二次創作小説(新・総合)

Re: 心霊スポットに囚われた美月ちゃんを救い出せ!の巻 ( No.11 )
日時: 2022/06/11 20:00
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: d4UJd1Wm)

ラグナス(表)「ようやく自宅に戻ってこれた………今日の審神者としての務めも大変だったな」

この日、自らの本丸にて、自らの顕現した刀剣男士達と共に本日の務めを果たし終わったラグナス・ビシャシ(表)は、少しヘトヘトになって自分の家へと帰ってきていた。この日は戦力拡充計画の最終日。そのため自分たちなりに時間遡行軍と戦ってきたラグナス(表)と刀剣男士達は、計画の終了時点でクタクタになっていた。中には重傷をくらったため、今も手入れ中のものもいる。そんなグロッキー状態のラグナス(表)だが、つい最近ついたこの習慣は忘れていなかった。

ラグナス(表)「おっとそうだ、ラグナスポストの確認………もしかしたら、また別世界の作者さんから依頼が来てるかもしれないからな」

ラグナス(表)の設置しているラグナスポストは、ギルド「光の竜胆」の依頼も入れられる仕組みとなっている。そのため、毎日確認するに越したことはないのだ。この日もラグナス(表)はラグナスポストを確認してみた。すると………

ラグナス(表)「ん? 時………えっと、ちょっと読みが難しいかな………でも、この人ももしかして、別世界から依頼してくれた作者さんなのか?」

天悪「いや! その子は大瑠璃音葉さんサイドにいる審神者であり特務司書であり監督生である、時継優彼ときつぐゆうひくんだよー!」

ラグナス(表)「うわわ!?? 天悪!! だからいきなり出てこないでくれって!! しかも大瑠璃音葉さんって………新しく繋がった人なのか?」

天悪「いや、元:桜木霊歌さんって言ったらわかるかな」

ラグナス(表)「そうか………もしかして、霊歌さんも心機一転したのかな………」

ラグナス(表)にとって名前の読みが難しかったようだが、その『光の竜胆』に宛てられた依頼書は、大瑠璃音葉さんサイドにいる審神者と特務司書と監督生を務めている時継優彼が依頼したものであった。

ラグナス(表)「ん? ちょっと待てよ? 今、優彼は審神者もやってるって言ってたよな??? ということは、同じ審神者の者からも依頼してくれてるのか!! うわ〜〜〜………! ありがたいな〜〜〜〜!!」

天悪「うんうん! 優彼くんもラグナス(表)にとっても大先輩といえる存在だからね。これはありがたいことだぞ!!」

ラグナス(表)「ああ! えっと、優彼が依頼してくれた内容って………」

ラグナス(表)が必死に優彼の依頼してくれた依頼書を読み進める………今回も以下、依頼書の内容をコピペでお送り致します!!








●依頼者名:時継ときつぐ優彼ゆうひ(出典:オリキャラ)

●依頼内容の題名:黑社図書館という心霊スポットに入って行方不明になったクラスメイトを探してください!

●依頼内容の詳細
僕の住んでいる御伽市には黑社図書館(読み方は分かりません。)という心霊スポットになっている廃墟の図書館があるんです。
僕のクラスに新しく転校してきた『天代あましろ美月みつき』さんという子は、前の学校では校則を破ってしまうくらいに好奇心旺盛な子で、他のクラスメイトからこの図書館の噂を聞いたとき、美月さんはすごく目をキラキラさせて興味を示していたんです。
僕、自分で言うのもあれなんですが、かなり霊感が強い方で・・・あと+廃墟になってるとはいえ不法侵入するのもどうかと思い、美月さんを止めたんですよ。でも、美月さんは他のクラスメイトから僕がものすごく霊感が強いことを聞いていたらしくて、『優彼くんが言うってことは信憑性あるじゃん!』って言い出して、一週間前に黑社図書館に言ってしまったんです!
どうしようか迷ってたのですが、昨日美月さんからLINEで『たすけて』って連絡が来たんです!
でも、優治にぃから『行っちゃだめだ。行くなら俺も行く』って言い出して・・・
お願いします!僕と優治にぃと一緒に美月さんを見つけてください!

●依頼同行者の詳細
時継ときつぐ優彼ゆうひ
キャラ属性:ツッコミ組
こちらの小説の主人公的立ち位置にいる御伽学園とナイトレイブンカレッジに通う16歳の高校一年生。
監督生であり審神者であり特務司書
文学の守護者と呼ばれる文豪『時継彼花ときつぐひばな』(本名『時継優斗(ときつぐゆうと)』)の曾孫であり、彼花の事を尊敬しており、自分も曽祖父のように文学に携わる仕事に就職する事を目標にしている。性格は大人しく心優しく穏やかでお人好し。趣味は読書
だが、喘息持ちでなおかつ風邪を引きやすいかなりの虚弱体質でリニューアル前に比べるととても病弱であり、それでもなお無理をしてしまう優彼自身の気質故に心配されている。(グリムと学園長と初期刀であるまんばと初鍛刀である信濃と元の主の影響があった沖田組、秋声と堀に至っては優彼との初エンカウントが、優彼が喘息の発作を起こして過呼吸になった瞬間だった為なおさら心配)
ツイステのメンバーは優彼の名前のかなり発音が難しいため、名前を縮めた『ユウ』という渾名で呼ばれている。
病弱な為入退院を繰り返しており、寂しがり屋でもある。
両親は古書店『想い出書店』を経営しており、優彼も調子の良い時には実兄の優治と共に想い出書店を手伝っている。
霊感がかなり強く、その為黎明世界に遊びに来ている夢見の世界の住民の姿を視認でき、某カメラで幽霊を撃退するゲームだったら射○機に強化レンズ一つもいらないレベルに霊感が強い(射○機は使用者の霊感の強さで強化レンズをつけられる数が決まる。優彼や原作主人公の一人である雛咲深羽のように霊感が強ければ強いほどつけられる強化レンズの数は少なくなる。逆に原作主人公の一人である天倉螢のように霊感が弱ければ弱いほどつけられる強化レンズの数は多くなる)
幽霊に関しては視える、聴こえる、話せる、祓えるという最強レベル(明らかに話しかけちゃだめなタイプにも、優の優しい人柄故にうっかり話しかけることも・・・;)
黒髪の短髪であり、赤い瞳をしている。身長は小柄で149cmほど。
戦闘能力は全く持っておらず、幽霊を追い払うことのできる懐中電灯『霊月灯』を片手に協力する
「時継優彼です。よろしくおねがいします」
「ケホッケホッ・・・皆そこまで心配しなくてもいいのに・・・」
「はあ・・・やっぱり寂しいなぁ・・・」
「明らかにここ、あんまり来ちゃいけない場所だ・・・美月さんを早く見つけよう!」
「優治にぃ、何であんなに反対したんだろう・・・?それも、僕が行くなら俺も行くなんて言うなんて・・・ほんとにここ、ヤバいってことですよね・・・」

時継ときつぐ優治ゆうじ
19歳の現役大学生で、優彼の実兄であり医学部。
底なしに明るい性格で猪突猛進かつ、向こう見ずな態度が目立つが、家族を大切に思っており、一度交わした約束は絶対に破らない人情溢れる人物である。
愛読書は太宰治の『斜陽』と『人間失格』
霊感関連のスペックはかなり低く、某カメラで幽霊を撃退するゲームだったら射○機に強化レンズが8〜10個つけられるレベルに霊感が弱すぎる。
幽霊に関してはぼんやり視える(本人曰く『白い靄みたいな感じ』)、ぼんやり聴こえる(本人曰く『とぎれとぎれで部分的にしか聞こえない』)、話せない、祓えないとかなり弱い。本人曰く『一に限りなく近い零感』
優彼がここに来ることを誰よりも反対していたが、優彼本人が折れるわけ無いと思っていた為、無理に同行することにした。また、『図書館の中では余計なことを考えるな』と謎めいた忠告をするが・・・?
「時継優治ってんだ!よろしくな!」
黑社この図書館・・・本気で探しに行くんだな?なら、俺ついてくよ」
「なあお前ら。黑社図書館このなかじゃ絶対に・・・絶対にだ。余計なことは考えるな。いいな?」

●必ず依頼に参加して欲しい住民
行く場所が心霊スポット(ガチ)である為、石切丸やにっかり、数珠丸など幽霊に強いメンバーをできればで良いので参加させてください

霊月灯れいげつとう
優彼と優治が使用する懐中電灯。効果は下の方に書きます

●その他補足なども任意で
黑社図書館
今回依頼で訪れることになる昭和末期に閉館した廃墟の図書館であり、マジモンの心霊スポット
ここには『閉館時間をすぎると出られなくなる』、『読むたびに内容の変わる本がある』、『存在しない本がある』などといった噂が多々あり、実際に行方不明者も度々出ている。
そしてかなり特異なのが、優彼が依頼内容の詳細で言ったように、どうあがいても読み方が分からない事
優彼と優治、美月の通う御伽学園の司書は読み方を知っているが、読み方を聞けばノイズが走って聞こえず、紙に書いても平仮名やカタカナ、ローマ字で書こうがいつの間にか漢字に変換され、ネットで書けば【この言葉は表示できません】の表示にしか映らないなど、読み方に関しては謎が多い

天代美月
優彼のクラスに転校してきた中学3年生の少女。
性格は明るく明朗快活で、ルールや校則を破ってしまうくらいに好奇心旺盛。
前の学校でも御伽学園でもオカルト研究会に所属しており、一週間前に優彼の反対を押し退けて御伽市で有名な心霊スポット『黑社図書館』に向かったきり行方不明になる。
そして優彼が依頼する一日前にLINEで『たすけて』と送った後音信不通となる
「面白そうじゃん!この図書館に行ってみよっと!」
「他の子が教えてくれたけど、優彼くんって霊感めちゃくちゃ強いんでしょ?そんなにいうってことは信憑性あるじゃん!」
「お願い、助けて・・・!」

霊月灯
優彼と優治が黑社図書館内で使う懐中電灯であり、今回の報酬。
霊月灯の光を幽霊に浴びせると除霊できる(あくまで除霊・・・即ち追い払うだけ。封印や成仏させることはできない)





ラグナス(表)「えっ………!? 優彼の仲間が、心霊スポットで行方不明になったのか!? そうなると、勇者としても、こうして依頼書を読んだ身としても、助けたいに決まってるじゃないか………よーし! 同じ審神者の者と共同で行う依頼、必ず遂行してみせるぞーーー!」

天悪「あー……それは無理。今回ばかりは諦メロン」

ラグナス(表)「は、はあああああ!?? な、なんでだよ!? 私は行けないとでもいうのか!?」

天悪「だってさー、優治くんの言ってることよく読んでよ? ラグナスくん(表)はどうしても勇者関連の余計なこと考えるからダメじゃん( ˙-˙ )」

ラグナス(表)「うっ………! ど、どうしてもダメなのか………!」

今回の優彼が依頼した内容を受けて、美月のことを心から心配し、同じ審神者である優彼にも会いたいと、依頼へ励もうとするラグナス(表)を天悪が止めた。なぜなら、優治の言っている、『図書館内で余計なことを絶対に考えるな』という条件にラグナス(表)はどうしても当てはまりそうにないからだ! もし勇者としての誇りが強い余り、勇者関係の事をほぼ常に考えているラグナス(表)が依頼についてきたら、いったいどうなることか………!

ラグナス(表)「この依頼は長谷部(表)だって気合い入れて頑張れるだろうに………!」

天悪「長谷部(表)はもっと不適切だな。勇者関連&主のきみの事をいつも考えてるから………でも、代わりと言っちゃあなんだけど、きみの刀剣男士の三振り+αに参加してもらうから! それで今回は我慢して!」

ラグナス(表)「うう………わかった。その三振りには私の分まで優彼と優治に協力するようお願いするよ………」

天悪「あいわかった! ちなみに私は、少ししてから大瑠璃音葉サイドの御伽学園に調査へ行ってくるよ」

今回の依頼に、優治からのお願いの関係上参加できない事で落胆するラグナス(表)……やはり同じ審神者である優彼と一目会ってみたかったらしいが……落ち込みながらも天悪の話を聞き、今回の依頼に向かう自身の刀剣男士の三振りや他に依頼へ向かうこととなる住民の二人に自身の願いを託すことにしたようだ。天悪も天悪で大瑠璃音葉さんサイドの御伽学園へ向かうようだが………そうして黑社図書館内へと突入すべく、黑社図書館への待ち合わせ時間へと物語は進む………!






感想まだ

Re: 心霊スポットに囚われた美月ちゃんを救い出せ!の巻 ( No.12 )
日時: 2022/06/11 20:03
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: d4UJd1Wm)

優彼(音葉)「美月さん、やっぱりこの図書館から出てくる気配がないな………大丈夫なのかな…………」

優治(音葉)「………今はこれから来てくれる光の竜胆の奴らと一緒に、美月を助けに向かうしかないさ。それに、天悪さんって人によると、向こうの審神者の顕現した刀剣男士達もついてくれるようだからな。必ず助け出すぞ」

優彼(音葉)「うん………天悪さんの所の刀剣男士達、それとその刀剣男士達の主である審神者の人………いったい、どんな人達なんだろう?」

優治(音葉)「そうだな………おっ! あいつらだな? おーい! こっちだ!」

黎明世界の中の御伽市にある、黑社図書館の入り口の前。そこで今回の依頼主であり、依頼同行者である時継優彼と時継優治は、光の竜胆から派遣されたメリーディストピアの住民達を待っていた。そんな中優治が派遣された住民達を発見し呼び込んだ! 今回の美月の捜索に携わるメリーディストピアの住民は……













蜂須賀(表)「浦島(表)も今回の依頼でのお願い上、同行できないとはいえ………なんでよりによって贋作(表)と共に行く必要があるんだ………!」

長曽祢(表)「ははは、主も浦島(表)も今回の依頼に共に行きたがっていたから、主や浦島(表)の分も、美月殿の捜索や救出に励むしかないさ」(^ω^;)

一期(表)「それに、神職の資格をお持ちの街雄殿達もご同行して下さっていますから(^ω^;) 私達と優彼殿や優治殿と共に頑張りましょう」

街雄(裏)「そうだね……僕達もお祓いトレーニングで貢献できるように励むから、必ずや天代さんを助け出そう」

街雄(表)「うん! 僕達の力が必要なら、最大限の力を発揮しよう! ……あっ! あそこにいるのが時継君達かな? 今向かうよ!」

ラグナス(表)本丸の刀剣男士からは蜂須賀虎徹(表)、長曽祢虎徹(表)、一期一振(表)が。シルバーマンジムからは街雄鳴造(表)と街雄鳴造(裏)が今回の依頼解決に携わるにふさわしいメンバーとされたようだ。合流に成功した両者はお互い挨拶と自己紹介を交わす。

街雄(表)「はじめまして。僕は天悪サイド及び、首括市でのシルバーマンジムのジムトレーナーを勤めています。街雄鳴造(表)といいます。本日は天代さんの捜索のご同行、よろしくお願いします! そして隣にいる彼は……」

街雄(裏)「僕は街雄鳴造(裏)です。街雄君(表)とは双子ではなく、『平行世界上の同一人物』という関係にあります。要は僕もシルバーマンジムのジムトレーナーとして活動している事に変わりはないという事ですので、こちらからもご協力、よろしくお願いします」

優彼(音葉)「あっ……僕は、時継優彼です。こちらこそ、本日は来ていただいてありがとうございます。僕達と共にこの図書館内の捜索にご協力、よろしくお願いします」

優治(音葉)「俺は時継優治ってんだ! 平行世界とかなんとかあまりピンとこないが……よろしくな! それで、後ろにいる三振りは………」

蜂須賀(表)「ああ。俺は蜂須賀虎徹(表)だ。今回は贋作(表)と組む事にもなっているが、贋作(表)以上に美月さんの捜索や救出には力を入れたいと思っている。よろしく頼むよ」

長曽祢(表)「長曽祢虎徹(表)という。そちらにもおれがいるだろうから知っているだろうが、蜂須賀(表)達と共に美月殿の救出の為に働くつもりだ。よろしく頼む」

一期(表)「私は、一期一振(表)。ラグナス・ビシャシ様(表)……審神者名は、『茄子光なすびかり』様により顕現された刀剣男士の一振りです。この場にいる刀剣男士は皆、茄子光様により顕現されました。無論、私も美月殿の救出の為に尽力いたします」

優彼(音葉)「ありがとうございます……あっ、皆さんの主の方の審神者名は、茄子光というんですね。本名はラグナスさん(表)……ラグナスさん(表)はこちらに来てはいないんですか? 僕、一度皆さんの主の方に会ってみたいんですけど……」

蜂須賀(表)「それは……すまない。うちの主は、優治君の言っていた条件を満たせそうにないと判断されて、今回この場へは来れないことになってしまったんだ」

街雄(裏)「ラグナス君(表)本人も、同じ審神者である優彼君に会いたがっていたし、僕達と同じく天代さんを助けたかったんだけどね……」

優治(音葉)「そうだったのか………こっちの言い分をしっかり守ってくれているのはありがたいが、悪いことしたかな………」

自己紹介を交わした両者は、まずラグナス(表)の事について話すものの、ここで優治が一つの疑問を抱いた。

優治(音葉)「けど、依頼に参加してほしい住民の欄に『幽霊に強いメンバーを入れてくれ』って頼んだんだが………蜂須賀(表)も長曽祢(表)も一期(表)も特段、幽霊に強いという訳じゃないし、街雄さん達もジムトレーナーなのに来てよかったのか?」

長曽祢(表)「なに、街雄殿達に関しては、その点で心配はいらない。街雄殿達は神職の資格も所持していて、お祓いとれぇにんぐとやらもできるからな」

街雄(表)「うん! 幽霊の気配なら大胸筋レーダーで探知できるからね! 幽霊の除霊ならば、君達の持ってきた霊月灯と同じように可能だよ!」

優彼(音葉)「えっ………と? 大胸筋レーダー………???」

一期(表)「ええと、幽霊や霊的な気配を感知すると、お二方の大胸筋が自然とぱんくあっぷするのだそうです(^ω^;) ともかく、今回こちらで幽霊に強い人員に該当する人物は、街雄殿達がそうですので、ご安心を」

優治(音葉)「それならいいんだが……少し不安もあるな……」

今回の光の竜胆からの派遣された住民達の中にいる霊に強い人物は誰なのか聞かれたが、街雄ズは実家が神職を務めており、街雄ズ本人達も神職の資格も持つ。更に街雄ズは筋トレと除霊を組み合わせた「お祓いトレーニング」が可能であり、それによって邪気を取り祓うことができるのだ! とはいえ、あまりに聞きなれない話に優彼は戸惑い、優治は信用しきれてないようだが……こうしている場合ではない。早く美月を助けに行かなければ……いよいよ黑社図書館に入る一行だが………






その中では、入り口にある新刊図書コーナーにある新刊の本の中に、優彼の依頼した一週間前に発刊された小説があったり(黑社図書館は昭和末期に閉館したため、今回の依頼の一週間前に発刊された本は本来なら用意できない)、文学作品のコーナーには、優彼たちの世界には存在しない本といえる、自殺を遂げた太宰治が書けないはずの完結したグッド・バイや病死した尾崎紅葉が書けなかったはずの完結した金色夜叉、更に10年近くの長い時間を経て完結したはずの、志賀直哉作の小説である、未完結の暗夜行路などなどが並んでいたりと、まるでこの図書館内が異空間である事がわかるような事態が起きていた。

優治(音葉)「そんな、おかしいぜ………太宰先生のグッド・バイは完結してないのに………」

優彼(音葉)「うん、尾崎先生の金色夜叉も、志賀先生の暗夜行路も、それぞれ本来未完結作品と完結作品なのに………やっぱりここ、明らかに心霊スポットとして、だいぶ危険な場所と言えるよね………」

街雄(裏)「ああ。まるでこの図書館全体が異空間みたいだ………しかも、僕の大胸筋がずっとパンクアップしている。そこら中に霊的な気配が漂っているよ………!」←主に上着脱衣済み

街雄(表)「うん。僕の大胸筋レーダーも、この図書館に入った時からずっと反応しているよ……今回は恐らく、霊の規模が大きいのかもしれないね」←街雄(裏)と同じく

優彼(音葉)「あっ、その大胸筋レーダー、確かなんですね………僕もさっきから、幽霊の気配をずっと感じてて………」

優治(音葉)「えええ!? マジかよ!??」

街雄ズや霊感の非常に強い優彼も、黑社図書館内の霊気を感じ取っている。………その一方で、長曽祢(表)達刀剣男士は文学作品のコーナーでとある本を見つけていた。

長曽祢(表)「おれの名前が作者名になっている本がある………まさか、この本はおれが文豪としてこの本を描いたと言いたいのか?」

蜂須賀(表)「贋作(表)の名前の小説の題名は『血閃』……新撰組の活動を緻密に描いた物語だそうだな。俺の名前の小説の題名は『しののめの差す光』……俺と浦島(表)のような兄弟がのびやかに過ごしている文学作品のようだ。それで、一期(表)は………」

一期(表)「私の名が綴られたこの小説は、どうやら児童向けの書物のようです。題名は『どうぶつたちのうたげ』………私達、粟田口の刀剣男士をもちぃふに描いたかのような作品ですな」

街雄(表)「あれ? 長曽祢君(表)達が話題に挙げてる本………それ、『刀剣男士が文豪となった』みたいな本だね!」

優治(音葉)「まるでパラレルワールドだな………けど、黑社この図書館がだいたいどういう内観してるのかはわかってきたし、美月探しに戻ろうぜ」

どうやら、まるで刀剣男士が文豪として活動している世界線から出てきたかのような本が存在していた。………この本見たら、天悪が派手に暴れそうだな………それはともかく、優治の言葉を皮切りにして、美月の捜索に戻ることにし、部屋の一室から出た、その時!!

???「〜〜〜〜〜〜………ぅぅぅ〜〜〜〜………!!」

街雄(裏)「っ!?? ……強い邪気を持つ霊がすぐ前にいる!!」

優彼(音葉)「あれは………赤い服を着た、女の人………? こっちを睨んでます……!!」

蜂須賀(表)「というと………この図書館内にいるとされる、幽霊か……!!」

黑社図書館に住み着いているとされる幽霊が、優彼達の目の前に現れたのだ!! その幽霊は怨念がかった目でこちらを睨んでいる。早く除霊しなければまずいだろう……!

優治(音葉)「となると、早いうちに追い払わねぇとな! 優彼、いくぞ!!」

優彼(音葉)「うん! 優治にぃ、この方向に霊月灯の光を浴びせて!!」

街雄(表)「僕達も! フロアプレスで幽霊を除霊するよ!」

街雄(裏)「ああ、やろう街雄君! 去ってけ去ってけ悪霊去ってけ。寄ってけ寄ってけ筋肉寄ってけ………!」

優彼と優治は持っていた霊月灯の光をその女性の霊に浴びせ、街雄ズはお祓いトレーニングを実践する………すると、幽霊は呻き声を挙げながら、すぐさまその場から退散していったのだった………

長曽祢(表)「おお、すごいな………幽霊をすぐに追い払えたな」

優彼(音葉)「いえ、この霊月灯はあくまで除霊だけできるものですから……ただ、この心霊スポットより邪気が弱い所では有効なものだと思います」

街雄(表)「うん! そのアイテムも素晴らしい除霊能力を持ってるからね! ただ、僕と街雄君のお祓いトレーニングでも、あの幽霊の邪気を完全に祓えた気がしなかった………やっぱり、この図書館は………」

街雄(裏)「ああ、相当な邪念と霊気に覆われてるんだろうね………」

優彼(音葉)「…………美月さん………………」

優治(音葉)「………絶対に、救い出そう。黑社この図書館の中から、全員無事に脱出するんだ」

優彼(音葉)「うん…………」

決意を新たに、黑社図書館内を捜索し続ける優彼達………優彼は美月の身を案じて、顔色を悪くし続けているが、優治が安心させつつ、歩みを進めていく。そんな時………また前方から、悪霊と思しき赤黒い屍人グールのようなモンスターが現れた!!

一期(表)「!! また悪霊が出たようですな……!」

街雄(表)「ならば、もう一回フロアプレスを!!」

優治(音葉)(改めて思うが、フロアプレスで除霊ってよくわかんねぇ………)

その屍人を見て、街雄(表)が直ちにお祓いトレーニングを敢行するが………

屍人「グゥゥゥゥゥ…………」

街雄(表)「!? 今度は祓うことすらできない……!?」

優彼(音葉)「………霊月灯の光でも除霊できない!! それほど強力な悪霊なのかな……!?」

なんと、その屍人は街雄(表)のお祓いトレーニングや霊月灯でも除霊ができないのだ!!

屍人「グルルルル………!!」

街雄(裏)「くっ!! どうする……!?」

優治(音葉)「くそっ!! 優彼だけには手出しさせてたまるかよ……!!」

そのため、一行は絶体絶命に………しかし、その様子を危機感を持ちながら見ていた蜂須賀(表)と長曽祢(表)が、戦う決意を固めていた……!

蜂須賀(表)「街雄君達でも祓えない悪霊か………ならば、俺の『魔法』が効くと信じて、やるしかない!」

長曽祢(表)「こうなれば、ここでおれの働きを見せるしかないな……!」

蜂須賀(表)と長曽祢(表)がすぐさま屍人の前に立ち塞がるように前に出て、蜂須賀(表)は深呼吸をすると共に蜂須賀卍の紋を青色に光らせ光のチカラを溜め、長曽祢(表)は気合いを入れていくと共に闇のチカラを纏い出す……!!




蜂須賀(表)「ライトスラッシュ!!」

長曽祢(表)「ダークスラッシュ!!」

ザシュシュッ!!!

屍人「ガアアアアアアア…………!!」

蜂須賀(表)は光の、長曽祢(表)は闇のチカラの"魔力"を込めて、屍人を斬り、屍人はそれぞれ光と闇に包まれて消滅した……二振りが魔法を纏いながら剣術を使ったことに唖然とする街雄ズと優彼と優治だが、そんな彼らに蜂須賀(表)と長曽祢(表)が声をかける。

蜂須賀(表)「大丈夫かい? 優彼君達」

長曽祢(表)「おれと蜂須賀(表)の魔法であの悪霊は倒せたからよかったが、皆、無事か?」

優治(音葉)「えっ? ああ………俺らはおかげで無事なんだが………」

優彼(音葉)「二振りとも、今の魔法は……? 刀剣男士が極めているならまだしも、そうでもないのに魔法を扱えるのは、僕は見たことがないんですけど………」

蜂須賀(表)「ああ、俺達は主からのご好意で、魔法を教えて貰っているんだ。こちらの世界の時の政府の定めで『その時代に合った服装や術式等で過ごしたり戦ってほしい』と言われているけれど、メリーディストピアといった世界なら自由に魔法を使えるし、この時空間が捻れたような図書館内でも使用して問題はないだろうから」

長曽祢(表)「おれは、見てもらった通り、闇のチカラを持っているから、その事に気づいた主からシェゾ殿(表)に指南してもらうよう勧められ、そうさせてもらっているが……蜂須賀(表)や一期(表)達は主から直々に魔法の指南を貰っているぞ」

一期(表)「先程、蜂須賀(表)が使用した魔法は、主も使用するのです。というより、蜂須賀(表)が一番、主の扱う魔法と属性が同じな上、主の教えた技を物にしていましてな」

優治(音葉)「マジか………はぁー……お前らの主、今の魔法を使えるほど強いんだな」

優彼(音葉)「とても、すごいです! ……尚更会ってみてお話したくなってきました。僕、戦うどころか、体もあまり強くないから」

優治(音葉)「優彼……大丈夫だって! また別の機会で、茄子光に会ったらいっぱい話してきな!」

蜂須賀(表)「ああ。主も優彼君と是非とも会いたいと言っていたからね。美月さんを助け出せた後に、また別の機会でお話してくれると、俺達も嬉しいな」

長曽祢(表)「主も実直でいい人物だからな。優彼殿と相性もいいと思われる。その時がきたら是非とも快く接してほしい」

街雄(裏)「うん。彼だって今回の条件がなければ、率先して天代さんの捜索に励んでいたからね……ラグナス君(表)もその時を楽しみにしてるだろうし、僕達もその機会を設けられるよう、天悪さんと相談してくるよ」

優彼(音葉)「優治にぃ、蜂須賀さん(表)に長曽祢さん(表)、街雄さん(裏)も………ありがとうございます! 僕、ラグナスさん(表)とお会い出来る時を楽しみにしています!」

蜂須賀(表)や長曽祢(表)、一期(表)といったラグナス(表)本丸の刀剣男士達は、主であるラグナス(表)の好意によって、魔法を教えて貰っている。そのため、蜂須賀(表)のようにラグナス(表)と同じ魔法を使えるようになったり、長曽祢(表)のように別のチカラ……闇のチカラを持っていることで、シェゾ(表)から指南を受け、闇の魔法を使えるようになった者がいるのだ。その事を説明された優彼と優治と街雄ズは驚いたものの、助けられて感謝しながら美月捜索を続行する。除霊できる霊は優彼と優治と街雄ズが除霊し、そうできそうにない悪霊は蜂須賀(表)と長曽祢(表)の魔法と、一期(表)も簡単な悪霊なら剣術で倒していくのだが、その道中で………

一期(表)「はぁ、ふぅ………私は、この場にいる意味があるのでしょうか………?」

優彼(音葉)「えっ? そんな、何言ってるんですか? 一期さん(表)もちゃんと戦いながら美月さんを探してくれてるじゃないですか」

優治(音葉)「そうだぜ? 霊月灯でも除霊できない霊をしっかり倒してくれてるだろ?」

一期(表)「それでも……蜂須賀(表)や長曽祢(表)のような魔法を使える訳ではないので、強大な悪霊を倒すことはできてません………私も魔法についてはまだまだ未熟な身ですし、攻撃とはまた別の魔法しか使えませんから………」

街雄(表)「一期君(表)………」

一期(表)が優彼や優治、街雄ズや蜂須賀(表)と長曽祢(表)と異なり、自分に明確な役割や仕事ができていないことで悩み始めていた。天悪によって美月の捜索及び救出に最適と判断され派遣された以上、一期(表)も重要な戦力として適任なのは間違いないのだが、自分では自信喪失してきてる模様……街雄(表)が心配そうに一期(表)の顔色を伺う中、一期(表)はだいぶ参ってきてるようだ……

一期(表)「美月殿の事も見つけ出せていませんし、このままでは私のいる意味がなくなってしまいます……せめて、この場でクマのぬいぐるみなどをだっこして、気を落ち着かせられたら良かったのですが………」

優治(音葉)「あっ! こらこら! 余計なこと考えるなって言っただろ!?」

街雄(表)「滅入るのはまだ早いよ、一期君(表)! 君の仕事もこれからまたできるかもしれないし、天代さんが今も見つかってない以上、天代さんを探し続けることが僕達の仕事だから!」

自分のいる意味に自信がなくなったあまり、自分の大好きなクマのぬいぐるみをだっこしたくなった一期(表)………その瞬間………………

















ひゅるるるるる………ぽすっ

中くらいのテディベア「」

街雄(表)「えっ、テディベア?」

優彼(音葉)「えっ!? そんな、どこからこのテディベアが出てきたの!?」

一期(表)「あ! わああ………! 可愛らしいクマちゃんです!」

なんと、どこからか中くらいのテディベアが降ってきて、一期(表)達の目の前に現れたのだ。それを見た一期(表)は大喜びでその中くらいのテディベアをだっこした。

長曽祢(表)「おいおい、一期(表)? いくらお前が望んだこととはいえ、その熊のぬいぐるみに抱きついていいのか? この異様な図書館の中にあるぬいぐるみだぞ?」

街雄(裏)「うーん………このぬいぐるみ自体から霊気や邪気は感じられないよ。感じ取れたとしても、微弱な霊気しかない。今は一期君(表)にこのままあのぬいぐるみをだっこさせても問題ないんじゃないかな」

優治(音葉)「そうか………一時はどうなる事かと思ったが………酷いことにならなくて良かったぜ………」

一期(表)はにこにこした笑顔でテディベアをだっこしているが、特に問題は無い事を知り、優治が呆気に取られながらも安堵する……しかし、優治はすぐにとある事を思い出し、一同にとある質問を投げかけた。

優治(音葉)「お前ら、今、一期(表)が抱いているテディベアはどんな色、形、大きさに見えてんだ?」

優彼(音葉)「え? 優治にぃ、どうしていきなりそんな事を聞くの? どんなテディベアかって………一期さん(表)の髪色と同じ、綺麗なソーダみたいな水色の、手乗りサイズのコットンテディベアに見えるけど………」

一期(表)「………え? いえ、このクマちゃんは私の髪のような色はしていませんよ? このクマちゃんは、まるで球磨ちゃん(裏)みたいな可愛らしい茶色い色をしてますっ。大きさも私と同等ほどの大きさで、とってももこもこしていますよ!」

街雄(表)「えええ? もこもこって………どっちかというとムキムキなクマさんだと思うけどな………僕はそのぬいぐるみは、ぬいぐるみにしても筋肉がしっかりとついているように見えるし、大きさはとても大きいにしても、奏流院さんくらいの大きさだし、色もだいぶ焦げ茶に見えるかな……」

蜂須賀(表)「街雄君(表)の見えてるてでぃべあはだいぶ特殊に思えるけど………俺は、そのてでぃべあは煌めくような黄色に見えるし、見た目もだっこしやすい中ほどの大きさに見えるし、なんなら浦島(表)みたいな服を着ているように思えるな」

優治(音葉)「そうか………やっぱり、あの時と同じだ………」

優彼(音葉)「え??? 優治にぃ、あの時と同じ………って、どういうこと!?」







優治くんの確信した出来事とは!?
感想まだ

Re: 心霊スポットに囚われた美月ちゃんを救い出せ!の巻 ( No.13 )
日時: 2022/06/11 20:06
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: d4UJd1Wm)

一期(表)が「クマのぬいぐるみにだっこしたい」願望を抱いた矢先に現れたテディベア……だが、そのテディベアに対して、優治がその場の全員に「そのテディベアがどんなテディベアなのか」質問をし、その場の全員がバラバラな形や色やサイズに見えてしまっていることが判明したことで、優治がこの黑社図書館の特性をはっきり理解したようで、優彼達にも説明をし始める………

優治(音葉)「俺、実は6年前にも友人達に誘われて、肝試しでここに来たことがあるんだよな………だからこれで黑社この図書館に来たのは二度目になるんだ。その時にな、友人の一人が『幽霊が出た!!!』なんて言ってそいつが指を指していた先で、俺でもはっきり恐ろしい幽霊を視れたんだ。俺の霊感は一に限りなく近いはずなのにだぞ? その上、無事に黑社この図書館から全員で出られた時に、体験したことを振り返ってみたら、あの時視えてた幽霊の性別姿かたちが全員バラバラだったんだ………」

街雄(裏)「そうだったのか………ただ、霊感が微力なはずの優治君にはっきり恐ろしい幽霊が視えたり、今一期君(表)がだっこしてるテディベアのような事が起きているんだね……」

優治(音葉)「ああ………それで、今のこともあって、黑社この図書館の特性がはっきりわかってきた」













優治(音葉)「黑社図書館ここでは俺達が考えている事が全部実現する仕組みになってる。一期(表)のクマのぬいぐるみをだっこしたい願いが叶ったのも、霊感が一に近い俺でも恐ろしい幽霊を視ることができたのも、それの仕業だ」

長曽祢(表)「!! ………そうなのか………入り口の新刊こぉなぁでの新刊図書や、文学作品こぉなぁでおれ達刀剣男士が文豪となったかのような書物などが存在していたのも、まさか……?」

優治(音葉)「いや、俺も黑社この図書館での特性を完全に理解できたわけじゃないから、その件についてはまだわからないぞ。1回ここに来ただけの俺には、どうして黑社この図書館がこんな事になってるのかもわからないからな……」

なんと、優治が以前に体験した事柄も合わせて導き出した答えだと、黑社図書館内では迷い込んだ者達の考えたことがどんな事でも実現するというのだ! とはいえ優治は黑社図書館の成り立ちも黑社図書館がこうなった経緯等もわかってないため、わかった事はこの推理での特性のみだが……優彼がはっと気づいて優治に向き合う。

優彼(音葉)「もしかして、優治にぃが、僕がここに入ろうとしていたのを止めていたのは……僕が文学とか、物語とかの色んなことをいっぱい考え続けてるから?」

優治(音葉)「………ああ。優彼みたいに想像力が豊かな奴には、黑社この図書館は危険すぎる。だから………優彼の身を守りたかったから、最初は反対してた」

優彼(音葉)「じゃあ…………………まさか、さっきから霊月灯や街雄さん達のトレーニングでも除霊できない、強力な幽霊が出てきてたのって………僕のせい…………?」

優治(音葉)「優彼……………」

…………優彼がこう言う発言をしたのは、黑社図書館内で美月を探し続けていた時に、優彼が美月を心配する意味合いとはいえ、「もし霊月灯や街雄達の除霊トレーニングでも除霊できない幽霊が出てきたらどうしよう」と実際に考えていたからだ。………だが、全てが優彼の考えていたことで生まれたものというわけではないだろう。中には美月が考えてしまったことから生まれた悪霊や、それ以前に黑社図書館を訪れたまたは黑社図書館で行方不明となった者達の考えた悪霊もあったはずだ。だが、心優しく人のことを思いやれる優彼は、自分のせいで美月や街雄達を追い詰めてしまっていると思い、悔やみ始める………

優彼(音葉)「そんな…………僕が、僕が来たことで、逆に優治にぃや街雄さん達に、迷惑をかけていたなんて………っ」

蜂須賀(表)「そんな! そんな事は………」

一期(表)「蜂須賀(表)……下手に慰めの言葉を述べても、優彼殿の心を慰める事はできません。………優彼殿の想像力も、あの悪霊達を生み出す材料となっていた事は、間違いはないでしょうから」

蜂須賀(表)「っ………! しかし………!」

一期(表)「………優彼殿にとっても、自分の想像力が今の状況の一因となっている事態は耐え難いものでしょう。ならば………『私の魔法』で、優彼殿の抱える苦しみを、少しでも軽減させる必要がありますな」

街雄(裏)「! ………一期君(表)も、魔法が使えるのかな?」

一期(表)「ええ。蜂須賀(表)や長曽祢(表)ほど、上手くはありませんが……優彼殿。少し私の目を見てください」

優彼(音葉)「う、うん………」












一期(表)「スイートドリームス」

優彼(音葉)「う…………」ドサッ

優治(音葉)「おい!? 大丈夫か!?? なぁ、今、優彼に何を………!!」

一期(表)「ああ! ご心配なく!! 優彼殿には催眠魔法をかけて、寝ぼけ眼及び、睡眠状態にしているだけです。それ以上の効果はありませんから」

優彼(音葉)「すぅ……すぅ………」

優治(音葉)「そっか、よかったぁ………」

自分の想像力が原因で、悪霊が作られていると悩み続ける優彼を、一期(表)が催眠魔法で眠らせる事に成功した。崩れ落ちそうだった優彼の体を受け止めた優治は、一期(表)から説明をもらって優彼をおんぶする。

優治(音葉)「それにしても、お前も催眠魔法とか使えるとはな……それもお前の主から教わったのか?」

一期(表)「ええ。主から魔法の使い方を伝授して頂いて、発現した魔法が、この催眠魔法の他にも、『人の記憶や思考に干渉する魔法』で……今はたまにアルル殿(表)から教わっていますな」

街雄(表)「そうなんだね! アルルさん(表)も、一期君(表)達に魔法の事を教える機会ができるっていい事だよね!」

長曽祢(表)「あぁ。主も、主の周りの者達も皆、優しい者たちばかりだ」

街雄(裏)「ともかく……一期君(表)、優彼君のフォロー、ありがとうね。ただ、その抱いているテディベアはその場に置いておこうか」

一期(表)「そ、そんな!? こんなに抱き心地もよく愛らしいぬいぐるみなのに………!?」

蜂須賀(表)「いやいや、かといってそれもこの図書館内で生まれたものだし、連れ出すのはあまりお勧めしないよ……」

長曽祢(表)「お前も、部屋の中にたくさん自分の持つぬいぐるみがあるんだろう? その熊はここが家であり自分の居場所なのだから、置いておこうか」

一期(表)「うう、名残惜しいです………」

しかし、一期(表)がその間もずっと出てきたテディベアを抱き続けていたのだが……街雄(裏)達の説得により、テディベアを置いていかざるを得なくなったのだった………







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Re: 心霊スポットに囚われた美月ちゃんを救い出せ!の巻 ( No.14 )
日時: 2022/06/11 20:09
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: d4UJd1Wm)

優彼に一期(表)の催眠魔法で眠ってもらってから、美月の捜索中に強大な悪霊に襲われる機会はめっきり減っていた。悲しいことに優彼の言っていたことがだいぶ合っていたという事になるのだが、黑社図書館内にもう1時間は入っている街雄(表)達にとっては、悪霊にエンカウントする確率が減ったのはありがたかった。そうしてより奥に進んでいき………やがて、ついにその時は訪れた。













優治(音葉)「!? あそこでうずくまってるのは、まさか………!」

蜂須賀(表)「あの少女が、もしかして……優彼君達がずっと探してた天代美月さんか!?」

優治(音葉)「ああ! 一期(表)! 早く優彼の催眠を解いてくれ! 美月も、優彼に声をかけてもらったら安心するから!!」

一期(表)「わかりました、では………!」パァァ

優彼(音葉)「ん…………はっ! い、今まで僕、寝てたのかな? ………あっ! 美月さん!!」

優治達はついに、黑社図書館の二階ほどにある文芸作品コーナーの辺りで、怯えながらうずくまっている天代美月を発見できた! 美月を見つけ、美月にもこちら側に安心して来てもらうべく、優治に頼まれ一期(表)がすぐに優彼にかけた催眠魔法を解き、優彼を覚醒させた。優治のおんぶ越しに優彼が美月に呼びかけると、美月は涙目でこちら側を見て、助けを求めた。

美月(音葉)「ああ、優彼くん………! た、たすけて!! ば、化け物が来てて………! 怖いよ………!」

優彼(音葉)「美月さん、待ってて! 僕、優治にぃや光の竜胆ってギルドに所属している人達と一緒に、美月さんをずっと探してたんだ。早くここから出て帰ろう!」

優彼がゆっくりと優治から降りて、美月に手を差し伸べようとした………その時だった。














鬼人「グオオオオオオオオオ………!!」

優彼(音葉)「うわ!! これは……!?」

優治(音葉)「優彼!!! 大丈夫か!? なんだよ、あの鬼………!!」

美月(音葉)「あっ!! ずっと、私を追ってきてた化け物…………!!」へたっ

美月や駆けつけた優彼達の近くから、禍々しい紫色に光り輝く、恐ろしく巨大な鬼人が出現したのだ………! もしかしたら、美月が無意識のうちにこのようなイメージの怪異を考えてしまったことで、生み出されたものなのかもしれない。優彼も驚いて腰を抜かしかけているも優治に支えられたが、美月はずっとあの鬼人に追われ続けていたからか、その場にへたりこんでしまっており、逃げることはできないだろう……!

鬼人「グアアアアアアアアア!!!!!!!」

優彼(音葉)「あの怪異、とても禍々しく強いオーラを感じます!! どう退けるか………!」

街雄(裏)「………! そうだ! 天代さん! 今から言うことは僕達も体感したことだからよく聞いてほしい。どうやらこの図書館内はだいぶ時空間が捻れているようで、その上、考えていることがどんな事でも実現する特性もあるようなんだ! あの怪異をもし君が思いついた節があるなら、今度はあの怪異が『消える』イメージをずっと念じ続けて!」

優彼(音葉)「そうか! お願い、美月さん………!」

美月(音葉)「そ、それであの化け物がいなくなるの!? わかった………お願い、消えて消えて消えて消えて…………!!!」














鬼人「…………!!」グォォッ

美月(音葉)「いやぁっ!??」

一期(表)「危ない!!!」ガキィッ!!!

この黑社図書館の特性を優治から説明を貰ったことで、街雄(裏)が「消えるよう念じ続ければあの鬼人も消えるのではないか」と推測し、美月にそう願うよう頼み、美月も行動に移すも………鬼人は消えず、美月に襲いかかった! しかし、一期(表)が直ちに美月と鬼人の間に駆け寄り、鬼人の棍棒を弾く!

街雄(裏)「そんな! 考えてたことが実現するはずじゃないのか!?」

優治(音葉)「恐らくだが………何かを発現したり、作り出したりといった事はすぐにできるものの、反対に出てきたものに消えてもらうとか起きたことを撤回させるといった事はできない仕組みになってるんだろうな………」

優彼(音葉)「そんな………!!」

というのも、これも黑社図書館の特性の一つらしい。新たに物を作り出したり、変化を起こす事はできても、逆のこと……すなわち、出てきた物の消滅や変化の無効化など、創造と真逆の事は不可能のようだ……!

鬼人「…………!!」

美月(音葉)「いやあああああ………! もういや、怖いよぉ…………!」

一期(表)「美月殿………美月殿を守り切らなければ………!」

街雄(表)「くっ………となると、やはりあの怪異と戦わなければならないみたいだね……!」

街雄(裏)「けれど、ここで戦うにしても、天代さんが動けないのに、下手な全体攻撃はできないんじゃ………!」

優彼(音葉)「美月さん!! くっ………どう助ければいいのかな………!?」

今いる場所や今の美月のメンタルと身体的にも、絶体絶命に置かれている光の竜胆の者達と優彼と優治……だが、蜂須賀(表)と長曽祢(表)は、何かを思いついたような顔をした後、すぐに決意を固め、全体に告げる……!

長曽祢(表)「優彼殿!! 美月殿や一期(表)、自分や優治殿や街雄殿達の周りに、『おれのアレイアードスペシャルと蜂須賀(表)の究極の一撃であの怪異を倒してすぐに消滅できる、強力な防壁』を想像してはくれないか!?」

優彼(音葉)「!! も、もしかして、あの鬼人に強力な一撃を食らわせるつもりですか!?」

蜂須賀(表)「ああ、だいぶ強力な魔法だから、この辺り一帯が吹き飛ぶかもしれないが………この心霊すぽっともかなり特殊なんだ。関係ない! 美月さん達まで俺達の技に巻き込みたくないから、早く!!」

優彼(音葉)「わ、わかりました………! それが、今の僕にできることなら………!」

長曽祢(表)と蜂須賀(表)に頼まれ、優彼が言われた通りの防壁を念じると、すぐに美月や一期(表)、優彼や優治と街雄ズの周りに透明で頑丈な防壁ができた。その様子を見た長曽祢(表)と蜂須賀(表)は鬼人と向き合う………

蜂須賀(表)「贋作(表)」

長曽祢(表)「ん………なんだ?」

蜂須賀(表)「絶対に、一撃で決めるぞ。俺の究極の一撃なら、必ずあの怪異を倒せる。お前もそう強く思っているだろう」

長曽祢(表)「ああ。当然だ。必ず、絶対に………おれのアレイアードスペシャルと、蜂須賀(表)の究極の一撃で、あの怪異を倒す!! そうして美月殿達を守る!!」

蜂須賀(表)と長曽祢(表)は、強い決意を胸に鬼人の元へ駆け出す。………この図書館で起きたことが必ず実現するなら………目の前の怪異を一撃で倒すと決めたこの思いも、実現させてみせる!!



蜂須賀(表)「究極の一撃!!」

長曽祢(表)「アレイアードスペシャル!!」



蜂須賀(表)と長曽祢(表)は、それぞれ強力な光のチカラと闇のチカラを自身の本体に込め、地面に向けて一振りする………そこから生まれた光のエナジーと闇の波動が辺り一帯で光り輝き、強力な力が鬼人に命中する………!
それにより、鬼人の体は光と闇に包まれながら、霧散していった………!














蜂須賀(表)「…………あの怪異は………倒せた! 気配も何ももう感じられない………一撃で討伐できたようだ」

長曽祢(表)「ああ………! 優彼殿! みんな、大丈夫か!!」



優彼(音葉)「ケホッ、ケホッ………! うっ、はぁ、はぁ…………」

優治(音葉)「優彼! また喘息か!? 大丈夫か!!」

優彼(音葉)「だ、大丈夫だよ! 今のは喘息じゃなくて、蜂須賀さん(表)や長曽祢さん(表)の魔法の威力が強かったから、砂塵で………それより、優治にぃもみんなも、大丈夫!?」

優治(音葉)「砂塵なら深く吸うなよ!? 俺は平気だけどよ……」

街雄(表)「僕達は無事だよ! 優彼君がしっかりと頑丈な防壁を想像して作ってくれたから……」

街雄(裏)「うん。僕達も怪我はないよ。一期君(表)に天代さんは!?」

一期(表)「こちらも傷は負っていません! 美月殿も無事です!」

美月(音葉)「い………今の二人の技………カッコよかった〜……!」

長曽祢(表)「よかった、皆も怪我はないようだな」

蜂須賀(表)「優彼君が、こちらの頼みを聞いて遂行してくれたおかげだな……優彼君のおかげで、美月さんも皆も守ることができた………協力してくれて、どうもありがとう」

優彼(音葉)「いえ………! 僕も、美月さん達を助けることができて、本当によかった……!」

鬼人を撃破し、文芸作品コーナー及び二階は派手に吹き飛んだが、優彼の想像して創った防壁のおかげで、優彼や美月達は無傷で済んだ……その様子を見て安堵し、蜂須賀(表)は優彼にお礼を言い、優彼も蜂須賀(表)や長曽祢(表)に感謝する……

優彼(音葉)「美月さん、大丈夫? ………こんな怖い目に遭うんだから、好奇心が強いとはいえ、ここみたいな心霊スポットに来ちゃダメだよ」

美月(音葉)「あ………怖かった。すっごく怖かった…………! 優彼くんたちが来てくれなかったら、私………! うわあああああああん…………! 来てくれてありがとう……怖かった、すっごく怖かったよぉーーー!!」

優彼が美月に駆け寄り、優しく注意してすぐに、黑社図書館に迷い込んでから鬼人にずっと追われていた美月は、情緒がぐちゃぐちゃになった状態で優彼に抱きつき泣き出した。優彼はまた優しく、美月の背中をさすっている……その二人の様子を、長曽祢(表)達は美月が泣き止むまで、安堵した面持ちで眺めていたのだった……



街雄(表)「天代さんを無事に助け出せて本当によかったよ! さて、後は天代さんを無事にお家に帰すためにも、ここから出るだけだね!」

優治(音葉)「ただ、もう1時間以上も移動してたから、帰路がよくわからなくなってきたような……( ̄▽ ̄;)」

美月(音葉)「あ! じゃあさ! ここからすぐに御伽学園に帰れる扉ができるよう念じればいいんじゃない!? それなら実現するんだよね?」

優彼(音葉)「美月さん、復活早すぎるな………まぁ、それが美月さんのいい所だろうけど………そう簡単にそんな扉が生まれるのかどうか………」

パッ!

優彼(音葉)「えええええ!?? 本当に扉が出てきた……( ´ㅁ` ;)」

ガチャ……

優彼(音葉)「しかも本当に御伽学園の廊下の中に繋がってるし………」

美月の捜索及び救出が完了し、後は黑社図書館を脱出するだけとなった街雄(表)達だが、泣き止んでスッキリした美月の提案で、御伽学園に繋がる扉を念じることにしたようだ。優彼は「そんな上手く事は進まないのでは」と意見するが………なんと美月の狙い通り、御伽学園の廊下に繋がる扉が出てきた。この扉の中に入っても問題はないようなので、全員、大人しくそのままそこから黑社図書館からの脱出に成功した。

街雄(裏)「いくらなんでも、こんなあっさりとした脱出方法でよかったのかな……」

一期(表)「あはは、美月殿も我々も、無事に帰還することができましたから……( ̄▽ ̄;)」







次で今回の依頼のラスト
感想まだ

Re: 心霊スポットに囚われた美月ちゃんを救い出せ!の巻 ( No.15 )
日時: 2022/06/11 20:12
名前: 天悪 ◆GZXLUkDFh6 (ID: d4UJd1Wm)

天悪「おっ! 街雄さん達! 無事に帰ってきてくれたんだね! よかった〜! おかえりなさい!」

優彼(音葉)「あれ? え? この人は……?」

街雄(表)「ああ。この人が、僕達の世界の作者である天悪さんだよ! 天悪さんも、この御伽学園に来てたのかい?」

天悪「うん! 今回の依頼にある心霊スポットの事を調べててね〜」

黑社図書館から御伽学園へ無事に戻ってきてすぐに、優彼達はメリーディストピアの創造主である天悪と出会った。明るく街雄(表)達に挨拶をする天悪を見て、街雄(表)がすかさず優彼や優治や美月に天悪の紹介をする。しかし……

美月(音葉)「あれ!? 優彼くんたち、いったい誰に話しかけてるの? 何も無いところを見てるけど………もしかして、幽霊っ!?」(´。✪ω✪。 ` )

優治(音葉)「うーん……そこに、天悪さんって人がいんのか? 俺には全く見えないが………」

街雄(表)「あれ? 天代さんに優治君は、天悪さんの事が見えてないのかな?」

天悪「ちょwwwwwwww 御伽市の人達に総スルーされてる時点で覚悟はしてたけど、私のこと美月ちゃんと優治くんは見えてないのかwwwwwwww 私まで夢見の管理人みたいな存在になってよかったのか………???」

優彼(音葉)「も………もしかして、天悪さんも音葉さんのような、夢見の管理人なんですか?」

天悪「いや、私本来は元々ただの人間よ? だけど、『作者』だからか、夢見の管理人と同義として、大瑠璃音葉サイドではだいたい優彼くんにしか見えない存在になってるみたいだね」

蜂須賀(表)「そういった事が有り得るのか……? だが、美月さんや優治君が、天悪さんを視認もできないという事は、それが原因なのだろうね……」

なんと美月と優治には天悪の声も姿もわからないらしい。その原因は、天悪が作者………すなわち、大瑠璃音葉サイドでいう夢見の管理人に該当するため、それに合わせて、メリーディストピアの住民達や霊感の強すぎる優彼以外の、黎明世界の霊感をあまり持たない者に存在を確認できないようになっているようだ。

天悪「そうだそうだ! 美月ちゃんが助けられたんだから、後始末をちゃんとしないとだった! その後始末は一期さん(表)も手伝ってもらいたいんだよ!」

一期(表)「はい? 私の力も必要なのですか? あの………天悪殿の仰っている後始末とは何でしょうか?」

天悪「うん。大瑠璃音葉サイドの、少なくとも全ての黎明世界の者達の黑社あの図書館についての記憶の消去&黑社あの図書館を視認やなどできなくなるよう黑社あの図書館に関しての存在の把握能力を0にまで低下させるの」

一期(表)「はっ!??? この世界の皆様の一部の記憶を消去………ですか!??」

美月(音葉)「えっ!? ええと、よくわからないけど、これから私、記憶を消されるの!? 何それ気になる!!」

優彼(音葉)「いやそこは気にならないでよ!? 天悪さん!! せっかく美月さんを助け出せた矢先に、何言ってるんですか? いくら黑社あの図書館に関しての記憶だけとはいえ、僕達の記憶を消去するだなんて……!」

一期(表)「そ、そうですよ! 天悪殿、そんな事を私もしなければならん理由をどうか教えてください!」

天悪「まぁそうなるよね……私、一期さん(表)達が黑社あの図書館の中へ行ってた間に、御伽学園で黑社あの図書館について調査してたんだけどね? その中で御伽学園の中で唯一、黑社あの図書館の名前を知っている司書さんとコンタクト………は私が作者だからできなかったので、司書さんの頭の中を軽く覗いて見たんだ。そうして、黑社あの図書館の元々の姿や怪異図書館と化した理由、そしてどうやって黑社あの図書館を清めたらいいのか把握した」

長曽祢(表)「そんな事をしてくれていたのか………その、聞いておきたいのだが、あの図書館を清める方法と、優彼殿達の記憶消去は何か繋がっているのか?」

天悪「うん。今から少しずつ話していくけど………あの図書館、口で名前を言おうとすると、どうしてもノイズが走るから、テレパシーでフラッシュ風に伝えるねー」











────────黑社くろやしろ図書館は、元々はマイナーな本と文学作品を置いていただけの、ただの図書館だったんだ。

優彼(音葉)「えっ………」

優治(音葉)「………」





そこから天悪が、御伽学園の司書の思考を覗いてわかった出来事を語らせてもらおう………元々、開館当時の黑社くろやしろ図書館は読み難い名前とマイナーな本や文学作品を置いていたこと以外はごく普通の図書館であった。ただ、ある時からいわく付きの本が書架に並び始めたことと、マイナーな本ばかり置いているイメージから怪談の噂話が立ち始めたことで、『あそこはヤバい図書館じゃないか』と徐々に噂が流れ始めていった。
そうしてしばらく経った時、本物の呪いの本が書架に並んだことで、黑社くろやしろ図書館は本物の怪異図書館へと変わってしまったのだった。
最悪なことにその呪いの本はもう特定が難しい状況かつ、特定できたとして最早何もかもが遅すぎた域にまで達してしまっているのである。が、この図書館は人々の噂によって存在を保てている、怪異としてはかなり不安定なものであり、それにより『現在いまだけど現在いまじゃない』、『異界だけど異界じゃない』、『図書館の中だけ時間と空間がめちゃくちゃ』なものとなっている。パラレルワールドの本や文学作品が存在していたのも、図書館に迷い込んだ者の考えたことが実現するという特性もこの所以があってこそである。
…………先程説明した通り、原因の呪いの本の特定が難しい上に呪いの範囲が手遅れの域になっていることで、あの図書館を清める方法はないに等しい。しかし、黑社くろやしろ図書館の『人々の噂話により存在を維持できる』という特性から、清められる方法はある。それが黑社くろやしろ図書館を放置しなおかつ、100年あるいはそれ以上の時間をかけて黑社くろやしろ図書館の存在が忘れ去られるのを待つ事なのだ。もしそうせずに黑社くろやしろ図書館を壊したりしたら、図書館の中の心霊現象及び、これまで人々の考えていたことから生まれた幽霊達が外に出てしまい……この世界まで異界になってしまうことだろう。




天悪「だから、黑社あの図書館を清めるためにも、みんなには黑社あの図書館に一切立ち入らないようにしてほしいし、忘れてほしいんだ」

優彼(音葉)「そう、だったんですね………確かに、噂話まで立つほどの心霊スポットは、人々の記憶にずっと残ってしまうかもしれません。忘れられることがその図書館のためになって、これ以上の被害が出ないようにできるなら………僕達のあの図書館に関しての記憶を消してください」

優治(音葉)「まぁ、なぁ………俺には天悪さんの存在すらわかんねぇから、怖いっちゃ怖いが………今回みたいな事がまた起きたり、うっかり黑社あの図書館が壊されてしまうよりはマシだ。本当にそんな事ができるなら、やってくれよ」

美月(音葉)「私は今回の体験の記憶がなくなるのは残念だけど………とても怖かったから、ね………私のこの一週間の、あの図書館の中をさまよった記憶も消してほしいかな」

天悪「みんな、ありがとうね。今回の依頼の舞台となった心霊スポットの浄化の手助けのためとはいえ、キミたちの記憶に干渉してしまうことをどうか許してください……この話の収録テープも、音葉さんが観るもの以外は全て焼いておきました。私は大瑠璃音葉サイドの全人類の記憶に干渉して、黑社あの図書館に関する記憶や存在の視認を消してくるから、一期さん(表)はここにいる優彼くん達や蜂須賀くん(表)と長曽祢さん(表)、街雄さんズの今日及び黑社あの図書館に関しての記憶や存在視認を消しておいてね!」

一期(表)「ええとー………私は構いませんが、私の記憶操作の魔法もまだ未熟なのに、そのような大役を任されて良いのでしょうか………」

天悪「大丈夫! 一期さん(表)の魔法は私が増幅させときますから! あと、私の仕事も終わって、一期さん(表)も上手く長曽祢さん(表)達の一部記憶を消せたら、私の黑社あの図書館に関しての記憶も消しといて……自分でもこの事忘れきれそうにないので……(汗)」

一期(表)「えええー………!? じ、自信はさほどありませんが、頑張ります………!」

こうして、報酬として霊月灯は住民の数だけ有難く頂いたものの、この日は黑社図書館を清めるべく、大瑠璃音葉サイド及び、今回依頼に携わった蜂須賀(表)や長曽祢(表)、街雄ズなど、黑社図書館を少しでも知っている者達の黑社図書館に関する記憶を消去することとなった。そのため、今回の事件について知れている者は、ラグナス(表)本丸の一期一振(表)と大瑠璃音葉さん以外にいないことだろう………だが、この小説がこうして世に出てる以上、本当に黑社くろやしろ図書館が清められるかどうかは………誰にも、わからない。






今回は蜂須賀くん(表)&長曽祢さん(表)の初登場回&魔法が使える事の公開回でもありました。いかがでしょうか……! 今はまだ止まってますが、戦闘訓練スレでもこの事が深く関わっていくつもりです←
しかし、優彼くんたちを上手く活躍させられたかどうか不安です……← 音葉さん、「もうちょっと活躍させてほしかった」など意見がありましたら遠慮なく言っていいので………!(震え声)

感想OK!