二次創作小説(新・総合)
- Re: ダンガンロンパ 〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 episode1 ( No.81 )
- 日時: 2014/04/04 18:49
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: hzDRnUrf)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
番外編二話
「士導瑠香誕生」
私は記憶操作装置の前に立っていた。私の前には何人もの“負け組”が列を成して座っていた。この中から1人だけ私に記憶を奪われることになるんだけど。
「さぁーて、誰にしようかな?」
「本当に学園生活に参加する気なんだな。人工知能だけじゃだめなのか?」
「私はもっとスリルを味わいたいの。なんなら死んだって構わないわ」
「俺にはわからないな。“勝ち組”を滅するためにはあなたが必要だってのに」
私はそいつを無視して記憶操作装置のドアを開いた。
自分の記憶を捨てるのはもったいないけど、学園生活において過去の記憶はあっちゃダメなんだよね。私口下手だから余計なこと喋っちゃいそうだし。
「決めたわ。微山麗奈、あんたが記憶を差し出しなさい」
微山は驚いた顔をしながらもその場に立ち私を見つめた。
正直私は誰でもいい。私が選んだ奴が記憶を差し出すことを嫌がれば即さよならだけどね。この世から永遠に。
しかし、微山は予想だにしなかったことを言い出した。
「私の記憶を琴音さんに渡すのは構いませんが、私も学園生活に参加させていただけませんか?」
場がざわつく。雑魚が私に大口を叩いてくるとは思いもしなかったがそれはそれで面白いと考えた私はそれを許可した。
それからまず微山の記憶を分離した。大した時間ではなかったが、私には長く感じた。
「次に琴音さんの記憶を分離しますが、記憶を失ってからも名前は黒薔薇琴音でよろしいのですか?」
「偽名を使うことにするわ。予め考えてあったんだけど。憎き“勝ち組”のあいつを元にして士導にすることにした。下は…そうねぇ。瑠香がいいわ」
「わかりました!」
そう言うと私の記憶分離が始まった。
だんだんと私がわからなくなってくる。さよなら私。
その後記憶統合によって微山の記憶が私の頭に入ったことなどもちろん覚えていない。
「ここが勝ち組ヶ丘学園!」
ここに私は超高校級のキャプテンとして入学するなんて夢みたいだ。
「…ここは?勝ち組ヶ丘学園?」
頭痛のせいで意識をなくした私が次に目を覚ましたのは教室だった。
「あ、ああ私?私は士導瑠香」
その様子を“負け組”たちは別の場所で見ていた。
「実験は無事成功みたいだ。微山は大丈夫か?」
「記憶操作のデメリットで身長が縮んだけどそれ以外は問題ない。後はあいつがいらないことをペラペラ喋らなければな」
「そう言えば琴音さんは何のデメリットもなかったのか?」
「あったさ」
「“負け組”でなくなるという究極のデメリットがな」