二次創作小説(新・総合)

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.96 )
日時: 2022/04/02 08:16
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第66話「各地の復旧作業」

【FF7の世界 ニブルヘイム ティファの家】

ガチャっ

「クラウド。もうすぐ2人の両親の命日だったな、翡翠からこの造花を持っていけと言われたから持って来たぞ!」
「済まないせつな、助かった!」
「水臭いことを言うな、私たちは仲間じゃないか! これ位の任務なら容易い御用さ!」
「ああ、そうだな!!」

此処が、クラウドたちの故郷なんだな。
宿屋の他にも民家やよろず屋、そして2人の家もある。
確かフィーナはクリスタルとして目覚めたから、自分の故郷はないと言っていたな。
既にもろはにはそう伝えたから、大丈夫だと思うぞ。
落ち着いたら私も、他の皆に会いに行くとしようか!

【王国歴1000年 ガルディア城 王の間】

バンっ

「一体どういうつもり? 各地の農作物がこれだけしかないってどう言うことよ!💢」
「申し訳ありませんセリスディア王妃様。しかし、クレティアやダラルから送られる農作物内が全て駄目になったと!」
「全く……。ほむら、さやか! 至急クレティアとダラルに赴き安全な農作物があるか調べてきなさい!」
「はい、すぐにでも支度をして参ります!」
「さやか。ほむらをしっかりサポートして上げてね!」
「勿論です、王妃様!」

あの呪われた人形との死闘後、マールから直々に私とルイージをこの国に迎え入れてくれたの。
引き受ける代わりに、私は彼女にある条件を出したわ。
その条件が、私を実の娘の様に育ててくれた彼のお世話をする事。
本来の世界以外に旅した事がないあの子にとっては、いい機会だと思ったのよ。
落ち着いたら、会いに行きたいわね。

コトっ

「ルイージ……」
「セリスさんは凄いなぁ。王妃様としての責務を全うするなんてね……」
「ふふっ。この国の王妃は強しって事を城の兵士たちに教えて上げたかったのよ!」
「ねえ。責務が一段落したら、他のとこも見て回ろうか?」
「そうね……、でも私たちはそう簡単に外出は出来ないわ!」
「お話は聞かせて頂きました。羽根伸ばしがてら私が王妃様たちの代わりに各地を訪問致しましょう!」
「で……、でもハドラー……」
「ご心配には及びません王妃様。この元魔軍司令ハドラー、王妃様たちのお力になる為に見参致しました!!」
「君がそこまで言うならいいよ、近くに若い夫妻もいるから彼らも同行して上げてね!」
「はっ!!」

ルイージ王の言う、若い夫妻と言うとトルース街に住んでいると言うあいつらの事だな。
かつて未来を救った経験を持つ2人の勇者と魔法使い。
その勇者は本来の故郷にいるクラウドの、実の弟的に存在するツンツンとした赤い髪が特徴の少年だ。
そして魔法使いとは、メカを長年研究し続ける才色兼備の異名を持つ紫の髪形が特徴の少女。
確かにあの2人ならば、俺の良きバックアップになりそうだ。

67話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.97 )
日時: 2022/04/02 22:04
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

こちらも明日は、お花見編のお話を描こうと思います。

今の所のジャンルは、鬼滅の刃 スマブラ ポケモンですけど。
追加して欲しいジャンルがありましたら、お願いします。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.98 )
日時: 2022/04/03 08:27
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第67話「楽しいお花見会 前編」

※ネルさん次元のメンバーたちも、登場しますよ。

【夾と透の新居】

ピンポーン

「はぁ〜い。どちら様です……か……?」
『お〜。透ちゃんのおパンティ、はあはあ………』
「きゃあぁぁぁぁぁ……」

どどどどど、どうして急に下着ドロが目の前にいるんですか。
由希くんかはとりさんに報告をしましょう、そう言いかけた時でした。
目の前のお2人が、倒れていました。
すると私に手を差し伸べてくれたのは、意外な人物だったんです。

「大丈夫? 急にこいつらが馬鹿やってごめんなさいね!」
「ドロシアさん………」
「私はアンタを安全な場所に避難しろってある人に言われてるだけよ、後は任せなさい!!」
「えっ………。で、ですが夾くんを置いては行けませんし!」

ぽかっ ぽかぽかっ ぽかっ

「やっぱり俺の透がターゲットだったか。テメェら、オロスぞまじで!!💢💢💢💢」
「ったく。他所様の世界に来てまで、強盗なんかしてんじゃねぇよ!!💢💢💢💢💢」
『ひぃぃぃぃ………(がたがたブルブル)』
「………(汗)」
「ほら。心配はないでしょ? 私たちは先に行きましょうか!!」
「は、はい………」

こここここ、これが噂に聞いていた強盗犯。
初めてかも知れません、夾くん以外の方と行動するなんて。
ドロシアさんと一緒に歩き始めてから、少ししか経過していませんけど。
辺りを見回すと、所々で桜が綺麗に咲いていました。

「おっ! 透、ドロシア!!」
「フェリシアさん、ご無沙汰してます!」
「ああ。オレたちも今来たとこだからよ、いい場所確保しといたぜ♪」
「良かったです。実は昨夜、あまり寝れなかったんですよ!!」
「要するに。今日と言う行事が無事に終われるか不安、て感じでしょ?」
「草摩さんは心配しなくてもいいわ。私たちがそうさせないように、ちゃんと役目を果たすから安心しなさい!」
「あ、その手に持ってる包みって!?」
「はい。他の皆さんもきっと来ると思って、夾くんと一緒に腕を振るいました!!」
「やった〜。これなら楽しいお花見も出来そうだね!!」

楽しいお花見会、か……。
この雰囲気を、遠い空の何処かにいる両親に見せて上げたかった。
今の私には、こんなにも沢山の仲間がいらっしゃいます。
静かに泣いていると察していたのか、ある方のポケモンでもある黄色い鼠さんがこちらに来ました。
可愛いポケモンにまで泣いてる姿を見せてしまうなんて、私ったら恥ずかしいですよ!!

中編に続きます。

前編更新です。
ネルさんごめんなさい、メインのお花見編で突然奴らを出しました。
思いっきり笑って頂けると嬉しいです。

それでは。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.99 )
日時: 2022/04/03 21:46
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第68話「楽しいお花見 中編」

【ラピスの世界 グランシェルト レインとフィーナの新居】

コトっ

「今頃みんな、お花見楽しんでいるかなぁ?」
「多分な。でもさ、フィーナ!」
「何?」
「本当に良かったのか? 折角ポップやまどかたちに会える絶好のチャンスだったんだぞ!」
「………」
「どうかしたのか?」
「うん……。本当は凄く行きたかった……、でもね! いくら時間が過ぎてもあの光景は忘れちゃいけない気がするから……」
「……。それもそうだな……」

例え、まどかやせつなたちと楽しくお花見をした所で仲間を失った辛さは変わらない。
アルドールで王としての責務に追われていた時、ジャイワールから来た若き王がやって来た。
あいつは俺の代わりに、溜めている責務を引き受けると言ってくれたんだ。
祖国はいいのかと尋ねた時、幼馴染や色んな奴らが警備を強化しているから心配は無用と言ってたっけ!

コンコンコンっ

「失礼します。レイン隊長たちにフィガロから来たお客様がお見えですが、いかが致しましょう?」
「大丈夫。俺たちの知り合いだから、中に入れてやってくれ!」
「分かりました!」

たまには、隊長って呼ばれるのもいいな。
ラスウェルはその分、体調があまり良くないグランシェルト王に付きっきりだからそれ所じゃないみたいだ。
兵士に許可を出すと、そこに来たのはピンクのマントを着ている金髪の女の子。
もう1人は、ニコルとは違った雰囲気をしている茶色のショートヘアの青年。

「久しぶりだな、2人に会うのはあの時以来か!」
「ああ。アルドールの王様が此処にいるなんて珍しいな!」
「フィーナが心配になってさ。王の責務所じゃないよ!!」
「じ、じゃあ2人は結婚したの?」
「ああっ。俺が帰って来て早々シャルロットの奴が俺とフィーナのためにサプライズを開いてくれてさ、こうしてゴールインしたって事だ!!」
「全く……。とかなんとか言って、奥さんが可愛くて仕方ねぇんじゃないか?」
「う……、煩ぇ!!////////」
「ふふっ、照れてる照れてる〜♪」

畜生、本当ならバッツを一発ぶん殴る所だけど。
俺の大切な恋人であるフィーナの前で、カッコ悪い姿を本人の前で見せる訳には行かないよな。
仕方ない、今回はティナに免じて特別に見逃してやるか!
そうだ、俺たちも彼らのとこに行けないと言う返事を伝書鳩に届けて貰おうかな!
多分だけど、主人あるじが不在と知ったらパートナーであるピカチュウは静かに泣き出すだろうなぁ。

後編に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.100 )
日時: 2022/04/04 08:09
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第69話「各自の復旧と休息」

【リックスの村】

ギギギギギギ……

「グレイグ。無理するな、いくら罪滅ぼしの為とは言えお前1人では無茶だ!」
「そう言う訳には行かない。これも俺なりの恩返しなんだ!」
「全く……」

少し前に此処に立ち寄った麦わらから聞いた通りだった、例の呪われた人形との戦いでこの村は酷い有様になっていた。
ホールケーキアイランドは心配ないから、ゆっくりして来てとブリュレやペロスペロー兄さんたちが言っていたな。
確かに俺は今までも故郷にいたから、知らない世界を見て回ったりした事がない。
しかし、島を出るとママは許さないと思っていた。

【回想:ホールケーキアイランド 女王の間】

『カタクリ。今まで良く俺の指示に従ってくれたね!』
『兄さんたちにも散々言われたさ。この口さえ隠せば友人は出来ると!』
『そうだねぇ。あんな辛い目にあってもお前は家族を捨てるような男じゃなかった!』
『………』
『だが。これ以上強い男を演じ続ける必要もないだろう!』
『ママ?』
『行って来なカタクリ。麦わらやジンベエたちと一緒に、お前の知らない色んな世界を沢山見て回っておいで!』
『い……、いいのか?』
『マーマママ。心配しなくてもいいさ、お前がいなくても俺には沢山の息子や娘たちがいるからね!』
『ママ……』

今までだったら、ママの力で寿命を取られると思っていた。
あの時麦わらたちが来て、ママの計画を阻止しなかったら今のママは変わっていなかった。
ありがとうママ、この俺に旅立ちを許してくれて。
例えママが許してくれても、ブリュレたちは寂しがる筈だ。

「……うした、どうしたカタクリ!!」
「いや。何でもないさ!」
「疲れているのか? 無理する必要はない、後は俺やゴリアテたちに任せてくれ!」

一国の騎士にまで、心配を掛けてしまうとは情けないな。
やはり、あの時の戦いでダメージが残っているからかも知れないな。
そのせいできっと、俺自身が疲れているかも知れないな。
俺が何か浮かない顔をしていると察したのか、シルビアがこちらに来て俺にジュースを渡してくれた事が意外だった。

70話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.101 )
日時: 2022/04/04 23:50
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第70話「互いの恋人トーク①」

【クリミア国 アイクの家】

トントンっ

「じゃあレイン、行ってくるね!」
「ああ。ゼルダ姫やティナを困らせるようなことは絶対すんじゃねーぞ?」
「もうっ、レインったら心配性なんだから! 少しは私を信頼してもいいのに!!」

怒ってる時より、笑ってる君の方が好きだけどなぁ。
少し前にアイクから連絡を貰い、俺たち4人はこうして再び再会を果たした。
あの人形との戦い以降、あまり会っていなかったからな。
今この場にいるのは、俺とバッツ アイクの3人だ。

カタっ

「……。全くフィーナは、彼女自身でさえも気づいていないなんて!」
「前に言ってた魅力って奴か?」
「ああっ。フィーナは長い間クリスタルの中で眠っていたからな、気が付いた頃には両親がいなかったらしい!」
「魔導実験を無理矢理されたからかも知れないな、今のフィーナから感じる闘気を見ると!」
「そうだな。時々本人じゃない気配がしていたんだよ……」
「………。そうだ、医者のマリオに事情を話せばいつでも変わる事が出来るんじゃないか?」
「あ、その手があったかアイク!!」
「それは、駄目だ!!」
『何でだよ??』
「そんな事をしたら、ルイージだってLと入れ替わる事になるじゃないか!」
『……ッ!!!』

以前俺とフィーナで光の宮殿に行った時、守護を受けたポースと久しぶりに再会したんだ。
その時に俺、迷いもなく聞いて見たんだよ。
フィーナはもう、もう1人のフィーナに切り替わる事はないのかと。

【回想:光の宮殿 最深部】

『残念ですが。今のフィーナさんからは、その能力はなくなっています!』
『じゃあ、やっぱりあの時は本気で……』
『はい。それがヘス側の賢者・魔人フィーナさんのご意志だったんでしょう!!』
『……。ねえポース、また何処かでもう1人の私に会える事って出来ないのかな?』
『それも不可能です。光の意思からもそれは出来ない相談だと言うことです!』
『そっか……』
『ですがフィーナさん、あなたがそのお気持ちを捨てていなければ不可能ではありません!!』
『えっ!?』

そうか、俺がこうしてフィーナと生きる事を決めたようにフィーナにもチャンスがあるんだな。
もう1人のフィーナと会う為なら、仲間を何人か揃える必要があるからな。
マズルカにポネ 後はクロノたちも連れて行くべきだとしたら、またあの光を与えて貰わないと行けなくなるぞ。
俺が餓鬼の頃に少しだけ痛みを感じた、あの頃みたいにな。

②に続きます。感想OKですよ!

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.102 )
日時: 2022/04/05 08:01
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第71話「互いの恋人トーク②」

【クリミア国 アイクの家】

がちゃっ

「ちょっと。僕らまで招かないなんてあんまりじゃないの?」
「クロノ! それにマリオ、ルイージまで!!」
「水臭いね。もし僕だけ招かれなかったってせつなさんに話したら、マジで殺されるよ?」
『うっ……!!』

た……、確かにせつななら本気でやりそうだ。
よく見るとクロノたちだけじゃなく、ダイやポップ 炭治郎 善逸 ヒュンケルも一緒にいた。
まるで此処は、彼氏組がメインかも知れないな。
次に話題を振ったのが、クロノの方だった。
俺たち3人もその出会いから、今に至るまでの道なりが気になっていたからな。

「僕の時はね。時間で旅をしていたんです!」
「時間? 時空を越えるんじゃなくて??」
「うん。その中でも僕は……、




……1度だけラヴォスに殺された事があったんだ!!」
『えっ!!?』
「ち、ちょっと待ってよ! 今目の前にいる君は幽霊なの??」
「違うよ。かつての仲間たちの想いがあったから、僕はこうして戻って来れたんだよ!」
「あの……クロノさん、良ければ聞かせて下さい! 君が経験した頃の記憶を!!」
「……。どうして??」
「いつかパルテナ様が俺たちに言っていたんです。「敵を知る事も、大切ですよ!」と……。それと同じように、俺たちにも君の過去を知る権利があるんだと思います!!」
「………。いいよ、少々長くなると思うけど皆! 僕の話を覚悟して聞いてね?」
『うん(ああ/はい)!!』

ついに始まった、クロノの過去が。
彼が言うにはその日、かつての自分は興奮のし過ぎで眠れなかったらしい。
何とか起床し、生前の母・ジナさんからお祭り用のお小遣いを手にしていた。
300ギルって言うと、時リンクや子リンクの世界で言うと300ルピーになるんだろうな。

「そっか、お祭りの日は寝坊しちゃったんだね……」
「うん。それで毎回ルッカがね、ちゃんと早く起きないとだらしないわよって僕をいつもみたいに叱ってくれるから……」
「だけどその話は、楽しかった思い出なんですよね?」
「そう。その後だったんだ、突然ゲートが開き出したのは!!」
『…………』

ゲートと言うのは、世界の均衡を保つ為に現れた時空間移動の事を言うの。
ルッカが持っていたゲートホルダーで、その時空間移動は安定していたんだ。
そして僕は1人、昔の時代に到着し……あの頃だけ一緒にいた少女を探していたんだ。
やっと再会出来た、そう思ったけど……彼女は再び消えてしまったんだ。

③に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.103 )
日時: 2022/04/05 21:42
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第72話「互いの恋人トーク③」

【回想:王国暦600年 ガルディア城】

『………』
『行きましょうクロノ、私たちの時代にいるあの子に会う為にも『この時代』の王妃を助けなきゃ!!』
『うん、そうだね!!』

このきっかけがあったから、この時から僕はルッカの事を常に意識するようになったんだ。
一時は新しいロボットの研究開発をしなくちゃで別れた事があったけど、再び再開出来たんだ。
その時の僕は彼女に会いたい一心で、自力であの牢獄から脱走したんだ。

【現在:クリミア国 アイクの家】

「あの頃から常に僕は、ルッカが1番好きだったんだ。一度は彼女や皆を守る為に、ラヴォスに殺されたのに……それでもルッカは僕を必要としていたんだ!」
「それが、今でも続いてる強い絆か?」
「はい、そうです!!」
「………。自らの意思で大切な人である彼女や仲間を守るなんて、俺にはとても真似が出来ないよ……」
「………。だが安心しろ、もしお前が再び命を狙われようとも俺たち仲間が全力で戦ってやる!!」
「えっ……?」
「実はクロノ。俺もかつての君みたいに、1度は死にかけた事があったんだ」
「れ、レインさんがですか?」

だからかも知れないな、あの頃俺は悪の心その物が強かったからな。
フィーナを傷つけてしまったのも、あの時は前皇帝だったウラドに刃向かう訳には行かなかった。
そして、クリスタルとなったもう1人のフィーナに導かれ……相棒でありライバルでもあったラスウェルを超えたかった。
だけどそれは過去の出来事で、今は今なんだ!!

スッ……

「レインさん…?」
「今の俺たちがあるのは、互いを大切に思ってくれる恋人やせつなたちがいる! 少しでも逞しい姿を見せるには、此処から始まった方がいいと思うんだ!!」
「それって簡単に言うと、此処からが新たなスタートって事になるんだよね?」
「ああっ!!」
「そうだね。こうして集まったのも、此処から僕たちの新しいスタートが始まるんだ!!」
「ったく。そう言う大事なとこは、俺に言わせてくれよレイン!!💢💢💢💢」
「ははっ。悪ィバッツ、今回は大目に見てくれよ!!」
「全く……!!おいしいとこだけ持って行くなんて、最低だぞ!!!💢💢💢💢」

お互いの新たなスタート、それは僕たち1人1人が此処から次なる場所へ旅立つ事になる。
僕はルッカと一緒に、前から行きたかったヘスに赴こうかなって考えていたんだ。
そこに行けば、ファイサリスさんから当時の事を教えてくれる気がする。
蒼炎のアイクくんは此処を立つ前に、行かなかった場所があるみたい。
その場所とは……、大切な仲間が眠るあの場所かも知れないね。

73話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.104 )
日時: 2022/04/06 08:12
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※今回は作者の諸事情に寄り、80話までの更新となります。
しかもこの最新話で、懐かしの女性キャラたちが登場しますよ。

第73話「再び再会①」

【FF7の世界 セブンスヘブン】

カランカラーン

「あっ!! 皆、久し振りね!!」
「ゼシカ。どうしてあなたが此処に?」
「うん。本当は故郷でもあるリーザス村の事も心配だったんだけどね、お母さんが私に言ってくれたの! 「ゼシカ、私たちは私たちで自立して行くから心配は無用です! あなたはあなたの人生を進みなさい」てね!!」
「そっか……。アローザさんがそんな事を!!」
「ふふんっ。それにこうして集まるのも暫くないかも知れないでしょ? それをティファに提案してみたらね、今日は私たちだけじゃなく他の皆の為に貸し切りにするって言い出したのよ!」
「もうっ! それならわたしもじっとしてられない、少しでもティファの負担を減らさなきゃ!」
「うんっ、そうだねエアリス!」
「ティナ、わたしと一緒に開店前の準備をしましょう!!」
「ええっ!!」

このセブンスヘブンは、わたしにとって大切な友達の1人・ティファが経営しているの。
いつも1人で切り盛りしているから、わたしたちも何か手伝える事があるかも知れない。
するとフィーナがキッチンの近くに置いてあった売り上げリストと描かれている紙を見つけ、黙々と見ているの。
その彼女が気になり、マァムも一緒に見始めたんだ。

ペラペラペラ ペラペラペラ………(フィーナとマァムが売り上げリストをめくる音)

「…………」
「…………」
「凄い。このお店、カクテルだけじゃなくカフェもやっているんだ!」
「確かレオナが言ってたけど、此処は日中がカフェで夜はバーをやっているみたいらしいわ!」
「…………」
「フィーナ……?」

たまにあるのよね、フィーナが突然手を止める時って。
以前彼女を慕っているレインに話を聞いてみたら、何年間もクリスタルの中で眠っていたみたい。
幼い彼もまた、その時の痛みが何なのかすらよく分からなかった時期があったのね。
まるで私がダイを1番に考えてると自覚する、その時までみたいに。


「………。レインや皆を招待するなら、もっと食料とか必要な調味料を揃える必要があるかな!」
「名案ですわ。それでしたら、わたくしとフィーナさんが必要な食材や調味料の買い出しに行きますわ!」
「そうね。それなら私はマァムさんと一緒に飾り付けを担当するわ!!」
「Σだ、駄目ですよ! グランバニアの王妃様がそんな危険な事をしては私が殿下に叱られてしまいます!!💦」
「あら。私なら心配ないわ、これでも過去は1人でやって来たんだもの!」
「だからって危険です! それに過去とかそう言う事とかの話じゃないんですってば!!」

一般市民かも知れないけど、ビアンカさんは一国の王妃様なんですよ。
フローラさんやゼシカ以外の平民に混ざって、飾り付けとか任せたら絶対に危険です!
あぁ、もっと周りの事とか考えて行動を取るようにして下さいよ王妃様。
もしも万が一王妃様に何かあったら、殿下に叱られるのは私の方なんですからね!!💦💦

②に続きます。感想OKです♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.105 )
日時: 2022/04/07 06:21
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第74話「それぞれの門出①」

【忘らるる都 とわの墓前】

パサッ………

『……………』

久しぶりだな、とわ。
こうしてまた、アンタに報告出来る日が来るなんてよ。
檜佐木さんは今も、アンタの死を受け入れようとしない。
俺も最初は冗談だと思っていたけど、コハルが話してくれたんだ。
アンタがあの闘いで、命を懸けて俺たちを守ってくれた事には感謝しているよ。

サァァァ………

「檜佐木さん………」
「黒崎。本当に………、本当にとわは何処にもいないんだな?」
「ああ。信じられないって気持ちも分かるよ、でも……受け入れて欲しいんだ!!」
「そうだな………」
「おいおいおい。いつまでそんな顔してんだよ、お2人さん!!」
「ポップ……」
「まっ。俺がこんな事言うのは変かも知れないけどよ、俺だって同じぐらい大切な彼女をこれ以上悲しませたくないんだわ!!」
「………。そうだな、そうだよな!!」
「よし、行こうぜ皆!! そろそろレオナの姫さんや他の女性陣があのお店で待ってるんだからよ。このまま痺れを切らせながら待たせる訳にも行かね〜からさ!!」

そうだな、無理言って貰いながら皆は分かっていたよ。
とわの墓前に報告を済ませてから、そっちに行くと約束していたからな。
それに、あの2人の誕生日も控えているんだ。
俺たちがいない誕生日を、開催する訳には行かないよな。

まだまだ続きますので、感想はお待ち下さい。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.106 )
日時: 2022/04/07 08:26
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第75話「受け入れ難い真実」

【ボーンビレッジ】

ヒュヒュヒュヒュヒュ……

「!?セシル、あそこにポップたちが!」
「うん。一旦離陸だ、彼らを乗せてやって欲しい!!」
『はいっ、セシル隊長!!』

この大きな音、まさか魔導船か!?
俺の察していた通り、目の前の魔導船は俺たちの前で離陸しやがった!
そうか、あまりにも帰りが遅いから迎えに来てくれたんだな。
一国の王であり、元赤い翼の隊長だったセシルには何でもお見通しなんだな♪

キィィン………

「よっと!!」
「いいタイミングだったね、ポップ!!」
「へへっ。まさかとは思ってたけどよ、魔導船で迎えに来る事自体に驚いたぜ!!」
「いや。前もってリドとジェイクがこの魔導船を強化してくれたんだ、いつでも君たちを迎えに行けるようにと言う願いを込めたそうだよ!」
「あいつら……、無茶しやがって!!」
「………」
「ん? どうかしたのかい、一護!」
「………。なあセシル、コハルの姿がないけどさ。彼女はどうしてるんだ?」
「その点は大丈夫だよ。彼女も今は別の飛空艇でティファのお店に向かっているからね!」
「そうか……、良かった……」

やれやれ、ひとまずは安心って奴だな。
あのカインがセシルと一緒に迎えに来る事自体、珍しいけどよ。
だけど久々にこの魔導船に乗車したら、その心配性はなくなった。
此処からティファたちのとこまでは、早くても丸1日は掛かるだろう。
ごめん、少しだけ地下の部屋で眠らせて貰うわ!!

バタンっ

「………。ポップ……」
「セシル。後は俺が運転するから、あいつの様子を見に行って来い!!」
「分かった。何か異変があったらその辺りに通信機があるから、それで知らせて!」
「ふっ、任せて置け!!」

さっきの彼の去り際を見た途端、元気がないように思えたんだ。
ねえポップ、どうして君は大事な事を僕に話そうとしないんだい。
かつて僕があの女の子に支配されている過去があったにしても、それは昔の事その物なんだよ。
だからカインは初めから分かっていたんだね、何でポップが僕や此処にいる皆の前で静かに泣いているのかを察していたから様子を見に行けと言ったんだろうな……。

済みません、もう少しだけ続きますので感想はまだです。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.107 )
日時: 2022/04/07 21:11
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※今回はアルドールの王・レインと陽気な魔法使いの青年・ポップがメインのお話になるので、ご了承下さい。
後涙腺描写びょうしゃも含めているので、ハンカチを持参しながら閲覧えつらんして下さい。

第76話「お互いの悔しさと後悔と」

【魔導船内 就寝部屋】

「…………ッ!!!」

畜生っ。とわの大馬鹿野郎!!
何だってアンタはいつもいつも、そうやって無茶しやがるんだよ!!
俺の1番大切な仲間を守った事は感謝してるけどよ、何もアンタが犠牲になる必要がねぇじゃねーか!!
俺だってなぁ、たった1人の大事な姫さんを守る為に犠牲になった事があるんだよ!!!

がちゃっ………

「ポップ……」
「……。レイン……う う う……」
「ずるいな……」
「えっ………?」
「俺だって必死で涙をこらえてるのに、君が先に泣き出すから俺もつられてしまったじゃないか!」
「……。アンタはグランシェルトの騎士である前にアルドールの王様だろ、こんなみじめな俺を見て笑ったり何なり好きにしろよ!!」
「いや、惨めには思わないさ!!」
「……?」
「隣……、座ってもいいか?」
「………。いいぜ、仕方ねーから大切な仲間の話くらい最後まで聞いてやらぁ!!」
「全く……、そういう時だけ君は素直じゃないなぁ(汗)」

レイン王は語り出した、第2の故郷ふるさとでもあるグランシェルトを離れたきっかけを。
それは父であるレーゲンのおっさんと再会する為に、ラスウェルっていう奴と一緒に旅を始めたらしい。
そして彼がのちに知ったのが、その世界の遠い未来での出来事。
ラピスという世界にいた時は、相容れぬ存在とも呼べる悪の親玉・ソルとの激突がいくつか続いていた。

「……。三闘星のヒョウになっても、ソルは俺の事を本名で呼んだんだ」
「……。じゃあ、ポーチカって村で出会ったアンタはその姿になる前だったのか?」
「そうだ。ラピスでの激しい激闘の末、俺はいなくなりそうになった事があるけど……もしあの時。もう1人のフィーナが与えてくれたクリスタルの加護がなかったらこうして立っていなかったかも知れない」
「………」
「あの頃の俺に残されたのは、その道を進むしかなかったからな!!」
「………。……めろよ、やめろよそんな事言うのは!!」
「ポップ……?」
「確かに俺ァよ。その時のアンタを見た事はねぇけど、今俺の傍にいるアンタはその頃のアンタじゃねぇだろ!!」
「………」
「ふざけんなよ。過去に何をしたか知らねーけどよ、いつまでも引き摺ってんじゃねぇよ!!💢💢💢💢」
「ポップ………」
「そんなアンタを信じてるあいつの……、フィーナの気持ちもちゃんと考えてやれよ………」
「そう……だな……、そうだよな!!」
「まっ、お互い泣いちまったしよ! おあいこって事にしとこうぜ♪」
「ポップ……。ああ、そうだな♪」

普段の彼は抜けているとこもあるけど、こうして語るといつものレイン王その物に見える。
少し離れた所で見ていたセシル王にも笑顔が戻り、何も心配はなかったかのようにコックピットに戻っていく。
今頃そのコックピットでは、目的地に早く着く為の最短ルートについての会議が行われている頃だろうな。
もしこの調子だとしたら、約束していた例のお店に着くのは明日になりそうだぜ。

77話に続きます。感想OKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.108 )
日時: 2022/04/08 08:01
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第77話「楽しい誕生日会 前編」

【7番街スラム セブンスヘブン】

カランカラーン……

キィィン……

「クラウド、お仕事お疲れ様!!」
「ああっ。なあティファ、他に必要な材料とかあるか?」
「えっ……? 折角帰って来たんだから、少しゆっくりすればいいのに!!」
「そうしたい所だが。休んでしまったら、あんたの優しさに溺れてしまうだろ……」
「それもそうね……。じゃあ、頼まれて欲しい物があるんだけどお願い出来るかな?」
「いいだろう。それに今回は久々のタダ働きだからな!!」
「ふふっ。でもあの子がいたらきっと、その言葉に弱いかも知れないな♪」
「………」

確かに、戦争で両親を失ったアイツなら元気よく飛び出して来るかも知れないな。
無料バイトに関しては俺じゃなく、アイツが適任だ。
数分程待っていると、カウンターの席からティファが駆け付けて来た。
要するにこの店を貸し切りにしたのも、ある奴らを祝う為だろう。

「クラッカーの予備は問題ないか?」
「うん。そこは他の子に任せてあるから、心配はないよ!」
「……? そう言えば、ティナやフィーナたちがいないみたいだが……彼女たちはどうした?」
「それが……。フィーナたちなら少し前に帰っちゃったの、多分……高い所の飾り付けとか色んな準備を彼女たちなりに手伝ってくれたから相当疲れたんだと思う!!」

俺がいない間に、そんな無理な事をしていたのか。
いや、これもあいつららしい感謝だろうな。
しかし此処に来ると前にティファが言ってたな、まるで本当の故郷に帰って来た気分みたいだと。
今回の特別な依頼内容は、ケーキを作る為の必要な材料を調達する事だった。

カランカラーン……

「あっ! ポップたち、無事だったんだね!!」
「当たり前よ。この俺がいなかったらこいつら全員、全滅だったわ♪」
「良かった……。そうだ、ご飯食べる?」
「そうだな……。ひとまず体力を万全にしてーからお言葉に甘えますか!! なっ、セシルさんよ!」
「そうだね。じゃあティファ、頼めるかい?」
「分かったわ。この店の看板娘の腕によりを掛けて、皆の為に美味しい料理を振るわせて頂きます!!」
「ったくアンタは危なかっしいからよ……。仕方ねぇな、俺も手伝ってやりますか!!」
「ありがとうポップ、助かる〜♪」

意外だな、まさかポップ自ら希望を出すとは。
しかし俺は未だに動かず、依頼内容を再確認していた。
つまり此処に到着していないメンバーの中に、主役の2人が一緒にいる筈だろうな。
それでティファが自信満々で言ったから、逆にポップの奴が不安になったと言う訳か。
……さっさと済ませて来るか、またティファが無茶をしないように依頼をこなさないとな!

後編に続きます。前編ですが、感想OKですよ。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.109 )
日時: 2022/04/09 06:24
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第78話「楽しい誕生日会 後編」

【モブリズの村】

「………」
「ツェザールの言う通りね。何で酷い状態なのよ!」
「ごめんね、こうなるまで隠して置きたくて……」
「………」
「………」
「ちょーーーーっと待って!!!」
『………ッ!!!』

この高い響き、もしかして。
その声がする方向に振り向くと、私たちの背後にいたのは金の髪にツインテールをしている女の子。
彼女の名は、元十六闘星・ファイサリスちゃん。
だけどおかしいわ、どうしてあなたが此処にいるのか不思議なんだけど。

シュンシュンシュン………

「アンタらが滞在するのは!!」
「此処じゃない……でしょ??」
「恋次くん、乱菊さん!!」
「ティナ。今俺たちは世界各地を回って、あの闘いで被害になった村の復旧活動をしているんだ!」
「えっ……?」
「うんうん。シャルロット先輩の命で色んな世界にいる腕利きの仲間を招集したらね、こうして集まってくれたんだ!!」
「そ……、それじゃあ砕蜂さんたちも?」
「ああ!!」
「どうして……?」
「実はねティナ。前からあたしたち、ある方の命令で動いていたのよ!」
「もしかして、パルテナ様?」
「そうだ。だからティナよ、我々がこの村をもっといい村に生まれ変わらせるからお前たちはお前たちの本来の拠点となる場所で英気を養ってくれ!!」
「砕蜂さん……皆。ありがとう! 復旧している頃にまた来ます、今度は他の皆と一緒に!」
「分かった。その時を楽しみにしているぞ!」

現在の隊長や副隊長だけでなく、スターウルフまで復旧活動をしていたなんて正直驚いたわ。
更に背後から大きな音が聞こえて来て、徐々に徐々に私たちの方へと近づいて来る。
あの乗り物は確か、戦艦ハルバードね!
その船の甲板から顔を出しているのは、コハルたちだった!

「話は後よ、皆乗って!!」
「コハルちゃんたち、無事だったのね?」
「うん。本当だったらこのままセブンスヘブンに向かっているところだったんだけど、近くにあなたたちがいるって情報が入ったから迎えに来たんだ!!」
「ほらティナ。今涙を流すのは勿体無いわ、事情は後で聞くから急いで乗車しなさい!!」
「うん。さあマァムちゃん……そして皆、行こう!!」
『ええっ(うん/はい)!!』

今の声は間違いないわ、ピーチ姫の声よ。
彼女たちに招いて貰いながらも、目的地に着くまでの間各自の状況を交換し合ったわ。
ユライシャ号に乗っていた時に聞いていた報告通りね、まさかモブリズがあんな状態になっていたなんて……。
それでファイサリスやフォックスたちは私たちがこれ以上辛い顔をしないように、ずっと前から支援活動を結成していたんだわ。
ありがとう皆、支援活動が終わった時にまた立ち寄らせて貰うわ!!

もう少しだけ続きます、感想はまだです。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.110 )
日時: 2022/04/09 08:16
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第79話「楽しい誕生日会 準備編」

【戦艦ハルバード 甲板】

「………」
「ピーチさん、どうかしましたか?」
「ふふ。ゼルダこそどうしたの? もしかして、眠れないのかしら?」
「………。そうでもないんです、だけど…落ち着かなくて……」
「そっか……。ゼルダも落ち着きがないのね……」
「えっ!? ピーチさんもですか!!?」
「ええ、私も同じ事を考えていたわ!」
「ピーチさん……」

良かったです、今私が涙を流しているとアイクさんに気付かれてしまったらかなり慌てますよね。
彼と再会するまで、もう少しの辛抱です。
それまで涙は、その時に備えて残して置きましょうか。

「ピーチさん、あの大会の記憶はどの位覚えていますか?」
「沢山かしらね。急にマスターから呼び出されて、いきなりあの森の中にいた時は驚いたもの!」
「はい。あの時は私も別の場所で出番を控えていましたわ!」
「そうよね。急にトワリンのような勇者になって、その剣で森に現れる亜空軍を全て倒してとか急に言われたもの!!」
「………」

ピーチさんの物語が始まる少し前に、私の物語が始まりました。
大きな石像になったポーキーから必死に逃げ続けながらも先へ進み続けると、意外な人物が助けに来てくれました。
初めてだったんです、アイクさん以外の男性と共闘したのは。
ですがポーキーを倒した後、その方は突然現れたワリオさんに寄って攫われてしまいました。
途方に暮れて何もかも失いかけた時、当時グランシェルトの騎士候補だったあの人がいましたの。

【回想:荒廃された動物園】

『て……、敵がこんなにいます!!』
『かなりの数だな、大体500体以上って所か!』
『ど、どうしますか!?』
『……。だからって立ち止まってる暇はないよな! 俺たちと一緒に戦ってくれ、リザードン!!』

今でも覚えています、当時レインさんのパートナーポケモンがリザードンでしたわ。
私たちの知り合いにレッドさんがいましたけど、あの方の時はゼニガメを持っていました。
寂しさを隠すようにしつつも互いの力を合わせながら、あの場所にいたプリムたちを滅する事が出来たんですよ!

【現在:戦艦ハルバード 甲板】

「レインとゼルダ……。初めての共闘だったんじゃないの?」
「ふふっ。そういうピーチさんこそ、ピカチュウと初行動だったんじゃないですか?」
「ま……、まあね!!」
「ふふふっ♪」
「2人共。懐かしい大会トークで盛り上がっている所悪いけど、そろそろ着くってメタナイトさんが言ってたよ!!」
「そうね、そろそろ離陸準備に入るわね!!」
「………。よし、いつもの満面スタイルで行きましょうピーチさん!!」
「ゼルダ……、ええっ!!」

それ以上に嬉しいのは、もうすぐアイクさんに会えるという事。
今頃あの会場では、他の皆さんが最後の仕上げに入っている頃ですわ!
何とか日付が変わった頃に到着しましたが、おかしいです。
もしかして、入れ違いになってしまったんでしょうか!!

もうちょっとだけ続きますので、感想はまだしないで下さい。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.111 )
日時: 2022/04/09 11:19
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第80話「再会と喜びとハプニング」

【七番街スラム セブンスヘブン 入口】

カランカラーン……

「……!? おいロック、あの甲板から見えるピンクのリボンの子ってまさか!!」
「………ッ!! ……エアリスだ……、間違いない! 俺の大切な人だ!! 」
「な、何だって!?」
「エアリスーーー、今行くぞーーー!!」
「Σうぉぉぉいっ!! ロック、大切な人に会いたい気持ちは俺にでも分かるけど勝手な行動はつつしめよーーー!!」

俺は決して見逃さなかった、あの大きな音を。
あれは間違いなく、エアリスたちが乗って来た戦艦ハルバードだ!
降りて来た順によると、先端からコハル マァム ビアンカ フィーナ ティナ ピーチ姫 フローラ ゼルダ姫と続いて来る。
しかし少しだけ高所恐怖症の彼女を支えているのは、スーツを脱いだサムスとミェンミェンだ。
ああエアリス、やっと会えたな!!

ポンっ

「えっ……、ゼロサム?」
「ふふっ、会いに行けよ! アンタの大切な人の所に!!」
「ゼロサム……。うん、行ってくる!!」

するとミェンミェンと視線が合い、彼女は片目でウィンクし始めた。
その意味は恐らく、「後は頼みましたヨ、ロックさん!」と言う合図だった。
互いの名を交互に呼び合いながらも、俺とエアリスは抱き合い続ける。
その点に関しては、他の組も一緒だった。

「エアリス!!」
「ロック!!」
「フィーナ!! 良かった、フィーナが無事で!」
「レイン……。やっと、やっとあなたに会えたよ……」
「ああフィーナ……、俺も君に会えて嬉しいよ!!」
「お〜いそこのバカっぷる2組、当の主役らをほったらかしにしてまでイチャつくなよな〜!」
『おいもろは! フィーナ(エアリス)の前で一言余分だ、馬鹿野郎!!💢💢💢💢💢』
「えっ!? じゃあ今の内に………ティナちゃんをhshsしよーーーー!!wwwwww」
「よ〜し。じゃあ俺様は隙を見せるピーチちゃんたちのおパンティをーーーーー!!wwwww」
『き………、きゃあぁぁぁぁぁぁーーーーー!!』
「Σあっ!! ピーチさん、ティナさんたち!!」
「Σ危険です!! このままではティナさんたちが危ないですわ!!」

てかそれ以前に泥パックンにタブー ワリオ、いつの間にいたんだよ!!
いや、そんな事よりピーチ姫やティナたちが危ねぇ。
そう言いかけようとした瞬間だった、俺たちはゆっくりゆっくりと目を開けると最強の4人組がワリオたちをフルボッコした。
それに合わせて、もう1人の救世主が彼らに加勢している。

ぷしゅぅぅぅぅぅ………

「何故だ……。何故俺様たちは2度までもこの有様になるんだ………」
「ワリオ。それ以前にお前自身が変わるべきじゃないか?」
「そんなの認めんぞ。ライバルであるマリオに勝つなら、俺様は泥パックンらの一味として継続するんだ!!」
「ほう? この俺がいても、同じ事が言えるのか?💢💢💢💢」
「ヒッ!!?」
「2度だけじゃないよなぁ? 俺は知ってるんだぞ、さっき俺がいる目の前から何かしようとしてたよな〜?💢💢💢💢」
「……ッ!!! な、ナンノコトデスカネ-……??」
「仕方ない。とぼけ続ける気満々なら、お仕置き再執行だな!!💢💢💢💢」
「ああっ。今度ばかりは手加減無用だ、ワリオ!!!💢💢💢💢」
「さ〜て、最高のショータイムと行こうか? 3・人・共・★」
『ひ……、ヒエェェェェェーーーーー!!!(がたがたブルブル)』
『………(汗)』

あぁ……、あの現テトリス王者・ティまでもがガチで怒ってるよ。
折角気持ちのいいアレが出来ると思ったのに、今はそれ所じゃないよな!
そしてワリオたち、いい加減に懲りろよな!!💢💢💢
嫌でも思い知る筈だ、あの5人は絶対に怒らせては行けないということに。

81話に続きます。はい、此処までの展開がかなり長かったです!! 感想OKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.112 )
日時: 2022/04/10 00:08
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第81話「繰り返される悪夢」

【天望荘 203号室】

「………」

また、あの悪夢ですわ。
あの後誕生日会は明日に延期になった為、各自明日に備えて早めに休むことになりましたの。
しかし、早めに寝ていてもあの悪夢は出て来てしまいます。
思い出したくもない悪夢が近々、現実になってしまうかも知れません。

コンコンっ

「ゼルダ、大丈夫か?」
「クラウドさん…」
「今アイクは例の奴らをお仕置きしているらしいが、終わり次第来ると言っていたぞ」
「……。あの、夜風に当たりながらこの辺りを歩きたいんです!」
「分かった。ティファに事情話してくるから、もう少しだけ待っていてくれ!」
「はい……」

昔の光景とは、大分違うんですね。
マンションの名前が、天望荘って言うんですか。
お話を聞いた時、今の大家さんであるマーレさんは此処を守っています。
急に大人数で来てしまいましたから、かなり慌てていると思いましたがそんな感じはしませんでしたね。

がちゃっ

「ゼルダ。少し遅れて済まない!」
「アイクさん!? ……? あ……あの、クラウドさんは?」
「本来ならあいつが此処へ来るつもりだったんだが、お店を離れる直前にバレットの奴に捕まってしまったらしくな……明日に備える為の準備をしているそうだ!」
「………」
「それと。バレットから夜の外出の許可は降りたから、此処からは俺と一緒に行こう!」
「アイクさん……。はい、ご一緒に行きますわ!」

いつ以来でしょうか、こうして好きな人と行動出来るようになったのは。
お部屋を出てすぐに階段がある為、まずはアイクさんが先に数段程降って行きます。
すると私に視線を向き、片方の手を差し出して下さいました。
夜道は怖いから、手を繋いで行った方が少しは楽かも知れませんわね。

82話に続きます。感想OKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.113 )
日時: 2022/04/10 07:29
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第82話「久し振りの息抜き」

【天望荘 大家の間】

「ん…? あんたたちが以前言ってた仲間たちだね、ティファから話は聞いてるよ!」
「はい、お世話になります!」
「いい心掛けだ。それとアイク…これは依頼だよ、今後もゼルダを大切にするんだ!」
「ああ、分かっている!!」
「うんうん。話が早くて助かるよ、それとこの天望荘は好きに使っていいからね! クラウドやティファがお世話になってる連中からお金を頂くわけには行かないからさ!!」
『…………(汗)』

それって、どう言う意味なんでしょうか。
よくは分かりませんが、要するに無料提供でいつでも休ませてくれるって事でしょうか。
大家さんと簡単な挨拶を済ませた後、私たちは別の場所に足を運びます。
全体の作りだけじゃなく、風景まで全然違うんですね。

スタスタスタスタ……

「まるで、別世界そのものですわ!」
「そうだな。今まで通って来た場所よりも全く違う光景が見えるぞ!」
「あそこにいい場所がありますわ。少し休んで行きましょうか!」
「ああ、そうだな!!」

……アイクさんは冷静を保っていますが、これは無理に耐えているかも知れません。
すると少し離れた所でビックスさんと遭遇し、私たち2人に飲み物を下さいました。
そんな、頼んでいないのにどうしてでしょう。
そう悟っていたのか、彼は笑ってこう言いましたの。
「大家さんからの命令でな。日頃の感謝を込めて無料提供しているんだ」と、彼は笑顔を浮かべたまま言ってくれました。

ぷしゅっ……… ゴクゴクゴク……

「おっ! 流石だなビックスの奴、俺たちの好みをよく理解しているな!」
「はいっ。こうしてのんびりするのも、あまりなかったですからね!」
「………。さてと、此処なら誰にも見つからないだろう。そろそろ話してくれないか?」
「……? えっ……?」
「実はな。最近のゼルダが何か隠してるみたいで心配になっていたんだ!」
「やはり、気付いていたんですね……?」
「当たり前だろ。こっちに来てからゼルダ、あんたはずっと何かを隠している様子だったからな!」

流石アイクさんですね、本当にこの時は勘が鋭い人なんですから。
だからってこれ以上、1人でうなされ続ける訳には行きません!!
一緒にいてくれる大切な人の為に、私は覚悟を決めてお話しました。
ごめんなさい、こんなになるまで隠すつもりはなかったんです!!

「………。まさか、あの魔王城でそんな出来事があったなんて……」
「はい。実はこの古傷も、その頃に受けた傷跡なんです!!」
「………。これは許せないな、3つの力を手に入れるだけじゃなく……ゼルダの体内に潜んで好き勝手な事をするとは最低だな!!💢💢」
「アイクさん……」
「済まなかったゼルダ。あんたがそのせいで悪夢にうなされて苦しんでいたのに、俺は自分の事しか考えてなかった!!」
「そんな事ないですよ。私は嬉しいんです、あの時私を守る為に行動して下さいましたから♪」
「……もう、これ以上1人で抱え込むな!! 頼む……、俺の見えない所でアンタが苦しむ姿を俺は見たくないんだ!!」
「……う……。ううっ………、アイクさん……! アイクさーーーーーん!!!」

私が静かに泣き出したと察し、アイクさんは少しだけ抱き締める力を強めました。
実は先程のお部屋にいた時も、私は1人で静かに泣いていたんです。
それをピーチさんや他の皆さんに知られたくなくて、お話をしたくなかったんです。
ごめんなさい、落ち着くまでこのままでいて下さい。

83話に続きます。初のゼルダの過去編です、涙腺もありますが感想OKですよ。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.114 )
日時: 2022/04/10 14:37
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

こんにちは。
この作品の作者、女剣士です。

後1話を描いてから、最終話になります。
最終話では、仲間を救う為にそれぞれのキャラたちが修行の旅に出ると言う展開を考えています。
新作に突入後も、コラボ小説は続けて行きますので宜しくお願いします。

まだ一月ひとつきと少しですが、最後まで応援等宜しくお願いします。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.115 )
日時: 2022/04/10 22:50
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第83話「楽しい誕生日会と決意 前編」

【セブンスヘブン】

キュッキュッキュッ………

「うん。こんな感じでいいかな♪」
「よし、それじゃあそろそろ開けるぞ!」
「!?待ってくれ」
「どうしたのクラウド、急に声出して!」
「いや……。ゼルダが心配になってな……」
「大丈夫だよ。さっきポップが彼女を呼びに行ったからすぐに来るよ!」

とは言ったものの、肝心のお2人さんが見当たらねーんだよな。
昨日バレットのおっさんに確認して聞いたら、自分が許可を出したからその辺にいると言うけど。
ま、その情報を頼りに近くを探してみますかね!
うん? あっちから声が聞こえるけど、邪魔しちゃ悪ィから様子を見るか!

「……!?」
「どうかしましたの? アイクさん」
「………。それで隠れてるつもりか? ポップ!」
「お、おいアイク! 何で俺が此処にいることが分かったんだよ!!」
「気配を感じてな。殺気じゃないと確信したんだ!」
「要するに、仲間の気配には敏感って訳ですかね?」
「簡単に言えば、そうだな…」

畜生、これでも上手く隠れてたつもりだったんだぞ!
気配を消してまで隠れてたのに、まさかこいつに気付かれるなんて想定外だ。
まぁ、今日くらいは嫌な事を忘れますかね。
とりあえず、何とかしてお店の方に誘導しないと前に進めないぞ。

ぐいっ ぐいっ……

「な、何だよポップ!!」
「話は後だ、着いてこいよお2人さん!!」
「待て、歩きながらでもいいから事情を説明しろ!!」

悪いけどアイク、そういう訳には行かないんだわ。
俺が此処に来たのもさ、本当は主役であるゼルダの姫さんを呼びに来ただけなんだよ!
別に攫うとかそうじゃなく、迎えに来ただけなんだよ。
だがアイクは、俺が上手いことを言って彼女を攫うと勘違いしちまってるけどよ!
この状態でも、同じ事が言えますかねぇ!!

後編に続きます。感想OKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.116 )
日時: 2022/04/11 08:26
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第84話「楽しい誕生日会と決意 後編」

【セブンスヘブン】

「ふふっ、ゼルダの方はポップが連れて来たみたいね!」
「俺……もう待ちきれないよ、もういいでしょ?」
「焦るなよ小さな勇者様。こういう時は3カウント後に開けるもんなんだよ!!」
「………。ちぇっ!!」

つまり、例のカウント終了と共に開けるって作戦かな。
デルムリン島にいた時でも、きっと同じような感じになっているだろうなぁ。
ビックスさんは緊張すらしないまま、平静を保ちながら3つのカウントを言っている。
い……いよいよだ、ついに主役たちを出迎えれるぞ!!

バァンっ

パンパカパーン

『誕生日おめでとうピーチ(姫/さん)、ゼルダ(姫/さん)!!』
「み、皆………」
「では、この日の為に私たちを待っていたんですね!!」
「ま、そういう事になるんだわ。悪かったな、黙っててよ…」
「成程。何故俺たちが導かれていたのかやっと分かったよ、こういう事だったんだな!」
「ほらほら主役のお2人さん。豪華な料理も沢山あるから、楽しんで行ってくれ♪」
『ちょーーーっと、待ったーーーー!!!』
「……。また彼らのようだな、表の方は俺とりんごで死守して来るよ!!」
「待てよティ、そーいうおいしいとこは俺にも混ぜてくれよ♪」
「おっ、面白そうだな! 久々に俺たち4人で大暴れしてやろうぜ!!」
「ちょっと!! ……。折角の誕生日会なのに、あんなのでいいのかしら?」
「大丈夫だよマァム。それに表のゴミ掃除ならポップたちが適任だからね♪」
「そうだぜお嬢さん、俺らアバランチのリーダーも加勢するんだ! 何も心配はねぇよ!」

だ、だからそうじゃないのに〜。
恋人のダイだけじゃなく、アバランチのメンバー・ビックスさんまで乗っちゃって。
肝心の2人はと言うと、あんな騒ぎになり掛けてるのにも関わらず楽しく過ごしてるわ。
私もこうして過ごしたいけど、どうしても表の方が気になるわ!!

ババババババババババ……

「この店はよ……、テメェらのような変態どもが来るような場所じゃねーんだよ!!💢💢」
「畜生!! 折角ティナちゃんをhshs出来る絶好の機会だったのに!! こんな仕打ちは、酷いよーーー!!!」
「うわーーーーん、ママーーーー!!!」
『Σお前らは揃いも揃って餓鬼か!!💢💢💢』
「うぐっ………、ヒック…………」
「だってだって。どうしても可愛い女の子をhshsしないと気が済まないんだよ!!💢」
「………。だったら、その腐った性根しょうねを俺たち2人で叩き直してやる必要がありそうだな!!💢💢」
「同感だな。それによぉ……!! 今のてめぇの一言であいつが……、バッツが黙ってるとも限らねーんだよなぁ!!💢💢」
『ひ、ヒィィィィィィ………(がたがたブルブル)』
「ワハハハハハ。その隙に俺様は店の中に……」
「甘いですねワリオさん。この私がいる限りそんな好き勝手な事はさせませんよ、ターミテーションx2!!!💢💢💢💢」

バレットたちならともかく、あのりんごが本気で怒っているなんてね。
するとその背後で私の名前を呼ばれたと察し、静かに後ろを振り向いたの。
まるで一部始終を察していたのか、普段はあまり怒らない筈のバッツまでもがカンカンに怒っていた。
本当は行かせてあげたいけど、これもあなたの為だからごめんなさいねバッツ!!

【セブンスヘブン 店内】

「はあっ!!」

どこんっ

「ま、マァム……。どうして………」
「ごめんなさい。あなただって表の処理に賛同したいって分かっているけど、かたわらにはティたちがいるんだもの! 彼らは絶対に負けたりしないわ!!」
「そうですよバッツさん。お気持ちは分かりますけど、今回ばかりはティくんたちに任せましょうよ♪」
「だ……、だけど………」
「バッツ。諦めろ、それでも行きたいと駄々をこねたらお前の大切な恋人まで悲しませる事になるぞ!!」
「………。分かった分かった、分かりました!! 本当なら俺も思いっきり暴れたかったけど、今回ばかりはティたちに託すよ!!」
「バッツ〜。あなたの好きな料理も沢山あるわよ、早く来ないと無くなっちゃうわよ〜?」
「ティファ。マジで頼むから、それだけは勘弁してくれよ〜!!」

ありがとう時リン、そしてアイク。
あなたたちのお陰で、もう1発彼を寸止めしなくて済んだわ。
本当なら此処にいる皆だけでも、楽しく過ごすつもりだったけどね。
もし私も今のバッツみたいに駄々を捏ねていたら、今度は大人気ないよってダイに言われるかも知れないわね。

85話に続きます。

※本来なら次の回で最終話を描く予定でしたが、まさかの裸族一味が再降臨してしまった為もう少しだけ続きます。
あっ! 感想はOKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.117 )
日時: 2022/04/11 21:36
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第85話「加勢と阻止 再び」

【セブンスヘブン 店の中】

「待っていられないわ。やっぱり私も表に出るわ!!」
「そうね。じっと待ってるだけなんて耐えられないもの、私も共に行くわティファ!」
「ええっ。抜け出すなら……、今しかない!!」
「ええっ!!」

もう少し、もう少しという所だったの。
そんな私たちを止めたのは、時リンクとクラウドだった。
表でバレットたちが頑張っているのに、見過ごす訳には行かないじゃないの!
お願いだから、そこを通して!!

がしっ がしっ

「な、何のつもりよヒュンケル!」
「ティファ。じっとしていられない気持ちは俺にもよく分かる、だがこれはポップたちじゃなければ出来ない事なんだ!!」
「だからって黙って見ていろって言うの? そんなの絶対に嫌よ、それだけなら私たちも彼らに加勢して闘うわ!!」
「頭を冷やせ、ピーチ!!」
「………っ!!!」

ヒュンケルからの渾身が、降り注ぐ一瞬だった。
ゆっくり……ゆっくりと相手を見ると、目の前には時リンクがいたの。
彼はきっと、私がピンチだと察してヒュンケルから守ったんだわ。
この静かな怒りを見たのは、久し振りだった。

ぱしっ……

「と……、時リンク……」
「ヒュンケルさん。あなたは一瞬僕の恋人に手を出そうとしましたよね……?」
「そっ……、それはピーチがどうしても行くと我儘を言うから頭を冷やそうとしただけだ!」
「それでも。僕の恋人が傷付く姿を、これ以上見たくないんです!!」
「し……、しかし……「ヒュンケル!!」……?」
「今回ばかりは俺も時リンクと同意見だ。俺も目の前でティファが傷付く姿を見たくない」

時リンクは私の為に動いてくれたけど、クラウドはティファの為に動いてくれたんだわ。
背後にいるゼルダも間に入ろうとしたけど、一部始終を見ていたアイクが首を横に振っている。
バッツは危ないと察しつつ、ティナの両目を塞いでいるわ。
今お店の中で騒ぎが起きたら、折角の楽しい時間じゃなくなってしまうわ。
ありがとう時リンク、あなたのお陰で助かったわ。

86話に続きます。

はい。いつものように感想OKですよ♪

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.118 )
日時: 2022/04/12 08:12
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第86話「それぞれの変化と最後の一夜 前編」

【モブリズの村】

「皆。そろそろ来る頃だって分かっていたよ!」
「ファイサリスちゃん!」
「それでね。私もラスウェルとよく話し合ったんだけど、ティナたちの故郷に住もうと決めたんだ!!」
「……。えっ………」
『えぇぇぇぇぇぇーーーーー!!!』

確かにファイサリスらしい判断だけど、ラスウェルまで彼女に賛同する事事態が珍しい。
しかし、ラスウェルにはヘスの王としての責務がある筈だろ。
俺の心配を悟ったのか、ファイサリスは両腕を組みながら答える。
互いの休みに合わせて、此処にも帰って来ると言い出したんだ。

「まあね。ティの心配もよく分かるよ、別にラピスは私がいなくてもレインとフィーナがいてくれるからね!」
「………。でも、やっぱりラピスの世界はファイサリスさんがいてこそ賑やかになるんじゃないですか?」
「りんごまで心配し過ぎ! 君たちの方だってすずらんとテト号とで行き来してるじゃないの!」
『…………。た、確かにそうだな(ね)………』

俺にとってテト号は実家みたいな感じだけど、りんごがいるすずらんに住んでると安心してしまうんだよなぁ。
俺の知らなかった事とか、ぷよぷよがどういうのかをもっと知りたくなってしまったからな。
もしかするとエックスたちも、俺がいなくてもしっかりと警備を強化するんだろうか。
あの悪戯いたずら大好きな双子が、またエックスを困らせたりしないといいけど。

【リックスの村】

「ふ〜ん。此処ってバッツさんの生まれ故郷なんだね!」
「ああ!」
「どう? 久々に帰って来ると故郷が恋しくなっちゃうんじゃないかしら?」
「まあな。それにさ、今この村はツェザール率いるジャイワール部隊が総本部として活躍しているみたいなんだよ!」
「えっ……?」
「俺がいつでも帰って来れるように、砂漠の国・アラバスタと同盟を組んでいるからな!」

砂漠の国、アラバスタ。
確かルフィさん達のかつての仲間だったビビ王女はそこの出身って、前に聞いてたけど。
彼女は2年振りに新しい人が見つかって、今はフィガロに住んでいる。
もしかして、ビビ王女の相手って!!
………。だ、駄目だ………想像したら余計に笑えて来ちゃったよ!!

『あははははははは………』
「2人共。俺が故郷を恋しておかしいのか?」
「ち………。違うんですよ、バッツさん!」
「私とダイが笑っているのは、ビビ王女の相手の事よ!!」
「あ〜。要するにその相手はティナの仲間の1人で、女性が苦手とかつぶやいていたあいつの事か!!」
「そうそう。そうなんですよ!!」
「でも心配だわ。あのフィガロ国には兄のエドガー王もいるし、もしあの人の恋人でもあるビビ王女が口説かれたりしたら大変よ!!」
「それがねマァム。そこの護衛隊長がオルネーゼさんなんだって!!」
「あら。ますます意外な人が抜擢されたなんてね、想定外だわ!!」

確かに、そこは俺もあり得ないと思っていた。
かつてオルネーゼは、宗主国・ゼビオンの戦士として各世界を救う為にテレシアたちと戦っていた凄腕の女戦士。
あの呪いが消えてからも、フィガロをオレンカの国の人たちと一緒に守っているんだろうな。
他の世界とかどうしてるかも気になるし、落ち着いたらフィガロにも立ち寄ろうか!!

87話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.119 )
日時: 2022/04/12 21:24
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第87話「それぞれの変化と最後の一夜 中編」

【ぷよぷよテトリスの世界 プリンプタウン】

「此処が、あたしたちの世界なんだ!」
「………。確かにあの事件の後って感じね、想像も付かないくらい大きな事件があったの?」
「簡単に言うとね。当時の元凶が、ティの前に王者を務めていたエックスって人だったんだ!」
「……。要するにそいつが何かしらやっちまったせいで、2つの世界が1つになっちまったと言うわけか!」
「その通りですわ。流石はバレットさん、素晴らしい解釈のまとめ方ですわ♪」
「ラフィーナ……(汗)」

未だに、お嬢様気分なのはあの事件から変わっていないけど。
あたしでも時々は驚いたりしたよ、今までぷよしか使わなかったのに急にテトリミノを使えるようになるなんて。
レムレスも時にはテトリミノを使っているみたいだから、今度教えて貰おうかな。
あの事件以降あっていないから、たまには会いに行きたいよ〜。

「あら、アミティサン?」
「へっ?」
「うふふっ。もしかして、ワタシと先輩の事を考えていたのかしラ?」
「う……、うん! あの事件でフェーリ、かなり錯乱していたからさ…! その頃あたし、ラフィーナを助ける為に必死だったから考えていなかったんだよ!!」
「な……、何を仰るのアミティさん! あの時私わたくしは全力であなたに勝負を挑みましたが、本気モード全開のあなたには全く及ばなかったのですのよ!!」
「そうよ。もしそこにあたしもいたら、アンタのサポートに入っていた所だわ!」
「いやいや、マリベルさん! そもそもあなたがいたら、勝負する以前にこちらが不利になりますわ(汗)」

確かに、ラフィーナの言い分には理解出来るよ。
無理にあたしのサポートをしたって、返ってラフィーナが降伏するしかないよ。
助太刀したい気持ちは凄く嬉しいけど、あの頃の戦いはあたしの全力を掛けての勝負だったからね。
後あっていないのは、アコール先生やシグたちだけかな。

【キノコ王国 ルイージとセリスの新居】

「そっか。兄さんも少し前にゴールインしたんだね!」
「うん。せつなさんがね、これからもボクのバックアップを任せてくれるって言ってくれたんだ!」
「それ以前にマリオ。どうしてあなたたちの結婚式の時、私とルイージを招待しなかったのよ?💢💢💢💢」
「ヒィィィ……。だ………、だってその日はルイージにとって初めての仕事もあったから声掛けれなかったんだよ〜」
「大切な仲間の前で黙っていた事に関しては私も同罪だ。此処は私に免じて、マリオを許してやって欲しい」
「………。分かったわ、今回はせつなに免じて許してあげるわ♪」
「そうだね。悪気はなかったし、今回は大目に見てあげようか!」
「ありがとう2人共、恩に切るぞ!」

確かに、我々の結婚式が決まった時は仲間たちに招待状を贈るのが当たり前だよな。
しかしその日はどうしても、キノピオたちの固い意志に刃向かう訳には行かなかったんだ。
黒崎一護に招待状を贈れば喜んで参加するが、檜佐木殿はそういう気分にならない。
何故なら、我が姉であるとわの死を少しずつ受け入れているから仕方ないだろうな。

後編に続きます。此処までが中編ですが、感想OKですよ。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.120 )
日時: 2022/04/13 08:22
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第88話「それぞれの変化と最後の一夜 後編】

【ハイラル城 王の間】

「………」
「夜一様!!」
「砕蜂。言ったばかりじゃろ? お主も少しは休めって!」
「そ……、そうですが! 夜一様が頑張っているのに私だけ英気を養う訳には行きません!」
「わしの事なら大丈夫じゃ。しかし、檜佐木はもう少しだけ時間が掛かりそうじゃろう!!」

やはり、日暮とわを失ったダメージが大きいかも知れないな。
他の隊長らに現在状況を聞いて回った所、何人かの隊長たちは吹っ切れている様子だ。
黒崎一護は死神代行をしつつも、コハルを守っている。
いつぞやの取り合いは一体、何だったのだ。

「おっ! 元二番隊の隊長と副隊長、お揃いですか!」
「何じゃ阿祓井。わしが力仕事をしたらいかんと言うのか?」
「そうじゃないっすよ! 俺も手伝いに来たんです、隊長たちの力になれって朽木隊長が!」
「確かあの男には妹がいただろ? 彼女はどうしたのだ?」
「ルキアは心配無用っす。一護だけじゃなく、コハルの事も守るってあいつは聞かなくて困ってるんっすよ!!」
「ふんっ。朽木妹らしいな!!」

我々は元の世界に帰りたくとも、こちらの世界にいると安心してしまうんだ。
夜一様だけでなく、松本たちとこちらの世界で過ごす時間は楽しいからな。
日番谷は相棒の剣を磨きながらも、雛森と正面から向き合っている。
斑目は松本とすっかりお酒仲間に入り浸っているが、飲み過ぎた為ラピスの世界にある仲間たちの家で療養しているそうだ。
それだけ飲めば頭痛いのは当たり前だろう、馬鹿者が!!

【ネイル村】

「………。風の噂でマリオとせつなが結婚したそうだが、知っているか?」
「あいつらが?」
「ああ。俺もヒュンケルからその話を聞くまでは知らなかったが、やはり互いに惹かれあっていたんだろう……」
「………。皆、変わっていくんだな……」

だけど俺は、俺は何も変わっていない。
トワリンやマルスたちの前で、ゼルダを守り通すと誓ったんだ。
これ以上前みたいに、彼女を危険にさらされる訳には行かない!
またワリオだけでなく、例の最低な奴らが現れようとも俺が全力で阻止して見せる!!
何かを思い出して苛立ちを覚えてしまったせいか、周りから不安な声が聞こえて来た。

「………。アイクよ、何か嫌な事を思い出してしまったのか?」
「………。何でもない、ただの勘違いだ!」
「ですが。『何でもない』って顔はしていませんよ? アイクさん」
「………。まるでエアリスに似た力を使いこなすようになったな、ゼルダ!!」
「い……いえっ、そんな!! わ、わたくしはただアイクさんが心配で!!」
「おやおや。まだ此処にいたのかい?」
「お姉ちゃんたち、折角のご飯が冷めちゃうよ!!」
「あっ、ごめんなさい! 今行きますわ!!」
「ゼルダお姉ちゃん。今日はミーナのお部屋で一緒に寝ようね!!」
「はい。お言葉に甘えて、そうさせて頂きますわ!!」
「…………」
「アイク。今回は大目に見てやってくれ、別にすぐいなくなる訳ではないからな!」
「ああ……、そうだな!!」

確かに、この村の子供にまで嫉妬する事自体が情けないな。
クロコダインが上手く解釈していなかったら、俺の怒りはかなり頂点まで昇り詰めていただろう。
ゼルダが幸せそうなら、それでいい筈だ。
いや、それ以前にゼルダと長くいるのは俺の方だとミーナにきちんと説明しないと気が済まない!!

89話に続きます。

最新話、更新です。
まさかのまさかのウチの元団長、村の子供に自分の恋人を取られて嫉妬してますwww
残りの回は、作者の好きなあの2人のお話を描こうと思いますので宜しくお願いします!
次回作の何処かにでも、元団長と知恵の姫君のお話を描きますので最後まで応援宜しくお願いします!!

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.121 )
日時: 2022/04/13 20:10
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第89話「譲れない決意」

【FF6の世界 北の岬】

「…………」

何処に行っても、バッツとはすれ違うだけ。
今も私はあなたが好きなのに、バッツは私を見てくれない。
この仕打ちはもう、耐えられないわ。
今まで私を愛してくれて、ありがとう!
そして、さよなら!

「ティナ!!」
「………ッ!!」

ど、どうして……。
どうして私は助かったの、私は楽になりたいのにどうして助けたりするの!
あなたはそうやっていつも、私より仲間と沢山話したりするじゃない。
嫌なの、そんなあなたの側にいるのが。
とても……、とても嫌なのにどうして助けるの………。

ギュッ………

「………」
「ば、バッツ……?」
「何で無茶なんかしたんだよ!」
「だって……。あの楽しい誕生日会の後から、中々顔見せる機会がなかったし! きっと、私を嫌っていると思ったから……」
「だからって、俺が本気でティナを手放すと思うか?」
「えっ……?」
「ティナが何処にもいないから、俺1人で色んな所とか色々探し回ったんだよ! それでシド博士の小屋に行ったらマールがいて、君がこの場所にいるって教えてくれたんだ!」
「……。マールちゃん、元気にしてた?」
「ああ。セリス程じゃないらしいけど、シド博士が完治した後も諦めずにお世話していたよ!」
「良かった……」
「いや、それとは逆に君がこの場所で身投げするとか絶対に良くない! 今回ばかりにまた無茶しようとした時は、身をていしてでも止めるからな!!」
「ふふっ、バッツったら♪」
「笑い事じゃないだろ。本当に心配したんだからな!!💢💢💢💢」

もうっ! 何だかんだ言っても、バッツは私を1番愛してくれているわ。
今まで優しく抱き締めてくれた力を、少しだけ強めたの。
あの後どれだけお互いの温もりを感じ取ったのかは、分からないけど。
1度正面に向かい合わせた後、彼の方からもう離れたくないと言う想いを込めた口づけを交わして来たわ。
こう言う甘いひとときは、たまには私からした方がいいのかしらね。

90話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.122 )
日時: 2022/04/14 08:53
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

第90話「それぞれの門出②」

【パラディアの世界 アルドール】

「あ! お帰りなさいレイン、久々の休暇はどうだった?」
「ああ。楽しかったよメーア、フィーナと貴重な時間が出来たから良かった!」
「……って言ってる割には、さっきからあなたについて来てるけど?」
「……ッ!!フィーナ、いつからいたんだ?」
「ずっといたよ? それにあの戦いの時でも私言ったよね、もう……好きな人と離れて暮らすのは嫌って!!」
「…………」

確かにそうだ、あの頃のフィーナは幼い頃の記憶がほとんどなかった。
幼少期の俺が時々苦しむのも、そのせいかも知れない。
そして父さんはヴェリアスになってからもずっと、幾多の闘いを乗り越えて来た。
今此処にいる俺たちは、あの頃の俺たちじゃない。

バァンっ

「ようレイン、長い休暇だったみてーだな!」
「ファリス! お前こそどうしたんだよ、わざわざこっちに来るなんて!」
「いや。俺が会いたかったのはお前じゃない、フィーナだ!!」
「えっ……。わ、私……?」
「そうだ。もうお前が決めた事なら俺から言うことは何もない、でもな……これだけは言わせて欲しい!」
「………」
「フィーナ。下ばかり見ずに前を見ろ、そして……そんなお前たちを狙う輩がいても俺たち仲間が全力で闘ってやる!!」
「ファリス……」
「要するにだな。フィーナ、お前は1人じゃないってことだ。あまりお前ばかりに構ってたら、後でレイン王に叱られるのは俺だよな!」
「………。こんな時にだけ『王』を付けるなって、何度も言ってるだろ!!」

確かに、ファリスの言い分にも一理ある。
例え前皇帝だったウラドとの闘い後も、呪われた人形との闘いが何日か続いたんだよな。
その闘いで、俺たちは大切な仲間を1人失ってしまった。
もし彼女の加護がなかったら、今の俺たちはなかったかも知れないな。

【デルムリン島 アバンの墓前】

パサッ………

「…………」
「エアリス殿。私はあなたに伝えなければならない事がある!」
「分かるよ。それにハドラー、わたしを誰だと思っているの?」
「…………」
「わたしはセトラの民であり、冒険家・ロックをいつも支えている彼の妻なんだよ? あまり多くを言わなくても、あなたが以前何をしたのかは大抵知ってるから!!」
「………。本当に、申し訳ないと思っている!」
「確かに。もしこの場にダイやマァムたちがいたら、彼女たちが大きなダメージを受ける事に関しては間違いないかな。でもね、わたしたちはいなくなってしまった人たちの分まで呪われた人形との闘いを勝ち取ったんだよ?」
「エアリス殿………」
「ねえハドラー。今わたしやロックたちと一緒にいる理由、今も継続しているんでしょ? だったらね? かつての事を引き摺るより、これからの道を歩んでいけばいいとおねーさんは思うんだけどな〜……?」
「そうだな……、確かにそうだよな!!」

時に古代種の娘よ、お前がいてくれたから俺は過去と決別出来たかも知れん。
しかしあの男が何処かで聞いていたら、俺は半殺しにされるだろ。
人様の妃を泣かせただけでなく、困らせたりしたら半殺し程度では済まされない。
まるで、本気で怒鳴るあの魔法使い・ポップ並に恐ろしいかも知れないから金輪際刃向かうのは止めるとしよう!!

最終話に続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.123 )
日時: 2022/04/14 22:17
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

最終話更新の前に、次回作の主人公を発表します。

次回作の主人公ですが、作者自身として散々悩んだんですが。
久しぶりに、マリオを主役にしようと思います。
今作でゴールインした退治屋の少女・せつなとの新生活は勿論、今作ではあまり出来なかったイベントなども次回作でやろうと思います。
ちなみに、FFBe編のメインCPはレイフィナ ラスファリです。
ファイサリスは本家のBeに登場する元オーダーズの1人ですが、次回作の何処かで彼女の過去を描く予定です。

出来たら明日にでも最終話を更新しようと思いますので、もう少しだけお付き合い下さい。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.124 )
日時: 2022/04/15 08:03
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

※この回限りのロクティナ要素が出ていますので、ご了承下さい。

最終話「お互いの思い出の時間」

【コーリンゲンの村】

「あら。エアリスさんにバッツさん、ご無沙汰してます!!」
「パルテナ様、それにナチュレさんまで!」
「……。まあ、そこがエアリスらしいから今回は特別に大目に見てやろうかのう!」
「えへへっ、ありがとうございます♪」

ピットやブラピから聞いていた通り、此処はロックさんの故郷なんですね。
まあ、ご本人がいないからと言ってあまり短縮したら怒られてしまいますけど。
他でもないお2人からの報告があって、こうして光の女神としてではなく……あなたたちの仲間としてこの地上界に来ました。

「……? 時にバッツよ、肝心な時にティナとロックが見当たらないのじゃが。あの2人はどうしたのじゃ?」
「ああ。俺とエアリスで話し合って許可したんだ、最後くらい……思い出とか語り合わせた方がいいからさ!」
「成程のう。確かにそなたらの意思を尊重そんちょうしない連中ではないのう!!」
「………。そうだな……」
「バッツさん!」
「はい!」
「私がこんな事を言うのも変かも知れませんが。私とナチュレの知り合い内にも、未だにとわさんの死を受け入れようとしない仲間たちが沢山します!!」
「……。あの、パルテナ様!」
「何でしょう?」
「それは私だけでなく。こちらにいるエアリスもその件に関しては存じています!」
「はい。受け入れるか受け入れないかは、彼ら自身の選択ですから!!」
「何とっ!! まさかそなたらの方から想定外の返事が来るとはのう!」

確かにね、中でも意外なのはバッツかな。
普段わたしやロックたちといる時の彼は、『俺』を使っているんだけど。
こう言う目上の上に対しては、「私」になるんだね。
他にも目上の人って言えば、エドガーやビルス様辺りかな。
バッツの事だから、きっとエドガーやビルス様の前でもパルテナ様のように態度を改めるとおねーさんは思うなぁ。

【アルブルクの町】

「………。やっぱり、悪いことしちゃったかも知れないな」
「えっ……?」
「でも。エアリスは分かってくれたよ、こんな時だからこそティナとお話出来ないなら後悔しない思い出を作らなきゃって!!」
「私も同じだわ。バッツに前もって相談したら、中々ないチャンスだから行って来なよって!!」

何だか、似た物同士だよなぁ俺たちは。
こうして思い出の街を見渡すのも、今日が最後になるなんて思いもしなかったよ。
それでもエアリスやバッツは、俺たち2人の気持ちを尊重してくれた。
懐かしい匂いを限界まで吸った後、前もって予約しておいたこの街の宿屋に向かう。
明日には俺たちはお互いに旅立たないと行けないから、それはそれで寂しくなって来るよ。

エピローグに続きます。

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.125 )
日時: 2022/04/15 21:09
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

エピローグ「あれから、数日後」

【グランシェルト レインとフィーナの新居】

パクパクパク………

「ん〜♪ やっぱフィーナの作る料理は最高だね!!」
「うんうん。これなら、ボクも教わりたい気分だよ!!」
「クロノが?! つまりそれって、ルッカの為に習うって事だよね??」
「馬鹿!! ファイサリスの馬鹿馬鹿、それを先に君が言ったら駄目じゃないか!!(恥+怒)」
「あははっ。何も照れる事ないよ、クロノ♪」
「もうっ!!💢💢💢💢💢」

ふふっ、何だかんだ言って2人は仲良しだね。
ファイサリスは私の力を見ても、何にも感じていなかった様子だった。
それは、あの頃から全く変わっていない。
……此処の所、私は滅多に動く事が出来なくなってしまった。
前にレインと病院に行ったら、私の中に赤ちゃんがいると言う事実が判明したの!

ばてっ……

「あ〜。駄目だよフィーナ、無理に動いたら体に悪いよ?」
「えへへ……。大丈夫だから、私………」
「だ〜め!! それはやせ我慢って言うんだよ、だから彼はボクに言ってくれたんだよ。「時々フィーナが無茶をする事があるから、ファイサリスと一緒に支えになってやってくれ!」ってね!!」
「……。レインが私の為に……」
「そうだよ! あっ、城下町の方に行って何か足りない食材があったら買って来るよ!!」
「待ってクロノ。実は此処にね、レインが書き記してくれたメモがあるんだ! 迷ったら、このメモを頼りに食材や調味料の買い足しをお願いします!!」
「うん。………そこにいるのは分かってますよ、グランシェルトの城下町に行きますよシュルクさん。ルキナさん!!」
「はい、勿論です!!」
「は〜。まさかクロノに見つかってしまうなんて、全然穏やかじゃないですね〜!!」
「ほらシュルクさん、あまり遅くなるとクロノさんに置いていかれますよ?」
「Σヤバいね! ま、待ってよクロノ。僕たちを置いて行かないでよ〜〜〜!!!」

不思議な人だなぁ、クロノって。
どうしてルキナたちが此処にいるって、彼は感じ取ったんだろう。
あるいは、前にルキナが英雄王という肩書きを持つマルスに成りすまして戦っていたからかな。
……。もっと知りたいな、何故マルスと言う偽名を使ってまで戦っていたのか等沢山聞きたい!!

【聖地ラムダ 静寂の森 ベロニカの墓前】

パサッ………

『……………』

ベロニカ、こうしてお前の前に来るのは久し振りだな。
あの呪われた人形との闘いの前に、俺やレオナの姫さんに光の加護を託してくれただろ。
そのお陰で俺たち、こうして生還出来たんだぜ。
……1人の仲間の犠牲とか色々あったけどよ。俺たち……、またこの場所から再スタートするよ。
いつかお前たち2人を生き返らせるからさ、その時まで待っててくれ!!

「お前たち。こんな所にいたのか!!」
「コラールにマズルカ、どうして此処が分かったんだ?」
「ある一国の優秀な将軍からお前やポップたちがこの森にいると、親切に教えてくれたんだ!」
「リーダーはそう言うけどね。レイン、アンタが此処にいる事はシルビアって人から聞いのよ!!」
「………。そうだったのか……」
『…………』
「………。あの人は……、グレイグのおっさんはどうしてる?」
「今はマルティナ女王の側近として、彼女と共に色んな世界を旅して回っているそうだ!」
「そうか……。じゃあ、デルカダール王はもう……」
「ポップくん。それは仕方ないわ、その人はもう………これ以上長くは生きられなかったから仕方がないんだわ」
「だろうな。あの王様の葬儀もきっと、そこにいる関係者だけでやったんだろうよ!!」
「はあ? 何寝ぼけた事言ってんのよポップ、その王様を最期まで見守っていたのは他でもないマルティナ姫たちなのよ!? それに私やラスウェルたちだって、ちゃんとその人をきちんとお見送りして来たんだから!!💢💢💢💢💢」
「おっ……おう。悪ィ、マズルカ!!」
「それと。そのグレイグ将軍から、葬儀用に使用したこの花を彼女の墓前にって私たちに託してくれたんだから!!」
「ありがとう。これならきっと、ベロニカは喜ぶわ!!」
「そうね。それに里の外にユライシャ号を止めてあるから、行きましょう!」
「えっ……、何処に行くんだよ!!」
「はぁ〜。ほんっとポップったら馬鹿ね、決まってるじゃないの! アンタたち3人をそれぞれの待つ場所に送って行くんだから!!」
「そうだな。あの人形との闘い以降、あまりのんびりしていなかったからな! 今はゆっくりと体を休めた方がいいだろう」
「そうね。それに私の大切な友人でもあるフィーナの事も心配だし、あの2人じゃ手に負えないから私も助けてあげなきゃ行けないもの!!」

フィーナって確か、少し前にゴールインしたレインの奥さんなんだよな。
あれから暫く経ったって事は、2人はもうすぐ親父とお袋になるって事かよ!!
ま………、まままままままマジかよ!!
俺たちだってやっとの想いでゴールインしたばっかなのに、こいつらの方が先輩かよ!!
まっ。これも何かの縁みてーだからよ、 折角の仲間からのご好意に合わせて俺たちも色んな場所を見て回りますか!!

エピローグ 完結。

はい、無事にエピローグを更新しました。
しかし作者としても、描いてる内に「えっ!? 意外な展開!!」と何度も思いました。
明日にはこのスレッドを閉じて、新しいスレッドを立ち上げようと思います。
まだ「感想を描いてないよ」と言う方がいましたら、今日中にお願いしますね!!

Re: 戦士たちの愉快な日々 ( No.126 )
日時: 2022/04/15 23:28
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

あ、今日中にと言いましたが。
新スレッドでも、感想は描けますよ。

此処まで頑張れたのも、見守って下さいました皆さんのお陰です。
明日にでも新作に入り、今作よりも長く描けたら描き続けたいと思います。
それでは皆さん、次回作でお会いしましょう。

2022. 4.15. 謎の女剣士。