二次創作小説(新・総合)

Re: MMトウスター 〜物語の痕跡〜 ( No.211 )
日時: 2023/04/25 23:25
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

りりすた革命団は今、ある世界に降りたって各地を移動している。


というのも………

レオン「ふっっざけんな!!」


レオン「なんでフィルトナの落としたマンガノート全員がかりで探さないといけないんだよ!!」

MMトウスター
【無敵爽快拳コワレナイザー編】


………

雪「ま、まあまあ……」

AI「いいじゃん別に、遂にフィルトナがジャンプ作品とは別でオリジナル作品描くって決心したんだぞ?」

遊作「俺が借り物でネオジャンプを進めるのは限界だと促したからな……」

フィルトナが一から漫画を描く決心はしたものの、購入したノートを紛失してしまったので探してこなければいけなくなったのだ。
しかも……

レオン「傷でもあったら承知しねーって、ノート1つにマジになってんじゃねーよ!」

ヒロミ「まあ、いいじゃないか、彼女の自分だけのマンガは俺も興味深いし」

飛羽真「そうだよ、最初に来た時よりもストーリーも絵も上手くなってるんだから」

ヨウコ「なら自分で取りに行けば……と言いたいけど、あれでもネオジャンプは私達りりすた革命団の収入源の1つなのよね」



exe「あったぞ、それっぽいもの」

exeがノートを回収して音速で現れた。

雪「凄いじゃんexe、よく姉さんのって分かったね」

exe「名前は書いてなかったが、中を見てもしかしてと思った」

exeは雪にノートを渡し、中を確認する……そこには

雪「『無敵爽快拳コワレナイザー』……?」

巨大な拳のスーパーロボットのイラストがでかでかと描かれ、周囲にはビッシリと設定が描かれていた。

レオン「絵汚ッ、何が上手くなっただよ」

雪「よくわかんないけどすごい設定の羅列だ……フィルトナ姉さんいきなりロボ物から描く気なの……?」

設定を隅から隅まで確認する、無敵爽快拳コワレナイザー。それは凄いパンチを繰り出す凄いロボット!悪の組織『ダークソウル』と戦うのだ! 必殺技は……などなど、かなり細かいところまで設定が書かれていた。

雪(このページだけなんか他のと比べて妙に綺麗だし、それにこれ、手書きじゃない)

表紙にはタイトルのみ書かれていて作者名はなし、なのに裏にはびっしりと手書きの文字が書かれている。

雪「まあいいや、みんなお疲れ様……じゃあ私これフィルトナ姉さんに渡してくるから」


そして一同は撤収し、船の中へ帰還して行った………

………

船の中でのこと

フィルトナ「……………」


雪「……………」


フィルトナ「これ描いたの誰?」

雪「姉さんじゃないなら……知らないけど」

雪「大方落ちていたノートを誰かが勝手に落書きしたとかじゃないの?」

フィルトナ「ちょっとおおおお!!もう!!折角苦労して手に入れたのに!オークションサイトまで経由したのに!」


雪「……え、え、ちょっと、どうしたの!?」

フィルトナ「雪」

雪「はい」

フィルトナ「私がマンガ作る時普通のノート使うと思う?」

雪「要するにとんでもない代物だったんだね」


………

雪「ぐ、具現化?」

フィルトナ「そう!ノートに文字を書けばその通りのことが起こり、絵を描けば実態化して存在したことになる!」

フィルトナ「これでオリジナル作品→ジャンプ作品って経由して新しく書こうと思ったのに……」

雪「1から描くって少年ジャンプ作品を捏造する気だったの!?どんだけオリジナル描けないの!」

フィルトナ「だって週刊少年ネオジャンプなんだから仕方ないじゃない!」

フィルトナ「…………」



フィルトナ「で、それを誰かが勝手にキャラクター描いたってわけね」

雪「うん」


フィルトナ「凄い呑気に言ってるけどこれ状況的にまずいわよ」

雪「いやでも、キャラクターが具現化くらいなら珍しいことでも……」

フィルトナ「それは確かにそうだけどここに描かれてるの小学生みたいな要素で構成された無敵爽快拳コワレナイザーでしょ」


雪「………」

その瞬間であった、
2人の脳内に声が響いたのは。???《お困りですか?》

雪・フィルトナ(こいつ直接脳内に……!)

松山「俺だよ、金借りに来たらとんでもないことになってるみたいだな」

雪「出来れば普通に会話してくれません?」


………

松山「あー、今ニュースになってんぞ無敵爽快拳コワレナイザーとかいうのが街を暴れてるって」

雪「大きさどんぐらい?」

松山「全長300メートル」

フィルトナ「デケェ」

雪「このノートに書いてある通りだ………マジで顕現してるよ」

フィルトナ「しかもそれ暴れてるわけでしょ?」

松山「ノートの設定を見る限りだと必殺技やスペックは山ほど書かれてるが、肝心な『正義のために戦う』とは書いてないからな」

雪「ちょっと制約厳しすぎない?」

フィルトナ「ど、ど、どうしよう………」


松山「んなもん簡単だろ、貸せ」

松山は鉛筆を手に取り、ノートに手をかける


松山「フィクションから生まれたなら塗り潰すなり書き足すなりすれば………」


雪「あれ」

鉛筆がノートに当たっているのに、字にならない。

雪「インクあるよね?」

松山「インクっつーか鉛筆だぞ、有り得るか?」

フィルトナ「えい!」

フィルトナはペンキをぶっかけるがシミひとつつかない。

雪「どうなってんのこのノート」

松山「しゃらくせえ!こうすりゃいいだろ!」


バン!バン!バン!

松山はライフル銃をぶっぱなすが、弾丸の軌道がノートに当たっても反れるだけで傷一つつかない。

松山「防弾チョッキか何かかそのノートは」

雪「ノートより先に私達が風穴あくと思った……」

フィルトナ「さすがに神の力で作られただけはあるわね……」

松山「おい雪、お前確かこういうのの始末得意だったよな」

雪「何が言いたいのかは分かるけど、多分無理だと思う」

フィルトナ「なんでよ」

雪「ノート自体は多分、最初に書いた人にしか自由に操作出来ないんだろうね、wikiの創設者とかブログの管理人みたいなものだよ」

雪「でもどこかに落としたものを見知らぬ誰かが書いたわけだから、その人の特定なんて出来ないし」

雪「コワレナイザー自体をどうにかしようとしてもなんかもう、絶対負けないってのがエッグいくらい伝わってくるくらい後出し設定が詰まってる」

松山「揚げ足とられてムキになった安価スレみたいだな」

フィルトナ「じゃあどうするの!?」

雪「ひとまずコワレナイザーの所へ行こう!」
……
そして……コワレナイザーの前に来たのだが……
一同が目にしたのは、ビルやら車やらを殴ったり蹴飛ばしたり、果てには建物を持ち上げて放り投げたりとやりたい放題の無敵爽快拳コワレナイザーの姿だった。

フィルトナ「うわぁ……」

松山「誰かの落書きで世界がヤバい」

レオン「そもそもコイツがノート落とした上にマンガで手を抜こうとしたのが悪いんだけどな!!」

平良「革命団にウルトラマンはいらっしゃいませんかー!?」

或人「仮面ライダーなら山ほどいるけど……」

虎徹「お前さんの力でなんとかならない?」

うつろ様「なんでもかんでも時空の意志に頼るな」

松山「ほんとそれ」


ヨウコ「と、とりあえずまずは様子を伺って……」


その時、コワレナイザーに向かっていった戦闘機がミサイルを打ち込み、それを確認して目からビームを放って薙ぎ払った。


レオン「おいちょっと待て」

レオン「コワレナイザーの副題なんだった」

マール「無敵爽快拳」

レオン「拳使ってねぇじゃん今思いっきりビームしやがったぞ!!」


松山「ああ、それに関してなんだが」

松山「後付けで『無敵のパンチが強いなら遠くから撃てばいいじゃん』とかいう野暮みてぇなツッコミに書き足されたように高周波最強滅亡波動砲って技があるらしい」

フィルトナ「意地でも負けに繋がる所を消すためにコンセプトすら放り投げたの!?」

雪「ダメなタイプのなろう系主人公みたいだ……」


マール「あ、充電してる」

松山「エネルギーの八割を使う高出力砲らしいからな、使う度にエネルギーを吸収してんだろ」

exe「イビルジョーみたいな設計してるな」

平良「充電中はスキだらけ……ってことはないよね、うん」

松山「充電中は絶対無敵バリアが発生されて5秒で終わるんだと」

龍我「もうこのイラストのロボットは何と戦うんだよ……」

雪「何と……あっそういえば、ダークソウルっていう悪の組織と戦うって描いてなかった?」

フィルトナ「多分ダークソウルの方はコワレナイザーと違って設定が曖昧だから反映されてないのよ、だから見境なく敵を襲ってるの」

レオン「はた迷惑な無敵ロボだな……」


雪「このままじゃ全ての世界を破壊しちゃうよ!なんとかしないと!」

AI「なんとかって言われてもよ、何かしらの弱点になり得そうなものはみーんな対策して後出ししてるんじゃないのか?」

遊作「いや、見境なく欠点をカバーするように付け足していけばボロが出る、想定していない新たな弱点が付いているはずだ」

フィルトナ「なんだか重箱をつつくようで創作者としては嫌な気分ね………」

松山「ムキになって無敵アピールする為に設定ゴリ押し付け足しするようなやつが悪い」

………

その為、一旦退却して無敵爽快拳コワレナイザーの弱点になり得そうなものが無いか船内で確認することにしたのだが……

雪「どう?AI……何か分かる?」

AI「分かるも何も殴り書きだぜ?解読するのですら精一杯だよ!」

松山「ミミズみてーな文字してるからな、俺も読める範囲でしか見ていないし」

フィルトナ「えーとコワレナイザーのスペックを分かってる範囲で確認すると、パンチはどんな物でも破壊して、遠距離では目からビームで対処して、充電は5秒で終わってその間に無敵バリアを……」

雪(無限に変な設定が増えていく……)
フィルトナが読み上げている間にもノートの隅々まで調べているが、これといった弱点は見つからない。
フィルトナがページをめくっていると

フィルトナ(ん?)
フィルトナの指が止まる。

フィルトナ「ねえ、このコワレナイザーに使われてる装甲なんだけどさ」

ヨウコ「ん………特殊合成金アルティメットダイヤモンド………」

雪「なんというか……凄い小並感」

虎徹「子供って大体硬いものにダイヤモンド挙げるよなー」

バーナビー「世界一硬い宝石と言われていますからね、ダイヤモンドも熱に弱いので壊れないというわけではありませんが」

AI「ダイヤモンドだったらそれで通用するかもしれんが、特殊合金だぞ?」

狩崎「いや、そもそも硬さの基準となるモース硬度の判断が『引っかき傷による硬度』を表してるからね、普通にハンマーとかで叩けば割れる」

雪「となると、高いところから持ち上げて地面に落とせば……」

松山「重さ500tのバカ鉄人をどうやって持ち上げるんだ?」

雪「それは……」


ヨウコ「いや、ちょっと待って!なんだかコワレナイザーの様子が変よ!」

映像の方を見てみると、コワレナイザーの動きが何やらぎこちないように見える。
足元が震えて、膝が曲がっている。


雪「なんというか………ふらついているというか」

ヨウコ「松山今何キロって言ったっけ」

松山「500トン」

フィルトナ「………あ、私なんか分かったかも」


雪「え?」

フィルトナ「キャラクターとかの身長体重ってさ、大体最初に考えるでしょ?でもコワレナイザーは後から武装や設定を後出ししたから……」

フィルトナ「あのコワレナイザーは中に武装を山ほど詰めちゃったから実態は500トンを既にオーバーしてるのよ、それで重みに耐えきれなくなって脚部が壊れ始めたんじゃない?」

雪「改めて極端なノートだね!!」

レオン「じゃあほっといても勝手に壊れるのか?」

狩崎「そんな呑気な話でも無いだろう」

遊作「ああ、足が崩れる事で推定500t以上の塊が一気に地面に落ちることになる」

遊作「その衝撃は大袈裟な比喩表現になるかもしれないがアルマゲドンにも匹敵する程だろう………松山、その鉄人に自爆装置の類は?」

松山「負けることを想定してないからそんなもんはないが、ミサイルとかは搭載されてんな」

遊作「尚更まずいな、さっきも言ったがそれだけの火薬を詰めて落下するということは」


松山「このデカさなら核爆弾落ちてくるみたいなもんだな」

レオン&龍我(スケールでかすぎる……)

雪「いやでもマジでシャレにならないよ、このままだとこの船が潰されるどころか世界1個ごと吹っ飛ぶ!どうにかして止める方法を探さないと……」

その時、AIはとあることに気付いた。

AI「なあ、コワレナイザーってまだ動けばするんだろ?」

ヨウコ「そ、そうね……多分数歩歩いたら限界が来そうだけど」

AI「よし、ちょっと時間があるなら充分だ!ちょい急ぎで言ってくる!」


遊作「なっ……おい!AI!何をする気だ!」

AI「大丈夫大丈夫!無茶できるように代わりのバックアップとボディは山ほど用意してある!」

遊作「そういう問題じゃない!」


AIは船から飛び出して、再びコワレナイザーの所へ向かっていった。


そして………目の前に立つ。




AI「よーし、来い!」


コワレナイザーはAIを見て腕を振り上げパンチを放つが………


雪「あ、危な………」


バチッ!バチッ!!




だが、拳は届かない……いや、壊せない。


AIのすぐ近くで。


ヨウコ「あ………あれは!」


AIはコワレナイザーの設定が書いてあったあのノートを盾にしていた。


AI「持ち主以外は消せないノートとなんでも壊す鉄人!この世の中には矛盾は存在しないんだよ!」


ノートは遂にコワレナイザーの拳で消し飛んだ……と、同時にコワレナイザーは光の粒となって消えていった。


AI「っし……作戦成功」

雪「の………ノートが消滅した」



かくして、はた迷惑に誰にも気付かれない内に世界の危機は去ったのだった。


ーーーーーー


フィルトナ「ああもう……一体誰があのノートを使ったの、私が使うつもりだったのに」

雪「存在しないジャンプ作品を作って、それを打ち切り扱いしてネオジャンプに掲載なんて考えるからそんなことになるんだよ」


フィルトナ「う、うう………オリジナルはお預け!ギンガとリューナでも描こう……」


【無敵爽快拳コワレナイザー編】
END