二次創作小説(新・総合)

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.107 )
日時: 2022/04/07 21:11
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※今回はアルドールの王・レインと陽気な魔法使いの青年・ポップがメインのお話になるので、ご了承下さい。
後涙腺描写びょうしゃも含めているので、ハンカチを持参しながら閲覧えつらんして下さい。

第76話「お互いの悔しさと後悔と」

【魔導船内 就寝部屋】

「…………ッ!!!」

畜生っ。とわの大馬鹿野郎!!
何だってアンタはいつもいつも、そうやって無茶しやがるんだよ!!
俺の1番大切な仲間を守った事は感謝してるけどよ、何もアンタが犠牲になる必要がねぇじゃねーか!!
俺だってなぁ、たった1人の大事な姫さんを守る為に犠牲になった事があるんだよ!!!

がちゃっ………

「ポップ……」
「……。レイン……う う う……」
「ずるいな……」
「えっ………?」
「俺だって必死で涙をこらえてるのに、君が先に泣き出すから俺もつられてしまったじゃないか!」
「……。アンタはグランシェルトの騎士である前にアルドールの王様だろ、こんなみじめな俺を見て笑ったり何なり好きにしろよ!!」
「いや、惨めには思わないさ!!」
「……?」
「隣……、座ってもいいか?」
「………。いいぜ、仕方ねーから大切な仲間の話くらい最後まで聞いてやらぁ!!」
「全く……、そういう時だけ君は素直じゃないなぁ(汗)」

レイン王は語り出した、第2の故郷ふるさとでもあるグランシェルトを離れたきっかけを。
それは父であるレーゲンのおっさんと再会する為に、ラスウェルっていう奴と一緒に旅を始めたらしい。
そして彼がのちに知ったのが、その世界の遠い未来での出来事。
ラピスという世界にいた時は、相容れぬ存在とも呼べる悪の親玉・ソルとの激突がいくつか続いていた。

「……。三闘星のヒョウになっても、ソルは俺の事を本名で呼んだんだ」
「……。じゃあ、ポーチカって村で出会ったアンタはその姿になる前だったのか?」
「そうだ。ラピスでの激しい激闘の末、俺はいなくなりそうになった事があるけど……もしあの時。もう1人のフィーナが与えてくれたクリスタルの加護がなかったらこうして立っていなかったかも知れない」
「………」
「あの頃の俺に残されたのは、その道を進むしかなかったからな!!」
「………。……めろよ、やめろよそんな事言うのは!!」
「ポップ……?」
「確かに俺ァよ。その時のアンタを見た事はねぇけど、今俺の傍にいるアンタはその頃のアンタじゃねぇだろ!!」
「………」
「ふざけんなよ。過去に何をしたか知らねーけどよ、いつまでも引き摺ってんじゃねぇよ!!💢💢💢💢」
「ポップ………」
「そんなアンタを信じてるあいつの……、フィーナの気持ちもちゃんと考えてやれよ………」
「そう……だな……、そうだよな!!」
「まっ、お互い泣いちまったしよ! おあいこって事にしとこうぜ♪」
「ポップ……。ああ、そうだな♪」

普段の彼は抜けているとこもあるけど、こうして語るといつものレイン王その物に見える。
少し離れた所で見ていたセシル王にも笑顔が戻り、何も心配はなかったかのようにコックピットに戻っていく。
今頃そのコックピットでは、目的地に早く着く為の最短ルートについての会議が行われている頃だろうな。
もしこの調子だとしたら、約束していた例のお店に着くのは明日になりそうだぜ。

77話に続きます。感想OKですよ♪