二次創作小説(新・総合)
- chapter0 オープニング ( No.9 )
- 日時: 2021/11/11 00:58
- 名前: 雪雨 (ID: 9s66RooU)
「どっせぇぇぇぇぇい!」
バルキー、通称“ルキ”が放ったパンチ。
僕とノヴァはその場から一目散に躱せば、その地面は抉れた。
「うえぇぇ?!何あの威力?!」
「メガトンパンチです!当たらないよう気を付けてください!」
そういいながらノヴァはバルキーにキックをかました。
あれは…“ローキック”か。
「ノヴァ様!洗脳でもされているのですか?!
大丈夫です!今、私が叩き直してあげますから!
…そのためには…。」
そのローキックを軽々と受け止め、上記の言葉を発しながら僕を見た。
ノヴァをその辺の茂みに投げ込んだ。
「うわあ?!」
ノヴァの叫びと同時に僕の元へとやってくる。
その速度たるや、かなり鍛錬しているバルキーだとわかる。
バルキーは僕の頬に重い一撃を、重いパンチをたたきつけた。
バキィ…と嫌な音がした気がする。それに、叩きつけられた頬がひどく痛む。
だが。
「女子に暴力振るなって教わらなかった?」
煽り文句と共に僕はそのままバルキーの腕を鷲掴む。
「…むむっ?!」
バルキーは剝がそうと僕を掴もうとした瞬間。
バチバチバチバチバチバチ!!!!
電撃を放つ。
バルキーの拳が当てたところは丁度ピカチュウの赤い赤い頬。
つまり、電気が貯まる頬袋に一撃を入れたのだ。
「ぐうぅぅぅぅ!
ま、まだまだです!!」
「うあっ?!」
バルキーの力の強さは僕の想像を遥かに超えていた。
腕に引きはがされないよう引っ付いた僕を軽々と引きはがし、また、あのパンチをかまそうとする。
正直、レベル差が、足りない。
やられる。
その時だった。
「あ゛っぐぅ!」
青い球が、エネルギー弾がバルキーに命中し、吹っ飛んだ。
「…は、どう…だん?」
おかしい。はどうだんなんて、リオルはまだ覚えられない。
しかし目の前の光景はなんだ。確かにノヴァはもう一発、青い球を両手に貯めている。
夢ではない。
そう、事実は小説より奇なり。よく言われる話だ。
バルキーは次々放たれるはどうだんを交わしながら、たまに当たりながら、ノヴァに一喝を入れようとしてくる。
だが、そうはさせない。
バチバチと頬の電気が有り余ってる。
両手を地面につく。
狙うは頭。
「ちったぁ話聞きやがれ脳筋がァァァァァァァァ!!!」
電気を纏った僕はバルキーに突進し、当たっていく。
「ぐあああああああああ!」
予想以上のダメージを受け、バルキーはその場に伏せた。
殴られた痕が痛い。
口を拭い、ぺっと溜まっていた血を吐く。
「ら、ライトさん…お強いですね…。」
「そっちこそ。中々やるじゃん?」
ノヴァと僕は近づき、軽くグーパンをする。
しかしながら、バルキーには申し訳ないことをしてしまった。
「ライトさん?」
ノヴァは僕の行動を不思議そうに見た。
僕はきょろりと周りを見渡し、目的のもの、オレンの実を木によじ登ってむしり取る。
僕はかじり固いその感覚に眉をひそめながら、バルキーにさらにその半分を渡した。
「ぅ…うぅん?」
バルキーは頭を抱え、目を覚ました。
「ハッ。ノヴァ様!ご無事で!
…して、その隣の方は?」
オレンの実をかじりついた僕をバルキーはキョトンと見た。
「さっきのこと、覚えていないようですね。」
「…さっきのこと、よーく耳に入れさせて現状を知ってもらわないと。」
バルキーは正座し、話をきちんと聞こうとした態度で、僕たちを見上げた。
- chapter0 オープニング ( No.10 )
- 日時: 2021/11/11 02:17
- 名前: 雪雨 (ID: 9s66RooU)
かくかくしかじかと、バルキー…ルキに説明した。
「大変ッッッッッ申し訳ございませんでしたァァァァァァァ!!!」
正座から土下座に変わった瞬間僕はびっくりし、
「えっ、えっと…大丈夫だよ。
の、ノヴァのためにしたんでしょ? 僕は…怪我しちゃったけどポケモンの宿命…だ、し?」
とフォローにならないフォローをいれる。
するとちょいちょいとノヴァが肩をポンポンと叩いてくる。
「あの、ライトさん。」
「…何?」
「これが異変だということ…ルキと一緒にお話しさせてください。」
「い、へん。」
キョトンとした僕にノヴァとルキはキリっとした目で僕を見つめた。
「最近、ポケモン達が狂暴化しているって話しましたよね。」
「そ、そうだね。」
「それには、悪夢が関わっているのです。」
「あ、悪夢?」
それって悪い夢?ってことだよね?
それだけだったら日常的に起こり得るはずだから特に文句ないと思うけど…。
「ただ悪い夢を見る。というのではないのです。
普通、悪い夢を見れば“あぁ、嫌な夢を見たな”で終わると思います。
ですが、連日…なのです。」
「ルキ…だっけ。連日ってどういうこと?」
「何日も続けて、毎晩毎晩悪夢を見る、ということです。」
キリっと先ほどの理性がないルキよりは代り映えした彼はそう言った。
「ルキの言う通り。最近毎晩の悪夢、それも質の悪いものを見続けられるということです。
それにより、最近ポケモン達が理性が焼き切れ、狂暴化し、本来思い浮かばない悪いことをし、おたずねものになってしまう。ということが起こっているっているんです。」
ノヴァが追記をした。
つまり先ほどのルキは…?
「ルキも、理性が焼き切れちゃった。てこと?」
「お恥ずかしながら…。最近夢見が悪く…。」
「あー…なるほど…。」
ふむ、と考える。
つまりその狂暴化しおたずねものになってしまったポケモン達を討伐し本来の性格に目覚めさせる。
それがノヴァのいう騎士団の役目なのだろう。
なので僕の考えた言葉、いや選択肢は一つ。
「ノヴァ。僕、騎士団入る。」
「ほんとですか?!」
「いやいやいやいや!!何をおっしゃるんですか!
ヴィブ様とリュカ様がなにをおっしゃるか!」
「うるさーーーーい!僕はライトさんと騎士団に入る!
お父様とお母様は“正義を貫きなさい”そう言ってました!
だから僕はルキと帰らない!そのまま町に行って有名騎士団“アンビション”に入るんです!」
ルキはその話を聞くと、膝をつき礼をした。
「わかりました。ノヴァ様の意思はお二方に伝えておきます。
もし。もしこれで駄目だという判断が来た場合、即迎えに来させていただきます。」
「そのたびに追い返してやるんだから!」
僕の知らないところで勝手に話が進んでいる…。
でもよくわかった。狂暴化と騎士団の関係性が。
行くところがない。そして、なぜか惹かれる騎士団と悪夢という存在。
だから僕は決めたのだ。騎士団に、ノヴァと共にいることに。
「ノヴァ、行こう」
「…はい!ライトさん!」
「ルキさん。ごめんなさい。後の処理を任せます。」
「お任せください!その理由であればお二方は納得するでしょう!」
にこやかに彼は笑った。
ポケモンは、悪い子はいない。
それを体言した瞬間だった。
僕たちはルキと別れて鬱蒼とした森を抜けるため歩いた。
「あのね、ノヴァ」
「はい、何でしょう!」
僕たちは地形が変わるよくわからない森を歩きながらも、この世界の様々な常識を教えてもらっていた。
そして、とあるむずがゆい思いが下りたのだ。
「僕に敬語、使わなくていいから。」
「…え、で…ですが…。」
「さんもいらない。ノヴァ、僕のことはライトって単体で呼んでよ。
敬語なしで。」
「…。」
ノヴァは少し考えた。そしてうなづく。
「ライトさ…ライトがそういうなら…うん。敬語、頑張ってやめます…いや、やめるね!
これからもよろしく!ライト!」
「うん。よろしく。」
握手を交わしながら進む森の先には、広い広い街がそこに顕在していた。
chapter0 終了