二次創作小説(新・総合)

chapter2 初仕事 ( No.22 )
日時: 2021/11/13 05:50
名前: 雪雨 (ID: 9s66RooU)

chapter2 初めての仕事




ガラン!ガラン!ガラン!

「朝だー!!朝が来たぞー!!
仕事の時間だあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



「うっせえええええええええええ!」

身体を起こし、音の正体を探す。
バァンッとドアを開けて廊下に出れば、ヤルキモノがベルを持って部屋を走り抜けようとしていた。

「おっ、新顔だな!!
俺はここの騎士団の一人、モールスだ!! 副団長様直々に朝の知らせを担当させてもらっている!!」
「あ、あぁそう…。」
「自由に寝てもいいが!!仕事はせねばならん!!
あぁ、丁度みんな起きたみたいだ!!次は団長様を起こさねば!! ではっ!!」

そう言ってモールスはベルをガランガランとベルを持ってフェイがいると思わしき部屋に突撃しに行った。

「ライトぉ…。何の騒ぎぃ…?」

目をこすりながらノヴァが二段目のベットから顔を出してくる。
そりゃあんな大声を部屋の前でやられたら同居人も起きるだろう。当然だ。

「あぁおはよう。ノヴァ。
…目覚まし時計が作動しただけだよ。支度して仕事しに行きましょ。」
「そうだ!騎士団に入ったんだ!」

と、ノヴァが二段ベットから軽々と飛び降り、マフラーをする。
そして隣にあった帽子を手に取り

「はい。ライト。」

僕に渡してきた。
昨日、ハハコモリがお礼と言って渡してきた帽子。
…よく見るとメンズものだ。

「ありがとう」

しかし、そんなこと気にしない。
帽子を被り、僕たちは部屋から颯爽と飛び出していった。





昨日、相談所と思わしき場所にたどり着けば緑色の、ランクルスというポケモンが僕たちを見て顔を明るくし、近づいて行った。

「どうもどうも~。キミたちがチーム“アルバ”なのかな?かなぁ?」
「う、うん。そうだけど。」
「思った通り、思った通り~!
初めて、初めて~! パラケルは~、パラケルっていうの~!
ここの相談所の受付を担当してるんだよぉ~!」

ふわふわと浮かびながら握手を求めるパラケルに手を伸ばす。ノヴァも同じくそうするとぶんぶんと腕を振って喜んで握手をした。

「ふくだんちょーからね、ここの説明してって言われてるんだ~!
だから説明するね!」

エッヘンとした顔をしながらパラケルはコルクボードに近づいて行った。

「このボードに張ってるのはね~、落とし物しちゃったり~不思議なダンジョンに迷ったりしちゃった子たちの依頼を張ってるの~!」

「ふしぎのだんじょん?」
「ライト、前であった鬱蒼とした森あるよね?」
「う、うん」
「あそこすごい迷いやすそうで、道がしっかりしてたでしょ。
あそこも不思議のダンジョンなんだよ。

入るたびに地形が変わってったり、落ちてるものも変わるんだ。
一番に怖いのは不思議のダンジョンで力尽きると持ってた道具とお金が半分になったり、なくなったりするんだよ。」
「すごいすご~い!よく知っててパラケル感心感心~!」

キャッキャッと喜ぶその姿は子供のようだ。

「ここの依頼をパラケル達に教えて受理されたら~そこから依頼開始だからね~!
なんてたって騎士団はアンビション騎士団以外にもいっぱいあるからね~!
受理したしてないの報告されないとパラケル達困っちゃうの~」
「ほかの騎士団がやってないと勘違いして無駄足を踏むから、ですか?」
「そう、そう~!アルバは飲み込み早くて感激しちゃうな~!しちゃう~!」

きゃいきゃいと喜びながらパラレルは一枚の紙を手に取る。

「ふくだんちょーがね、とっておいて―って頼んだ依頼があるの。あるの~!
これをアルバにやってほしーって!」

はい。と渡された紙を見る。


『拝啓 騎士団の皆様方
初めまして。私、イーブイの“イヴ”と申します。
実は先日落とし物をしてしまいまして、とても困っているのです。
兄弟や親がなけなしのお金をうって買っていただいた代物でして、私にとっては宝物の一つなのです。
救助隊や探検隊、調査団の方にもご連絡させていただいておりますが一向に依頼が実行されたご様子がないため、お忙しいと思いますがこちらにご連絡させていただきました。
宝物は“なないろのマフラー”です。
ピンク色の半透明の星のバッチがついているためわかりやすいかと思われます。
もし。よろしければ探してきていただけると嬉しいです。

イヴ』

「…そっかぁ。救助隊も探検隊も調査団も忙しいんだっけ…。」
「可哀そうだよライト!これ受けよ!」
「…まあそのつもりだったから。」

その一言を聞けばパラケルはそっと持ってた依頼書を持ち、

「二人なら受けると信じてた~!信じてた~!
じゃあこれ、受理するね~!」

そう言って依頼書を両手に持ち直し、目をつぶってこういった。

『依頼ナンバー23097 受理完了。速やかに依頼ナンバー23097の依頼書をしまうように。』


「はいっ!これで完了~完了~!」
「これで…いいの?」
「うん!これでほかの騎士団のランクルス達に届くよ~!」
「よしっ。初めての仕事、頑張ろうね!ライト!」
「う、うん。」

二人のキラキラとした目に圧倒されながらうなづく。


…なないろのマフラー、半透明の星のバッチをつけてる…。


見たことあるような…?