二次創作小説(新・総合)

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.73 )
日時: 2022/03/24 16:54
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第46話「エアリスの過去 前編」

【キノコ王国 ピーチ城 大広間】

きゅっ…… きゅっ……

「おやロック、大荷物を抱えてお出掛けかい?」
「ああ。1日か2日間エアリスの家で過ごすよ」
「そうだね。2人で話す事もありそうだ、皆にはボクから事情を話して置くから安心したまえ!」
「ああ。………ありがとうな、アイ!」

まるでアイは、俺の過去を察したように思えた。
よしっ、まずは待ち合わせしてる彼女の家に行こう。
出発する前にルイージが用意してくれたキメラの翼を使って、エアリスの家に向かう。
凄いな、何で便利なアイテムなんだよ。

【伍番街スラム エアリスの家】

コンコンっ

「はぁ〜い。……なんて言うのは冗談よ冗談、入ってロック!」
「何だよ。………ありがとうな、エアリス」

彼女の返事を聞いた後、俺は家の中に入る。
かつて自分を育ててくれた人と、実の両親の写真立てが飾ってあった。
折角涙を堪えてるのに、今解放してどうすんだよ。
そんな気持ちもお構いなしに、エアリスはお茶を淹れてくれる。

「はいっ、冷めない内にどーぞ!」
「………。なあ、そろそろ聞かせてくれないか? 君の過去を」
「いいけど。あんまり面白くもないよ?」
「それでもいいんだ、頼む!!」
「ロックがそこまで言うなら……。分かった、覚悟して聞いてね?」
「ああっ!」

それ以前に俺は、覚悟の上で此処に来たんだ。
いつか話すべき日が今、やって来ている事を。
お互いのお茶を少しずつ飲みながらも、エアリスは語り始めた。
自分は俺やティナたちとは違う、別の存在だと言う事を。

『お母さん、いつまで此処にいないと行けないの?』
『あのねエアリス、それはね……』
『此処にいるの嫌、お外で遊びたい、お友達作りたい!! こんなとこ、もう嫌だよ〜!』
『ごめんね。ごめんね、エアリス』

あれは、まだわたしが8歳の時だった。
ある研究所で幼少期を過ごしていてね、その時はお父さんが先に亡くなっていたんだ。
ううん、亡くなったんじゃない! 殺されたの、あいつに……。
それが何なのかまでは、大好きな恋人であるあなたに……ロックに話すのが怖かった。

中編に続きます。

過去編はもう少しだけ続きますが、感想OKです。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.74 )
日時: 2022/03/24 21:41
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第47話「エアリスの過去 中編」

【伍番街スラム エアリスの家】

「ちょっと待て。あいつって……、まさか!?」
「そう! セフィロスの実の父親で、ヴィンセントの恋人・ルクレツィアの旦那だったんだ!」

それ以前にあいつは兵を率いて、私の第2の故郷・アイシクルロッジにまで来たの。
目的は初代古代種だったわたしの母、イファルナ。
あなたも聞いたでしょ? 昔古代種が住んでいたって話を。
それが、わたしの実の母で生みの親でもある彼女だったんだ。

バタッ

『さあエアリス、立ちなさい!』
『駄目、これ以上走れないよ、お母さん!』
『見つけたぞ、こっちだ!!』
『もう追手が! エアリス、このままでは私たちは捕まってしまうわ! さあ立って、限界まで走るのよ!!』
『うんっ!!』

もっと、もっと遠くに……! その想いでわたしたちは走り続けたけど。
突然の数発泡がわたしたちに向けられ、身動き出来ないでいたんだ。
兵士たちの攻撃により、幼いわたしを庇った母は致命傷にまで直撃したの。
それでも母は最後の力を振り絞って逃げ切ったけど、母の傷は浅くて……もう長くはなかったんだ。

『大丈夫かい?』
『うっ………。戦争中はよくある風景でしたね………』
『あんた、しっかりしなさい!』
『いいえ、もう無理です! 最後に、お願いがあります………』
『お母さん?』
『私の娘を……。エアリスを、安全な所にお願いします………』
『お母さん……?』
『エアリス……。いつか立派な人になって、あなたの求める約束の地を見つけなさ……い……』
『ううっ……。ヒック……、お母さーーーーーんーーーーー!!!』

死の間際だった母はわたしに、遺言を残してそのまま逝ってしまったの。
結局傷は深くて、もう走れる気力さえなかったから。
これが、わたしの悲しい物語と言い終えるとロックの目から大量の涙が溢れていた。
最後までわたしの話を聞いてくれて、ありがとうロック!!

後編に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.75 )
日時: 2022/03/25 08:27
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第48話「エアリスの過去 後編」

【伍番街スラム エアリスの家】

「………ッ! なんて悲しい結末なんだよ、しかもあの野郎!! マジで許せねぇ!!!」
「待ってロック。実はね……、この話には続きがあったんだ!」

もう1人の母とは、すぐに仲良くなったんだ。
本当のお母さんとは少し違うけど、温かい感触は似ていたから嬉しかったんだ。
その数日かして、もう1人の母も大切な人を亡くしてしまったの。
そして今いるこの家に招き入れてくれて、幸せな日々が続くと思ってたんだ。
だけど、そんなある日にあの人が来たの。

『エアリスを返して欲しいんです、随分と探しました!』
『嫌っ、絶対嫌っ!!』
『エアリス。君は特別な子供なんだ、君の本当のお母さんの血……古代種の血なんだ!』
『嘘っ……。嘘だよ、絶対違うもん! エアリスは古代種とやらなんかじゃないもん!!』
『でもエアリス、時々誰もいない所で声が聞こえていたりしただろ?』
『そんなこと……、そんな事ないもん!!』

その時からだったんだ、わたしの正体が誰かに知らされるのが怖かったのが。
それから数年間の長い年月の間、わたしは神羅から逃げ続けるようになったの。
いつかわたしを受け止めたり、守ってくれる大切な人たちと出会えると信じてね。
そんな事もあって、わたしは離れにある教会で花売りを始めたの。

「………。まさかあいつだけじゃなく、ツォンたちまで絡んでたなんてな」
「生前の母が言ってたの。彼らはわたしの協力が必要だったから、手荒な真似はしたくなかったんだって!」
「……。1つ聞いていいかい?」
「なぁ〜に?」
「手荒な真似って言うと暴力とか色々あるんだけどさ。奴らがエアリスに協力する理由って何なんだい?」
「う〜ん。あの時は必死だったから、忘れちゃったw」
「コラっ!! ………でもありがとう、話をしてくれて嬉しかった」
「うん。それはロック、あなただから信じる事が出来たの。だからね? ありがとうは、わたしの方だから………ッ! う う う………」
「………。エアリス………」

此処までずっと、俺以上に涙を堪えていたんだなぁ。
もういいよ、これ以上は無理に話さなくていいからさ。
君が落ち着いたら、今度は俺が君に話さないといけない事があるんだ。
少しだけ長くなるけど、それでも俺の話をエアリスには最後まで聞いていて欲しい。
俺の過去を話すには、腕の中にいるエアリスが泣き止んでからの方が良さそうだな。

49話に続きます。

はい、前編 中編 後編と3回に分けて描きました。
原典にない過去の話を少しだけアレンジしましたけど、描いてる内に私まで泣きそうになりました。
次はいよいよ、ロックの過去編です。
引き続きハンカチを持参しながら、暫くお待ち下さい。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.76 )
日時: 2022/03/25 23:48
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

リクエスト募集をします。

やっと1つの過去に区切りが付いたので、リクエストを再募集したいと思います。
今回は、ほのぼのと恋愛の選択ありです。

皆さんからの応募、お待ちしています。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.77 )
日時: 2022/03/26 08:16
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第49話「それぞれの役割分担」

【キノコ王国 ピーチ城 キッチン】

キュッ…… キュッ…… キュッ……

「あっ! いつも済まないね、子リン!」
「何言ってんのさマリオさん。いつまでも怖気おじけ付く訳には行かないじゃないか!」
「うん。僕も彼の言葉に一理あります、ついでに頼まれて来ていいかな子リン。リュウさんにこれを届けて来て欲しいんだ」
「うん。勿論だよ兄ちゃん、じゃあ行って来るね!」
「危ないから、ちゃんと足元気にしてね?」
「はぁ〜い♪」

久々に見れたなぁ、弟の笑顔を。
だけどその笑顔は、長くは続かないかも知れない。
彼の兄でもある僕がこの場所にいるからには、少しでも皆を立ち上がらせないと行けない。
そうじゃないと、今この場にいないロック兄さんに叱られてしまうからね!

ガチャっ

「リンク。食材とか調達して来たから、キッチンの方に持って行って!」
「はいっ!」
「ごめんルイージ、無理にこんなお願いしちゃって!」
「もうっ! マリオ兄さんは相変わらず心配性だなぁ、周りが助け合ってこそのチームじゃないか!」
「あははっ、それもそうだね!」

良かった、いつものマリオブラザーズに戻ってる。
以前セリスさんの過去を聞いて以降、ルイージさんは元気がなかった。
そして今回の、壊滅事件!
幸いこの国とアイクくんの家は警備の強化によって、壊滅は免れているからね。

コトンっ

「あっ! どうしたんですかご先祖様、その食材の量は」
「ルイージさんが持って来てくれたんだ、後でお礼言わないと駄目だよ?」
「えへへっ、分かってますよ!♪」
「………」
「どうしたの?」
「あのね。僕の弟のことなんだけど……」
「子リンク先輩が、どうかしたんですか?」
「うん。いつもはあんな感じなんだけど、時々は何かに反応してしまうんだ……」
「………。空さんから大抵の事は聞きました、それは僕たちや皆には言えない理由があると言うことなんですよね……?」
「………。うん………」
「ほらご先祖様! ぼ〜っとしてないで、トマトやじゃがいものとかの下拵したごしらえを手伝って下さい!」
「Σ痛いっ!! 全く息吹くんって、そういう時だけたまにお母さんポジになるんだから!」
「当たり前です。後最後の一言、余計ですから!!」
「……はい。」

まるで、歳下に怒られてるみたいだ。
今日の食事当番は、僕と息吹くん。
ルイージさんの言うように、他の事は弟を始め残ってる皆で助け合わないと行けない。
ピーチ姫が戻る頃には、夕食が出来ているかも知れないなぁ。
残りの仲間の居場所を今、フォックスやファルコたちが一生懸命に探してくれているからね。

50話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.78 )
日時: 2022/03/26 14:24
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第50話「少女の嫉妬と涙」

【キノコ王国 ピーチ城 レインの部屋】

「ぶははははっ。ま、マジかよそれっ!!」
「そうなんだよ。あの時のマリオったら、可笑しくてwww」

珍しい事もあるんだなぁ、いつも控えめに笑うレインがあそこまで笑うなんて。
根からの優しさは一緒に旅してた頃より変わらないけど、私は寂しかった。
天候はあまり良くなくて、洗濯物も殆どが乾いていない。
いいなぁ、私もあんな風に好きな人を笑わせたいよ。

ぽんぽんっ

「やあフィーナさん、今時間は大丈夫?」
「はい。まだ乾いてない洗濯物があったから、乾いてる物のみを取り込んでいます」
「いいよ、後は僕とロイが見回りしながらやって置くから!」
「えっ……。で、でもっ!!」
「あ〜。だからってフィーナさん、悲しい顔は禁止! 折角の素敵な笑顔が勿体無いよ」
「ロイ! それだと返ってフォローになってないよ?」
「あっ……(汗)」
「ふふっ!!」

確かに、そんな感じがするね。
此処には色んな仲間がいるから、沢山楽しめれる気がする。
いつも守られてばかりだから、たまには私から守りたいんだけどなぁ。
何て考え事してると、いつの間にか涙が溢れてしまった。
あれ……? わたし、何で泣いてるんだろう……。

バタンっ タタタタタタタッ………

「ふぃ、フィーナ!!」
「えっ……?」

ギュッ………

「…………」
「れ、レイン……?」
「ごめん。肝心な時に側にいてやれなくて」
「でも。カービィとお話してたんじゃ?」
「ネスが教えてくれたんだ。「フィーナお姉ちゃんが泣いてるから行って上げて! 後はボクが話を聞いて置くから」て!」
「ネスが……、私のためにそんな事を言うなんて意外……」
「まあな。あいつなりに考えてさ、俺に気を遣ってくれたんだろうな」
「………。レイン………」
「ん?」
「あの時みたいに、もう何処にも行かないって約束してくれる?」
「当たり前だろ。金輪際俺は君の側を二度と離れない、何かあっても必ず守ってみせる!!」

私に対する、レインの忠誠心は相変わらず変わっていない。
まるで、私がどんな危険な目に合っても守り抜くと言ってるように聞こえる。
もう少し2人の時間に浸しかけたかったけど、ティの小さな咳払いで私たちは一旦離れる。
もうっ! ティったら、いつの間にいいタイミングを見計らっていたのかなw

51話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.79 )
日時: 2022/03/27 08:48
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第51話「さよなら、ダイ 前編」

【キノコ王国 ピーチ城 大広間】

バァァン………

「皆、大変だ!!」
「ヒュンケルさんどうしたの、そんなに息切らして!」
「ああ。少し前に俺はダイが心配で迎えに行ったんだが、あいつはもう…何処にもいなかった!」
「マジっすか!? じゃあ今頃別の場所に行ってる皆は」
「はい。マァムさんたちは恐らくですが、ダイさんがいなくなった事自体気付いていない可能性が高いでしょう!」

だからと言って今頃彼女たちは、レオナさんを復活させている頃です。
その大事な儀式を私個人の意思で、取り止めにする訳には行きません。
しかし、その儀式を行なっている頃にポップさんがもし敵の手中になってしまったら!
するとそこに大きくて温かい手が、私の頭を撫でています。

「へへっ。心配は無用だぜ、りおん!」
「あ……、あなたはポップさん!」
「良かった。無事だったんだな、ポップ!!」
「ああっ。多分だけどよ、あの小さなお嬢ちゃんの加護がなかったら駄目だったかも知れ……ッ!お、おい皆! どうしちゃったんだよ!」
「ポップさん、お帰りなさい!」
「馬鹿者。我々がどれだけ心配したと思っているのだ!」
「りおん……、ルキア………」

これは嬉しい吉報です、我々の変わりに彼女がポップさんに光を与えてくれました。
彼に代わって、私がお礼を言います。
ありがとうございます、ベロニカさん。
あなたといつか会えるその時まで、遠い空の何処かで私たちを見守り続けて下さいね。

中編に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.80 )
日時: 2022/03/27 10:23
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第52話「さよなら、ダイ 中編」

【キノコ王国 ピーチ城 作戦会議室】

バンっ

「じ……、冗談じゃないぜ! 俺が数日間眠りについてる間に、こんな事になっちまってるなんてよ!!」
「………。ごめん、俺たちがしっかりしていればこんな事にならなかった……」

ぐいっ

「よせポップ、バッツは……「黙ってろ、ヒュンケル!!」………」
「馬鹿野郎。誰もなバッツ、アンタを責める奴らなんて何処にもいねーんだよ!💢」
「ポップ………」
「本当に惨めなのは俺なんだよ。あの時アンタを傷付けたくなくて、ティナを命懸けで守って逝っちまった俺が情けねぇんだよ……」
「いや、それは違うぞポップ!」
「………ッ!!!」

な、何なんだ? 背後から感じる冷徹な気配は。
その気配の主は徐々に近づいて来て、今にも目の前の仲間に手を出そうとする俺を止めようとする。
俺の知ってるクロコダインのおっさんや、ヒュンケルとは少し違った闘気を感じやがる。
それ以前に俺はアンタを知らない、何者なんだよアンタは。

「………。その前によ、聞いてもいいか?」
「何だ?」
「俺とは初対面だろ? 何も知らないアンタが俺の何を知ってんだよ! そもそもアンタは、何者なんだよ!!」
「ポップさん。彼は黒崎一護さんです、あなたがいない間私たちは彼や他の皆さんに助けて頂いていました!」
「前にホロウって奴を倒す死神代行の奴か。へへっ、悪かったよ! 初対面のアンタを拒絶してよ!!」
「いや。自己紹介をしなかった俺が悪い、だからお互い様だ!!」

へへっ、お互い様……ねぇ。
なのに俺は、俺自身が情けない。
自分がいなくなったのをいいことに、大切な仲間に八つ当たりしちまうなんてよ!!
いつかレオナの姫さんが言ってたな、例えいかなる時でも冷静でいないと駄目だって。

スッ………

「壊滅寸前の街や村の復興作業をする前に、俺たちにはやるべき事がある!」
「ふっ。それは恐らく、ダイを再び阻止する事だな?」
「ああ。前にヒュンケルが言ってただろ? 『この世界』内にダイがいないとすりゃあ、ある程度見当が付いている!!」
「……ッ! まさかポップ、その場所は!?」
「そうだ!! 俺に小さな光の加護をくれたあのお嬢ちゃんの気配からするとよ、あの場所以外考えられないぜ♪」
「うむ。あの場所だな!!」
「しかしその場所をよく知るエアリスが未だに戻っていないなら、もう少しだけ待つ必要があるぞ!」
「彼女だけじゃねぇ。俺が1番に尊敬するあの人も一緒にいる筈だ!!」

それまでに俺たちは先に、そこへ行く為の航路を把握して置かなきゃ行けない。
PTメンバーに復活して早々失踪した小さな勇者様を探す事になるとは言え、この大仕事は久し振りに腕が鳴るな!!
ダイのいる場所に行くにしても、特別な楽器が無ければ道は開けない。
黙って話を聞いていたもろはの奴が何か閃き、近くにいるやちよに相談をし始めた。
後は俺と一緒に行く奴らを、俺なりに決めないと行けないから色んな意味で疲れちまうわ。

後編に続きます。

はい、久々のポップ視点です。
今章で再び、あの回が来るとは思いませんでした。
今度こそ敵対せず、無事に死守出来るか出来ないかは作者の腕自身となります。

それでは、次の回を楽しみにしていて下さい。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.81 )
日時: 2022/03/28 00:04
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第53話「仲間との思い出」

【忘らるる都 祈りの間】

ぴとっ

「…………」

もう皆と会うのも、これが最後になるよ。
再び目覚めたとしても、俺には生きる価値はない。
また奴らのいいように利用されるなら、此処で命を落としたいよ。
それでも俺は、まだ生きたいと願ってしまう。

『はははっ。折角覚悟を決めて来たのに、こんな場所で最期を迎えるんですか?』
「えっ……!? せ、先生?」
『ダイくん。思い出してみてください、私からあなたたち使徒に卒業の証を託したのを!』
「えっ………」

それは、アバンの印だった。
確かデルムリン島にいた時、先生は命を懸けて俺たちを守ってくれていたんだね。
だけど、今の俺には新たな技を生み出す事は出来ない。
敵に利用されて、もう1人の自分を産み出してしまったのが行けないんだ!

ガタンっ

「だから、この場所で終止符を打ちたい!」
『可哀想な坊やね。それで残された人たちはどうなるのかしら?』
「煩い! 魔人化した君に俺の何が分かるんだよ!?」
『フフっ。私だって分離しているわ、光の私がこれからも役に立ってくれる筈よ!』
「光のフィーナさんが……」

俺だけじゃなく、あの子にも影がいたなんて。
確か、彼女は自分のいた世界で長い眠りに付いていた。
きっと、実験か何かをされたんだろうなぁ。
まるで、あの頃の幼い俺みたいな感じで苦しいんだろうね。

54話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.82 )
日時: 2022/03/28 08:43
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第54話「レオナの帰還 前編」

【キノコ王国 ピーチ城 大広間】

「………。そうだ、クロコダイン! あれ持ってるか?」
「おう。アレだな、ちゃんと保管してあるぞポップ!」
「マリオ兄さん。2人の言うアレって……」
「うん。クラウドの世界で言う『PHS』みたいな奴だよ!」

それに近い貴重な物を、彼らは肌身離さず持っていた。
その装飾品の名は、ひそひ草。
セシルさんの世界にあった貴重なアイテムで、そのアイテムは離れている仲間と連絡を取り合う事が出来るみたい。
未だにルイージは不安のままだし、何とかして落ち着かせたいけど。

ぽんぽんっ

「安心しろ。我々に敵意はない」
「セフィロス……」
「カオスに行っちまった連中と戦うにもよ、こっちだって強ぇ奴らが一緒じゃねぇと無理だからな!」
「何だよ親父、たまにはいい事言うじゃねーかよ!」
「うるせぇ。餓鬼の分際でこのジェクト様を超えようなんざ、まだまだ早いんだよヒヨッ子が!!💢💢💢」
「何だと、ふざけやがって馬鹿親父!!💢💢💢」
うるさいぞティーダ、ジェクト! もう少し静かに待たないか!!💢💢💢💢」

あははっ、あのブリッツ親子は相変わらず変わってないなぁ。
折角ポップくんが一生懸命頑張っているんだから、もう少し優しく見守ろうよ。
いよいよ、アレの準備が終える頃だね。
先端にいるポップくんがこちらに意思表示し、僕たちを1箇所に集める。
本物だ、これが2人の言うひそひ草なんだね。

「……。こんな形だけどよ、久し振りだな!」
『その声はポップか、無事だったんだな!』
「いや、無事っつーか数日間俺は眠っちまったんだけどよ……」
『そうだったのか……』
「あのさ、ロック……『ごめん、ポップ!!』えっ……?」
『悪ィ。今は訳あって皆のとこに帰れそうにないけど、ある程度の状況は把握してるんだ!』
「ああ。方法だけでいい、頼む!!」
『いいぞ。ダイの元に行くにはまず、眠っている森を貴重なアイテムを使って目覚めさせなければいけない。そいつは同じ場所で手に入れられるぞ!』
「まさか、ボーンビレッジって場所か?」
『そうだ。その場所に行き、発掘したいアイテムを選べば運良く手に入れる。しかし失敗すると、回復アイテムを間違えて発掘してしまう可能性が高いから要注意だ!』
「大体の方法は分かった。そのルナ・ハープって奴が取りやすい快適なポイントとかないのか?」
『階段を上った先に何軒かのテントがあるだろ。左端の付近で発掘ポイントを仕掛けると、次の日には手に入っている筈だぜ!』
「今聞いた説明範囲を分かりやすく言うなら、それが吉か凶と出るかは入口にある宝箱に賭けるしかないって事なんだよな?」
『そうだ!』
「分かった。それだけ聞けば十分だぜ、ありがとうなロック先輩!」
『おいおい。この時だけ「先輩」って言うのは止めろw 健闘を祈るぞ、ポップ!!』
「ああっ!!」

本当にロックさんは、僕らの知らない事まで色々知っていたんだね。
彼との会話内で聞いた事情って言うことは、いよいよ自分の過去を大切な人に話さないと行けないって事かも知れないね。
前にアイが言ってた、滅多に取れない貴重な時間を今の僕たちが邪魔する訳にはいかない。
そこに行く為の航路だけでも十分に聞けれたんだ、後は移動手段だけだね。

55話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.83 )
日時: 2022/03/28 22:21
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※ポップはリンクたちのいい兄気分みたいな存在です。

第55話「姫と勇者」

【キノコ王国 ピーチ城 バルコニー】

「………」

この場所、久々に来たわ。
まるで私があの頃使っていたみたいに、ほこりが1つもないわ。
この広い場所なら、あの演劇が出来るかも知れない。
今一部の皆は、ダイを探さなきゃ行けないからそれ所じゃないわね。

「珍しいですね。姫がこちらに1人でいらっしゃるなんて」
「だって。元凶だけじゃなく、とわも探さないと行けないんだもの!」
「要するに、またあの頃みたいにお城を長く空けることになるかもと?」
「………」

場合によっては、そうなるかも知れない。
でもねリンク、私が本当に心配しているのは他でもないあなたなの。
私の見えない所に、あなたを送り届けたくない。
もしそうなってしまったら、私は…………。

ポロリ…… ポロリ………

「ひ、姫?」
「あら? 私……、どうして泣いているのかしら。変ね、笑っていた筈なのに……「ピーチ姫!!」……ッ!? ち、ちょっとリンク!?」

ギュッ………

「済みません。姫のお気持ちも知らず、僕は……」
「ううん。私は平気よ、こうしてあなたが私を抱き締めてくれると安心するの!」
「ピーチ姫………」
「トワリンがね、猫化した私に溺愛なのよ! 姿形が違っていても、私は私なんだから」
「トワプリンクさん……、分かりやすいですからね! 僕や子リンの後輩に当たる人なのに」
「ふふっ! それもそうね^ ^」
「(コンコンっ)お〜いそこのお2人さん、堂々とイチャつくのも良いけど……せめて俺たち仲間の見てない範囲のとこでやって欲しいぜ?」
『あっ………/////////』

もうっ、ポップの馬鹿!
それ以前にあなたたちったら、いつから私たちの様子を見ていたのよ。
こうして好きな人との有効な時間に浸るのも、悪くない気がするわ。
次にこうしてリンクと2人きりになるのは、全てか決戦の前になるわね。
その時はヒュンケルにお願いして、ポップたちが邪魔をしないようにガードして貰わなきゃ!

56話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.84 )
日時: 2022/03/29 08:35
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※今回は元カオス組の2人が大活躍です。

第56話「マァムの悪夢と阻止」

【死の山 最深部】

「うぅっ……。駄目、駄目よダイ!!」

やっと、あと少し登ればレオナがいる頂上に辿り着ける。
大好きな親友と再び会える日を楽しみにしながら、此処まで来たけど。
どうしてあの悪夢を見てしまうのかしら、そう感じたせいで一睡も出来なくなってしまった。
このまま眠っていても、あの悪夢の続きを見てしまう事になるわね。

ザッザッザッザッザッザッ………

「………。噂に聞いていたけど、この山って落ちたら一たまりもないわね………」
「眠れないのか?」
「………ッ!」


敵……? うぅん、今の気配は低音だけど闘気は感じない。
振り返るとそこにいたのは、チョコボのような髪形が特徴の男性だった。
そう言えばダイの髪形も、彼みたいな感じだったわね。
一緒に旅してる頃も、何かしら私たちのお役に立てていたんだもの。
折角見回りをしている人に、こんな事は話したくない。

タッタッタッタッタ………

「………ッ!!!」
「待てマァム、何処に行くんだ!!」

駄目、ダイ以外の人を好きになっては行けない。
デルムリン島にいた時に、そう決めたの!
いつかアバン先生に恩返し出来る位に強くなって、ダイを守るって。
その為に私はダイと一緒に生きていく事を決めたのに、あんな悪夢を見られてしまったら恥ずかしいわ!

がしっ

「きゃあっ!!」
「やっと追いついたぞ、一体何を考えているんだアンタは!」
「………。話したって、元一般兵だったあなたには理解出来ないでしょ?」
「いや、違う!!」
「えっ……?」
「これは俺自身が過去と決別する為に選んだ道なんだ。俺のせいで……、これ以上目の前にいる大切な仲間たちを………ティファを失いたくない!!」
「クラウド………」
「マァム。アンタもそうだろ? あいつを守る為に俺たちと行動を共にしているんじゃないのか?」
「…………」
「クラウド、マァムちゃん!!」
「ひぃぃぃぃ。た………、高いです!!」
「クリフトは無理するな。此処は俺とティナで何とかするから安心しろ!!」
「は、はいっ!!」
「行くよクラウド、マァムちゃんの手をしっかり握ってて!!」
「ああっ! 行くぞ、ティナ!!」
「うんっ!!」

そう言いながらも、2人の力に寄って私は助けられた。
あの悪夢から逃げたくて、身投げをしようとした私を阻止するなんて。
更に涙が溢れかけようとしたその時、気が付いたら私はティナに抱き締められていたの。
その背後からか分からないけど、更に抱き締められている事が分かったわ。
1人はティナ、もう1人は多分……クラウドかも知れないわね。

57話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.85 )
日時: 2022/03/29 21:26
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第57話「責任重大と不安」

【キノコ王国 ピーチ城 ポップの部屋】

「………」

あんな大仕事の為に引き受けたのは良いけど、問題は戦力なんだよなぁ。
俺と同じ位の威力があるなら、麒麟丸のおっさんかネス辺りだけど。
最近善逸が雷系の魔法を、こっそり強化してるとか言ってたな。
う〜ん、ヒーラーも必要だから此処はやっぱバッツは外せないぞ。

「後は、攻撃系が使える奴らなんだよな〜」
「(ポップの右肩に飛び乗り)えへへっ、真剣に悩んでるねポップさん♪」
「Σピカチュウ、入って来るならノック位しろよ!!」
「何度もしたよ。でも返事がなかったから、寂しかった……」
「仕方ねぇだろ。今真剣にメンバー編成を考えてんだからよ!」

そこに行けるまでの航路は、ヒュンケルに任せたから問題はないな。
途中姫さんを迎えに行ったマァムたちと合流する事になるけど、マァムは察してる筈だ。
自分の好きな人に、危険が迫っている事を。
それに向けてなのか、せつなは今日も素振りをしている。

「…………」
「ポップさん……?」
「ピカチュウ。初任務だけどよ、俺と来るか?」
「えっ……?」
「俺。もしかするとだけどよ、ダイの側に行っちまったらあの時のクラウドみてぇに仲間に手を出しちまうかも知れねえ!!」
「……。操られて、間違えてダイさんを殺しちゃうって事? 演技でもない事言わないでよ、馬鹿!」

ばしーん………

「ぴ……、ピカチュウ?」
「何で急に不安になるような事を言うの? 今までボク達の為に頑張ってくれたじゃない!」
「………」
「ポップさんが今みたいに頑張ってくれるから、ボク達だって頑張りたいって気持ちになるんだよ? それなのに、そんな演技でもない事を言わないで……」
「………。悪ィ、余計に悩ませちまったよな!」

そうだな、またあの頃の俺に戻る訳には行かない。
どんな困難でも、俺たちは諦めずに此処まで来たんだ。
あの時バーンパレスにいた時、ハドラーが命を懸けて俺たちを守ってくれたんだよな。
いつかその恩返しをする為にも、こういう状況の時は弱音を吐いたらカッコ悪いじゃねぇかよ!!

58話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.86 )
日時: 2022/03/30 08:19
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第58話「ハドラーの罪滅ぼし」

【キノコ王国 ピーチ城 大広間】

「決戦じゃねぇのに、何か胸騒ぎがする」
「だろうな。それだけでも私たちの仲間に危機が迫っていると言う証拠だろう、後はポップからの最終調整が終わり次第になるぞ!」
「………。特にワシは勿論、バッツは確定の可能性が高いだろう!」
「はいっ。しかしそれを決めるのはポップさん自身ですから、もう少しだけ待ちましょう!」

もろはさんの言い分には、間違いはない。
私たちの見えない所で、1つの命が消えかけようとしている。
今なら写輪眼しゃりんがんで、遠くにいる仲間の行動を読み取れるけど。
無駄にチャクラを消費するだけと、ヒュンケルさんは言う筈だろうなぁ。

がちゃっ………

「ポップさん!!」
「待たせたな。ついに決めたぜ、俺と一緒にあいつのとこへ行くメンバーをよ!」
「ポップ。メンバー公表の前にお前にしか頼めない事がある!」
「何だよハドラー、急に改まってよ!」
「…………」

バンっ

「ハドラー、何を!?」
「頼む。俺を救出組に入れて欲しい」
「ちょっと待て。やっと抜擢メンバーを公表するとこなんだぞ、そんな事が出来る訳ねー……「もろは!!」な、何だよ……」
「いいぜ。その覚悟を見込んでハドラー、お前をメンバーに加える。だけどよ、何でそこまでして俺と行きたいのかを聞かせてくれ!」
「理由は簡単だ。あの時の俺を捨てる覚悟があるだからだ、散々お前たちの前に現れては何度も負け続け……更にはアルビナスたちまでをオリハルコンと言う貴重な道具を使って作り上げてしまったのだ! 奴らは俺を主と認めている、それこそ罪滅ぼしへの一歩に繋がる筈だ!」
「………」
「しかしそれには、この俺と対等に戦えるお前やバッツたちと行動を共にすれば……いずれ俺の贖罪も果たせる事にも繋がると思ったんだ!」
「要するに、アバン先生への贖罪も兼ねて俺と一緒に行きたいと解釈してもいいんだな?」
「ああっ!!」
「…………」
「ポップ………」

かつての司令塔としての面影はなく、今までだってこいつは俺たちを幾度となく守ってくれていた。
いつだったかな、グレイグのおっさんも前に似たような事を言ってた気がするよ。
主君であるデルカダールの王様の異変にも気付かず、何度もマルティナ姫の言葉を否定していた。
その理由は恐らく、かつてのあのおっさんの中に元凶がいたせいだ。
連れていくのが吉か凶と出るかは、俺自身が決める事になるだろう。

59話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.87 )
日時: 2022/03/30 18:37
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

女剣士です。

まずこちらも、コラボを実施しています。
まだ歓迎編が終わっていませんが、またまた落とし穴編になると思います。

オリキャラや作者の知らない作品リクは、NGとさせて頂きますので宜しくお願いします。

名前:
リクエスト内容:
こちらから連れて行きたいキャラ:
作者に一言:

以上です、宜しくお願いします!!

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.88 )
日時: 2022/03/30 21:39
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第59話「一時期的な平和」

【すずらん商店街】

「ふふっ。久々に帰って来ましたね、ティ!」
「ああっ。ポップも不参加メンバーたちは各自休息しとけって言ってたからね」
「時にティ、1つだけ聞いてもいいですか?」
「どうした? りんご」
「いつもなら「ポップ、俺も行く!」になるのに今回は参加希望出さなかったんですか?」
「最初は希望したかったよ。だけど、もし俺が万が一危険な目にあったら君が悲しむだろ?」
「ふふっ、そうですね♪」

私の母は、2年前に他界してしまいました。
あの事件から1年が過ぎて結婚した後、突然母の容体が悪くなったんです。
心配になって、医者のマリオさんにも見せて貰いましたが、母は長くなかったそうです。
最期のその日まで、私たちは側に寄っていました。

『ティさん。こんな娘ですが、りんごを……宜しくお願いします……』
『はいっ……。彼女は必ず、僕が守り通します……』
『りんご。頑張り過ぎず、時には彼を頼りなさい……』
『お母さん、しっかりして!!』
『大丈夫よ。母さんはいつでも、あなたたちを遠くから見ていま………す………』
『お母さん……、お母さーーーーーん!!!』

あの頃から、母の容体は少しずつ悪くなっていたんです。
それでも死の間際に、私たちの幸せを祈って母はこの世を去りました。
今日が丁度、母の命日なんです。
大福が好物って前に聞いたから、こちらに置きましょうか。

コトっ

「………ッ! お母さん………」
「大丈夫。今は俺が側にいるんだ、泣きたい時は沢山泣いた方がいいぞ!」
「はい……。う う う………」

お母さん、あれから2年ですね。
私たちは私たちで、元気に過ごしています。
ティの話に寄ると、テト号の皆は変わっていないそうです。
相変わらず悪戯をする2人を、今はアルルとシェゾが世話を焼いているみたい。
私たちが近々遊びに行ったら、今度は2人の助太刀をしましょうか!

60話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.89 )
日時: 2022/03/31 08:19
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第60話「一護の覚悟」

【一護の家 自分の部屋】

「…………」

各自ゆっくり休めって、ポップはそう言ってたけど。
俺はどうしても、コハルの事を考えてしまう。
せつなやもろはも今頃、同じ事を考えている筈だ。
その時だった、タイミング良くあいつが来たのは。

バァンっ

「邪魔するぞ、一護!!」
「何だよルキア、いちなり入って来んじゃねぇ!!」
「済まない。檜佐木副隊長が少し前から落ち着かないと、浮竹隊長から報告があってな!」
「原因は大体察してるよ。俺はあいつの想いには答えられないからな……」
「ふっ。やはり貴様はコハルを選ぶんだな?」
「当たり前だろ。だらしない俺を此処まで変えてくれたのだって、お前やコハルがいてこそなんだよ!!」
「一護………」

そうだ、今の俺に必要なのはコハルを大切にする事だ。
時々彼女は情けない俺を叱ったり、大切な心を教えてくれる。
ルキアとは友達でいたい、そうしないと俺はルキアに叱られてしまうからな。
色々悩んでいる所に、待ち人である彼女が到着したんだ。

ガラガラー

「コハル!!」
「えへへっ。初めて来たから何度か迷っちゃったけど、来る途中石田さんに教えて貰ったんだ!」
「そうだったのか……」
「ついに本命の彼女が来たな。じゃあ私は行くぞ!」
「えっ? 一緒にいてくれないんですか?」
「うむ。後は2人で仲良くなるんだぞ、それから一護……コハルに何かあったら私が貴様を説教するから覚悟して置くといい!!」
「えぇ〜〜!! マジかよ、ルキア!!」
「コハル。こんな馬鹿でだらしない奴だが、一護を宜しく頼むぞ!」
「はいっ!!」

ルキア、だらしないは余計だぞ。
まあ、学校生活を送っていた頃に比べたら大分マシにはなったけどよ。
しかし、檜佐木さんが落ち着かない原因はとわの事かも知れないな。
一時期俺はこのまま卒業出来ないかもと、不安になっていたけど。
コハルと出会い、一緒に俺が苦手だった教科全てを難なくと対策出来たお陰で無事に高校を卒業した。
本格的に彼女と交際が始まったのは、その後なんだけどな。

「なあ、コハル!」
「何?」
「久々にこっちに来てくれたからさ、俺が通っていた高校とか案内するよ!」
「えっ……!? そ………そんなのいいよ、有名校に行けるような身分じゃないし……」
「身分がどうとか関係ねぇ。他ならぬ君に見て欲しいんだ、俺が通っていた高校を!」
「………。で、でもわたし………///////」
「大丈夫。万が一コハルに何かあっても、俺が守り通して見せる!!」
「………。ずるいですよ、馬鹿(照)」

この決意をしたのは、ルキアのお陰でもあるからな。
いつもはコンや妹たちが邪魔をしに来るけど、この日は親父が直々に言い出したんだ。
俺を此処に残した理由、それはきちんと目の前にいる彼女と向き合う為だ。
だからコハル、その分のお礼をさせてくれ。
俺がどんな姿形になろうと、好きな人を……コハルを傷付けずに戦いたい!!

61話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.90 )
日時: 2022/03/31 16:56
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第61話「色々な思い出①」

【ダーハルーネの町】

「ん〜。どのスイーツも絶品ですが、迷ってしまいますわ〜♪」
「セーニャがいたら大変だぞ。ただでさえ、あいつを抑えるのに苦労するのは俺たちだからな(汗)」
「ふふっ、さあ行きましょう!」
「ぜ、ゼルダ………////////」

可愛いけど、大胆過ぎだろ。
こうして、腕を組んで歩くのは初めてだからな。
どんな時でも離れないと決めた以上、俺も覚悟を決めなければならない。
彼女を守り通す為にも、俺は強くならなければ行けない。

【服屋】

「安いよ安いよ〜、此処でしか手に入らないオカリナ衣装のドレスだ! 早いもの勝ちだぞ!」
「………」
「そこのお姉さんたち、買うなら私のお店がオススメですよ!!」

時代関係なのに、こんな町にまで評判がいいんだな。
しかし、店の値段で競い合うとかふざけ過ぎだろ!
かつて自分が着ていた服が売り出されているせいか、ゼルダは表情を曇らせてしまう。
さて、どう対処するべきか!

スッ………

「この街中で剣を抜く必要などない。私に任せたまえ!」
「ホメロス………」

かつての兵たちを引き連れていたのか、無許可の容疑で言い争う兄弟は逮捕された。
全く、許可なしにお店を構えるのが行けないんだぞ。
するとホメロスがこちらに来て、何とか追い払ったと告げる。
今回ばかりはあいつに感謝しよう、この借りは必ず返すからな!!

62話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.91 )
日時: 2022/03/31 20:33
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第62話「仲間のいる場所へ」

【ダーハルーネ ラハディオの屋敷】

「………。事情は分かりました、私から腕利きのいい行商人にお願いして止めさせるよう頼んで見ましょう!」
「ありがとうございます!!」
「それと……。もしあの人たちに会う事になったら、あの時は悪魔の子呼ばりして済まなかったとお伝え下さい!」
「はい、必ず伝えて置きますわ!」

流石、この屋敷のオーナーだな。
俺たちの事情を理解したのか、すぐに信頼出来る行商人に連絡を入れ始める。
俺たちが来る前のダーハルーネは、毎回のようにあのコンテストで賑わっていたんだな。
用件を済ませて屋敷を後にすると、ホメロスが目の前にいたんだ。

「……。例の用件はどうだった?」
「ああ。聞き入れてくれたよ、これでゼルダがあまり気にする事もなくなるだろうな」
「そうか。私はもう少しこの街で警備をしている、何かあったらいつでも呼んでくれ!」
「ああっ、じゃあなホメロス!」
「道中気を付けたまえ、お前たち夫妻に神のご加護を!!」

彼の言うその響きが、今は凄く頼りになる気がする。
今頃ポップたちはダイの元に行ってるはずだから、大半の仲間たちは不在の筈だ。
それ以前に、この胸騒ぎは一体なんなんだ。
俺たちの知らない所で、ダイの身に何かあるかも知れないぞ。

【キャンプ場】

パチパチパチパチ……

「………。ごめんなさい、私があんな顔をしてしまったせいでアイクさんにご迷惑を掛けてしまいましたね……」
「気にするな。正直言って、俺もいい気分じゃなかったからな」
「………」
「ゼルダ!」
「何ですか?」
「今からでも遅くはない。俺たちもポップたちの所に行こう!!」
「では……、ダイさんの身に起きている事は?」
「ああ。間違いじゃなさそうだ、少し前にスリッピーから通信が入って来てな。そのダイを守ろうとしてる奴がいるらしい!」
「もしかして、その人は!?」
「大体は察してるよ。さあゼルダ、俺にしっかり掴まっていろ!!」
「はいっ!!」
「行くぞっ、ルーラ!!」

出来る事なら、もう少しだけ2人の時間を大切に過ごしたかった。
だからと言ってこれ以上、野放しには出来ない。
例のあの場所で、俺たちが来るのをポップたちは待っていてくれている筈だ。
そしてその中にはもしかすると、とわもいるかも知れない。
もし会う事になったらまず、あいつに一言文句言ってやる!!
闘いが終わってからでもいい、意地でもあいつと修兵を俺たちの力で和解させてやる!

63話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.92 )
日時: 2022/04/01 07:29
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第63話「戦士たちの為に、少女の最期」

【忘らるる都 祈りの間】

「これが最後だ!! はぁぁぁぁぁ〜………」
「一気に決めてやらあ!! メドローア!!」

とわの使う斬星剣と、俺の最強の魔法・メドローアに寄って襲い掛かって来た人形たちは無事倒した。
しかし、斬星剣を使い続ける彼女の体力は限界を超えてしまい……そのまま倒れる。
くそっ、俺らがもう少し早く辿り着いていればこんな目に合わなかったのに。
踏ん張れ……、もう少しだけ踏ん張ってくれよとわ!!

「ポップ……、みんな! 私は此処までだけど……、皆は先に進んで行って………」
「何言ってんだよ。お前がいなくなったら、俺たちは……」
「駄目なんだ………」
「えっ……?」
「いつかせつなが言ってたんだ。この剣を使い続けると……私の魂は消えてしまうって……」
「…………」
「やっと……。自力で正気に戻れた、また皆に会えたよ……!」
「ああっ、やっとまた会えたな!!」
「…………」
「とわ……?」
「もう……、喋る力……残ってない……みたい……。じゃあ……ね……」
「とわ………? こんの……馬鹿野郎ーーー!!」

畜生、また目の前の仲間を救えなかった。
ダイは何とか助かってもよ、お前が犠牲になる事はねぇんだよ!!
どれだけ俺たちが強くなっても、お前なしでどうしたらいいんだ!!
もし例の演技とかって奴だったら、目を覚ましてくれよ!!

ポロリ………、ポロリ………(ポップが涙を流す音)

「くっ………。とわ……う う う………」
「ポップくん………」
「分かってるよ姫さん。でも……、今は振り返る勇気が出ねぇ……」
「………。馬鹿ねポップくんは、それ位あたしにだって分かるわよ!!」
「…………」
「ごめんなさい。私たちはもう少しこのままでいたいから、後の皆で彼女を静かに葬って上げて……」
「ああ。さあ行くぞ、今は辛いかも知れないが……私たちは諦めずに前に進もう!!」

他ならぬ彼女の頼みだ、本当は私だって泣きたい。
それでも2人がその分、沢山泣いてくれるだろう。
やっととわに会えたのに、こんな形で最期を迎えてしまうとは。
此処はレオナ殿に免じて、私たちはとわをあの泉へ静かに送り届けよう。

64話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.93 )
日時: 2022/04/01 20:25
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※今回初登場のミドは、FFBeからの女性キャラです。

第64話「互いの憂鬱」

【ユライシャ号 バルコニー】

「………」

やっと、ティナと再会出来たと思ったらとわが旅立ってしまうなんて。
あの最期を見ると、俺が17の時に見とった親父の姿を想像してしまう。
だからこそ、長い旅に出ようと決めたんだ。
今までは1人で旅をして来たし、悲しみを乗り越えていた筈だった。

カツカツカツカツカツ………

「バッツ。そんな暗い所で何をしている?」
「琥珀、それにミド!!」
「最近のあなた、浮かない顔してるって父さんが心配してたよ!」
「………」
「ミド。済まないが、此処は俺に任せてくれないか?」
「分かったわ。じゃあ私はティナたちの所にいるから、何かあったら呼んで!」
「ああっ!!」

一瞬だけど、彼女の後ろ姿を見る限り勉強熱心なミドと面影を重ねていた。
初めて古代図書館に行った時、祖父を説得するのにあの頃は必死だったよなぁ。
魔物が近くにいると知ってた筈なのに、あいつは本に夢中で気付かなかったっけ。
いや、ただ単に名前が似ているだけかも知れない。

スッ………

「琥珀?」
「ずっとうわの空だったからなぁ、俺でよかったら話を聞くぞ?」
「………。なあ、琥珀。お前の親父って生前はお頭だったのか?」
「ああっ。初代の棟梁が俺の親父だ、2代目としての候補者として姉上の名が上がっていたけど……今の義兄上あにうえと結婚してからすっかり子育てに奮闘するようになったからなぁ」
「………。折角のチャンスだったのに、勿体無いよ」
「いや。そうじゃないさ、姉上には姉上にしか出来ない事があったからな!」

珊瑚にしか出来ない事、それは結婚してからも俺たちと旅を続けるってことか。
そうだ、その手があったか!
珊瑚に聞けば、ティナを立ち直らせる方法を教えてくれるかも知れないぞ。
今行ったところで、彼女がすぐに立ち直る訳ないよな。
これ以上悲しい顔にひたる前に、俺自身の力でティナの笑顔を取り戻して見せるぞ!!

65話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.94 )
日時: 2022/04/01 21:57
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第65話「フィーナの涙」

【ユライシャ号 甲板】

「………」

私にも、そんな最期があったなぁ。
異界を旅して回ったお陰で、カルミアやポネ マズルカたちに会えた気がする。
そのせいで、魔列車を操縦していたリノラが暴走してたんだよね。
ブルースさんが命を懸けてリノラを正気に戻し、彼は私たちのいる目の前で帰らぬ人になってしまった。

しゅうぅぅぅん…… ピカーン………

『フィーナさん!』
「ブルースさん? 何処、何処にいるの?」
『レイチェルさんの力を少しだけお借りして、あなたに話し掛けています!」
「良かった……」
『ですが、私にはあまり時間がありません! だから、あなたに言い忘れた事を今の内にお伝えしたいと思います!』
「………」

魔列車にいる時、どうして気付かなかったのかなぁ。
どうして私の名前が、あの乗客リストに入っていたんだろう。
ううん、今聞くのはそこじゃない!
折角ブルースさんとお話し出来るのに、悲しい顔をしてちゃ駄目!!

『フィーナさん。あの戦いから暫くが経ちましたが、リノラは元気にしていますか?』
「はい。ディペルがブルースさんのように鍛えてくれてね、すっかり成長しています!」
『そうですか。もし私が生きていたら、成長した彼に会いたかったですね!』
「………。あのね、こっちも少し前に大切な仲間が逝ってしまったんです! 彼女は私とは違って勇敢で、いつも私たち仲間を見ていました。その仲間を失って、皆が暗い顔をしてしまったんです……」
『そうだったんですね。ですがフィーナさん、あなたには受け止めてくれる人がいるじゃないですか!』
「えっ……!?」
『大丈夫です。その彼とあなた方ならきっと、その女性をもう一度蘇らせる事が出来ると思います! だから安心して下さい、私はいつでも……あなたやリノラたちを遠い空から見ていますから!!』
「!?待って、待って下さいブルースさん!!」
『短い時間でしたが、あなたとお話し出来て良かったです! さようなら、フィーナさん!』
「ブルースさん………」

ブルースさん、ありがとう。
ううん、お礼を言うのは私の方です。
あの時一緒に戦ったり、私の説得を聞き入れてくれて嬉しかったです。
本当はもっと沢山お話したかったけど、時間は限られていたんですよね。
静かに泣いていると気付いていたのか、何処からか暖かい温もりを感じたんだ。

ギュッ………

「レイン………」
「此処にいたのかフィーナ、随分探したんだぞ!」
「1人になりたかったから……。それに、私の情けない姿をレインに見せたくなかったから……」
「全く。静かに泣きたいなら俺に相談すれば良かっただろ!」
「えへへっ、ごめんなさい……」
「ごめん。途中で話を盗み聞きしちゃったけど、ブルースって前に君が言ってた手品の人か?」
「うんっ。レインやラスウェルともう一度会う為に、私はそこでデイジーたちと冒険していたんだ!」
「………。王の業務とかなかったら、フィーナと2人旅出来たんだけどな………」
「きっと出来るよ。その為にも私たちには、やらなきゃいけない事が沢山あるんだもん!」
「そうだな、また君と旅をする為にも俺たちは俺たちの出来る事を片っ端からやろうぜ!」
「うんっ!!」

また、大好きな人との旅が出来る日を信じて私たちは再びお互いを抱き合う。
嬉しくて、溜めていた涙が一気に溢れ始めてしまったんだ。
それをレインは見過ごさず、私の背中を優しく撫でてくれている。
皆と一緒に『この世界』を救った後は、どんな所に2人で行くのかを今か今かと楽しみにしているんだ。
今は私が流しているこの涙を、あなたの腕の中で沢山泣き続けていたいな……。

66話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.95 )
日時: 2022/04/01 22:15
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

次回予告

呪われた人形との死闘を終えたポップたち。
しかし、ダイの無事と引き換えにとわは眠りについてしまった。
彼女と再び再会する為にも、ポップたちは新たな決意を胸に歩き出そうとしている。

次回最終章:戦士たちの新しい旅立ち

フィーナ「さあ行こう。私とレインの知らない世界へ」

第4章:お帰り、2人共 完結!
最終章:戦士たちの新しい旅立ちに続きます。