二次創作小説(新・総合)
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.57 )
- 日時: 2014/03/11 10:25
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: UxbhFITm)
chapter5 負け組に咲く悲しみの花
コロシアイ学園生活15日目
「ピンポンパンポーン。海の遥か彼方から朝日が昇って参りました。お前たち朝です。今日も1日リゾート気分で過ごしましょう」
「ふわぁぁーあ」
私は大きなあくびをするとベッドから降りた。悪夢こそ見なかったが、昨日のアライグマのせいでよく眠れなかった。外の世界から来たとか言われても正直今の私では信じれない。この学園生活を続けていて人間不信になったのかも。…アライグマは人間じゃないけど。
私は部屋を出て朝日を浴び、ぐっと伸びをする。
「レストランに行こう」
ーレストランー
「昨日はよく眠れなかったなー。士導さんはどうたった?」
「私もだよ。あのアライグマのせいでね!」
「あのアライグマは何者なんだろうね?落ち武者と敵対していたから僕らの味方なのか?」
その時だった。突然落ち武者が現れた。
「お前たちお困りのようですね。しかし!この我は優しいのでお前たちの睡眠不足の原因の奴をやっつけてやりましたよ」
そう言うと落ち武者はアライグマを握った手を出した。ライは動こうともしない。いや動けないのだろう。もう死んでしまったのか?
「てことで、お前たちこれでゆっくり眠れますね。それじゃあ」
落ち武者が私たちに背を向けレストランから出て行こうとする。しかし、松谷がドアの前に立ちはだかった。
「逃がさないよ。お前には聞きたいことが残ってるんだ」
松谷がそう言うも落ち武者は首を横に振ると周囲に煙を放ち私たちの視界を絶った。煙が晴れた時にはすでに落ち武者はいなくなっていた。
「ちっ。逃げ足だけは早いな」
「松谷落ち着け。とりあえず今日は学級裁判の翌日だし、新しいエリアが開放されてるかもしれない。そのエリアを探索することにしよーぜ」
私たち全員は頷くとレストランで朝食を済ませ新しいエリアへと足を運んだ。
私を新しいエリアへの門の前に立つとその門を押した。その瞬間、冷気が私の身体を襲った。新しいエリアは氷上の世界だった。門の隣にはスケート靴が置いてある。これでこのエリアは移動しろとそういうことらしい。
そこで問題が発生した。次々とくるみんなにそのことを教えると誰もスケート経験がないということが判明した。
数分間話し合った結果今日は探索ではなく、スケートの練習をすることになった。ゲームの世界とは言え失敗したら海にポチャンだ。
「お、お、おお寒い。僕はパスするよ」
「何言ってんだよ、早帰。滑れるようにならないとこのエリアは移動できないぞ」
早帰は口を震わせながら口を開ける。
「滑る滑れない以前に僕はこの環境に適応できなさそうだ。太ももまで凍りつきそうだよ」
超高校級の上げパンはあくまでそのプライドを守り続けるらしい。
私たちはエリアにさえ入ってこれない早帰をおいて練習することにした。
意外なことに一番初めに長距離を滑ったのは周流だった。才能せいか全く曲がれないのだけれども。
その次に池面、それから池面に続き大分みんな滑れるようになった。
「これなら明日からは探索できそうだな。今日はしたい人だけがして凍結しそうな人を部屋でゆっくりすることにしよう」
私は紫色になった口でそう言った。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.58 )
- 日時: 2014/03/13 12:18
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: ak9ikTR3)
コロシアイ学園生活16日目
「ピンポンパンポーン。海の遥か彼方から朝日が昇って参りました。お前たち朝です。今日も1日リゾート気分で過ごしましょう」
まだ身体が凍てつきそうだった。昨日は身体が寒さに慣れたのだろうけど、1日経ってみるとそんな慣れなど役にたたなかった。防寒具を着用してから今日は探索する。心から誓った。
ーレストランー
「池面がいないな。どうしたんだ?まさか!」
「違うよ。昨日僕らが部屋に戻ってからも探索を続けてたらしく、身体が凍結したんだって。今日は解凍するから部屋から出ないとか」
笑えそうで笑えない話。事実新しいエリアは南極並に寒い(行ったことないけど)気がする。そのような場所を作れるのも理由はただ1つ、ゲームだから!
「みんなー、ご飯できたよ」
周流がキッチンから顔を出し朝食を私たちの元まで持ってくる。
「今日の献立は冷蔵庫に入ってたよくわからない野菜を使った料理です」
よくわからない野菜、明らかに小松菜だ。料理作るものとして小松菜もわからないのはどうかと思うが。かと言って、周流が朝食を作らなければ私たちが餓死するのも明らかだ。ここは大目に見ておくのが妥当な判断だろう。無理に変なこと言って余計に周流の頭を掻き回すのもあれだしな。私は黙って小松菜を口に運んだ。味自体も悪くない。周流って私が思っているより家庭的なのかも。
朝食を取り終えた私はスケート靴を履き新しいエリア、名前をつけるなら氷上エリアの探索を始めた。思うように動いてくれないスケート靴のせいで何度か転んだけれど、ようやく1つ目の施設に辿り着いた。
ーアイスラビリンスー
別名を「氷の迷宮」。遊園地によくあるやつだ。館内の寒さは遊園地と段違いだが内容は同じで。氷の世界の中を冒険しゴールを目指すというシンプルなルール。私も中を巡ってみたがこれといった手がかりは見つからなかった。身体が冷えただけ。そこから出てきた時には私の髪の毛は少しばかり凍っていた。
ーアイスキャッスルー
別名「氷の城」。扉は氷で固く閉ざされていて入れないが見た目は天下一品の城。このような氷の城が建てれるわけはゲームだから。おそらく溶けたりはしない。見物用だから殺人が起こったりはしなさそうだし、手がかりもなさそうと勝手に決めつけた私はアイスキャッスルを後にした。
私は探索を終えると冷え切った身体を癒やすため部屋に戻った。
「収穫は0に等しいな」
私はベッドで仰向けになりながらそのまま目を閉じていった。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.59 )
- 日時: 2014/03/13 14:10
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: ak9ikTR3)
コロシアイ学園生活17日目
「ピンポンパンポーン。海の遥か彼方から朝日が昇って参りました。お前たち朝です。今日も1日リゾート気分で過ごしましょう」
この学園生活も半月が経った。たった17日で何人が死んだだろう。私の出たいという気持ちは日に日に増していった。
ーレストランー
私がレストランに足を踏み入れると私の視線の先には落ち武者がいた。ロボットなので感情は見えないが私には笑っているように見えた。
「お前たちさー、最近全然殺そうっていう意欲がないけど、動機がほしいの?」
「まだわかってないんだな。俺たちはもうお前に屈したりしないんだ」
落ち武者はふーん、といった顔をすると一歩踏み出した。
「動機とか別に今日の話とは関係ないんだった。なんとこの優しい落ち武者は新たな手がかりをお前たちの1人に渡そうと思います」
その瞬間全員が落ち武者に目線を向ける。
「手がかりという言葉には敏感ですね。説明は現地でいたしましょう。お前たちは準備ができたらアイスラビリンスの前に来てください」
もう誰も自分を制御できる人間はいなかった。手がかり欲しさにみんな我を忘れ頭にはそれしか入っていない。それが落ち武者の狙いだとしても私たちはもう止まれなかった。
ーアイスラビリンスー
「全員揃いましたね。ではルールを説明しましょう。あちらをご覧ください」
落ち武者が指差すとその方向からゴゴゴゴという音が聞こえた。その次に私たちの立っている大地を揺るがす。一瞬視線を下に向けたその時には新しいアイスラビリンスが私たちの目の前に建っていた。
「驚いた?改めて説明します。とても簡単なので1回しか言いませんよ。お前たちが一斉に新しいアイスラビリンスに入り最初に出てきた者だけが手がかりを得ることができます。その手がかりは独り占めするなり、みんなに教えるなり好きにしてください」
私たちは落ち武者の説明を聞くなり走ってアイスラビリンスに向かった。
「ねぇ、士導さん。貴方ならどうします?」
「質問の意味がわからない。微山は何が言いたい?」
「もし、手がかりを手に入れたらみんなに教えますか?」
私は走りながら考えた。
「多分な」
はっきり言って絶対言うなんて保証はできなかった。1人だけがここから出れる手がかりだった時には言えるわけなんてないから。
私たちは全員スタート地点で落ち武者のスタートの合図が来るのを待っていた。
「お前たち準備はいいの?でははりきっていきましょう!スタート!!」
一斉にスタートを切る。まず自分の前にあるゲートから中に入る。もちろん入れば氷点下の世界。ゴール以前に寒さに耐えれるかが勝負かもしれない。気を抜けば凍結死が待っている、走り続けなければならない。
そして、迷宮の中身も以前まであったのと比べて段違いにややこしい。行き止まりと交差がたくさんあり間違った道を進むと自分の身体は一歩凍結死に近づいたことを意味する。
「もう手が悴んできたか」
手は私の言うことをきかなくなっていた。
さらに追い打ちをかけてくるのは地面。氷でできているためか非常に滑る。本気で走りたいがスリップした場合は壁に衝突し意識を失いそのまま凍結死というデスルートが待っている。
そんなこと考えている場合ではなかった。氷はさらに私を浸食する。
…ここまでなのか?
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.60 )
- 日時: 2014/03/14 22:05
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
先から見える一筋の光。
それはゴールを意味するものだった。
「やった。やったぞ!」
私は最後の力を出し切りゴールラインを踏み越えた。
ゴールした後は全身から力が抜けていきその場に倒れることとなった。これだけ全力を出したが私は一番ではなかったらしく手がかりを得ることはできなかった。
「残念でしたね。手がかりは他の人に渡してしまいましたよ。一番に辿り着いた方に」
身体が私の言うことをきくようになると、私は立ち上がりよろけながらも自分の部屋を目指した。
誰が手がかりを手にしたかは知らないが、手に入れた人は私たちにそれを教えてくれるのか?ただそればかりが気になっていた。
しかし、それをさらに上回るほど気になることがそう考えた直後に現れた。私の部屋の机の上に「さようなら」と書かれた紙が置かれていた。
さようなら?思い当たることは何もない。私たちの誰かが書いたんだよな?さようならってことは死ぬってことか?
さようなら、なんて言葉はいかにも自分は死ぬことはわかっているみたいな言い方のような気もする。だけど、今は全員アイスラビリンスから出てきた後だから私と同じように身体がまだ不完全なはずだから。やっぱりこの紙は死亡宣告?
私は部屋を飛び出し全員をレストランに集合するよう呼び回った。
ーレストランー
「単刀直入に言うぞ。この紙なんだ?誰が書いたんだ?」
「さようなら、って書いてあるね」
誰一人として自分が書いたと申し出る者はいなかった。
「これはどういう意味なんだ。自殺の合図なのか?もしそうならその考えはすぐに頭から消すんだ!」
「話が反れるけど、その紙と手がかりは関係あるのかな?それは手がかりを持っている人しかわからないはずだよ。持っている人は答えてほしい」
心のどこかでは期待していたが、名乗り出るものはいなかった。これで言い切れる手がかりは独り占めしたい内容だった。周りに知られたく内容ってことは相当重要ってことになる。周流だったらすぐに言ってくれそうだから周流は除外。その極秘情報を持っているのはその他の誰か、あるいは誰も持ってないとか。そんなことはないか、手がかりと関係してない訳がない。「さようなら」なんて意味深な言葉が関係してない訳がないんだよ!
「誰も言わないんだね。僕らが協力しあわなければ“負け組”には勝てないんだよ。言わないのには訳があるのか?僕らの中には“負け組”が紛れ込んでいるらしいからそいつを警戒しているのか?」
「松谷落ち着け。急に集まってもらって悪かったな。今日は解散しよう」
「今日は疲れてるのかも…。士導さんの言うとおり部屋に帰って落ち着くことにするよ」
私はみんながいなくなった無人のレストランに1人腰掛けていた。頬杖をつきながら帰って行くみんなの背中を眺めていた。
何をやってるんだ私は。キャプテンなのにこんな時でさえもいつも通りだ。キャプテンの才能なんて私にはないんだよ。みんな仕切れる力なんて私にはないんだよ。
こんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんてこんな才能なんて
私が持つ資格はないんだよ!!
“本当にそう思うのか?”
え?私は後ろを振り返ってみる。誰もいない。
“お前はそれでいいのか?”
何これ?頭から聞こえてきてる?
「うわぁぁぁ」
全身から力が抜けていく。私は意識を失いレストランに倒れた。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.61 )
- 日時: 2014/03/15 19:03
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
コロシアイ学園生活18日目
「…どう。士導、起きろ!」
誰かに呼ばれた気がすると私はバネのように起き上がった。
「早帰…。ここはレストランか?なぜここにいる?」
「そんなのこっちが聞きたいくらいだ。それより大変だ。死体が見つかったんだよ!」
まだ寝起きの私にはその重大さがわからなかった。何度も語りかけてくる早帰にようやく理解できた。早帰から場所を聞くとそこへ私は急いで駆けつけた。
ーアイスキャッスルー
早帰が言うにはアイスキャッスルの扉が開いているらしい。その中に死体がある。彼女の死体が!
私は自分でも驚くべきスピードでアイスキャッスルまで滑った。そのままの勢いで中に入ると確かにそこには微山の死体があった。見るも無残に血だらけになった微山の死体が。
見た目では頭を強く強打していて、そこから大量に流血している。凶器らしき物は現場にはない。犯人が処分したと見て間違いではない。
「士導さん何処をキョロキョロしてんのさ?我を探しているのですか?」
「お前を探しつつ手がかりを探していた。それより早くあれを渡せ」
「はいはい、どうぞザ・落ち武者ファイル。今回は被害者が微山さんということで落ち武者ファイルも小さくしてみました」
私は落ち武者の話には耳を向かせず落ち武者ファイルだけを奪い取るとさっさと開いた。
落ち武者ファイル5
死者 超高校級のスモール 微山麗奈
死因 頭に強力な殴打の痕がある。それが死因と見られる
両手は後ろで縛られているが死亡には関係ないと見られる
死亡時刻 午後10時頃
死亡場所 アイスキャッスル
私の観察通り死因は頭の殴打。流血の量から見るにかなり大きな物か重い物のどちらかになるだろう。両手を縛られているのは殺される直前に犯人が動かれないようにするため、それ以外に考えつくことはない。
天井には大きな凹凸がある。今初めてアイスキャッスル内部に入ったわけだから最初から欠けていたのかは不明だが、人間の手が届かない位置の天井の凹凸が事件に関係あるとはあまり思えない。アイスキャッスルには大音楽館のように二階があるが、そこからでも天井に触れることはできないと見て問題ない。
後気になるものは細くて長い鉄の棒が地面に落ちているぐらいか。触ってみると少し熱を帯びている。人間の体温かそれ以下の温度だろうけど、確かに熱を帯びていた。
とまぁ、この程度か。微山の部屋には行くとして後は何処へ行けば。何せ今回の事件は私が気を失っている間に起きたことだし、状況を理解できない。松谷、松谷なら気持ち悪い程事件に詳しい松谷なら今回のこともよく知っているんじゃないか?
そう考えた私は松谷を探しに行った。
ー微山の部屋ー
松谷は微山の部屋にいたのだが、事件のことを聞いても学級裁判の時に話すからと言って部屋を出て行ってしまった。
私は事件のあらすじに関しては諦め先に微山の部屋の中を捜索することにしたのだが、驚くべきほど何もなかった。あったのは興味をそそられる怪しげな黒い封筒一通のみ。
「!?」
私は見てしまった。黒い封筒だからよく見えなかったのだが、表面には赤い字で“勝ち組ヶ丘学園録2”と書いてあったのだ。
落ち武者が言ってた手がかりがこれだとすると、アイスキャッスルを一番に抜けたのは微山ってことになる。中身は空だったので何が入っていたかは確認出来なかった。
何かを知った微山は自殺した?自殺ということで終わらせていいのか?だけど手がかりを持っていないやつが動機もなしに殺すわけがない。
せめて中の物だけでもわかったら。
私がちゃんとみんなを仕切っていればこの殺人は起こらなかったかもしれないのに。私のせいだ…。
瞳から零れる涙を拭いながら黒い封筒を私はずっと見つめていた。
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 第5章執筆中 ( No.62 )
- 日時: 2014/03/16 15:26
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
こんなとこで泣いてる場合じゃない。こうしてる間にも時間は過ぎていっている。微山を殺した犯人を見つけた後で泣きたい分だけ泣けばいいの。
今しなければならないことは手がかりを探すこと。だけど後は何処を探せば…。落ち武者が私たちの誰かに手がかりを渡した場所、アイスラビリンス。とりあえずはそこに行ってみて捜索を開始することにした。
ーアイスラビリンスー
学級裁判前だからかアイスラビリンス内の冷気は止まっていた。おかげで無理なく入れる。足元が滑りやすいのは変わりないが身体が冷えないのはありがたい。
私は足元を見ながら先に進んでいくがそれらしき物は1つも落ちていなかった。この前私が通ったアイスラビリンスと同じ光景。ゴールしても何も変わらなかった。勘は外れた。もう捜査する場所なんて、念のためもう一度アイスキャッスルに。
ーアイスキャッスルー
そう言えば全然考えもしなかったけど、誰がここの扉を破壊したのか。私たちが初めて来た時は開いていなかったのに。アイスキャッスル自体は氷でできているが扉は鉄でできている。氷なら破壊できても可笑しくはないが鉄だとどうやって?
「あ、士導さん!ちょっとこっち来てよ」
「松谷?こっちってどこにだよ」
「この城の裏に来てほしいんだ」
私は松谷の言うとおりアイスキャッスルの裏まで移動した。裏では松谷が城壁を見つめていた。その城壁も破壊されていて中に入れるようになっていた。
「中に入ってみるよ」
松谷が先頭を切り裏からアイスキャッスル内部に入っていった。私も続いて中に入ってみたがそこに私は仰天した。
「まるで武器庫じゃないか。チェーンソーやチェーンソーの刃がないような機械それに破壊されたいろいろな物の数々、犯人がやったのか?」
「おそらくね。それにここではアイスキャッスル内部の温度も調節できるみたいだよ。士導さん実際やってみようよ。僕が温度調節するから士導さんは中に入って」
私はうん、と頷くと入り口に回りそこから再び中へ入った。
「いつでもいいぞー!」
私の声がアイスキャッスル中に響き渡るとガチャッという音が鳴り、何かが起動を始めた。
約5分ほど経ってからじわじわと床があったかくなりはじめホットカーペットのようになった。松谷の言うアイスキャッスル内部は全体ではなく床だけだったようだ。
そのことを松谷に報告すると、
「床だけか。犯人はそれを知っていたのかな?」
「使った痕もあるし、知っていたんだろうな。それより扉の破壊方法はわからないか?」
「一度見に行ってみようか」
私と松谷は入り口から入り扉の周辺を見たのだが、何もなかった。チェーンソーで破壊したには汚すぎる。なら何で破壊したっていうんだ?
「士導さん。深く考えない方がいいよ。この扉は鉄でできているように見せて木製だったんだよ、多分。破壊された鉄を触ってみてもわかるよ」
「木製!?犯人はそれ知っていたってことか!」
「ん?この木だけ形が変だな。先が丸くなってるっていうか」
「そんなことはいいんだ!それより…」
私の発言を阻止するようにそれが鳴った。
「ピンポンパンポーン。うぐぐぅ寒い、なんて気分にならずやりましょう。お前たち学級裁判が始まりますよ。いつも通り学級裁判エリアの扉の前に集合してください」
もう時間!?そうか私は気を失っていたから時間も少なかったってことか。仕方ない後は学級裁判で情報を得るしか。
私と松谷は走って学級裁判エリアの扉を目指した。
ー学級裁判エリアー
誰もが無言でエレベーターに乗り裁判場に向かった。
落ち武者が私たちに話しかけるがみんな無視して各自の席につく。
そして、また始まる
微山を殺した犯人を見つけるべく
5度目の学級裁判は幕をあける!!!
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.63 )
- 日時: 2014/03/17 10:23
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: iLRtPlK2)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
学 級 裁 判 開廷!!
落ち武者
「これ毎回言わないとダメですか?一応決まりなんですけど、もういいですよね?それでは議論を始めてください!」
士導
「まず朝のことから話してくれないか?気を失っていたみたいで事件のことがまだあまりわかってないんだ」
松谷
「そうだね。士導さんへの説明をしておこうか」
早帰
「最初は僕が松谷にスケートを教えてもらってる時に死体を見つけたんだ。それが今朝の6時ぐらいだよ」
松谷
「アイスキャッスルが開いていることに気づいたから中に入っていったら微山さんの死体があったってわけだよ」
早帰
「その後、僕と松谷は手分けしてみんなを呼びに行ったんだ。でもどれだけノックしても士導だけが出てこなかって、士導を除いたメンバーでアイスキャッスルに向かいそこで死体発見アナウンスを聞いたんだ。それでも士導が来ないから僕と松谷は士導を探しに行ったら僕がレストランで倒れている士導を見つけた。これが事件の最初だよ」
士導
「わかった。ありがとう」
希佐凪
「松谷と早帰が貴方を探している間、私と池面、周流はアイスキャッスルで捜索していましたわ」
周流
「でも私捜査とか苦手だから特になにもしてないんだよね〜、へへっ」
池面
「実際氷をいじっていただけだしな」
周流
「流石は氷だったよ。冷たい!」
早帰
「周流はおいといて事件の話に入ろうぜ」
池面
「今回は不明な点が多すぎるぞ。何から話進めても行き止まりに当たりそうだ」
士導
「まずは凶器からにしようか。死因は頭部の殴打らしいが凶器らしき物は現場には残されていなかった。犯人が持ち帰ったか処分したかそのどちらかに限られるよな」
希佐凪
「しかし、どちらにしても凶器がわからないのでは話は進みませんわよ」
池面
「だが、どんな物かはわかるだろ?流血の量から見るに相当大きい物だ」
士導
「それか重量のある物のどっちだろうな」
松谷
「そのどっちもを合わせ持った物じゃないかな?」
周流
「えーと、どういう意味ですか?」
松谷
「そのままなんだけど、大きくて重い物だよ。どうやって殴ったかは後にして、使われたのは大きくて重い物のはずだよ」
士導
「ますますわからなくなったぞ。見当もつかないな」
池面
「その言い方だと松谷はわかっているのか?」
松谷
「だいたいね。ただそれをどうやって使ったのかがわからないんだ」
早帰
「勿体ぶらず言ってくれよ!」
松谷
「氷だよ。アイスキャッスルの天井は大きな凹凸があったでしょ。あの氷を使ったんじゃないのかな?」
士導
「使い方がわからないっていうのは落とし方がわからないってことだな」
松谷
「そうなんだよ。大音楽館みたいに二階があったからそこから何かしたんだろうけど。二階から天井までは2メートル半以上はあるだろうから手では無理だろうし」
池面
「手が届いたとしてもあんな大きな凹凸を作るのは無理だ」
士導
「チェーンソーならどうだ?氷も削れるんじゃないか?」
周流
「チェーンソー?そんなのありましたか?」
松谷
「それはあったんだけど、チェーンソーじゃ天井までは届かないよ」
希佐凪
「少しいいですか?凶器が氷だったとしてその氷はその後どうしたって言うのです。あの寒さですから自然に溶けるとは思いませんし、人が溶かしていくには大きすぎます」
松谷
「それは簡単だよ。ね?士導さん」
士導
「あ、ああ。実はアイスキャッスル裏にアイスキャッスル内の床の温度を制御する機械があったんだ。私と松谷は実際にやってみたし温度が変わるのは間違いない。氷ならそれで溶かすことができる」
早帰
「なるほど。じゃあ凶器は持ち帰ったわけでも処分したわけでもなく、溶かしたってことだな」
松谷
「そういうこと」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.64 )
- 日時: 2014/03/20 12:17
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: dRebDXey)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
士導
「次は落とし方だな。手では無理だということは道具を使ったことになるが、心当たりのある人はいるか?」
周流
「氷投げたとか?」
松谷
「完全に勘だね」
池面
「それこそ犯人が持ち帰ったんじゃないのか?現場にはそれらしき物は落ちてなかったからな」
希佐凪
「いやそんなことないはずですわ。アイスキャッスルには熱を帯びた鉄の棒がありましたわよ。あれなら細長いので天井まで届いたはず」
士導
「それはないだろ。私もその棒は見たけど、仮にあの氷を溶かせるほど熱い棒なら持てないぞ。人間の手が先に溶けてしまう」
希佐凪
「そうですね。鉄の棒という考えは間違い立ったようで…」
松谷
「そんなことはないよ。希佐凪さんの言うとおり使ったのは鉄の棒だと僕も思うな」
池面
「何を言っている?キャプテンも今言ってただろう。鉄の棒じゃないと」
松谷
「確かに素手では士導さんの言うとおり使えないだろうね。でも犯人は素手じゃなく道具を使ったんだ」
早帰
「でも道具なんて現場にあったか?」
松谷
「あったよ。ただしアイスキャッスルの裏にね」
士導
「そこには私も一緒に行ったけど思いつくものなんて」
松谷
「僕もさっきまでは勘違いしたいたよ。そりゃ隣にチェーンソーがあれば誰だって勘違いするよ」
早帰
「僕にもわかるように話してくれよ」
松谷
「わかった。まずアイスキャッスルの裏の話をしようか」
希佐凪
「確か床の温度を調節する機械やチェーンソーがあった所でしたわよね?」
松谷
「その通りだよ。ここでキーワードとなるのはチェーンソーなんだ。アイスキャッスル裏にはチェーンソーとチェーンソーから刃が抜けたみたいなものがあったんだけど、僕と士導さんはそれをどちらともチェーンソーだと思ったんだ。だけどその考えは違った。刃が付いている方はチェーンソーで間違いないんだけど、もう片一方はチェーンソーではなく巨大な半田鏝のような物だったんだ!」
士導
「そうか!刃が抜けていると思った方はあの鉄の棒が元は入っていたのか!」
早帰
「隣にチェーンソーがあれば勘違いしてしまうというのは、刃がない方も元は刃が付いていたと思うってことか」
松谷
「それで微山を殺した犯人はもうわかるよね。今回の学級裁判の間ずっと様子が可笑しかった人だよ。ね?池面くん?」
池面
「は?」
松谷
「犯人は君だと言ったんだけど」
池面
「まだ殺害方法もわかっていないのに何を言っている」
松谷
「だったら教えてあげるよ。殺害方法と君が犯人だという証拠をね」
池面
「やってみろ!」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.65 )
- 日時: 2014/03/22 18:15
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
松谷
「まず殺害方法からにしようか」
早帰
「確か天井の氷を頭に落として殺したんだったな」
士導
「その氷を落とす時に使われたのは大きな半田鏝だ。アイスキャッスルに落ちていた鉄の棒とその裏にあった本体が元は一つの半田鏝だったんだ」
周流
「使った後は半田鏝が手で触れるくらいまで冷ましてから鉄の棒を抜いたんだね」
松谷
「僕の言いたいこと全部持っていかれたけどその通りだよ」
池面
「でもそれだけじゃ俺が犯人だと決めつけれないぞ。証拠はどうした証拠は」
松谷
「池面くん、物事には順序というものがある。勝手に流れを変えないで欲しいな」
池面
「ちっ!」
早帰
「松谷はもう池面が犯人だっていう証拠をもっているのか?」
松谷
「もちろんだよ。僕のポケットにそれが入ってる」
希佐凪
「その証拠とやらを早く見せてくれます?」
松谷
「そうだね。これだよ」
士導
「木の棒?」
希佐凪
「先が丸くなってますわね」
松谷
「そう。先が丸くなっているんだ。そしてそれが重要なんだ。これが何か池面くんならわかるよね」
池面
「ああ」
松谷
「自分の才能のせいでこんな証拠が見つかってしまうなんて残念だね」
士導
「どういう意味だ?」
松谷
「これが何かを言う前にこれがなぜ壊された扉の前にあるか僕の推測を話すよ。アイスキャッスルの扉は閉ざされていた。誰もがそれは鉄でできていると思ったはず。だけど犯人はそれを叩くことでわかったんだ。扉は木製だってことをさ。その時強く叩き過ぎたからかそれは折れてしまった」
周流
「それでその棒は何なの?」
松谷
「ドラムスティックさ。ドラムスティックは先が丸くなっているんだ。それに超高校級のドラマーの池面くんなら持ってるに決まってるよね」
士導
「だから犯人は池面だと。そういうことか!」
早帰
「どうなんだ池面!」
池面
「まずだな。本当にチビは殺されたのか?自殺っていうのはないのか?」
希佐凪
「そう言うからにはそれなりの根拠があるのですわよね?」
池面
「もちろんだ。手がかりはチビの部屋にあった。黒い封筒、“勝ち組ヶ丘学園録2”だ。落ち武者はアイスラビリンスの勝者にだけ手がかりを渡すと言っていた。チビはアイスラビリンスで落ち武者からあれを受け取りそれによって知ってはならない何かを知り自殺した。そうは考えれないか?」
松谷
「考えられないね。僕はその中身が気になって微山さんの部屋ポケットの中と微山に関わる場所を調べていったけど何もなかった。微山さんが受け取ったなら微山さんが持っているはずだよ」
池面
「じ、じゃあ他の誰が奪っていったのかも…」
松谷
「もう終わりだよ。今回の事件の最初から振り返って君に罪を認めてもらう!」
クライマックス推理
act1
今回の事件は落ち武者からの手がかりが動機になった。犯人はそれで知ってはならない何かを知ってしまい犯行に移った。まず犯人はどうにかしてアイスキャッスルの扉を破壊するか迷ったあげく自分が持っていたドラムスティックで扉を叩きその扉が木製であることに気づいた。その時に強くたたいてしまったためにドラムスティックが折れてしまったんだ。
act2
次に犯人は犯行時に使う物を武器庫から調達し微山さんをアイスキャッスルに呼び出した。犯人はアイスキャッスルに来た微山さんの手を縛り動けなくし、自分は二階へ向かった。
act3
二階に着いた犯人は大きな半田鏝で微山さんの頭上の氷を溶かしていき氷を微山さんに落とし、そこで微山さんは息絶った。微山さんの殺害を終えた犯人は大きな半田鏝を氷の上に置き熱を冷まさせ、その間に裏へ回り床の温度を上げ氷を溶かしていった。
act4
最後に冷めた半田鏝から鉄の棒を抜き取り、本体を裏へ持って行きその隣にチェーンソーを置いた。そして氷が完全に溶けきった後は床の温度を元に戻しアイスキャッスルを出て行ったんだ
松谷
「これが事件の全てだ!池面海人!!」
池面
「ふっ…」
士導
「認めるんだな。犯人だってことを」
池面
「ここまで完璧に推理されちゃ認めざるを得ないだろ。おい落ち武者!さっさと投票に入ってくれ」
落ち武者
「わかりました。それではお前たちはお手元のスイッチで投票してください。その答えは正解なのか不正解なのかさぁーどうなんですかー!?」
学 級 裁 判 閉廷!!
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.66 )
- 日時: 2014/03/23 23:05
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
「またもや大正解でございます。微山麗奈を殺したクロは池面海人くんでした!」
「なぁ落ち武者。あれって本物なのか?」
「あれとは?」
「“勝ち組ヶ丘学園録2”の内容だよ」
落ち武者はコクりと頷く。
“勝ち組ヶ丘学園録2”。おそらくそれが池面を犯罪へと導いた動機。落ち武者から手がかりを受け取っていたのは池面だったんだ。
「生き残ったお前たちに言っておくぞ。これから先はお前たちが落ち武者を“負け組”を倒すだけだ。一期生がそうしたようにな」
私たちの頭の中にはてなが浮かび上がる。誰一人としてその言葉の意味に気づいていない。
「まぁ、そのうち時がくる。俺が受け取った“勝ち組ヶ丘学園録2”の中身は“負け組”についてだった。一期生が“負け組”を倒してからのデータを収集したみたいだけど、その中に“負け組”が逃げていく写真があった。その写真は後ろ姿だから顔は見えないんだけど、1人驚く程小さい人間の姿が映っていた」
「それが微山だったってわけか」
“負け組”が逃げていく写真の中に微山が映っているってことは微山が私たちの中に潜んでいる“負け組”だったんだ。私たちは誰もがその1人におそれを抱いていた。池面は自分の意志に負け微山を殺してしまったんだ。
「そして俺は犯罪に走った。アイスキャッスルに呼び殺そうとすると微山は自分が殺されるのをわかっていたかのようにあっさり俺に殺されて…」
微山は自分が殺されるのをわかっていた?だけどそれなら微山のあの言葉の意味に納得がいく。
「もし、手がかりを知ったらみんなに言いますか?」
「多分な」
それにあの“さようなら”と書いた紙。確かあれが貼られてあったのはアイスラビリンスの競争が終わった後だったはずだ。
しかし、なぜ私にだけ紙を?それは後でじっくり考えよう。それよりも私が気になるのは。
「“負け組”がいなくなったってことは私たちがコロシアイ学園生活をやる必要がなくなったんじゃないのか?」
「ほんとだ!さっさと僕たちをこっから出せ!」
「そろそろその時期かなと思っていましたが、いいでしょう。しかし“負け組”がいなくなったというのは可笑しいです。なぜならまだ我がいるから!言いたいことはいろいろありますが先におしおきタイムといきましょうか」
池面は私たちに背を向け手を挙げる。その手はやがてだらんと垂れ力のない弱々しい手になった。
そんな手をしてたらドラムスティックも握れないだろうに。
「最後にもう一度言っておく。“負け組”を倒すのは他でもないお前たち、“勝ち組”だぜ!」
池面はこちらに振り向き私たちを指差す。
「それでは張り切っていきましょう!おしおきターイム!!」
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.67 )
- 日時: 2014/03/25 00:24
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
池面くんがクロに決まりました
おしおきを開始します
超高校級のドラマーのおしおき
「オリンピック新競技 ドラマー投げ」
落ち武者と化した観客
落ち武者と化した選手
その中に俺は立っていた
しかしそれは選手や観客としてでなく
槍投げでいう 槍
棒高跳びでいう 棒
野球でいう バット
つまり、競争の道具として立っていた。
開幕の合図が鳴り、選手たちはドラマー投げ会場へ入場してくる。そして俺と全く同じ形をしている人形が何体も置かれる。
最初の選手がサークルの中に入り人形を一体手に取ると思い切り力を入れ空中にそれを放り投げた
それから俺の人形が何体も何体も投げられ
ついに
俺に順番が回ってきた。投げる選手は本物の落ち武者。落ち武者は俺の身体を掴むとサークルの中へ入っていった
そして
落ち武者は手を振りかぶってサークルギリギリから俺を空へ放り投げた
俺の身体は綺麗な弧を描きながら空へ向かっていく
俺の身体が弧の頂に達した時にそれは起きた
観客席から無数のドラムスティックが飛んできた
そのうちの一つが俺に当たる
グサッ!
「えっ?」
そのドラムスティックは先だけ鋭利な金属になっていた
それに気づいた直後からドラムスティックは次々と俺の身体を刺していく
グサッ!
グサッ!
グサッ!
ズザザザザァァ
池面の身体は地面に着かなかった
というのも
もう彼に身体と呼べる部位がなかったのだ
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.68 )
- 日時: 2014/03/25 00:56
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
「まだ入れないのか!」
とある施設では数人の男女が何かのロックを解除しようと必死になっていた。
「入れたら入ってるよ。何度か惜しいところまではいってるんだけど」
「それと、まだ黒薔薇は中にいるのか?」
「あいつはまだ中にいる。それは明らかだ。だけどライの映像によるとあまり“負け組”のオーラを発してないようにも見えたけど。バレたら殺されるのはわかってるからオーラを発していないだけか」
と、ここで1人の男の指が高速に動く。何かがわかったらしくもの凄いスピードでタイピングしていく。彼の手は決して止まりはしなかった。区切りがつくまでは。
「やったぞ!」
「それで入れそうか!」
「ああ。だけどおそらく1人が限界だ。完全にロックを解除したわけじゃない。小さな穴をあけただけだ」
もの凄いスピードでタイピングした男は一息つくと真剣な目をしてから口を開いた。
「ここは俺に任せてくれないか?絶対に彼らは救ってみせる。だから俺に!」
その男以外の人間は自分たちで顔を合わせ合い目だけで議論をしあった。その場を仕切っていた男がようやくのことでその結果を話し出した。
「そうだな。お前に行かそうと思う。お前には名前をパクられた借りもあるしな」
「みんな!よしじゃあ早速準備するよ」
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池面のおしおきを見終えた私たちは再び落ち武者の前に集まっていた。
「次の学級裁判でお前を倒せば僕たちは外へ出られるんだよな!」
落ち武者は座っていた玉座から飛び降りると私たちの真ん中に立った。
「そういうことにしましょう。我の発言を全て論破できたらその時は外に出してあげましょう。次の学級裁判までの間最後のエリアを開放します。そこは勝ち組ヶ丘学園とほぼ同じ造りになっている建物があり昔の資料などもたくさんあります。万全の状態で学級裁判に臨んでください」
落ち武者は今回はいつものように急に消えずゆっくりペタペタという足音を立てながら裁判場を出て行った。私たちは落ち武者がいなくなったのを確認すると自分たちどうしで向き合った。
「もう潜んでいた“負け組”は消えたんだ。後は僕たち“勝ち組”が落ち武者を論破するだけだ。今ならできるんじゃないか?協力ってやつが」
「松谷の言うとおりですわね。5対1なら必ず勝てるはず」
私たちは手を乗せ合い最後の学級裁判はみんなで乗り切ることを決意した。犯罪を犯したとはいえ元は仲間だったみんなの為にもここからでれるように!
でも今日は睡魔が襲ってきたし寝よう。
睡眠時間をしっかり取らないと捜査もろくにできないかもしれないし。
chapter5 負け組に咲く悲しみの花 完