「果林ちゃん、よろしくね」「そうね。お互い、正々堂々戦いましょう」試合前の握手。にこやかに微笑むエマの手を握った果林は驚愕した。なんという万力のような握力なのだろうか。握られた手が潰れるかと思った。戦慄を抱いてエマを見るが、彼女はいつものように穏やかな笑みを浮かべている。軽く握っただけでこの握力。本気で握られたらどれほどの威力があるか想像もできない。果林は軽く身ぶるいして自軍のコーナーに戻った。