二次創作小説(新・総合)
- Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 episode0 ( No.91 )
- 日時: 2014/04/20 22:58
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: eEFm9oln)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
俺は人を殺してしまったために勝ち組ヶ丘学園に入学することになってしまった。みんな不安に満ちた顔をしている。1人例外を除けばの話だが、
「どうしたのさ、静流くん。静流だけじゃなかったか。これから楽しい学園生活が始まろうとしているのにそんな怖い顔しちゃってさ」
体育館に華狗也の声だけが響き渡った。俺はそいつを本気で殴りたくなったが、生憎今はそんな元気すらなかった。
華狗也は続ける。
「みんなは知ってるかい?人間界において殺人犯したらそれだけで罪人なんだよ。もう君たちはそれを犯してしまったんだ。そんなんで入学を拒否したら警察に捕まってしまうよ。つまり君たちにもう居場所なんてなくなったんだ。そんな君たちを勝ち組ヶ丘学園は保護してくれるっていうんだよ。それなら何がなんでも入学するべきだよ」
「そんなこと言ったってだな…」
「じゃあでていきなよ。そして永遠に檻の中で過ごしておいでよ」
華狗也に返す言葉がなかった。
「別に何でもいいんじゃない?私はここに残るけど」
鍵村は体育館に座り込み俺に指差しながら言った。
「待ってくださいよ。入学する許可はあげたけど、勝手に出て行っていいなんて許可した覚えがないですけど」
体育館の教壇の裏から唐突に落ち武者が現れた。人形なので表情がわからないが、きっとにやけていたに違いなかった。
「それに清水くんの言うとおりだよ。外に行ったって引き取ってくれるとこなんてないよ」
それに反論するように海土が言った。
「帰る場所ならあるさ!家族が待ってるんだ!」
「あーそれについて話すことを忘れてましたね。お前たち今から視聴覚室に来てください」
ー視聴覚室ー
俺たちは落ち武者の言うがまま視聴覚室に来ていた。落ち武者が視聴覚室に来るよう言った後すぐに消えたから追いかけるしかなかったのが現状だけど。
俺には悪い予感がしていた。海土が言った「家族」って言葉に落ち武者は反応し、俺たちをここに連れてきた。ここで何をするかはわからないが恐らく「家族」が関係することなんだろう。
そして、俺の予想は見事に的中した。突如落ち武者に渡されたディスク。落ち武者は俺たちにそれを見ろとしか言わない。俺は落ち武者からディスクを受け取ると画面に映し出した。
「…」
「…」
「なんだこれ…」
「なんなんだよこれ…」
「一体なんだってんだよ!」
ディスクに映し出されたのは俺の家族が死んでいく様だった。それも誰かの意図的に殺されていく内容だった。そんな急に渡されたディスクの内容を信じれるわけがない。わけがないのに、なぜか本当のようにも感じる。
「これでわかったと思いますが、もうお前たちに帰る場所なんてないのです」
「これが本物だって証拠はどこにある!」
そう言うと落ち武者は後ろからネックレスのようなものを取り出した。
「!?」
落ち武者はにやけ続けている。落ち武者が手に握っているそれは俺が母親の誕生日にプレゼントしたネックレスだった。俺が店に頼んで作ってもらった世界に一つしかないネックレスだ。それを持っているということは、
「あの映像は本当…?」
認めざるを得なかったのを顔に出した俺に落ち武者はネックレスを俺に向かって放り投げた。
そのネックレスには「お母さん、誕生日おめでとう」の言葉が刻み込まれていて、その上に覆い被せるようにして俺は涙を落としていた。
- Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 episode0 ( No.92 )
- 日時: 2020/03/12 18:00
- 名前: 紅茶 ◆wiCxtrVptM (ID: 6Q1uGoC5)
- 参照: http://twitter.com/gogotea_danron
視聴覚室で殺人シーンを見せられた俺たちは再び体育館に戻っていた。大きな体育館の真ん中に俺たちは皆くっついていた。
誰もが青ざめた顔をして、体を震わせている。
「ダメだ…。もうここでやっていける気がしない」
「司翼、落ち着け。そんな気持ちになるのはわかるけど、今は静かにしておけ」
「そうだぞ司翼!殺し合いなんてなかなかできる機会なんてないぞ!」
バンッと音が響くほど力のこもった中田の拳が歌土井の頬を殴った。歌土井は一瞬宙に浮き、吹き飛ばされた。地面に着いてからも歌土井は頬を押さえたまま中田を見つめている。
「あんた最低だな!殺し合いをするなんて誰も言ってないのになんだよ!」
「まぁまぁ、殺し合いはしますから、歌土井くんの言葉に間違いはありませんよ」
「落ち武者!!」
落ち武者は舞台の教壇の上からこちらを眺めていた。フニャフニャの表情をしながら笑った。
「先に歌土井くんに言われてしまいましたが、これから行うのは殺し合いですよ。生き残りたければ殺し合わなければならないのです」
「殺し合いならもうさっきやっただろ!お前は俺たちに何を求めてんだよ!」
「あれは序章に過ぎませんよ。お前たちの学園生活のプロローグってことです。そして、今からようやく本編に入るのです!」
話が長くなったので、俺がまとめようと思う。
まず俺たちはこの学園で殺し合いを行わなければならない。その殺し合いにおいて人を殺した人間をここではクロと呼び、他の生存している人間をシロと呼ぶ。
この学園生活において人を殺したクロだけが、この学校から出て行くことができる。殺人を起こす際の殺し方について方法を問わない。簡単なものから、グロテスクな殺し方まで何でもかまわない。
殺人が起きた時には学級裁判が行われる。その時点で生存している人間たちで「クロは誰か?」をテーマに議論し、殺人を犯したクロを見つけなければならない。その学級裁判の最後には投票タイムがあり、怪しい人物に投票する。その投票で一番多くの票を持つ人間が処刑される。そのときクロを処刑できれば残りのシロは学園生活を続行し、誤ってシロを処刑してしまえば、クロだけが卒業し、残りのシロは全員処刑となる。
学園生活は有限で、一定の期間内にある人物を見つけなければその時点で残っている生徒は全員処刑される。そのある人物というのは俺たちの中に潜んでいる黒幕らしい。期間は30日、30日の終了時点で黒幕が生き残っていれば俺たちは全員死ぬ。ただし、黒幕は殺さなくてもいい。証拠を提出し黒幕と証明できたならこのルールは終わる。
こんなところだろうか。俺にしては上手くまとめれたのではないか?そんなことはどうでもいいが、
「俺には聞きたいことがある」
「なんですか?」
「俺の才能は返してくれないのか?」
「それは少し待ってください。こちらの手違いで間違ってしまったものだから」
「ふぅーん。それは違うだろ?」
落ち武者は目をまん丸くしながらを俺を見る。
「戻ってはお前が不利になるようなことだったからじゃないか?俺以外は全員が戻ってるってのに可笑しいだろ」
「と、とにかく。これから今言ったルールを守って生活してください!」
「おい待て!」