二次創作小説(新・総合)

Re: 食事と戦闘~白と黒のハーモニー~ ( No.11 )
日時: 2021/09/17 07:33
名前: モンブラン博士 (ID: e1WTIp3A)


中須かすみとエマ・ヴェルデはどちらもパンが好きだった。
エマはパン屋でパンを購入し、かすみは自作という違いはあるがパンの愛は変わらない。
そこでかすみはエマにこんな提案をしてみるのだった。

「エマ先輩~! かすみんと一緒にパン作りしてみませんかぁ~?」

あざとく訊ねるかすみにエマはにっこりと笑って答えた。

「もちろんOKだよ~。ふたりで美味しいパンを作ろうね♪」
「決まりですね! 今週の日曜日にしましょう!」
「うん、そうだね。日曜日なら何も予定が無いものね」

話はトントン拍子に進み、パン作りが決まった。
部室から出たかすみはニヤリと意地悪な笑みを浮かべて言った。

「しっしっし。エマ先輩、引っかかりましたね。かすみんの作戦に」
「かすみちゃん、どうしたの?」

悪だくみをすると同時に扉が開き、エマがにゅっと顔を出した。

「いいいいいえ! なんでもないですー!」

手を振ってどうにか誤魔化すことで事なきを経た。
作戦が決行される前に全てが明らかにされては台無しになる。
壁に耳あり障子に目あり。油断は禁物である。
しかし、この少女に緻密な策略などは似合わない。
考える策は非常に単純で可愛らしいものばかりである。
だからこそ、かすみが皆に愛される理由でもあるのだが、本人はそれを知らない。