二次創作小説(新・総合)
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.31 )
- 日時: 2014/01/19 00:22
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
chapter3 精神暗転
コロシアイ学園生活9日目
「ピンポンパンポーン。こちら放送部落ち武者。お前たち朝でございます。今日も1日気分全開で過ごしましょう」
うぐぅ。また悪夢見た。前に悪夢を見たのも学級裁判の後だったな。前回は琴音と呼ばれていた少女が主人公だったが今回は私が主人公だった。琴音と呼ばれる少女と私は関係があるのだろうか。それは現段階では解決しそうになかったが私が興味を示す事柄だった。
学級裁判の後で体が重いが食堂には顔を出しておいた方がいいと判断した私はベッドから起き上がると食堂へ向かった。
「え?」
食堂に入ってからはその言葉しか出なかった。いや正確には出そうとしたが出せなかった。
私が食堂入って見た光景は学校の食堂ではなくリゾートのような光景だった。
「ねー瑠香ちゃん!これすごくない?どうやって一晩でこんなの作ったんだろうねー?」
「うわっ!周流か。ビックリしたよ」
「あはは、ごめんごめん。でも本当にすごいよね」
周流が言うとおりすごいのはすごいのだが、だけど何か違う。リゾートのような光景が広がっているのに暑くない。こんな場所に来たらかなりの薄着でないと暑くてたまらないだろうに。しかし、私は長袖の服を着ている、なのに暑くない。やはり何か変だった。
「あ!そうだった。私瑠香ちゃんを呼びに来たんだった。はやくはやくこっちだよ」
私は周流の言うがままの方向に向かって走り出した。
走り出して2分ほどで周流が足を止めた。目の前にはホテルのような建物が立ちはだかっている。周流はそれを見上げもせずに建物の中に入っていった。
リゾートの真ん中にホテルを建てるなんて考えたやつの意図が知りたいな全く。私はぶつぶつと文句を呟きながらホテルに入った。
「士導が来た。これで全員揃ったぞ落ち武者」
「やっとですか。遅い遅いよ士導さん」
私は状況を理解できないまますまないと落ち武者に謝った。
「まぁいいか。いきなり本題に入ります。お前たちも見たとおり勝ち組ヶ丘学園はリゾートと化しました。これらの生活はここでしてもらいます。もちろん、校則は前のまま続行で学級裁判も行われます」
「もう前のところには戻れないということでしょうか?」
「ここはどこだよ!急にリゾートになりましたとか言いやがって!」
「場所はどうでもいいが、こっちにも叫場はあるんだろうな!」
希佐凪、梶野、愛想と連続で落ち武者に質問を問いかける。落ち武者は顔色を変えず1つずつ返答していった。
「まず、前のところには戻れないという質問ですが、その通りです。入ってきた扉に入ってももう食堂には戻れません。2つ目の質問ですが、お前たちは信じないと思うだろうけどここはバーチャルの世界なのです。我が作り上げた世界ってことでいいですか?最後の質問、叫場はありません」
「お前の目的は何なんだ?」
「まだ我の話は終わってないのに…。仕方ないから答えてあげましょう。お前たちもあんな古臭い校舎には飽き飽きした頃だと思い、気分転換がてらにリゾート作ってしまいました」
落ち武者の目的が今言ったことである保証はないがこれ以上聞いても無駄だと察した私は落ち武者に言い返すことを躊躇った。
その後も落ち武者の話は続いた。寝る場所はホテルのそばにある宿舎になったことや新しいレストランの場所のこと。落ち武者にしてはやけに親切なことを疑ったが、どうやら本当のことらしいようで疑ったことを少し後悔した。
「最後にお前たちの電子生徒手帳に新しい生活場所の落ち武者ランドの地図を更新しておきましょう。それではさようなら」
落ち武者ランド…。ネーミングセンスに笑ってしまった。
落ち武者ランドはほぼ丸に等しい綺麗な形をした島だった。今立っているところが落ち武者ランドホテルエリア、右隣が学級裁判エリア、左隣がリゾートエリア。6つのエリアがあるこの島で今明らかにされているのはこの3つのエリアだけだった。
「3つしかわからないのか。とりあえず前みたいに2人一組で探索する事にしないか?新しい施設などがあるかもしれないし」
「そうですわね。校舎に戻れない以上はここでの生活に適応するしかなさそうですからね」
「じゃあ俺たちは先に行くぜ。ついて来いバタフライ」
私たちはまずこの島を探索することに決めたのだった。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.32 )
- 日時: 2014/01/16 23:01
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
「私は愛想とペアか」
みんな2人でペアを作り落ち武者ランド探索に出かけ始めていた。
「俺は叫場さえあれば何でもいいけどな」
私は笑うこともできないまま歩を進めた。まずはまだ明らかになっていないエリアを見に行くことにした。
リゾートエリアを通り越してエリア4に入ろうとするとエリア4へ行く道が封鎖されていることに気づいた。封鎖を解いて先へ行くこともできないことはなさそうだが、もしそうした場合落ち武者は私に何をするかわからない。下手したら殺されるかもしれないし。
ここにいても何も収穫は獲れないと感じた私は愛想を連れてエリア4の前から立ち去った。
入れないエリアはなぜ存在してるんだ。落ち武者の言うことが本当ならここはバーチャルの世界。不要なものは作らないことだって出来たはずだ。それなのになぜ落ち武者は入れないエリアを作ったんだ?
再びホテルエリアまで戻ってきたところで愛想がベンチに座った。
「収穫はなしか。まぁ、みんな帰ってくるまで一服しときますか」
愛想のやる気のない態度にイラッときた私は、
「だったらおまえ1人で一服しとけばいいでしょ。私は1人でも探索しに行くから」
「はぁ?ちょ待てよ。だったら俺も…」
「ついてこないでね。目障りだから」
愛想は悲しげな顔になるとまたベンチに座り直した。その光景だけを見て私は前を向き落ち武者ランド探索を再開した。
ーレストランー
まず着いたのは食堂の代わりになるであろう建物のレストラン。特に食堂と違わないのだが、強いて言うならテーブルの数。人数はどんどんと減っているのにテーブルはなぜか増えていた。しかもそのテーブルは新品ではなく中古品であることも私が見てわかった。
誰かが使っていたとか?そんなことはないか。落ち武者が作った世界なんだからあるものは全て落ち武者が設定している。使い古したように設定しただけだ。
私はレストランを出ると次の場所へ向かった。
ーシーサイドビーチー
ただの砂浜ではなく「シーサイドビーチ」。シーサイドビーチに入るためには電子生徒手帳をスキャンする必要がある。中には砂浜はもちろん、コンビニみたいな店やバーチャルで作られた海もある。実際触れてみると冷たいうえに濡れる。完全に海が再現されていた。気分転換に遊びにくるのにピッタリな場所ってことだけはわかった。
シーサイドビーチを出ると私は次の場所へ向かった。
ー植物園ー
赤、白、黄など様々な花が咲いている綺麗な園。目玉は植物園の真ん中にある大きな花通称落ち武者フラワーらしい(電子生徒手帳落ち武者ランドガイドより)。花以外にも動物がたくさんおり野生の世界となっている。植物園に入るためにはシーサイドビーチ同様に電子生徒手帳をスキャンしなければならない。
私はだいたいの場所を巡り終わるとホテルに戻った。
新しい舞台となる落ち武者ランドでは殺人が起こりそうな場所や凶器はなさそうなことに気づいた私は何だか嬉しい気持ちになった。
「ただいま戻ったよ」
「士導!大変なんだよ!」
「まさか死体が発見されたのか!」
私は早帰の言われるがままついていった。
「これは…武器庫か?」
前にあった武器庫と似たような場所があったのだ。
後ろを振り返ると既にみんないた。全員が不安そうな顔している。無理はないが。
「とりあえずみんな、ここには近づかないことにしよう」
「そう言うのはいいんだけど前もそんなこと言って殺人が起きたから心配なんだ」
そんなの私だってそうだ。だけどみんなお互いを信じればやれるんじゃないかって思ってたりもするんだ。私はその可能性を信じたい。人が死ぬのはもう嫌なんだ。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.33 )
- 日時: 2014/02/21 19:58
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
コロシアイ学園生活10日目
「ピンポンパンポーン。海の遥か彼方から朝日が昇ってまいりました。お前たち朝ですよ。今日も1日リゾート気分で過ごしましょう」
コロシアイは起きないコロシアイは起きないコロシアイは起きない…。私はその言葉を呪文のように唱えていた。また新たな武器庫が見つかったということは殺人が起りやすくなったとも言えないことはない。そうまた私たちに危機が舞い降りたのだ。南国に来ようと内容は同じ、この現実から逃れることはできないことを改めて感じた。
今日からはレストラン集合になった。考え事してたらお腹が空いてきた。私はいつもより早く部屋を出てレストランに向かった。
少し早く来すぎたかもしれない。レストランはまだ無人だった。いつも一番最後に行ってたからこういうのはある意味新鮮だ。
私は冷蔵庫からチーズを取り出すと口に入れた。
「うぇっ!まずっ!」
私はそのチーズのあまりのまずさにそれを床に吐き出した。
「ちょっと士導さん!せっかく作ったチーズになんてことをするのですか」
「うわっ!いつからそこにいたんだよ、落ち武者」
落ち武者は表情を変えないままカメラに指を刺した。
「我はこれでお前たちを監視しています。だから士導さんが何しようともすぐにわかり、直ちにその近辺にいる落ち武者を出動させているのです」
だんだんと落ち武者の表情が怒りに変わってくる。
「そして、我は今とても怒っています!食べ物を粗末にするなんて!」
「ちょっと待てよ。お前もこのチーズを食べたらわかる」
私が落ち武者にチーズを差し出すと、落ち武者はそのチーズを口に入れた。
「うっ、うっ、うえっ!お、おいしい…」
一応落ち武者にも味覚はあるんだな。私は心の中で思った。
「な?マズいだろ?」
「こ、こんなおいしいチーズ食べたことないです」
ダメだこりゃ。落ち武者を相手にするといちいち長そうだ。ここは一旦退いておくか。そうおもったのとほぼ同じくらいにみんながレストランに入ってきた。
「あれ?瑠香ちゃん?今日は早いね」
「まぁな」
私はチラリと後ろを確認する。落ち武者はすでにそこにはいなかった。それにあのマズいチーズまでなくなっていた。
バーチャルの世界と言えどもリゾートってのはなかなか良い気分になれる。閉じこめられている感覚が尋常じゃなかった勝ち組ヶ丘学園と比べれば開放的な感覚があって心にゆとりがある。とは言ってもこの世界にいる限りは落ち武者に身体を預けなくてはならないが。
落ち武者は何が目的で私たちをこっちの世界に連れてきたのかはわからないが理由があって来たのは間違いない。私たちを支配するだけなら学校内で過ごさせた方がやりやすいに決まっている。
何かに怯えて逃げてきたとか。まだ正確にはわからないがそんな気がしてきた。
特にすることもないが、暇だしシーサイドビーチにでも行って暇つぶしするか。
ーシーサイドビーチー
「おぉキャプテン!いいところに!」
シーサイドビーチの先客は池面だった。
「なぁキャプテン、初めての学級裁判の後俺がキャプテンに話したことの内容って覚えてるか?」
最近の私はいろいろなことが頭に入りすぎていたせいで昔のことなどもう頭に入っていなかった。ということで覚えているわけもないので私は首を横に振った。
「覚えてないのも無理はないと思うが、血だまりのことだ。真冬の死体の離れたところにあった血だまり。そして前回また似たようなことがあっただろ?ほらナイフのことだ」
池面が言っているナイフとはおそらく大寺の腹部に刺さっていたナイフのことだ。
「奴は刺してないと言った。あの状況で嘘はつけないはずだから多分刺してないというのは本当だろ。だからこそ謎なんだ。二度も不思議なことが起こるのかって」
私も血だまりのことはともかく、ナイフのことは気にかけていた。意味もなく刺されたナイフ。本当にそんなことで終わらせていいのか。
「早くあの人に来てもらわないと」
池面は私にも聞こえないほど小さな声で呟いていた。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.34 )
- 日時: 2014/01/19 23:50
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
コロシアイ学園生活11日目
「ピンポンパンポーン。海の遥か彼方から朝日が昇ってまいりました。お前たち朝ですよ。今日も1日リゾート気分で過ごしましょう」
寝起きの私は腕を伸ばしのびをする。久しぶりによく寝れたことが感動だった。特に変なこととか昨日起こらなかったからだろうか。とにかく今日は良い日かも。
また私が一番にレストランに着いた。南国に来てから行動がとても早くなった。しかし、残念なことがこの世界だと早く来てもいいことはない。むしろ遅いぐらいが丁度いいかもしれない。
「今日も早いんだな」
レストランのドアから二番目に入ってきたのは小西だった。その小西は寝癖が酷いことになっておりニワトリみたいになっていた。
「あぁ?何見てんだよ?」
「いや、お前の髪の毛が凄いことになってるぞ」
小西はレストランの壁際についてある鏡で自分の髪の毛をチェックする。その酷さが分かったらしく慌てて直しにかかった。
それから数分後にはみんな揃っていた。
今日は学級裁判が明けてから3日目。そろそろ落ち武者も動いてくるころか。どんな動機だろうと私は動じない。動じてしまった子のサポートをしてあげたい。そんな良くないことを考えていた時、突然終生が大声をあげた。
「ねぇみんなで海で泳がない!?」
あまりにも突然すぎたので誰もすぐには返事が出来なかった。
「確かにせっかく南国に来てるんわけですから海に行くのも悪くないですわね」
「でしょでしょ!じゃあみんなすぐに来てね」
終生はそう言うとダッシュでシーサイドビーチの方向に走っていった。
海で遊ぶのは私も全然構わないのだが、あの恐怖が蘇ってしまう可能性もある。次は誰が呼吸困難に陥るかなんて予測はできない。ビーチで下手をしたら…。
私たちは渋々シーサイドビーチに向けて足を進めた。
ーシーサイドビーチー
「きゃっほー!やっぱ海は最高だね!」
ビーチに来てから私たちはますますテンションが下がる。さらにテンションが下がるような出来事さえも起ころうとしていた。
「みんか!ビーチバレーやろうよ!」
「!?」
ビーチバレー。希佐凪の前ではNGワードに等しい。
「な、なぁ早帰。沖までどっちが速く行けるか競争しようぜ」
「そ、そうだな。じゃあ僕らはそういうことで」
小西と早帰は希佐凪の危機から逃げた。後ここに残っているメンバーの誰かが被害に遭わなければならない。と思っていた時だった。
「私はやらないですわよ。痛めつけがいのある大寺がいなくなったからやる気が起こりませんわ」
希佐凪はベンチに腰をおろした。と同時にもの凄くビーチバレーがやりたくなってきた。女王が不参加ってだけで過去最高の感動を感じた。
適当にチーム分けをして、ゲームが始まった。
「ふぅぅ〜疲れた〜」
「そろそろ昼だからな。飯の時間だな。てことで士導、一緒に飯買いに行かないか」
「ご飯を買いにか。いいよ」
買いに行くと言ってもシーサイドビーチ内にあるショップに行くだけなので大して時間はかからなかった。
入店したらまずおにぎりのコーナーで全員分のおにぎりをカゴに入れた。かなりの量あるから先に会計済ませておいた方がいいと判断した私はレジに行きカゴを差し出した。レジの店員は落ち武者でお金はこの世界では存在しなく落ち武者コインを使っての支払いになった。その落ち武者コインは朝起きるとその日の分が枕元に置いてあるのでなくなることはほぼない。
会計を済ませた私は池面に一声かけ先にビーチに戻った。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.35 )
- 日時: 2014/01/24 23:00
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
「ご飯買ってきたよ!」
私の掛け声とともにみんなが集まってきた。その中でも梶野はビニール袋を私から奪い取り中に入ってあったおにぎりだけを取ると海に戻っていった。
それを見て他のみんなも梶野を真似ておにぎりだけを持って行った。買ってきたのは私なのに私の分は残っていなかった。どれほど海が楽しいかがよくわかった。
空になったビニール袋をゴミ箱に捨て私は再びショップに向かった。その途中で池面に会わなかったので彼はまだショップにいることが判明した。
ショップに入って私はまた真っ先におにぎりのコーナーの前に行き足を止めた。さけ、たらこ、高菜。自分の好きなおにぎりだけをカゴに入れおにぎりのコーナーの前から立ち去った。
「池面、何してんだ?」
振り向いた先で池面がガラスの中を覗いていた。
「おい見ろよ、ドラムパットだぞ!スティックの種類も豊富だ!こんなショップにこんな品があっただなんて」
超高校級のドラマー池面海人。そんな才能の持ち主なのだから嬉しいのも当たり前だと思った。素人の私から見るとスティックなんてどれも同じにしか見えないが超高校級の才能を持った池面からは全てが違うように見えているらしい。池面はご飯を買わないでずっとガラスの奥にあるドラムパットを覗いていた。
「私がそれ買っていくから満足するまでそれを見てなよ」
「本当か!それじゃあ頼む」
満面の笑みで私に食料が入ったカゴを渡すと再びガラスの奥にあるドラムパットを覗きだした。
私がビーチに戻ってから1時間程してから池面が戻ってきた。その池面の手には大きな荷物が掛かっている。
「いやぁ、良い買い物したなー」
私は無言で池面を見る。
「もう今日はずっとこれを叩いていたいからそろそろ部屋に戻るわ」
そう言うと池面はご飯も食べず部屋に戻っていた。
夕日が沈んできたところで本日のイベントは終了した。終生の突然の言葉は珍しく大成功に終わった。そんな日にまた殺人が起こるなんて私たちは誰一人思ってなどいなかった。
みんなが部屋に戻った後私はずっと部屋で寝転がっていた。今日は一日中太陽の光を浴びてたからかおそらく熱中症だ。身体が熱い。そして痛い。日焼けと熱中症に苦しまされながらも私はベッドの上でゴロゴロしていた。本当ならもう今日は部屋から出たくなかったのだがあのアナウンスが私を動かせた。
「死体が発見されました。一定の捜査時間の後学級裁判を行います」
死体発見アナウンス。また殺人が起こってしまったのだ。アナウンスの直後に周流が私を呼びにきた。発見現場はシーサイドビーチらしい。周流はみんなを呼びに行かないといけないからと言ってまた走っていった。
ーシーサイドビーチー
シーサイドビーチの海の家と呼ぶべきだろうか。小さな民家で終生が死んでいた。土下座した状態の終生が大きな刀で貫通させられていた。死因はおそらく、いや一目瞭然だ。こんな残酷な殺し方する人間は私たちの中にいるという現実がまだ信じられなかった。
「三友ちゃん…。誰がやったのよ…?」
キチガイでうざキャラだったとは言え私たちのムードメーカーだった終生が死ぬのは確かに辛い部分があった。
「こんな残酷な殺し方するやつなんて希佐凪だけだろ」
「はいはいはいはい待ってくださーい。お前たち、犯人は学級裁判で決めることですよ。それと殺人が起こったら恒例のあれを持ってきました!」
「いいからさっさと落ち武者ファイルをよこせ」
私は落ち武者から落ち武者ファイルを受け取るとそれを開いた。
落ち武者ファイル3
死者 超高校級のキチガイ 終生三友
死因 背中から腹部にまで貫通している大型の刀
死亡時刻 午後7時過ぎ
死亡場所 シーサイドビーチ内の民家
今回の事件もまた私がずっと部屋にいた時だ。何もわからないし何も力になれない。そんなこと言ってる場合ではない。終生を殺した犯人を見つけだすんだ!
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.36 )
- 日時: 2014/01/26 23:02
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
今回の事件は特に複雑な事はないと思う。犯人が終生を民家に呼び刀で刺す、これだけのことだと思うのだけど。しかし、ここで問題になってくるのが昼間での出来事。シーサイドビーチで遊んでいたので、それも全員。疲労はみんな同じのはずだから私と同じような疲労が終生にもあったはずだ。それなのに民家に終生は移動している。私なら部屋から移動しなかったと思う。
シーサイドビーチで解散した時、終生はまだ生きていたからその時点で死んでいたってことはない。落ち武者ファイルに書いてある死亡時刻は私たちが解散してから約2時間後。
何より気になるのは動機だ。落ち武者は私たちに何も仕掛けてこなかった。前回の上目の時もそうだったが私の知らないどこかで良くないことが起こっていることは間違いない。2回も連続で何もしてこないのは不思議すぎる。
とまぁこのあたりかな、今回調査するのは。
ーシーサイドビーチー
いろいろと考えた末私はここに来ていた。やはり死体発見現場には手がかりが残っているのは鉄板だから、そんな都合よくいくのかと不安を抱きながらも私は終生の死体に近づいていた。
「不自然なところはなし。凶器も刀で間違いない。終生がここ来るとこを見たという目撃証言もない。もう手詰まりか」
松谷は腕を組ながら顔をしかめる。
「不自然な箇所はない?それが不自然なんだよなぁ〜」
「強いて言うなら終生の格好か。土下座の状態で殺されてるってことは終生は犯人に土下座してたってことだろ?」
「超高校級のキチガイの終生さんならしないと断定できないよ」
終生ならしてもおかしくないのだが、土下座はやりすぎだとも思うんだ。
シンプルな殺人なのに苦戦しいられるとイライラしてくる。このまま時間が過ぎてしまえば運で決めることになってしまう。超高校級の幸運の真冬がいればいけるかもしれないが。
「……さん。士導さん!大丈夫?ぼーとしてたけど。僕は終生さんの部屋を見てくるから士導さんは武器庫の方をお願いしてもいいかな?」
「あ、あぁ。構わないよ。武器庫だな」
ー武器庫ー
今日の私はもう体力の限界が近づいていた。歩くのですらも重労働のようだった。
「はは!もう体力の限界みたいだな。殺人起こったっていうのにそんなこと言ってる場合じゃないけどな」
武器庫にいたのは早帰だった。早帰になぜそれほどの体力があるなか普段の私なら気にしていただろうけど、今の私はそんなことも気にしないほど疲れていた。
「それで…ハァ…手がかりは…ハァ…あったのか?」
「(めっちゃしんどそうだな)。武器庫に手がかりは特になかったけど他ならあるぞ。教えてあげてもいいんだけど。空気吸いながらの方がいいだろ?外で言うよ」
武器庫のあるホテルから出ると早帰はそばにあったベンチに腰をかけた。
「手がかりっていうのは死体を見た人の順番なんだけど、最初に周流が死体を見たらしく僕を部屋まで誘いに来たんだ。僕は小西を誘ってその死体を見に行ったんだけどその時に死体発見アナウンスが鳴ったんだ」
死体発見アナウンスは3以上の人間が死体を見た
時に鳴るはずだから周流がまず見てその後で早帰と小西が見てアナウンスが鳴った。つまり、周流、小西、早帰の3には犯人の候補から外れた。残りは私を除いて松谷、池面、梶野、微山、希佐凪、愛想の6人。この6人からは話を聞いておかなければならない。1人ずつ候補を減らしていって最後に1人にすれば!
今日の私の体力でそこまでもつか、それさえもてば…。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.37 )
- 日時: 2014/01/27 23:21
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
大体予想はしてたけどみんな部屋にいたと発言した。そんなうまく全てが進むことなどありはしないのだが、私はその可能性を信じ切っていた。
凶器となった刀は武器庫から調達したに違いないし、終生が他の場所で殺されて民家に移動させられたこともないと思う。やはり怪しいのはあの民家か。
そう言えば松谷に会わない。終生の部屋を見に行くと言い私とは別行動になったけどやけに遅い。死体発見現場にいれば会える気がした私はシーサイドビーチ内にある民家に向かった。
ーシーサイドビーチー
やはりこの体勢は気になる。どうしたらこのような体勢になるんだ?刀は上から下に貫いている。上から下…。もしかして、天井裏からジャンプしながら刀で終生を貫いたならこのような体勢になるんじゃないか。問題はどうやって天井裏に行くかだが。
私は民家から外へ出る。天井に窓は付いている。はしごのような物があれば天井裏に行くことは可能だったはず。そこからは…ということか。
殺し方は多分これで合っている。後は犯人を見つけだすだけだが今回は手がかりが少ない。それが狙いの犯行かもしれないが目撃情報もないようじゃ目星をつけれない。こんなとき松谷ならどのような捜査をするのかがとても気になった。松谷に話を聞くため私は終生の部屋へ足をのばした。
ー終生の部屋ー
「松谷ー」
部屋からは私の声しか響かなかった。松谷はすでに終生の部屋からいなくなっていた。
終生の部屋は私が思っていた以上に片づいていた。私はなんとなく終生の机の上にあった写真に手をのばした。終生が真ん中にいて隣にいるのはおそらく家族だろうと思われる家族写真だった。こんな場所に急に連れてこられたら家族が恋しくなるのもわかる。私には家族がいないからよくわからないが家族とは温かいものなんだろうな。
私の母は私が幼いころに亡くなり父は生まれた時にはすでにいなくなっていたらしい。私ですらもう2人のことを覚えていない。そこから誰が私を育ててくれていたかもあまり覚えてない。
なぜ私は存在しているのか
それすらもわからない。謎のルーツを持っているのが私。
そんなことはどうでもいいんだ。
とにかくだ、終生の部屋にも手がかりはなかったとなるともう学級裁判で1人ずつアリバイを成立させるしかない。それで成立しなかった人物がクロ、つまり犯人。
捜査する場所もなくなった時、
「ピンポンパンポーン。ザザァ、ザザァ。波の音ももう聞こえませんよ。まもなく学級裁判が始まります。お前たちは学級裁判エリアの中央にある赤い扉の前に集まってください」
遂に時が来た。私は落ち武者の言うとおりの場所に向かった。
ー学級裁判エリアー
「相変わらず最後は士導さんでしたね。これで全員が揃ったのでお前たちは扉から学級裁判の会場へとお進みください」
まずは池面が無言で進んでいく。私も辺りを見回しながら扉の中に入った。
全員が入るとエレベーターだったそれはどんどんと地下へ潜っていく。近くに波の音が微かに聞こえたが誰かの呼吸音の方が上回っていた。
「お前たち久しぶりですね!さっそく始めたいと思いますので名前が書いてあるところへ移動してください」
私たちは無言で移動する。自分たちの位置でお互いがお互いを見合っている時に初めて気づいた。
ー松谷がいない。
学級裁判の要とも言える松谷の姿がない。落ち武者はなぜいないのかわかっているだろうが聞いても答えてくれないだろう。
松谷抜きの学級裁判はだんだんと開始に近づいていく。
ムードメーカーのような存在だった終生。
彼女を殺した犯人は私たちの中にいる!!!
3度目の命懸けの学級裁判は遂に幕をあける!!!
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.38 )
- 日時: 2014/01/29 23:16
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
学 級 裁 判 開廷!!
落ち武者
「落ち武者ランドに来て初めての学級裁判ですが、ルールは前回までと一緒です。それでは始めてください」
士導
「(松谷…一体どこへ?)」
池面
「議論を始める前に松谷を誰か知らないのか?」
梶野
「自分が犯人だからって逃げ出したんじゃねーのか?」
早帰
「松谷はすぐに帰ってくるさ。それまでにできるだけ議論を進めておこう」
希佐凪
「しかし、今回の事件は手がかりがほとんどないですわよ。議論もすぐに終わってしまいそうですが」
士導
「今回の事件は手がかりが少ないからそれを頼りにして謎解きをするのを無理がある。だから、犯人じゃない人から見つけていくんだ」
希佐凪
「消去法で見つけ出すってわけですわね」
愛想
「とは言ってもどうやって消していくんだ?」
微山
「そうですわね。手がかりがないから犯人ではない人を見つけることもできませんわよ」
士導
「犯人じゃない人を見つけるために使用するのはまず死体発見アナウンスだ。終生の死体を最初に発見したのは周流だった」
小西
「その周流に呼ばれて俺と早帰が一緒にその死体を見に行ったんだ」
早帰
「そこで初めて死体発見アナウンスが鳴った。てことは周流と僕と小西は犯人ではないと言うことだ」
士導
「死体発見アナウンスは3人以上が見て初めて鳴るんだ。3人がその時点で鳴ったならその3人は犯人じゃないということになる」
梶野
「でもそれ以上はもう判断不可能じゃないか?」
周流
「千歳ちゃんは何かないんですか〜?」
梶野
「部屋にいただけだからな。特になにも」
愛想
「いきなり手詰まりか…」
池面
「疑ってるわけじゃないんだが、周流はシーサイドビーチの民家に一回は行ってるってことだよな。昼のことで疲労も溜まってるのに何してたんだ?」
周流
「え?部屋にいるのが暑かったから海に行ってたら、涼しそうな民家があったから入ったんだ〜。そしたら三友ちゃんの死体が…」
梶野
「そいつは単細胞だから言ってることに間違いはなさそうだな」
小西
「超高校級の才能がアリバイってわけだ」
士導
「これで3人はシロ確定だな」
希佐凪
「3人だけではありませんわ。私と池面もシロですわよ」
池面
「俺とお前にどんな関係があった?」
希佐凪
「こっちは疲れて寝ていたかったのに、隣の部屋でドラムを叩き続けているものですからうるさくてたまりませんでしたわ」
池面
「聞いていたのか!」
士導
「ドラムを叩いていた池面ではなく聞いていた方の希佐凪の意見だ。これは本当だろうな」
早帰
「となると、後は残っているのは梶野と士導と愛想と微山それに松谷か」
池面
「松谷は今は抜いておこう。4人の中から考えていこう」
早帰
「4人の中でも士導はないと思うぞ。一時的に一緒に捜査したんだがかなりしんどそうだったぞ」
希佐凪
「演技という可能性もありますわよ」
周流
「しんどい時ぐらい人間は素直になるんだよ!」
小西
「4人からはなかなか絞れないみたいだな。ここらで話題を変えないか?」
微山
「話題を変えると言っても何に変えるのです?」
小西
「終生の死に方のことだ」
池面
「土下座しながら死んでいたのは確かに不自然だが、後ででもいいんじゃないか?」
早帰
「どっちみち解明しなければならないんだ。順番なんてどうでもいいだろ」
周流
「土下座しながら死ぬってことは犯人がさせたんですかね?」
愛想
「それじゃなければ土下座しながら死ぬなんてことはありえないだろ」
士導
「いや、そんなことないとも言い切れないぞ!」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.39 )
- 日時: 2014/02/01 23:25
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
士導
「まだ私も未踏の場所だけど、あの民家には屋根裏部屋があったんだよ」
愛想
「だから、つまり、どういうことだ?」
士導
「どうやって屋根裏部屋に行ったのかはわからないけど、そこへ上ってそこからジャンプしながら刀を振り下ろせば背中から刀を刺しながら体勢を土下座したようにできるだろ」
池面
「なるほど。あの土下座は終生がわざとやったんじゃなくて刺された時に自然とそうなってしまったわけだ」
希佐凪
「後は屋根裏部屋に行く方法さえ知ればその説は有力になるのですが」
早帰
「現場には手がかりが残されてなかったからな。隠せそうな場所もなかった気がするし」
微山
「手がかりかどうかはわかりませんが、不思議なことなら」
士導
「不思議なこと?言ってみてくれ」
微山
「学級裁判が始まる前に妾は現場の捜査をしてたのですけど、民家から出るときに急に砂浜に周流さんがこけましたの。砂浜なんてこけるような場所ではないのでもしかしたらあそこに何かあったのかもと」
周流
「あれ見られてたのぉー!恥ずかしい恥ずかしい」
小西
「恥ずかしいとかどうでもいいから何につまづいたか言え」
周流
「それがねぇ、砂に隠れてたからよくわかんないんだけど鉄で出来てて線路みたいなものだったよ」
小西
「…」
士導
「…完全にはしごだな」
池面
「これで士導の説はほぼ確定となったわけだ。後は誰がやったかだけど」
希佐凪
「はしご持ってきて、大きな刀を持ちながらジャンプし終生を貫く。そんな力もいりそうな犯行ができるのって男である愛想だけじゃありません?」
愛想
「ちょっと待て!俺じゃねーぞ」
早帰
「はしごを持ってくる点から微山はおそらく無理。かなりしんどそうだった士導が犯行に及ぶはずがないから候補から外す。となると愛想と梶野だけにならんだけど」
梶野
「私でもねーぞ!」
早帰
「私じゃない、俺じゃないとかそんなこと議論で決めることじゃないか」
周流
「今のバタフライくんは輝いてますよー」
早帰
「そうか?バタフライってのはやめてほしいが。そんなことは後ででいいとして本題に移るぞ。その力のいる犯行だけどそれを可能にできる人間は松谷を除けば1人しかいないんだよ」
池面
「愛想か梶野のどちらかってことだな」
早帰
「そのうちの愛想はすごい貧弱でギターほどの重さのものしか持てないんだ。そんなやつがはしごなんて持てるわけない、したがって犯人の可能性として挙がるのは」
士導
「梶野、ただ1人」
梶野
「何で私になるのかなー?私だって一応女子よ」
周流
「千歳ちゃんが犯人?三友ちゃんを殺した犯人?」
梶野
「だから違うつってんだろーが!」
池面
「だけど、消去法で消していった末そうなった。間違いはないはずだぞ」
松谷
「証拠となる鍵は僕さ」
突然エレベーターのドアが開き松谷が姿を現した。
士導
「松谷!お前どこにいたんだよ」
梶野
「くっ!」
松谷
「それがね梶野さんに急に殴られて気絶しちゃったらしく気が付いたら梶野さんの部屋にいたんだよね」
池面
「松谷を自分の部屋に閉じ込めておくなんてな。そりゃ松谷は学級裁判での活躍がいいからな。松谷に欠席させることで自分の勝率を高めようとしたわけだ」
松谷
「いや〜でもほんと浅い気絶でよかったよ」
池面
「さて、学級裁判もラストだ。士導!いつものやつを頼む」
士導
「わかった。今回の事件を最初から振り返るぞ」
クライマックス推理
act1
まず犯人は武器庫から犯行に使うための大きな刀を調達し、その後シーサイドビーチにある民家に屋根裏部屋に行くためのはしごを入手した。そのはしごはショップからでも調達たんだろう。
act2
あらかじめ口頭か何かで民家に呼んでおいた終生がそこに入ると犯人は屋根裏部屋から終生目掛けてジャンプし、その手に握っていたおおきな刀を振り下ろし終生を貫いたんだ。その時に前かがみにでもなり、たまたま終生は土下座したような体勢になったんだ。
act3
終生を殺した犯人は民家から外に出ると屋根裏部屋に行くために使ったはしごを隠すため砂浜に埋めた。その後自分は部屋に戻り誰かが死体を見つけ自分を呼びにくるのを待った。そして、みんなが死体を見た時自分も初めてみたかのようになりすましたんだ。
act4
だんだんと学級裁判が近づいてくると最後に学級裁判の要とも言える松谷を殴って気絶させ学級裁判に欠席させようとした。殴りたりなかったのか松谷は学級裁判に途中参加することができたのだけど。
士導
「これが今回の事件の全貌よ!そうよね、梶野千歳!」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.40 )
- 日時: 2014/02/08 16:07
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
梶野
「くっ…」
小西
「終わったな。認めるんだ梶野」
周流
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
小西
「もうクロ確定したやつをかばってどうする?もうじき投票だぞ」
周流
「クロ確定って何?外見だけで犯人って決めちゃだめだよ!千歳ちゃんは見た目は悪そうでも中身は純粋な女の子なんだよ、そんな子が三友ちゃんを殺したりするわけないよ」
梶野
「単細胞…」
士導
「周流が何を言おうと梶野はクロで決定したんだ!無駄なことはもう言わないでくれ。私だって認めたくない、だけどもう認めるしかないんだ」
梶野
「キャプテン、そう犯人は私。キチガイを殺したのはこの私よ!さぁ落ち武者さっさと投票タイムに入って」
落ち武者
「わかりました。それでは投票タイムに入ります。お前たちはクロと思う方に投票してください。はたしてその結果は正解なのか不正解なのか!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大正解でございます!終生三友を殺したクロは梶野千歳でした」
梶野はずっと下を向いている。梶野は何も言葉を発しなかった。その梶野を見ながら泣いている周流は私たちの誰とも目を合わせようとしなかった。
重い空気の中、やっとのことで池面が口を開いた。
「前回もそうだったが、今回も落ち武者が動いていない。お前はなぜ終生を殺した?」
「負け組がいるの…」
梶野は下を向いたまま小さく呟いた。
「私の家族は誰もいない。みんな殺された。[負け組]と名乗る軍団によって殺された」
梶野は自分の過去をさらけ出していくが誰もが梶野の言葉には少しの疑いがあった。
「そして、その軍団の1人がこの中にいると落ち武者から聞いた。そしたら昔を思い出してしまってここから出たくなった」
「それが本当だったら、俺たちの中にいるんだろ。その梶野の家族を殺したうちの1人が」
梶野はコクリと頷く。
「落ち武者どうなんだ?本当にいるのか?」
「ふっふっふ、はいその通りこの学園には超高校級の負け組と呼ばれる方がいます。もちろん、それは誰だと聞かれても答えませんけどね」
予想通りの答えに絶望した私たちは言葉を失った。正確には発する言葉が見つからなかった。
「でも、梶野さんて残酷ですよね。自分の欲望のために上目くんも犠牲にするのですから」
「上目?」
すぐにはわからなかったが、私は落ち武者の言ったことの意味に気づいた。上目に共犯を求めたのも梶野だったということだ。そこまでしてここから出たくなるような軍団なのか[負け組]っていうのは。
私たちの中にいる[負け組]はまだ生きているのか?今までの犠牲者の中にだっている可能性もあるはずだ。
「士導さん、[負け組]がもう死んだのでは?なんて思ってすよね。残念ながらまだ[負け組]は生き残っています。そんな[負け組]がどうとかこうとか今はいいじゃないですか。この後はお楽しみのおしおきタイムなんですから。そん前置きももういりませんか?じゃあ行きますよ!はりきっていきましょう!おしおきターイム!!」
私たちが何を言ってももう遅かった。梶野は奥の部屋に連れていかれていた。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.41 )
- 日時: 2014/02/13 22:33
- 名前: 紅茶 (ID: hzDRnUrf)
梶野さんがクロに決まりました
おしおきを開始します
超高校級の元ヤンのおしおき
「百鬼夜行は牙を剥く」
さぁ、時間だ。私たちが動く時間が来た。深夜の町を荒らすのが私たちの仕事。
リーダーの私は部下のやつらに指示を出し、わざとバイク音を大きく出し今日も夜の町を楽しんでいた。
そんな楽しい時間も束の間。気がつけば部下は皆
落ち武者になっていた…
それでも私はリーダーという位置から離れない。
「おい、落ち武者!早く荒らしてこいよ!」
「もう梶野さんは命令する側ではなくなったんですよ。これからは我の指示に従ってもらいます」
落ち武者がそう言うと私の身体は急に動き出し、落ち武者と化した部下を襲おうとしていた。
しかし、たった1人で襲いにいった私が勝てるわけもなく、ただただ私が襲われていた。
地面に身体を付けられ、天空からの鋭いキックが私の身体を痛めつけた。
初めての負け、私はそれを感じていた。今まで無敗だった私の過去が崩れ落ちるそんな日だった。
私の瞳から涙が零れる。いろいろな意味の籠もった涙。こんなところで死ぬのが悔しい。
そんな私の思いも届かず、落ち武者は私を痛めつける。最後には終生と同じように背部から大きな剣が貫通した。
「負け組…。いつかきっと…光が見えるはず!」
そんなことを口にしながら梶野は死んでいった。
彼女の顔の下は涙で溢れていた。
chapter3 精神暗転 完