二次創作小説(新・総合)

chapter4 ウチュウイチ ( No.43 )
日時: 2021/11/18 17:04
名前: 雪雨 (ID: 9s66RooU)

chapter4 我らが3匹ウチュウイチ!




ガランガランガラン!!

「ノーヴァー!」
「モールスさん!今日明日休みの許可下りてるので!!これ以上はやめてください!!」
「ならん!!これから団長様を起こさねばならんのだ!!
休みならこのまま退散する!!失礼!!」

ガランガランガラン!!!

「うっせえええええええええええ!!」


結局休みの日の朝寝坊なんてできない。
僕はそう悟った。
それと同時にじゅうまんボルトを放つためにモールスに近づこうとするのを、ノヴァは羽交い絞めして止めていた。




街に出れば、イヴが僕たちを見つけた瞬間駆け寄ってくる。

「聞いたわよ!今日と明日お休みなんですって?
遊びつくすのは構わないのだけれど、ライトの傷具合が…」
「僕のことは気にしないで好き勝手やろうよ。
…、といっても何もやること思いつかないんだけどね~。」

ぐるぐる包帯巻きにされているピカチュウがいるせいか街の住民から心配そうな視線が刺さる。
確かに少し歩くのは痛いし、ノヴァあたりに肩を借りらないと歩きづらい。
それを踏まえても、やることがないのだ。


ぐうぅ~~…


「あ、あはは…。
朝ごはん、食べません?お腹すきました…。」
「まあ何も食べてないもんね。レガーレに行って食べようか。」
「私食べてきたから優雅なティータイムでもしようかしら。」
「でも、朝どれだけ食べても太らないって言われますし…。」
「私、体重、気にして、ない」

イヴはノヴァの足をガブリと噛む。

「いーたたたたたたたっ!すみません!すみませんんんん!!」
「バカしてないで行くよ…。」

ぎゃいぎゃい文句をいうイヴとそれを真面目に聞くノヴァを横目に僕らはカフェ、レガーレに行くのであった。




「いらっしゃいませ~」

そういうリボンは今日も可愛らしい笑顔で接客をする。

「あら、アルバさん達ではないですか。どうぞごゆっくり。
ご注文もう決まってましたら聞きますよ?」
「昨日寒いところ行ったし…ホットミルク。あとパンケーキ食べたいな。」
「私は紅茶の無糖の温かいやつと…そうですね。フルーツサンドでお願いします。」
「私、ミルクティーのホットと、同じパンケーキがいいわっ」
「はーい。かしこまりました~」

と笑顔で注文を受け取ったリボンは「好きな席でお待ちくださいね。」と言って作業スペース、カウンターの元へと行った。

「…あれ。ルナさん?」

と僕がそう言えばノヴァとイヴは僕の目線を追う。
そこにはブラッキーがいた。

「お姉さまじゃないわ。お姉さまああいうスカーフつけないもの。」
「あー、じゃあ別個体かぁ。」
「…。」

ジロジロ見てしまったおかげで不機嫌になってしまったようだ。

「あー、ごめんね。知り合いに似てたから―…てあれ。」

よく見ると、騎士団のバッチが輝いていた。

「キミも騎士団なんですか?」
「あぁ…。そうだが…。」
「偶然ねっ。相席いいかしらっ」
「と言いつつ既に座ってるだろう。」

と、ふぅとため息をつくブラッキーはのんびりとコーヒーをすすった。

「僕達、チームアルバ。僕はライト。リーダーだよ。」
「私はノヴァと申します。」
「私、イヴ!イーブイ系同士、仲よくしてほしいわ!」
「…ツムギ」

ぼそりと彼は名前を言う。
中々の顔立ち。ふむ。これはクール系男子でモテるやつやつだな。

と、分析してる間に

「はいお待たせしました。ホットミルク一つ、無糖のホットティー一つ、ホットのミルクティー一つに、パンケーキ二つに、フルーツサンドです。
お間違いないですか?」
「大丈夫。」
「わかりました~。それではごゆっくり。」

とリボンは僕らにニコリとした後、ツムギの方にもにこりと笑顔を見せた。
ツムギはスンッとしながらコーヒーを飲む。

「あつっ」
「ぐいっといくからよ?」

と滅多に見れないであろうリボンの砕けた口調。そして笑顔を見せた後のツムギの行動。



僕とイヴはにんまりと笑いながらパンケーキを口にする。
シンプルなものにして正解であった。ふんわりとしていて、甘さは控えめ。
だがしかし、ホットミルクがパンケーキの所謂砂糖のスパイスを足してくれてとてもおいしい。
蜜もバターもいらない。多分、おそらく、僕が口にしたパンケーキの中で一番のものだろう。絶品だ。

と、食レポをしている場合ではない。
くるりとイヴの方を見れば「わかってるわよ」の笑顔とウィンクを見せ、それを見たノヴァは首をかしげながらフルーツサンドを口にした。

「ねぇツムギ、君ってさぁ…」






「失礼するぜ!!!」


バンッとドアを開けて客の目線を集めた。

そこにいたのはイヴが言ってた“ウチュウイチ”と呼ばれる騎士団

フローゼル、ドッコラー、タタッコの三匹だった。

chapter4 ウチュウイチ ( No.44 )
日時: 2021/11/18 20:40
名前: 雪雨 (ID: 9s66RooU)

「んでさぁー!!
モッコウがそうしたころにはもう相手はイチコロよ!!」
「さすが兄貴って感じだったぜ!
ピクスもあの場にいりゃー兄貴のすごさわかったのによぉ!!」
「そこに痺れる憧れるっス!!
そもそも兄貴のすごさはわかってるっつーかぁ?宇宙一って感じっスよ!!」


ぎゃはははははは!!!


「うるっせえ…頭に響く…。パンケーキの味わかんなくなってきた…」
「つかあいつら朝っぱらから酒飲んでるの…?」
「さすがに…あれは目に余りますね…。」

ウチュウイチと呼ばれる騎士団がやってきたことによりオシャレなモーニングから居酒屋チェーンに早変わり。
元々お酒はレガーレには販売してないのだが、やつらが手にしてるのはビール。
どうやら持参してきたようだ。これにはリボンもひきつった笑い、というか眉をひそめている。
だが、恐る恐る、店長としての務めはあるのか、彼らに近づいた。

「あ、あのぅ…。」
「んん?どーしたんだぁ?」
「い、飲食の持参は遠慮してほしい…のと、大声の会話はほかのお客様のご迷惑に…」
「あぁ?!フローの兄貴、つまり宇宙一すげぇやつの邪魔をするってのかぁ?!」
「ひぃぃぃ…!!」

そういえば“ハロウィン”と呼ばれる探検隊が言っていた。
フェイがあなた達みたいなやつを騎士団にいれないと。

前の騒ぎもそうだが今回の騒ぎを見ればわかる。フェイがあの三匹を騎士として認めないと。


リボンは完全に怯えてしまい、ウチュウイチの好き勝手やる店になってしまった。


ダァン!



隣からそう音が聞こえる。
まるで、カップをイラつき様に置いたようなそんな音。

「お前ら。迷惑だ。 り…店長も困ってるだろ。」
「んだとぉ?!こっちは客っスよ!」
「そーだ!そーだ!」

ツムギがそう彼らに近づき注意すれば、リボンはツムギの後ろに隠れるように移動する。
そして、そう口出しした時、イヴも乗りかかる。

「そうよ!こっちは優雅なモーニングタイムを過ごしてたのにあなた達のせいで全部台無しよ!」

僕も乗りかかる。

「表出ろぉ…。今僕は最高に機嫌が悪いんだよぉ…。」

「ああぁ…」

ノヴァは悟った。もうライトたちのことを止められないと。
リボンも怯えて声も出ない状態だ。この惨状を止める術はない。

フローゼルは椅子から勢いよく飛び降り、

「んじゃあ勝負だ!
このフロー様と!!」

同じく椅子から降りたドッコラーと

「フローの兄貴のしもべ、モッコウと!!」

そしてさらに同じく椅子から降りたタタッコが

「フローの兄貴のしもべその2のピクスの!!」

「「「騎士団チーム、ウチュウイチが相手してやるぜ!!!」」」

酔っ払い騎士団と、アルバ+αは決闘のような争いをするようになってしまった。



「ツムギさ…」
「大丈夫だ。どうにかしてやる。」


そんな声を聴きながら店を6匹が出て行ったのだった。


「…大丈夫ですか?」
「…す、すみません…腰が抜けてしまって…。」
「ひとまず落ち着いてください。大丈夫ですから」
「はい…。」

なんか黒い波動を感じたが気のせいだとスルーしよう…。

chapter4 ウチュウイチ ( No.45 )
日時: 2021/11/19 03:35
名前: 雪雨 (ID: 9s66RooU)

店の外へと出た僕ら。
3対3で対面し、にらみ合うその姿。この姿を見たポケモン達はなんだなんだと騒ぎを見に来ていた。

「さあ~、どいつがこのフロー様と相手になんだぁ?」

ビールによって酔っ払いと化した彼は目に焦点が合ってない。
まるで悪夢の影響でやられたポケモン達のようだとライトは思った。

「そこのピカチュウ、ボロボロじゃないっすか!
フローの兄貴!あいつはこのピクスにお任せくだせえ!」
「あぁ!頼んだぞ!!」
「そうだもんねぇ、そうだもんねぇ!
君だと僕を相手したら相性的に不利だもんねぇ~!!!」

朝っぱらから起こされた怒り、パンケーキの美味しいさを奪われた怒りで我を忘れ、煽りにあおる。
ボロボロの身ではあるがこのフローとやらをどうこうできる力は持ち合わせていると自信をもってはっきりと言える。

「あ゛あ゛?ならばこのフロー様直々にあいてしてやろう!
俺にたてついたこと、後悔させてやるぜ。」

やった。釣れた、と僕はにやりと笑う。


「そこのブラッキーはこの、モッコウ様が相手してやる!」
「あぁ…かかってこい。」

凛とした佇まいで、彼はそういうと、挑発と感じたのか、キィーと木工を地面にバンバンと叩きつけた。

「じゃああんたは私ねッ。女だからってなめないでほしいわッ」
「お前こそ、このピクスが名前通り叩きまくって何も言えないようにしてやるぜ!」

シュシュシュとシャドーボクシングをすれば、イヴは良い笑顔でピクスを見つめた。



「あぁ…うぅ…大丈夫でしょうか…。」
「ツムギさんはわからないんですけれど…ああなったら止まらないですよ…。特にライト。」
「うぅ…頑張って勇気を振り絞って注意したのですがまさかこうなるだなんて…。」
「リボンさん、あれは当然の対応だと思います。なので責任を感じる必要性はないかと。」
「…ありがとうございます…。」

そう遠くで穏やか組が遠目で見守っていた。





第一戦 【イヴVSピクス】

「俺は女だからって容赦しないっすよー!」
「あーら、私より強い保証なんてどこにあるのかしらッ」

かるーく挑発をすればピクスは赤くなり、怒り状態となっている。
アルコールは本当に使い心地がよくて、使いやすい。
そうイヴが思えばピクスはこちらにパンチを繰り出してくる。
それをジャンプで躱す。
ピクスはそれを見つけ、二度目のパンチを繰り出す。
当たった!ピクスはそう思った。

「ふぁんふぇんふぇしふぁ~!!」

と鋭い牙で噛まれた触手と共に地面に叩きつけられる。
あいたた、と起き上がれば、イヴの姿が見当たらない。

「こっちよ!」

まず後ろに警戒べきだ。それを理解していたピクスはそちらに目を向けたがそれはイヴの作戦のうちに入っていた。
穴からバッと出て、ピクスに思い切り身体を叩きつけてやれば…

「ぐぬっ…兄貴…すいやせん…」

たった一匹の女の子にやられる気持ちはいかがだろうか。
イヴはその心地よさにどや顔をするのであった。