二次創作小説(新・総合)
- ABT①『過去を、未来を、今を守れ!』 ( No.9 )
- 日時: 2021/01/24 22:38
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: 6..SoyUU)
逃走エリアの様子がおかしいことに気付いた逃走中#CR08。しかし、今更場所を変えることは不可能!
コネクトワールド史上、最大の試練がサクヤ達を襲いそうな予感。
------------------------
~運営本部 メインサーバ~
サクヤ「えーと…。では、時間になりましたのでそろそろ挨拶を始めさせていただきますね。今回は作者陣もこちらからの『招待』という初の試みで選定したのですし、いつも以上に気合を入れねばなりません」
アイク「そう気張るものでもないんじゃないか?…どうしたマルス、変に緊張しているな。エイリークも」
マルス「当たり前じゃないか!こっちはこっちで大変なんだよ!」
エイリーク「今年の英雄総選挙、入賞ラインに私達が入っているとの予想が多いので…。今から緊張しているのです」
ソティス「そういえばベレス、おぬしも『にゅうしょう』とやらをしそうだとの噂が流れておるのう!ほっほっほ、もし『にゅうしょう』を果たしたら盛大に祝わねばなあ?」
ベレス「そんな大層なものでも…あるか。総選挙verだもんね。相当強くされる…」
エフラム「性能の話をしているんじゃない。…だが、俺もエイリークの入賞を期待している。今年こそは行けそうだからな」
サクヤ「毎年天の声が結果発表の度に呻くのを聞くこちらの身にもなってほしいものですけれど…。その話は置いておいて、そろそろOPゲームを始めましょう。えーと、今回のMCは…」
こちらはメインサーバ。既に本部に所属している面子も揃い、挨拶といった感じでしょうかね。ちなみに前回社長秘書として再スタートを切ったおそ松も、カラ松達と共にメインサーバで待機しています。
英雄総選挙の件は置いておいて、そろそろOPゲームの準備に取り掛かろうと声をかけようとしたその時でした。アクラルがふと『とある人物』がいないことについて声を挙げます。
……ちなみに天の声、今年こそはマルス入賞と言い始めて3年経ちました。ながいよ。
アクラル「あれ、エムゼは?」
ミミ「今日逃走中の開催日だから起こしに行ったんだよねー。でも、何回ドア叩いても出てこなくてさー。寝てるのかな?」
エイリーク「神様が、ですか?常習犯なのならあり得ますが、彼はいつも集合時間より早くこの場に来て、皆を待っているような方だと思っていたのですが…」
ニャミ「でも、何度ドア叩いても、ドアの前でチャイム鳴らしまくっても、フライパンとお玉で音出しても何の反応もないんだよ。まだ寝てるんじゃない?」
リピカ「おいおい。寝てたら連絡位寄越すだろ。それに…ヴィル。なんかわかんないのか?魂繋がってるんだろ?」
ヴィル「公にするな。だが…確かに不自然だ。もし眠っているならば、反応があってもおかしくない。嫌に静かだな…」
アカギ「ヴィルが静かって…。それ、かなりヤバいんじゃないのか…?」
そう。この場にMZDがいません。コネクトワールドの彼、かなり早起きなので毎回集合時間には余裕を持ってメインサーバを訪れて待っている側です。しかし、今日に限ってはミミニャミが何度反応を示すよう行動しても音沙汰無し。ヴィルヘルムも『反応があってもおかしくないのに、全く無い』と応えています。彼の身に何かあったんでしょうか…?
嫌な予感が漂う中、突如物凄い速度でメインサーバに『影』が飛びついてきました。その影はまっすぐにサクヤに向かい、彼女の顔にぶつかる寸前で止まります。
サクヤ「おやハテナくん。おはようございます…なのですが。貴方だけですか?」
ハテナ「のいのい!のい~!」
大典太「……何か、慌てている様子だが…。何かあったのか?」
ハテナ「いない!」
前田「いない?」
ハテナ「えむえむ!いない!」
ミミ「……えっ?!」
ハテナから告げられた事実。それは、『MZDが部屋にいなかった』というものでした。どこか別の場所にいるんじゃないかと念の為彼に言葉を返しましたが、ハテナは既に本部中の探せる場所は全て見て回ったようで。首を縦には振りません。
確実に『MZDの身に何かが起きた』。嫌な予感が現実味を増してきます。そんな空気が流れるメインサーバに通信音が流れてきました。サクヤが繋げるよう指示すると、画面に映っていたのは切羽詰まった表情のキュベリアでした。
キュベリア『―――あっ、繋がった。おい、聞こえるか金ぴかダルマ。やべーことになった』
マモニス「金ぴかダルマって何ですか!ちゃんとしっかり耳まで届いてるんですからね!」
ルシェ『言い得て妙じゃん。ウケる~♪ ……って、そんなこと言ってる場合じゃないんだって!大変なんだよ、大変なの!』
ジョマンダ「何が大変なんだよ。こっちも今朝から神がいなくなってどうしようかってなってるところなんだから」
キュベリア『それと繋がる話かもしんねーから通信飛ばしたまでだよ。……誰かが『トリコロシティ』を『別の街』に上書きしやがった』
ニャミ「……えぇーーーっ?!」
クルーク「そんな『歴史を変える』ような真似が…出来るの?!」
三日月『ふーむ』
キュベリアの口から語られたのは『トリコロシティが別の街に上書きされてしまった』という事実でした。にわかには信じがたかった為、サクヤ達は一度エリアを映しているカメラを見ます。そこは―――。確かに、自分達が知っている『トリコロシティ』とは、全く違う別の場所でした。
今ある街をガラッと、しかも短期間で別の街に変えてしまうなんて…。そんな、天地を変えるような事象が凡人に出来るとは思えません。すると、映像を見て首を傾げていた大典太がこんなことを口走りました。
大典太「……そういえば。政府に囚われていた時の話なんだが…。連中の話の中に、『過去を改変する存在がいた』という話題があったような気がする」
三日月『あぁ。確か『時間遡行軍』という奴らだったかな?実際に会ったことがないから知らんが、過去を改変する為に行動する輩がいるとかなんとか。まぁ、今回の出来事には関係なさそうだが』
サクヤ「いえ。関係がないとは言い切れませんが…。ん?この街…。『音無町』ではありませんか?」
ヴィル「―――!」
某乱舞ゲーにも過去を変えようとする敵がいましたもんね。気になる方は是非DLしてやってみてね。時間はたっぷり取られると思いますが。大典太の話を真面目に聞いていたサクヤ。映像を見ながら、ふと何かに思い当たりその『街の名前』をぽろっと口にします。その途端、急に青ざめるヴィルヘルム。
―――まぁ、そうですよね。音無町って……。MZDが人間だった頃に過ごしていた街の名前ですから。
ジョマンダ「音無町……。確か、トリコロシティの前に建てられてた街だよな。色々悪い噂が絶えない街で、俺達が来る何十年も前に取り潰されて、そこにトリコロシティが新しく生まれたんだったはずだ」
ヴィル「音無町はあの子の出身地…。そんな街が、新たに生まれ変わった街に取って代わるなんて事象が起きた…。あの子がいなくなったことに関係している可能性は高いな」
ルーファス「サクヤさん。今来てる通信とは別に、もう1つ通信が来てる。繋げるかい?」
サクヤ「はい。繋げてください。今回の事象のことについて知っている人物かもしれません」
唐突なMZDの行方不明事件。そしてトリコロシティが音無町に成り代わってしまった事象…。関係がないとは思えません。そんな中、キュベリアとは別の通信が届いたとのルーファスからの連絡がありました。繋げるように指示すると…。映像には派手なテントのような人物が映りました。
テント『おお、繋がりましたね!皆さん、大変な時に申し訳ございません。至急お伝えしたいことがございまして』
ヴィル「何だ。事態は一刻を争っている。素早く事実だけを言え」
ジャック「苛ついているからって他の奴にイライラをぶつけるような真似をするな」
テント『まぁまぁ。ヴィルヘルムさんが苛立ちを覚えるのも仕方のないことです。……おっと、キュベリアさんの方が通信が早かったですか。ならば事象はもう分かっている筈。
―――音無町に、神様らしき人物と『メフィスト』らしき男が一緒に行動しているのを見かけました』
アクラル「メフィスト…?!」
エクラ『見た目は人間に化けていたし、神様も私達の知るような『茶髪の少年』ではありませんでした。しかし……気配が『人外のそれ』と一致していたのです』
サクヤ「メフィスト…。今の今まで大人しかったのは、えむぜさんを自分の側に引き込み何かを企んでいたから…?」
大典太「……主。何か心当たりがあるのか?」
テントから得た衝撃的な情報。MZDとメフィストが一緒に行動しているとのこと。しかも成り代わった音無町にいるのが確認された…。今回の元凶は彼でほぼ間違いないと思っていいでしょうが、一体どうしてそんな行動に出たのでしょうか。
思い返してみれば、今の今まで騒ぎを起こしてきたのはメフィストではない人物。準備する期間はいくらでもありました。大典太がそれとなく聞いてみると、彼女は的を得たようにこう推論を述べました。
サクヤ「5回目開催時…。彼は『アンラ・マンユ』という邪神に天界に連れていかれています。それは皆様ご存じですよね?」
クルーク「おそ松さんが悪魔にされちゃってすぐの逃走中だったよね」
おそ松「ほじくり返されるようでいやだー」
チョロ松「事実なんだから黙ってろクソ長男」
サクヤ「その後…妙に大人しかったんですよ。ラピストリア学園での騒動もジェイドくんが引き金でしたし、アオイの島での騒動は悪魔と化したおそ松くんが裏で手を引いていたことが分かっています。
―――その間、彼に何があったのか。我々には知る由もありませんでした。時間はたっぷりありました。その間にアンラに何かされていてもおかしくはありません」
アクラル「つまり、だ。サクヤはあいつが『アンラに目をつけられて、邪神にされちまった』って可能性を追ってるわけか?」
サクヤ「はい。メフィスト自身がおそ松くんや莉愛さんを悪魔に出来たように、天界にいる神々も人間や力のない生命を『神にする』力を持っています。それはメフィストも例外ではありません。―――彼が、邪神にされてしまいこんなことを企んだ可能性も否めません」
大典太「……だが、何故だ。あの少年を消したいのであれば、直接消せば……。あぁ。俺と同じか。『封印』…。いや。『呪縛』と言った方がいいか。
……あんた、確か『JOKER』が消滅した後…。あの少年が作った世界で『仮初の身体』を貰っていたんじゃなかったか?」
ヴィル「………あぁ。そうだとも。大方そこのお人好しの主から聞いたのだろう」
マルス「―――あっ。ぼく、嫌なことを想像してしまったよ」
アイク「どうした?」
マルス「神様がいるお陰で、ミミやニャミがこの世界に現存していられるわけだよね?神様なんだから…。もし、もし、だよ?メフィストが……。ポップンミュージック…。つまり、神様の人生の歴史を書き換えて、『ポップンミュージック』の歴史を無くしてしまえば…。『JOKER』そのものが消えると考えているんじゃないかな?」
ソティス「どういうことじゃ。もっとはっきりと言え!」
マルス「『ポップンミュージック』そのものを、メフィストは最初からなかったことにするつもりなんじゃないかな、って思ってしまって…」
マルスのその言葉に場の空気が凍ります。メフィストが『JOKER』の力に、『JOKER』そのものになりたがっていたことは過去の回で明らかになっています。しかし、そこにはMZDの呪縛が邪魔だった。ならば…。MZDの歴史そのものを。『ポップンミュージック』を、最初からなかったことにしてしまえば。自分が『JOKER』になれるかもしれないと考えたかもしれない。
しかし、それはミミやニャミをはじめとした沢山の住人を消し飛ばす残酷な企み。邪神になったことで、良心も消え失せてしまったのでしょうか…。
ニャミ「じゃあ、メフィストはMZDっていう『神様』をなくして、自分が『JOKER』そのものになる為にMZDを攫ったのかな?」
ミミ「MZDどころじゃないよ!ポップンワールドのみんなが大変なことになっちゃう!助けないと…!」
ジルク「あいつ…。自分の目的の為なら他人がどうなったって良いのか…。邪神になっても何も変わってないな」
ジャック「そもそも魔族に心なんて無いんだよ。わかってたことだろ」
MZDが『ポップンの神様』でなくなってしまったら、彼が創ったポップンワールドにも多大な影響が出ます。つまり…ミミニャミ達をはじめとした、ポップンの住人も無事では済まないわけで。自分達の存続の危機があると分かった以上、彼を助けなければなりません。
早速策を練ろうと頭で考え始めたサクヤの元に、また来訪者の声が。その声を聞いた大典太の顔が歪みます。
ごくそつ「呼ばれてないけど来ちゃったよ~!きょひょひょ!ごくそつくんだよぉ~!!」
大包平「本部の総長殿に話があると少女から頼まれてな!ついでに天下五剣よりも俺が優れていることを証明しにここまで来訪した!!」
大典太「……今は力比べをしている場合じゃないんだが。それで、何だ。少女からの頼み…?」
ごくそつ「うん。この子が連れてきてほしいってね~」
現れたのはごくそつくんと大包平。脳まで響く賑やかな声に大典太が陰気に言葉を返します。そして…今回は自分の用事ではなく、『少女に頼まれてここまで連れてきた』とのことで本部を来訪した模様。大包平のエスコートを受け、その『少女』はメインサーバに顔を覗かせました。
莉愛「……元気?あたしが頼んだんだけど…」
サクヤ「莉愛さん。ネクストコーポレーションにいたのでは?」
莉愛「うん。学校にも通わせてもらって、普通の人生送れてる。……って、近況報告しに来たんじゃないんだってば。
昨日…夢の中にベリアが出てきて。『メフィストがヤバいことを仕掛けるかもしれないから、あのセーリューに伝えてやって』って告げられて。ベリアは消えちゃったけど…心のどこかで、生きてるとあたしは思ってる。だから、彼女の言葉を伝えに来た。
メフィスト…。なんかやばいことやらかしそうなんでしょ?だったらあたしも手伝う。……決着をつけられるなら、あたしも関係者でしょ」
大包平「危険だからと一旦は止めたのだがな。この少女のあまりの熱意に折れた!!」
大典太「……自慢げにいうことじゃない。だが……決着、か。主。あの街の情報が分かる奴の助けは…受けた方がいい。その方が作戦も立てやすいだろう」
サクヤ「そうですねぇ。莉愛さんを再び危険に晒したくはないのですが…」
莉愛「覚悟は出来てる。それに……。あいつに人生狂わされた分、全部お返ししたいから」
莉愛は夢でベリアにあった。そして、『メフィストが悪だくみしてるから止めて』と頼んできたのだとか。メフィストに長年ベリアにされてた影響が残っているんでしょうかね。しかし……。この一連の出来事が全て彼に繋がっているのであれば。今。全てに決着をつける時なのかもしれません。
サクヤは彼女を危険に晒すことを躊躇していましたが、莉愛の覚悟を秘めた言葉と大典太の助言で考えを改め、彼女に協力を頼みました。『メフィストとの決着に力を貸してほしい』と。
サクヤ「……わかりました。きっと、今を逃せばメフィストは更に力を蓄えてしまう…。叩くなら今、ですね。
―――皆さん。逃走者の皆様と力を合わせ、必ずえむぜさんを救います。そして……メフィストと決着を付けます。必ず。ポップンミュージックの歴史を。そしてこの世界の未来を。守りましょう」
アクラル「よーし!とりあえずサクヤ、現地派遣はミミニャミ達4人と莉愛でいいよな?とりあえず俺達が得られる情報を得てから作戦立てようぜ」
大典太「……街に潜んでいるとバレた場合、音の神に何かされるやもしれん。―――くれぐれも慎重にな」
ミミ「わかってる!危険になりそうならジャックに守ってもらうから!」
ヴィル「今回ばかりは彼女達に怪我などさせるなよ、ジャック。主命を遂行できなかった場合……」
ジャック「お前の呪縛はもう効いてないんだよ!!ミミとニャミは友達だし、大切だから守るがお前の命令を受ける筋合いはないな」
ヴィル「フン。減らず口を…。やはり言葉遣いから調整しなおした方が『はいはい!無駄口叩いてないで出発するよー!』 ………チッ」
三日月『……あの褐色肌の青年、どことなく鬼丸に似ていないか?』
大典太「……どう、だろうか。鬼丸はあんなに喧しくはないが…」
サクヤ「さて。我々もなすべきことをやりますよ。もうすぐOPゲームも始まりますが…。今回は緊急事態ですし、MCなしで行きましょう。クッパさんに説明を丸投げという形にしてしまって申し訳ないのですが…」
ノルン「大丈夫ですよ!クッパ様は懐がお広いお方ですから!」
カノン「気にすることはない……。クッパ様は……偉大な……お方だ……」
遂にメフィストと決着をつける決意をしたサクヤ。その思いは実るか否か。実ってほしいところではありますが。各々の思いを胸に、まずは情報収集で一部の面子を街に送り込むことにしました。
次回、OPゲーム開始!『クッパ様』という名前が出てきた通り、今回のOPゲームは―――。風船?