二次創作小説(新・総合)

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.122 )
日時: 2022/04/14 08:53
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第90話「それぞれの門出②」

【パラディアの世界 アルドール】

「あ! お帰りなさいレイン、久々の休暇はどうだった?」
「ああ。楽しかったよメーア、フィーナと貴重な時間が出来たから良かった!」
「……って言ってる割には、さっきからあなたについて来てるけど?」
「……ッ!!フィーナ、いつからいたんだ?」
「ずっといたよ? それにあの戦いの時でも私言ったよね、もう……好きな人と離れて暮らすのは嫌って!!」
「…………」

確かにそうだ、あの頃のフィーナは幼い頃の記憶がほとんどなかった。
幼少期の俺が時々苦しむのも、そのせいかも知れない。
そして父さんはヴェリアスになってからもずっと、幾多の闘いを乗り越えて来た。
今此処にいる俺たちは、あの頃の俺たちじゃない。

バァンっ

「ようレイン、長い休暇だったみてーだな!」
「ファリス! お前こそどうしたんだよ、わざわざこっちに来るなんて!」
「いや。俺が会いたかったのはお前じゃない、フィーナだ!!」
「えっ……。わ、私……?」
「そうだ。もうお前が決めた事なら俺から言うことは何もない、でもな……これだけは言わせて欲しい!」
「………」
「フィーナ。下ばかり見ずに前を見ろ、そして……そんなお前たちを狙う輩がいても俺たち仲間が全力で闘ってやる!!」
「ファリス……」
「要するにだな。フィーナ、お前は1人じゃないってことだ。あまりお前ばかりに構ってたら、後でレイン王に叱られるのは俺だよな!」
「………。こんな時にだけ『王』を付けるなって、何度も言ってるだろ!!」

確かに、ファリスの言い分にも一理ある。
例え前皇帝だったウラドとの闘い後も、呪われた人形との闘いが何日か続いたんだよな。
その闘いで、俺たちは大切な仲間を1人失ってしまった。
もし彼女の加護がなかったら、今の俺たちはなかったかも知れないな。

【デルムリン島 アバンの墓前】

パサッ………

「…………」
「エアリス殿。私はあなたに伝えなければならない事がある!」
「分かるよ。それにハドラー、わたしを誰だと思っているの?」
「…………」
「わたしはセトラの民であり、冒険家・ロックをいつも支えている彼の妻なんだよ? あまり多くを言わなくても、あなたが以前何をしたのかは大抵知ってるから!!」
「………。本当に、申し訳ないと思っている!」
「確かに。もしこの場にダイやマァムたちがいたら、彼女たちが大きなダメージを受ける事に関しては間違いないかな。でもね、わたしたちはいなくなってしまった人たちの分まで呪われた人形との闘いを勝ち取ったんだよ?」
「エアリス殿………」
「ねえハドラー。今わたしやロックたちと一緒にいる理由、今も継続しているんでしょ? だったらね? かつての事を引き摺るより、これからの道を歩んでいけばいいとおねーさんは思うんだけどな〜……?」
「そうだな……、確かにそうだよな!!」

時に古代種の娘よ、お前がいてくれたから俺は過去と決別出来たかも知れん。
しかしあの男が何処かで聞いていたら、俺は半殺しにされるだろ。
人様の妃を泣かせただけでなく、困らせたりしたら半殺し程度では済まされない。
まるで、本気で怒鳴るあの魔法使い・ポップ並に恐ろしいかも知れないから金輪際刃向かうのは止めるとしよう!!

最終話に続きます。