二次創作小説(新・総合)
- 世界ノ全テヲ見ル者 ( No.2 )
- 日時: 2022/06/05 22:41
- 名前: 葉月 (ID: ymYDaoPE)
この話は夢100第三部の敵キャラ、ミル君とロウ視点となっています。
クロスオーバーの世界でこの二人がいたらこんな感じだろうなぁと妄想しました。いずれ登場して絡むつもりなのでよろしくです。
*
<???視点>
空間が揺蕩う世界の裏側にて、紅葉時空機関が賑やかに過ごしている様子を二人の男が見ていた。一人は子供のように無邪気に笑い、もう一人は表情を変えないままその様子を見ていた。
頭に輪っかをつけて道化師のような格好をした青年は顔をくるりと髪をまとめた騎士のような高身長の男に向けて言った。
「見てよロウ! みんなとっても楽しそう! 俺、あの子達の中に入って話をしてみたいなぁ」
「話をする……か。ミル、彼らと会ってお前は何をしたい?」
「何をしたいと言ってもなぁ……俺はあの子達の『友達』になりたいんだ。『友達』ってどうやって付き合うのか知りたいし?」
ミルと呼ばれた青年はあはは、と無邪気な笑い声をあげる。それに対してロウと呼ばれた騎士のような高身長の男は黙り込んだ。
映像はマリオやルイージ、アヴィやキエル、悟空やベジータなどが敵に囲まれながら勇敢に戦っている姿に変わり、悪の組織と対峙していた。敵と戦い互いに支え合う彼らの姿を見たミルは「人間という生き物は凄いんだなぁ」と感動する。
実を言うとミルとロウの正体は人間ではなく、夢そのものの存在だ。ミルにとって人間は憧れであり、ミルにとって一番なりたい存在だった。
「ねえ、ロウ。俺、一度でもいいから人間になってみたいんだ。人間になってあの子達と仲良くなりたい。『友達』ってどういうものなのかも知りたいよ。あの子達と『友達』になっていろいろ知りたいんだ」
「……私には『友達』というものがどういうものかは知らぬが、お前が人間になりたいという願いがあるのなら私はお前のために尽くそう。ミルの願いは私の願いだ」
人間に憧れる『夢』の存在は世界の裏側から観察するのだったーー
世界ノ全テヲ見ル者 完