんも参加してくれて嬉しいのです!それじゃあ、ルールは初霜ちゃん(裏)とかが教えてくれるはずなので、早く向こうへ行くのです!」

「ええ!暁(裏)も響(裏)もみんなも待ってるわ。人にぶつからないように、気をつけて向かいましょ!」

「…………」

駆逐艦のみなさんでビーチバレーをやることになっているらしく、そのためにワタシは審判に駆り出されましたが……審判としての最低限のルールや行儀を教わっていただければ問題ないので、ワタシは快く電さん(裏)たちの誘いを受けることにしましたが………私の後ろ手を、キーボクン(裏)が掴みました。

「えっ、キーボクン(裏)?どうしましたか?」

「おいっ!可燃ブスども!オレ様の許可なく入間(裏)を連れ出そうとしてんじゃねーぞ!入間(裏)を連れ出すなら、まずオレ様に土下座しやがれ!」

「はっ!?ちょっとあんた、何言ってんのよ!?なんで提督を連れ出すのにそんなこと…」

「もしかして司令官さんを独り占めするつもりですか!?そんなことしないでほしいのです!」

「あ、あの……あなたがなんで怒ってるのかわからないけど……もしあなたも混ざりたいなら、一緒にビーチバレー、やる…?」

「なっ、ばっ………オレ様が今やりたいことは入間(裏)のそばにいることなんだよ!テメーらと遊ぶことじゃねー!」

「だったら!クソご主人さまのそばにいるのは勝手にしてていいけど漣達に暴言吐かないでくれる!?いい迷惑なんだけど!!」

「ひぅぅぅぅっ!!なんだよぉ……急にオレ様から入間(裏)を奪うなよぉ………」

「あぁ………キーボクン(裏)、漣さん(裏)の言う通り、急に自分の感情のままに人に暴言を言うのはよくありませんよ。でも、キミも寂しかったんですよね……審判は一緒にやりましょう。一人より二人の方が効率がいいはずです!」

「入間(裏)……… ひゃっひゃっひゃっ!入間(裏)がこう言ってることだし、土下座は勘弁してやるし、審判もやってやるよ!感謝しろよ欠陥品どもー!」

キーボクン(裏)が雷さん(裏)達を罵倒してきたものの、それはキーボクン(裏)がワタシと一緒にいたくて寂しいといった気持ちからだったようです……キーボクン(裏)のやってることがやってることのため、すぐさま漣さん(裏)に反論されてしまいましたが……艦娘のみなさんとの出撃や鎮守府での生活もあって、キーボクン(裏)に寂しい思いをさせてしまったことを汲んで、キーボクン(裏)も審判として誘うことにしました。キーボクン(裏)は上機嫌になってくれたものの、雷さん(裏)以外から良く思われてないようです。無理もないですが……

「ですからキーボクン(裏)、もう少し言葉を優しくしましょう💦 もしかしなくても多くの人を敵に回しかねませんし💦」

「でも、司令官がクラスメイトの人達にも慕われてることはわかったわ。もしよかったら、キーボ(裏)や他のクラスメイトの人とも仲良くなりたいわね!」

「え………だ、だとしてもだ!入間(裏)はテメーらに渡さねーからな!」

といった騒動もあったものの、駆逐艦のみなさんとのビーチバレーはとても盛り上がり、キーボクン(裏)も白熱してくれたのでした……



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「はーーー……!この島の観光施設も良いけど、自然の森や水辺もいいんだよな!改めて探索してみると、こんなに見てて気持ちいいもんか………」

俺、烈(表)は逃走中の時とは違って、のんびりテンウァック島を探索していた。これって森林浴っていうのか?今結構奥の森に行ってるけど、木はたくさんあっても、薄暗さは全然感じなくて、むしろ涼しく瑞々しい感覚がする。これならもっと歩いて進んでられる。そんな気がしていた。だが……ある程度進んだ先の湖のほとりに、何故か女の子が一人で佇んでいたんだ。

「お………おーい?そこの女の子?どうしたんだよ、こんなところで一人でいて」

「! だれ?」

もしかしたら迷子かもしれないし、なんだとしてもさすがに森の中でちびっ子が一人は危ないだろうと思って、話しかけてみると、その子は俺を見た途端、まるで人に話しかけてもらいたかったかのように嬉しそうに聞いてきた。

「俺は、烈(表)っていうんだ!お前、名前は?」

「もか……きしぶち もか!」

「もかか!よしもか、もかはなんでこの森に一人で座ってたんだ?」

「もかもわかんない……いつのまにか、このもりにいて、どうやってここからでたらいいのか、わからなくなっちゃったの」

「となると、もかは迷子なのか……よし!なら任せとけ、俺と一緒にこの森から出よう!俺、道は覚えてるからさ。その通り行けばビーチに戻れるから!」

「れつおにいちゃん……ありがとう!もかをつれてって!」

「おう!よし、おんぶしてやるから、しっかり捕まってるんだぞ!」

俺はその子に自己紹介をし、その子……もかはやっぱり迷子だったようで、森から出られなくて一人で辛かったもかを、おんぶで森から一緒に出ることにしたんだ!大丈夫、自分の目でこの景色を見てきたから、帰り道もわかる!



綺麗な木々を抜けて、平坦というわけじゃない道を走り続けて……10分くらいか?ようやくビーチが見えて、森から出ることに成功した!

「よーし!狙い通り森から出られたぞ!もか!これで一人ぼっちじゃなくなるぞー!こんなたくさん人がいるんだしな!」

「うん………!うわぁ、きれいなうみ………!すなはまもしろくてきれい!」

「あはは!もかはビーチ気に入ったのか。どうしようか、お父さんやお母さんも心配してるだろうし、探しにいかないといけないけど……まず水遊びしてからにするか?」

「うん!うみであそびたい!」

「よーし!ならここで遊ぶか!よいしょ……」

「わーっ!きもちいいっ!」

俺は綺麗な海を見て興奮するもかを見て、まず水遊びしてからご両親を探すことにして、おんぶからもかを降ろすと、足首を海辺に浸からせたもかは大喜びしだしていた。

「あはは、もか!あんまり遠く行くなよー!相当気に入ったんだな!」

「うん!もか、こんなにつめたくてきもちいいところにきたのははじめて!」











「あれ?おーい!そこ、何してるんですかー?一緒に遊んでるんですか?」

「烈(表)!お前なんで女の子と一緒にいるんだよ?その子知り合いなのか?」

「あぁ!ひびき(表)に………えーと?柊さんとこの鯰尾……じゃねぇよな?」

「あっ!柊さんのところの刀剣男士じゃないですよ! 俺は鯰尾藤四郎(表)!主……ラグナス・ビシャシ様(表)に仕える刀剣男士の脇差です!」

「そうか!ラグナス(表)の……鯰尾(表)もよろしくな!」

遊んでいる最中に、新たにひびき(表)と鯰尾(表)がやってきた。二人の話を聞くに、さっきたまたま合流して話してみたら、意気投合して食べ歩きしてみてたそうだが、俺ともかを見て気になったらしい。俺は二人にもかから聞いた事情を話すことにした。

「へー、その子迷子なのか……けど、先にもかがこのビーチを気に入ってるから遊んでんだな。海に来たのはこれで初めてなのか?」

「うん!とてもたのしみにしてたから、これてよかったぁ!」

「そっか!いい思い出になったよね! だけど、お父さんやお母さんも心配してるかもしれない。ここからはご両親を探しながら、もかちゃんのいい思い出をもっと作っていこう!俺も付き合うからさ!」

「まぁな!もかも一人は寂しいみたいだし、お父さんお母さんに会うまで、島中回ろうぜ!なっ!」

「うん!おにいちゃんたちやおねえちゃんはやさしいひとだろうから、いいよ!」

「おっ!ありがとなーもか!じゃあさ、向こうにおいしいたこ焼きがあるからさ、もかの分買うよ!もかはたこ焼き好きか?」

「えっとね、たべたことないよ?おいしいものなの?」

「ああ!おいしいものだぜ、俺も保証する!よーし、たこ焼きの屋台まで行くぜーーーっ!」

「あはは!待ってくださいよー!」

俺とひびき(表)と鯰尾(表)はもかがこの島のことを気に入ってることもあり、もかのお父さんとお母さんを探しつつ島の魅力を満喫することにした。ひびき(表)がたこ焼きの屋台でたこ焼きをもかにあげるため、近くで見たという屋台に向かったんだ!





「うへへへへ!!!シトロンたそ(裏)の水着姿も尊いのぉ!!!!」

「だからぁ!!やめてくださいよ!?大勢の人が見ているのに恥ずかしくないんですか!?というか恥ずかしいです!!」

「尊いんだから、仕方ないんですぅーーー!!!」

「まったくもう………あれ?向こうにいるのは、烈(表)とひびき(表)と鯰尾(表)?三人とも仲良くなったんでしょうか?一緒に行動してますね!」

「ん、そうね……」

「ただ、三人とも、ちょくちょく下に目線を下げていますけど………」

「………シトロン(裏)ごめん。ちょいと調べ物してくるわ」

「あっ!天悪!? まったく、天悪も気まぐれなんですから……」

その様子をシトロン(裏)と天悪も見ていたということを、俺達は知らずに、もかにたこ焼きをあげてみたけど………






「あつつ!あつ………んん!おいしいーーー!」

「おう!だろだろ、たこ焼きもうまいだろ!もう少し食ってみるか?」

「うん!ぜんぶたべたい!」

「うんうん!そんなに気に入ってくれたんだね!」

「たこ焼きもうまいもんなぁ……だけど、ホットスナックもうまいぞ!もかも次が来て大きくなったら、アメリカンドッグとか買って食べてみてくれよな!」

「あめりかんどっぐ?もおいしいの?わかった、おぼえとくよ!」

「おう!もかもきっと気に入るからよ!」

もかもたこ焼きをおいしく食べてくれてるみたいだ。幸せそうにたこ焼きを食べるもかを見て、俺達は安心する。もかも他の子どもと同じで、無邪気に物事にはしゃぐいい子だが……まだもかの父ちゃん母ちゃんは見つからない。もしかしたらこの場にはもう来ていないのかもしれないが、どうにか解決はできないか……と悩んでいると。ぽす、と鯰尾(表)の足下にビーチボールが当たった。

「ん?なにだろう……これは、ええと?」

「もか、これであそんでみたい!」

「ああ、この丸いもので?よーし、こうして手毬みたいについてみようか!」

「うんっ!………わぁ!ぽんぽんはねて、おもしろそう!」

鯰尾(表)がもかの前で、手毬代わりにビーチボールをついてみると、もかも好奇心を焦がれたようで、すぐにもか自身も試してみる。もかがビーチボールをついていく内に、もかの目のキラキラが増していくのが、俺達にも伝わった。

「もかちゃん、その遊び気に入った?」

「うん!おうちでもやりたい!」

「そうだなぁ、またできるといいな!友達と遊ぶでもいいだろうし、ちょうどボールが転がってくれてよかったよ」

「けどよー、このビーチボール誰の………あっ!入間(裏)んとこの駆逐艦の雷(裏)と電(裏)だよな?お前らのもんなのか?」

「ごめんなさーい!ビーチボール、そっちにまで飛ばしちゃって!」

「すみません!電たち、駆逐艦のみんなとでビーチバレーをやっていたのです!ボールをどうか返してほしいのです!」

「そっかぁ、もかちゃん。このびーちぼーる、電ちゃん(裏)たちの使ってるものなんだって。だから返してあげようか」

「はーい……おねえちゃん、ぼーるおかえしします!」

「?」

もかがしばらく遊んでいると、このビーチボールの主らしい雷(裏)と電(裏)がやってきた。これは人のものだから、返してやらなきゃな。そのことをもかも十分わかっていたから、すぐにビーチボールを電(裏)に返した。当の電(裏)は何故か静かになったけど。

「もか、どうする?次はどこへ行ってみたいとかあるか?」

「えっとね、つぎはあの、きらきらしてるばしょへいってみたい!」

「あそこは………もしかしてプラネタリウムか?親探しが難航しそうだが……星は綺麗だし、行ってみるかぁ」

「俺も初のぷらねたりうむ、楽しみです!それじゃあ俺達はこれで失礼するね!そっちもびーちばれー楽しんで!」

さて、次にもかはプラネタリウムへ行ってみたいらしい。だから俺達はプラネタリウムのある7の島へと行くことにしたんだ………



「………烈さん(表)たち、いったい何と話していたのかしら?」

「さぁ………でも、ボールが独りでに帰ってきたからには、何かがいるのに間違いなかったのかもしれませんね!」











あれから色んなところで色々な体験をして、気づけば夕方。もう空は茜色に染まっていた。ただ、ここまできてももかの両親と会えてないことにさすがに俺らも焦り出す。

「参ったな……もうこんな時間かよ!日が暮れちまってる!」

「もし来ていたらの話だけど、ご両親とても心配されてるでしょうね……」

「いや、心配してるに決まってんだろ!?ごめんなもか、私達も早くお前の父ちゃん母ちゃん見つけるからさ! えーっと、ここからは天悪や保護者達に任せた方がいいのか…?」

「………れつおにいちゃん、なまずおおにいちゃん、ひびきおねえちゃん。きょうはとてもたのしかったよ。もかとあそんでくれて、ありがとう」

「え?急にお礼言われると照れくさ………あ?あれ、もかは?おかしいな、つい今まで手を握ってたのに、え???」

もかが俺らにお礼の言葉を言った途端に、もかはその場から消えていた。もかと手を握っていたひびき(表)が一番驚いてるけど………そうか、もか……

「もか、きっとこの世に未練がなくなって成仏したんだろうなぁ」

「え、は???え、もかが、はっ????そんな、もかを幽霊みたいに………」

「え?霊気から察するに、もかちゃんは幽霊ですよ? 気づいてなかったんですか?」

「はぁ!???おいおいおい!?そんな、何を根拠に!?」

どうやらひびき(表)だけ、もかのことは人間だと思っていたらしい。だからか相当汗をふきだして慌てていたが……俺達の方に「おーい!」と声をかけながら、天悪が近づいてきていた。

「三人とも!岸渕萌香ちゃんは………もういない!? ということは………」

「ああ!成仏したみたいだぜ。天悪は萌香のこと知ってたのか?」

「あぁ………三人が萌香ちゃんと一緒にいたのを見て、住民のデータをこっち側で調べ直してたら……萌香ちゃんが "故人" だったことがわかったから、慌てて様子を見に来たんだけど……杞憂だったようだね」

「へ、こじん?こじんって………どういう意味だ???」

「えっと…『もう死んでいる人』のことです。天悪さん、岸渕萌香ちゃんは、ここに来る以前に亡くなっていたんですよね」

「え……………」



天悪が俺達に話してくれたことは……萌香は元々、体がとても弱くて長くは生きられない奴だった。だが、萌香はとても優しい子で、友達と出会って色んなところへ遊びに行くのが夢だったみたいだ。そんな萌香は、去年の夏にテンウァック島ができたことを知って、父ちゃんと母ちゃんに「どうしても行きたい」とお願いしていた……ご両親も萌香の思いを受け取って、入院している病院からも万全な体制を受けた上で、テンウァック島へ向かっていたものの……フェリーで向かっている最中に容態が急変。萌香は享年5歳で人としての人生に幕を閉じたということだった……



「烈(表)の話からするに、萌香ちゃんが森の中で一人でいたのは、テンウァック島で遊びたかった未練が強すぎたからだと思う。だから亡くなってしまったその日から、ずっと森の中をさまよっていたはずだよ」

「そうだったのか…俺のいる世界、ポップンワールドにも幽霊はいるし、だから見えてる上に平気だったんだけど、俺が見つけてよかったよ……」

「俺も付喪神なので、幽霊は目新しいものではありませんからね……俺達と遊んだおかげで、無事に天国へ行けたとするなら、嬉しいものですよ」

「いやいやいや………嘘だろぉ!??私、幽霊と対話してたのか!?じょ、状況の整理がつかねぇよおおおおお!!!」

「おいおい!何ビビってんだよ!萌香は怖い幽霊じゃねぇって!お前もわかってるだろ!?」

「そうですよ!萌香ちゃんは悪霊や怨霊とは違って、年頃の女の子みたく、とても無邪気でいい子だったじゃないですか!」

「そ………そう、だな。萌香もおいしいもの食べて、楽しい遊びをして、幸せそうに過ごしてた。私達のダチ………だよな」

萌香があの森の中で一人でいたのは、それだけテンウァック島への未練が強かったから。だけど、萌香が幽霊らしくあるのはそれだけで、それ以外はとってもいい子な女の子だ。萌香と過ごした時間は、俺達にとっても、萌香にとっても幸せなものだった。だから……萌香がまた生まれてきた時は、また一緒に遊べるといいな。俺達は天悪と共に、そんな面持ちでホテルに戻って、この数日のバカンスを萌香の分まで楽しんだんだ………








以上、メリーディストピア住民達でバカンスでした! 感想OK!