二次創作小説(新・総合)

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.232 )
日時: 2022/06/16 07:45
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

【依頼EX】
【ダイヤモンド・ロード・アナザー・ヴィラン】


今回のお話は、もう1つの【正義の悪役】


暗殺専門人狼ギルド【ダイヤモンド・ファング】の話。

……

ダイヤモンド・ファングのギルドはサツには特定されにくい霧の濃い所にあり、メンバーに案内されなければ絶対にたどり着けない。


アンデルセン
「帰ったぜ……ああ、いい肉だった」

「あ、ボス!早速ですが次のターゲットが来てますぜ」

アンデルセン
「結構!オレが出る」

………

ダイヤモンド・ファングの待合室の間は完全目視不可となっており、依頼人もメンバーもそれぞれ顔を見ることが出来ない

そういうルールなのだ。


アンデルセン
「どうも……こちら、ダイヤモンド・ファングでございます」

アンデルセン
「依頼の前にウチのギルドのルールについてお説明させていただきます」

アンデルセン
「その1、ターゲットはオレ達が処理する」

アンデルセン
「その2、決してオレたちの邪魔をしない」

アンデルセン
「その3、何があってもオレたちに殺意を向けない」

アンデルセン
「その4、連絡はオレたちから入れる、電話はするな」

アンデルセン
「それだけ守ってくれればいい………」


アンデルセン
「さぁ、誰を殺して欲しい?」

壁越しの依頼人はゆっくりと口を開く

「私の子供達を殺した怪物が……」

「私には独り立ちしたばかりの三兄弟の子供がいました………」

「何かしら問題はあれど、皆いい子でした、それを……皆、皆……私の目の前で殺したんです」

アンデルセン
「へぇ……なるほど」

アンデルセン
「__興味深い、実に興味深い。」


アンデルセン
「もっと聞かせてくれ、もっと……」


アンデルセン
「もしかしたら、オレが喰いたい物かもしれない!」


……………

アンデルセンは依頼人から詳細をまとめ、資料を持って出る。

アンデルセン
「よし、シノギの店に行くか」

「ボスもまぁ、あんなざっくりとした情報でターゲットを絞れるものだ」

「ま……今回のはそれだけ自信があるんだろう」


「見ろよ、あんなに嬉しそうな顔したボスを他に見たか?」

「もう既にターゲットを見つけた時の目ぇしてやがるぜ」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.233 )
日時: 2022/06/16 07:48
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

一方その頃

魔トリョーシカ
「あっ、今日の当番はボク

バァァン!!

お昼頃、人間4人組+‪α‬が正義の悪役事務所を勢いよく飛び出した


魔トリョーシカ
「あら、もういない」


魔トリョーシカ
【馬鹿だなぁ………逃げられないのに】

ーーーーーーー

ダリア
「ぜぇぜぇぜぇぜぇ………」

ベロー
「勢いで逃げてきたけどどうする!?」


「どうするも何もあんな奴のご飯食べたら間違いなく死ぬわよ!!」

B太郎
「悪ぃが所長はそれ対策済みだ」

B太郎
「最近は晩御飯も当番制になった」

ベロー
「オエエエッ!!」


「ベローが想像だけで吐いた!?」

ダリア
「や、やってくれるねドーラくん……さて、夜の方はどうする?」


「出前取っとく?それかあたし達でお金出し合ってすき焼きでも作る?」

B太郎
「そんな経費を所長が許すとは思えねー……」

ダリア
「じゃあ今晩は徹夜で人狼を狩ってたことにして帰らないようにするとか?」

ベロー
「そういう虚偽の報告すると今度は狩人協会の方に怒られる………また狩人剥奪されるのは困る」

B太郎
「ていうかまず昼どうするよ昼、どこで食いに行く?」

ダリア
「…………とりあえず近くの店がいい、腹が減ってはろくに思考も出来なくなる」



「待ててめぇら!!」

ベロー
「!!」

ドドー
「俺達を置いていくんじゃねぇ!」

ナラオイア
「オレまだ死にたくない!」

ベロー
「ごちゃごちゃ言うな!俺達よりは丈夫だろ!」




「あっ、見てあれ!!」


「あんな所に定食屋がある!」

ダリア
「ふむ、ここはあまり通らないがツイてるね」

B太郎
「なんかもう腹が減りすぎてあまり動きたくねー、ここにしようぜここに」


………

そして、アンデルセンも

アンデルセン
「よう親父さん、邪魔するぜ」

………


ベロー
「!?」


狩人のベローは即座に妙な雰囲気を感じ取る。

アンデルセン
「なんだ坊主」

アンデルセン
「席探してェんなら俺と相席しねェか」

ベロー
「え?………っ!!」


ベロー
(こ、こいつ……ダイヤモンド・ファングの刺青がある!!)

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.234 )
日時: 2022/06/16 07:53
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

………


(え!?暗殺ギルド!?)

ベロー
(あまり刺激しない方がいい、どんな実力者かも分からないんだ)

B太郎
「振る舞いが慣れてる感じがするが、この店の常連で?」

アンデルセン
「まぁそんな所だ、ここで食わなきゃ仕事する気にもなれねぇ」

ドドー
「…………」


アンデルセン
「で、それはそうと」


アンデルセン
「そこのガキと連れは人狼だな?」

ベロー
「!!?」


「!!?」

ドドー
「ああ?」

ドドー
「人狼だったら文句あるのか?今ここで食ってもいいんだぞ?お前」

アンデルセン
「おいおい、田舎の人狼ってのは同族食いまでする程悪食なのか?」

ナラオイア
「同族?お前も人狼か?」

アンデルセン
「オレだけじゃねぇ、この店の店員も常連も大抵は人狼だ」


「!?」

B太郎
「…………確かアンタの刺青、話で聞いたことあるな、ダイヤモンド・ファングだとか?」

アンデルセン
「お、通だな……如何にもそうだ」


(やばい……やばいやばい!なんとかして!)

ベロー
(無理だ!こいつの言うことが本当なら数的にこっちが不利だ!)

ダリア
「あー……その、常連さん」

ダリア
「流石に私共もその、健康的な面でも人肉はちょっと……」


「あっ、そ、そうよ!!まさかこの店で人の肉なんて」

アンデルセン
「おいおいおいそんなわけないだろ?」


アンデルセン
「人狼だけの店じゃねぇんだ、そんな危なっかしいもん仕入れたら簡単にアシがついちまうだろ」

アンデルセン
「そもそもオレは人肉はあまり好きじゃない」

ドドー
「人狼の癖に人間の肉が好きじゃないのか?」

アンデルセン
「味的には中の上程度だな、食うのに困らないならビジネスの為以外で食べる必要も無い。」ズッ

アンデルセン
「オレにとってそれよりも美味いのが………来たぜ」

「待たせたな大将、いつもの『彩り合わせメニュー』だ」

ダリア
「これは………」


アンデルセン
「そう、ブ・タ・ニ・ク☆」

アンデルセン
「オレ達オオカミにとってブタほど口の中でとろける肉もそうそうない」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.235 )
日時: 2022/06/16 07:56
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

ダリアとB太郎はメニューを確認すると……

ダリア
「トンカツに豚骨ラーメンに酢豚、豚足、豚汁に、もちろん焼豚……」

B太郎
「ホントにメニューが豚1色だな……」


「あ、じゃああたし豚骨ラーメン食べたい!」

アンデルセン
「ああ豚骨ラーメンはいいぞ、叉焼(チャーシュー)も山ほど乗ってるからな」

B太郎
「じゃあ俺は適当に………」


…………

ベロー達にも料理が届き、普通に食べる


ベロー
(本当にただの豚肉の味だ………)

アンデルセン
「どうだ?豚肉は」

ドドー
「ま、人間の肉みたいに食えなくはない感じだな」

アンデルセン
「ハッ、子供め」

ドドー
「ああ!?」


「それにしても………このお店見てると、アレみたいね、絵本」


「三匹の子豚の絵本」

ベロー
「三匹の子豚?」

B太郎
「豚の三兄弟が独り立ちしてそれぞれ家を建てるんだよ」

B太郎
「長男が藁、次男が岩、三男坊が煉瓦でそれぞれ家を建てたんだ」


「石じゃなくて木じゃなかった?」

B太郎
「そうだったか?まあいい」

B太郎
「で、それを狼が現れて長男と次男の家を破壊したんだ」

ダリア
「三男のレンガの家だけは壊せなくて、煙突から侵入したらそのまま焼き殺されたって!そんな話だな!!」

ドドー
「ブボっ!!」

ナラオイア
「アニキ!?」

ドドー
(チッ………嫌なこと思い出しちまった)

アンデルセン
「ああ、そういえばソレはそんな話だったか」

アンデルセン
「狼が、豚に負けるのがお話の中の当たり前だったわけか?」

B太郎
「オオカミの前でするような話でも無いけどな」

アンデルセン
「気にすることじゃねぇ、その話のオオカミが特別マヌケなだけだ。」

ドドー
「そうだな、俺ならもっと賢いやり方をする」

ナラオイア
「例えば?」

ドドー
「そうだな……………」

ドドー
「………………………」

ドドー
「今は思いつかないけどその場に居れば何かしら浮かぶんだよ!」

アンデルセン
「………確かにオレも結構アドリブでなんとかなるもんだからな」

ダリア
「とすると君はどうするのかな?」

アンデルセン
「ああ、そうだな………オレだったら……」


アンデルセン
「クククク………」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.236 )
日時: 2022/06/16 08:00
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

………

アンデルセン
「長男坊主は藁の家、努力を怠る質素の家」

アンデルセン
「嵐が吹けばてんてこ舞い、一息ついたらもぬけの殻」

アンデルセン
「足で狩人にかなうものか、次男坊まで逃げられまい」

アンデルセン
「長男坊主は怠け者、体に脂肪が山ほど着いて」

アンデルセン
「そんな奴には釜茹で地獄、出汁で煮込めば上質煮込み料理………」

アンデルセン
「次男はとにかく中途半端、サボるも働くも半端だな」

アンデルセン
「だから使うは木材、ログハウス。大理石はありゃしない。」

アンデルセン
「叩けば穴あきシロアリ地獄、忽ち掴まれこの世の果て」

アンデルセン
「半端者には揚げ地獄、そこそこ硬い肉質は、コロッケ、唐揚げにピッタリだ……」


アンデルセン
「最後に真面目な三男坊、せっせこせっせこレンガを並べ」

アンデルセン
「ついに完成大御殿、煉瓦で出来た自慢の城」


アンデルセン
「努力家三男は筋肉がっしり成果の証、肉汁たっぷり噛みごたえ満点」

アンデルセン
「家ごと焼いて、いただきます………」



アンデルセン
「………どうだ?こんな所だろ」

B太郎
「食ったことがあるのか?」

アンデルセン
「あえ?食べられるなら、の話だ。」

アンデルセン
「肉は結局じっくりじっくり、味付けしてガッツリ食べるのがいちばん美味いんだ」

ベロー
「………」

ナラオイア
「俺、今度から豚も食べるよ」

アンデルセン
「おーおーそれはいい、健康にもいいぞ」


アンデルセン
「さて、腹も膨れたし仕事に戻るか」


アンデルセン
「と、その前に………なんか匂うな、狼を殺したやつの匂いがする」


アンデルセン
「………どうよ」



アンデルセン
【この豚肉みたいに俺達をステーキカットしたりしてねぇだろうな?】

ベロー
「!!」

ベローは鞄から癇癪玉を投げて、店から飛び出す!


B太郎
「おい!代金代金!」

ダリア
「しっかり私から万札でも出しておこう!」ドン!

「ボス!!あの野郎狩人だったのか!!」

アンデルセン
「ほっとけ、今のあいつらはただの客だ」


ベロー
「なっ……ぼ……ボッ……!?」


アンデルセン
「百砲のグリムによろしくな、坊主。」

Re: 独善なんでも依頼ギルド【正義の悪役】 ( No.237 )
日時: 2022/06/16 08:04
名前: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (ID: VOI/GMTL)

プルルルル

アンデルセン
「私です、ターゲットを見つけました。」

アンデルセン
「どうです、勝手にこちらで殺してもいいですが貴方の手でトドメを刺してみませんか?」


アンデルセン
「では、10時にお待ちしています」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、夜


「本当にありがとうございます……これで殺された息子たちも浮かばれます」

アンデルセン
「心中お察しします、依頼人さん」

「本当に、貴方のように殺しを頼んでくれるギルドは1つもなくて………感謝しきれません」

「それで、そのオオカミはどこに……」


アンデルセン
「感謝しきれない?………ええ、それはどうも、こちらこそ」



アンデルセン
「なぁ、ブタ野郎」


「!!!」



アンデルセン
「アンタの息子達のおかげで、豚肉があんなに美味いって知れたんだからなぁ!!!」

アンデルセンは豚の母親たちの目の前で徐に電気を付けて自身の姿を見せつける。

「ああ……ああああ!!?」


アンデルセン
「よう……オレだよ、悪い悪いオオカミさんだよ!!」

アンデルセン
「思わなかっただろ?お前と朝話していたギルドのボスが、お前の息子を食い殺した張本人なんてなァ!」

「おまえ………おまえ!!」


アンデルセン
「仕方ないだろ?あのブタ共が生意気に俺を、オオカミを殺そうとしてるんだぞ?」

アンデルセン
「オオカミが!!ブタに!!!負けるわけねェだろうが!!!!」

アンデルセン
「ああ……お前を見ているとあの時のアイツらの味を思い出す」

アンデルセン
「オレは料理は凝り性だからな、奴らを生きたままフライにしたり煮込んでやったり……」

アンデルセン
「そして、アンタの目の前で三男坊のミディアム・丸焼きステーキを食ってやった」

アンデルセン
「さぁ、ナイフか?ピストルか?待望のチャンスだぜ 殺 せ よ オ レ を ぉ !!!」


「よくも………よくも私の子供たちを!!」


豚の母親は包丁を出して腹部に突き刺すが………

ドスッ!!


「うっ」


アンデルセン
「痛くないね………今は人狼でマガイモノだから!!」

アンデルセンは腹に包丁が刺さっても諸共せず、首にダイヤモンド製の骨を突き刺す

アンデルセン
「豚を殺す時は必ず首って決めてんだ、内蔵も使うし割ってもいい骨は首ぐらいだからな………」


アンデルセン
「心配するなよ、オレは依頼人にはやさしいんだ、ちゃーんと息子達に会わせてやるよ」

ブシュウウウウウウ!!


…………

数日後、アンデルセンのシノギである豚の定食屋にて。

アンデルセンは厨房に出て料理人と話す


アンデルセン
「どうだ、様子は?」

「ええ、ボスが新しく持ってきたブツを入れたらラーメンの出汁がより一層良くなりましたよ」

アンデルセン
「だろうな、だからこそ用意した甲斐があった」

アンデルセンは豚骨が大量に入れられたスープを見てニヤリと笑う。
その内の1部は、まだ新しいように見えた。

アンデルセン
「………これでようやく再会できたんだ、親子水入らずでゆっくりと浸かっててくれよ?」

アンデルセン
「オレたちの養分としてな!!!」



「ハッハハハハハハハハ!!!」



ウィル・ファング・アンデルセン率いる殺し専門ギルド
【ダイヤモンド・ファング】

そのギルドはどこにあるのかも分からず………


そして、依頼した存在もまた命を落とす可能性が高い最も危険な場所である。


【依頼EX】
【complete】